水曜日のカンパネラ激プッシュ、沖縄産ガラパゴス・ロック!!ーーcainoの完全録りおろし楽曲がハイレゾでOTOTOY上陸
こんなバンドが沖縄にいたのか!? そのビジュアルと沖縄というキーワードで測ってはならない3ピース・バンド、その名もcaino(カイノ)。2000年に沖縄で結成され、“歌”を根幹にあらゆるジャンルをポップで噛み砕くボーダーレス・ミュージック・バンドと名乗る彼らは、水曜日のカンパネラが沖縄ツアーで彼らを見いだしたことで、その存在が本州にも知られはじめている。5月6日には渋谷WWWにて2組の2マンが決まっており、このタイミングでOTOTOYでの配信も決定した。最新楽曲にして未発売の楽曲、そしてこの配信のために録りおろしてもらった楽曲の2曲をハイレゾで配信する。騙されたと思って、まずは聴いてみていただきたい。
caino、現体制1発目のシングル
caino / Parametric E.Q(24bit/48kHz)
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 200円
※ファイル形式について
※ハイレゾとは?
【Track List】
1. Parametric E.Q
完全録りおろし、最新楽曲をハイレゾで!!
caino / Landscape(24bit/48kHz)
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 200円
※ファイル形式について
※ハイレゾとは?
【Track List】
1. Fantasy Empire
15年の歳月が産み出したボーダーレス・ミュージック
cainoに出会ったのは、水曜日のカンパネラの全国ツアーで沖縄に行ったときのこと。対バン相手として出演していた彼らは、水カンの「義経」をcainoならではのアレンジでカヴァー、演奏してみせた。驚くことに、それはZAZEN BOYSを思い起こさせるような緻密なアンサンブル、凛として時雨の遺伝子を感じるようなハイトーン・ヴォーカル、そしてどこか懐かしさが漂うバンド・サウンドによって成り立っていた。沖縄在住のバンドで、内省的ないわゆるJロックをやっている人たちがいることを僕はまったく知らなかった。なおかつ、彼らは結成15年のバンドでありながら、愛嬌のある見た目と大衆性を持った楽曲を意図して作ろうとしている。それにビックリさせられないわけにはいかなかった。
彼らは自分たちのことを「“歌”を根幹にあらゆるジャンルをポップで噛み砕くボーダーレス・ミュージック・バンド」と説明している。実際、楽曲の中心にあるのは高良豊のハイトーン・ヴォイスによる“歌”。そして、水曜日のカンパネラのようなテックハウス調エレクトロ・サウンドでさえ、彼らの“ポップ”というフィルターでアレンジしてしまう応用力と演奏力である。おもしろいのは、その調理の仕方で、四つ打ちだったり、BPM170越えの楽曲だったり、いま主流の要素が少ないことだ。むしろ、そこに息づいているのは2000年代のエモだったり、残響レコードのアーティストたちの影響を感じさせるポスト・ロックといったもの。そう言ってしまったほうがしっくりくる。沖縄という土壌が、よき意味で競争や強制を与えることなく、じっくりcainoのスタイルを形づくっていったといえるだろう。
そんなcainoのライヴをたまたま見て、そのヴォーカルとアレンジ力に舌を巻いた筆者は、すぐに2014年7月6日に発売された1st album『caino』を購入した。東京に戻って聴いてみたら、そのギャップにビックリしてしまった。失礼な言い方ではあるが、形は整っているものの、魂が入っていないように感じてしまったのだ。あのビビッドな楽曲はどこに行ってしまったのか、と。その感想を率直に高良にメールしてみると、これまでの15年分のなかで溜めてきたものをひとつ形にしたこともあり、現在の自分たちはもっと先に行っているという返答が返ってきた。
それだったら、今のcainoを詰め込んだ楽曲を作ってほしい。そういうお願いをして、制作、完成した楽曲が「Parametric E.Q」である。僕よりもはるか前に彼らの楽曲に惚れ込んでいた水カンのMVでお馴染みの映像監督・藤代雄一朗は、この曲のMVを撮影するためだけに沖縄まで飛んで映像制作をした。そうして完成したMVは、cainoの音楽性だけでなく、人間的魅力も捉えているので、ぜひ観ていただきたい。まさに名刺代わりのMVである。
そして、それに続く最新曲「Landscape」が届いた。再生してみてビックリした。あまりにエモーショナルで、いまの流行りとは遠いけれど、その音色と歌声に心を掴まれる名曲である。cainoに誰よりも早く注目し、その存在を教えてくれた水曜日のカンパネラのコムアイに聴いてもらったところ、「いまこんなロックやってる人いないよね(笑)!! ガラパゴスが産んだ突然変異だよね」と、やや興奮気味にその印象を教えてくれた。
5月6日には、渋谷WWWにて水曜日のカンパネラとの2マンが決定している。果たして、cainoは東京でどのように受け止められるのか? それがとても楽しみである。まずは、今回OTOTOYで配信されるcainoの“現在”が込められた2曲を聴いて、その真価を確かめてみていただきたい。そして、東京での晴れの舞台に足を運んでみていただけたら嬉しく思う。(text by 西澤裕郎)
LIVE SCHEDULE
水曜日の視聴覚室 vol.3
2015年5月6日(祝・水)@渋谷WWW
時間 : OPEN 18:00 / START 18:30
料金 : 前売¥3,000 / 当日未定(※ドリンク代別)
出演 : caino × VJ Yu Ishikawa(from 沖縄) / 水曜日のカンパネラ × VJ 中山晃子
チケット : 一般発売日 3月25日(水)
ローソン(Lコード : 76734)
ぴあ(Pコード : 258-816)
RECOMMEND
水曜日のカンパネラ / トライアスロン(24bit/48kHz)
水曜日のカンパネラの2015年初EP『トライアスロン』が完成。トライアスロンよろしく、おなじみのサウンド・プロデューサーkenmochi hidefumiに加え、OBKR、オオルタイチがサウンド・プロデュース。OTOTOYではハイレゾで配信中。
2011年の初頭にデモ制作を開始し、メンバーによる永遠に終わらないマツリ・セッションを経て、2012年初頭より本格的レコーディングを開始したという本作は、これまで以上に研ぎ澄まされた作品へ昇華。作詞作曲、録音、ミックス、ジャケット、PV撮影編集など、マスタリングを除く全ての制作作業を向井秀徳がマツリスタジオにて行い、 70年代より数々の名作を手がけたUKの巨匠エンジニア、Kevin Metcalfe(The soundmasters)が、マスタリングおよびアナログ・カッティングを担当。ZAZEN BOYSの新たな名作がここに誕生!!
オストアンデル解散後、拠点を沖縄から東京へ移し、独自のペースで活動してきたyukaDが、自主レーベル"yukaD-label"より2ndアルバム『yukaD in the house』をリリース!! 曽我部恵一主宰のROSE RECORDSからリリースされた1stアルバム『Exhibition』とは打って変わって、ほぼ生演奏による作品となった本作は「シンプルでポップなアルバムにしたい」と仲間に声をかけて制作された懐の深い作品。
PROFILE
caino
2000年沖縄で結成。
高良豊(Gt&Vo)、兼島紳(Dr&Cho)、田盛安一(Ba&Cho)からなる“歌”を根幹にあらゆるジャンルをポップで噛み砕くボーダーレス・ミュージック・バンド。9mm Parabellum Bullet、→Pia-no-jaC←、Negicco等の来沖の際にサポート・アクトを務める。自主制作にて『I KNOW』『例えば晴れた日の朝に』の2枚のEPを発売。2014年7月6日に1st album『caino』を発売。