人の言葉で言語化されたくない
──今回のリミックス楽曲中でも、特に気に入っている曲を挙げてもらえますか?
mikina:「ANSWER」は、初めて聴いたときに泣いちゃったぐらい好きです。Seihoさんが〈ExWHYZ TOUR 2023 'eLATION' part.2:with Special Guest Series〉のDJで、このリミックスを初めてかけてくださって。そこから、このアルバムができたんですけど、私の琴線に触れちゃって。壮大さを感じて、めっちゃ心が揺さぶられたんですよ。音の感じが凄いなと思って。オリジナルの方はオリジナルの方で、やったことない重低音でガツンって殴られる、沈み込む感じがあるんですけど、リミックスの方は、目から上の脳みそ全部開いたみたいな。目のむくみが取れたときの視界みたいな感じ(笑)。暗いところから光が差し込んでバーって広がった感じというか。初日の出を見て泣いちゃうみたいな感じかも。よくわかんないけど泣く、よくわかんないけど楽しいという感情。
──言葉にできないような体験というか。
mikina:この前、メトロンズ(しずる、ライス、サルゴリラ3組に、作家・演出家の中村元樹を加えた7人組の演劇チーム)さんの舞台を見に行ったんです。別に奇をてらったこととか面白い言葉を言ってるわけじゃなく、普通の言葉を話してるだけなのに、見る人が経験したものによって、面白いなと感じるところが必ずあって。整骨院の整体マッサージの人が出てきたんですけど、私、普段、めっちゃ整体に通っているので、見てるだけで面白くて。めっちゃあるある!ってことをやっている。その人にしかわからない微妙なめっちゃ細い糸で引っかけられたことをできるのって、めっちゃいいなと思ったんです。だって、同じコントでも違う目線で面白いなと思っている人もいるわけじゃないですか?

──たしかに観る人によって、おもしろかったり、引っかかるポイントは違いますよね。
mikina:そういうのがすごく楽しいなと思って。エンタメって、その人の人生によって面白いとか楽しいと感じる部分が違うのがいいなと私は思うんです。最近そういうのにハマっていて、あえて言語化しないのが良かったりするものもあるなって。先日、映画を見てめっちゃ泣いたんですけど、Filmarksのレビューを読んだあと、見なきゃよかったと思って。それは、人の言葉で言語化されたくないっていうか。自分だけの楽しいとか、面白いとか、泣けるとか、自分だけのものにしたいなって。そういう意味で、「ANSWER」は、そういう力がある曲だと思います。さっき、初日の出とか例えで言っちゃいましたけど、本当に人によって全然違うだろうし、多分全曲にそういうのがある。「D.Y.D」もそうですね。感覚でめっちゃ変わってくる。それがすごく好きなんですよね。自分の想定してなかった音が来たときがすごい嬉しくて。「D.Y.D」はそういうのがいっぱいあって、すごく好きな曲です。
──最後は新曲「Fleeting」でアルバムが終わります。リミックスだけに止まらず、新曲を入れてくるのがExWHYZらしくて格好いいですね。
mikina:普通、私たちのようなグループがリミックスを出そうって思わないじゃないですか。もちろん私たちは、自分たちの楽曲に自信はありますけど、ライブがあって、そこに来てくれるマスターの存在が大きいからできた曲だと私は勝手に解釈してます。最後にこの曲があるのは不自然じゃないなって思いますね。
──この曲があることがすごく『Dress to Kill』をうまく締めてくれているというか。
mikina:そうですね。やっぱり温かい気持ちは忘れちゃいけないなって常に思っています。

──3月からはSeihoさんを迎えたスプリットツアー〈'SeihoWHYZ'〉がスタートします。この記事が出る頃にはすでにライブをしていると思いますが、どんなツアーにしたいと思いますか?
mikina:『Dress to Kill』の曲達もセットリストに入れ込むと思うんですけど、やっぱりこれまでとは違うアプローチをしたいですね。ずっとやってきた曲に比べると、リミックスってライブ経験も少ないから操るのがすごく難しいんです。ただ、逆に自分でもまだ開拓できてない曲の力を借りて新しいことができたらいいなと思っていて。そのために、いろいろインプットしたいですね。同時に、これまで大事にしてきたものは、ずっと変えたくないし、さっきも言ったように人によって心に触れる部分も全く違うから、それを広げるためには、多くの種類をのレパートリーを増やしていけたらいいなと思いますね。
──Seihoさんから受ける刺激も多そうですね。
mikina:Seihoさんがいることによって思考が広がると思うんです。お客さんの心も柔らかくなると思うし。そこでまた生まれるものもやっぱりあるから無駄にしたくないですね。
──そして、5月から7月にかけて全国19都市、全20公演の〈ExWHYZ TOUR 2024 'Futura Free'〉が実施されます。どんなツアーにしたいと思っていますか?
mikina:去年も夏に長い期間ツアーをしたんですけど、そのツアーをしたことが大きかったんですよね。武道館の後だったし、めっちゃ暑い中で回って。考え方やライブのスタイルが自分の中でなんとなく定まってきたときに、いろんな挑戦をすることができた。暑いし、熱気やばいし、お客さんのエネルギーもすごくて。頭で考えるより体で感じることが主になって、ピンと来たものをすぐ返すみたいなやりとりがすごくいっぱいあったんですよ。それがいいなと思って。それでしか生まれないものをすごく感じた。マスターと修学旅行をいっぱいやってるみたい気持ちになったというか、そういうのもいい思い出になったんです。人生に刻み込まれている感じもあります。長い期間でのツアーはそういうことが起こるので、去年感じたスタイルは大事にしつつ、振り返ったときによかったなって思える経験をいっぱい用意できたらいいなって。一歩一歩謙虚に頑張ります!

編集 : 西田健, 草鹿立
『Dress to Kill』からの先行配信
LIVE INFORMATION
"SeihoWHYZ"
03.14(木) Spotify O-EAST [東京]
OPEN 18:00 / START 19:00
03.23(土) 味園ユニバース [大阪]
OPEN 17:00 / START 18:00
詳細はこちら
ExWHYZ TOUR 2024 'Futura Free'
05.04(土) UMEDA CLUB QUATTRO [大阪]
OPEN 15:00 / START 16:00
05.05(日) Takamatsu festhalle [香川]
OPEN 15:00 / START 16:00
05.11(土) NIIGATA LOTS [新潟]
OPEN 15:00 / START 16:00
05.18(土) LIVEHOUSE evoL [福岡]
OPEN 15:00 / START 16:00
05.19(日) CAPARVO HALL [鹿児島]
OPEN 15:30 / START 16:00
05.26(日) HEAVEN'S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2 [栃木]
OPEN 15:30 / START 16:00
05.31(金) HEAVEN'S ROCK SAITAMA SHINTOSHIN VJ-3 [埼玉]
OPEN 18:30 / START 19:00
06.02(日) PENNY LANE 24 [北海道]
OPEN 15:15 / START 16:00
06.08(土) 1000 CLUB [神奈川]
OPEN 15:00 / START 16:00
06.15(土) KYOTO MUSE [京都]
OPEN 15:30 / START 16:00
06.16(日) LiveHouse Hamamatsu Madowaku [静岡]
OPEN 15:30 / START 16:00
06.27(木) DIAMOND HALL [愛知]
OPEN 18:00 / START 19:00
06.29(土) club JOULE [大阪]
OPEN 15:00 / START 16:00
06.30(日) CRAZYMAMA KINGDOM [岡山]
OPEN 15:00 / START 16:00
07.06(土) EIGHT HALL [石川]
OPEN 15:15 / START 16:00
07.13(土) Morioka CLUB CHANGE WAVE [岩手]
OPEN 15:30 / START 16:00
07.14(日) Music Showa SESSION [山形]
OPEN 15:30 / START 16:00
07.15(月) Rensa [宮城]
OPEN 15:00 / START 16:00
07.28(日) mito LIGHT HOUSE [茨城]
OPEN 15:30 / START 16:00
07.31(水) Zepp Shinjuku [東京]
OPEN 18:00 / START 19:00
詳細はこちら
ExWHYZディスコグラフィー
過去の特集ページ
PROFILE : ExWHYZ
2022年6月に突如解散した『EMPiRE』のメンバー、yu-ki,mayu,midoriko,mikina,maho,nowの6名で結成されたグループ。
レーベルはUNIVERSAL MUISC / EMI Records。
2022年11月2日に、大沢伸一(MONDO GROSSO)、Denny White、Shin Sakiura、80KIDZなど国内外の様々なクリエイターが参加した1stアルバム「xYZ」をリリース。
2022年11月3日から2023年1月2日まで、全国ツアー「ExWHYZ First Tour”xYZ”」を開催し、ファイナルとなるZepp DiverCity公演で、活動休止していたmidorikoが活動再開し、6人での活動がスタート。
2023年3月1日に、全曲midorikoのVocalを追加収録し、新曲を加えた「xYZ[hYPER EDITION]」をリリース。
4月1日からは全国4都市にて「ExWHYZ TOUR 2023 xANADU」を開催。 4月19日に2ndアルバム「xANADU」のリリースと、ExWHYZ初の自主企画としてVJセットのExWHYZとBANDセットのBiSHの2マン「ExWHYZ presents"BiSHWHYZ"」を開催、5月13日には初の日本武道館単独公演「ExWHYZ LIVE at BUDOKAN the FIRST STEP」を開催した。
7月から9月にかけて全国19ヵ所20公演「ExWHYZ TOUR 2023 'eLATION' part.1: Live House Series」を開催中、さらに10月からはExWHYZの楽曲プロデュースに関わるアーティスト"Seiho"、"大沢伸一[MONDO GROSSO]"、"yahyel"をゲストに迎え、全国3都市を回るZeppツアー『ExWHYZ TOUR 2023 'eLATION' part.2:with Special Guest Series』を開催予定!