真剣に遊ぶ”ことに込めた意志とは?ーーインデペンデントな活動を続ける33RECORD、yukino、田畑猛、KINUへインタヴュー

33週連続で音源をリリースする企画「Biff Sound」が3ヶ月目に突入した。はやくも今週で10作目となるが、そのクオリティは落ちるどころか、より実験的なものになってきている。それは「Ice Cream Studio」に集うメンバーの息が一層合わさってきたこと、普段交わらないゲストが入ることによった化学反応、そして新しい音楽を作ろうという意欲がそうさせていることに違いない。今回もまた例のごとく、浦安の外れにあるスタジオに足を運び、話を聞いた。
今回話を聞くことができたのは、以下の3名。kaninaのボーカル、キーボード、プログラミングを務めるYukino。AARHNND(あ、あれはなんだ)にて10countとして活動中の田畑猛。そして、レゲエからアコースティック、ジプシー・パンクまで幅広く活躍するシンガー、KINU。これまでと同様、アーティスト同士の繋がりから、このスタジオに足を踏み入れた3人である。アーティスト同士がなにもない状態でレコーディングセッションを行うという緊張感、それ以上に信頼しあっているからこそ生まれるサウンド。それが生まれるバックグラウンド、そしてこの場所の楽しさを存分に語ってもらった。(text by スカムライター西澤くん)
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第13弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #013
※まとめ購入のみ
HQD / mp3 : 240円
【収録曲】
1. bowling tune feat.Alex Martin (BUZZ SQUAD)
2. young blood (小此木 卓郎)
3. hi (KINU)
4. apocalypse now meets BUZZ SQUAD (JINYA)
5. hang (Constructions)
Biff Sound Session 「apocalypse now / BUZZ SQUADBiff Sound Session 「apocalypse now / BUZZ SQUAD
33RECORDのセレクション作品第2弾「Biff Sound Selection 02」全11曲を無料配信中!
33RECORD / Biff Sound Selection 02
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / mp3 : 0円
【収録曲】
1. eight (harmonious)
2. 1×100 feat.sheeps (soap)
3. fox (根岸たくみ)
4. 90's mind on the loops (DJ CLAMP5 a.k.a. wa5hei)
5. CM (Sone)
6. Little April (Last Ten Enemies)
7. fisherman's delight (Yukino)
8. slowly blow wind 33ver.(in pillow-) (mal da kid)
9. Picture One (Troy Kimura)
10. tear (Hiroko Arakaki)
11. ordinary (Constructions)
Artwork by Hikaru Tanaka
Mastering by sleepy it
Mix by Yawn of sleepy
倉庫を改造したスタジオ「Ice Cream Studio」でセッション&レコーディングした音源を33週間ノンストップでリリースする、33RECORDによる企画『Biff Sound』。同企画から、第2弾となるセレクション作品が登場。第1弾に続き、今回もフリー・ダウンロードでお届け!! 毎週の配信を「週刊少年ジャンプ」に例えるならば、本作品は単行本第2巻の様な存在といえよう。4月にリリースされたシリーズ第11弾までのパッケージのなかから、選りすぐりの11曲を収録。33RECORDから届いた様々なアーティストの個性がぶつかり合うことで生まれた記録たちを、この機会にそっと共有していただきたい。なお、今回の配信に併せてmore recordsの奈良輝臣氏よりコメントが寄せられている。そちらも併せて読んでいただきたい。
奈良 輝臣によるライナーノート
倉庫を利用した「Ice Cream Studio」に音楽好きな人々が集い、 そこで生まれた音源を週に渡って毎週リリースするという前代未聞の手法で「33RECORD」はスタートを切った。
その音源はあらかじめ用意されたものではなく、「Ice Cream Studio」に招かれた音楽家はもちろん、 音楽に関しては全くの素人からも新しい「何か」を抽出し、偶発性と即興性をもって作られたものだというから驚きだ。
おそらく参加した人たちも想像がつかなかったサウンドになっているに違いない。 かといって、すぐに壊れそうな、つぎはぎだらけのものではなく、 あたかも錬金術によって新しいエレメントを生成したような、がっしりとしたサウンドが生まれているのだ。
そしてそれは、優れた編集感覚によって、前衛性と実験性を持ちながらも、 聴き手を突き放すような音にはならず、素晴らしい仕上がりとなっている。
おそらくそれは「音を楽しむ」という音楽の本質が現れているからだ。 この多様的かつ多層的に入り組んだ時代に、本質を提示するのは簡単なことではない。
それをやってのける「33RECORD」の魔法は、靄がかかったように見えづらくなっていた 「音楽の本来の姿」を音楽家や聴き手に現してくれるはずだ。
そして、閉塞した音楽業界、音楽に携わる人達、そして聴き手を解放する!
奈良 輝臣(more records)
more records
大宮にある、音楽に出会えるコミュニティCDショップ「more records」。
新旧問わず良質な「音楽」を取り扱っており、店内に有るCDは全て試聴可能。
みなさまに「音楽」の出会いを!!
〒330-0845
埼玉県さいたま市大宮区仲町2-63 金澤ビル2F
12:00~22:00(水曜定休)
http://morerecords.jp
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第12弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #012
※まとめ購入のみ
HQD / mp3 : 240円
【収録曲】
1. faster (田中光)
2. 3rd Noise Product (LZ129)
3. a.o. (10)
Biff Sound Session 「HONOGURAI SOKO / 10(AARHNND)Biff Sound Session 「HONOGURAI SOKO / 10(AARHNND)
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第11弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #011
※まとめ購入のみ
HQD / mp3 : 240円
【収録曲】
1. tidal (Constructions)
2. ss (Alan Premselaar)
3. Cosmo (Sone)
4. one-woman-man (pius)
5. funny electricity (soap)
Biff Sound Session 「Yellow & Green / Alan PremselaarBiff Sound Session 「Yellow & Green / Alan Premselaar
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第10弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #010
※まとめ購入のみ
HQD / mp3 : 240円
【収録曲】
1. Picture One (Troy Kimura)
2. Dian (KINU)
3. cyndi (harmonious)
4. fisherman's delight (Yukino)
5. JG (Constructions)
Biff Sound Session 「fisherman's delight / YukinoBiff Sound Session 「fisherman's delight / Yukino
「Ice Cream Studio」でレコーディングセッションしたい人を募集
浦安某所にある秘密基地のようなスタジオ「Ice Cream Studio」で、レコーディングセッションをしてみたいという方を募集いたします!! ご希望の方は、タイトルを「Ice Cream Studio・レコーディングセッション希望」にしていただき、以下アドレスまで、氏名・住所・年齢・楽器パートを記載いただきお送りください。折り返し、33RECORDスタッフより、ご連絡させていただきます。(※応募多数の場合、全員にお返事できない可能性がございます。あらかじめご了承ください)。ご応募お待ちしております!!
応募先 : info@ototoy.jp
応募期限 : 2014年5月31日まで
INTERVIEW : yukino、田畑猛、KINU
ーーみなさんは、いつからIce Cream Studioに来るようになったんですか?
yukino : 初めて来たのは、2014年1月の真ん中くらいかな。「一緒に遊ぼうぜ」って誘われてから、毎週遊びに来る感じになってます(笑)。
田畑猛(以下、田畑) : あんまり覚えてないけど、2013年11月頃だったかな。僕がやっている「AARHNND(あ、あれはなんだ)」ってバンドの7インチを出したとき、「自分で届けにいきます」っていう宣伝をしていたんですけど、「じゃあウチにも届けてください」って連絡があって。そこからちょいちょい来るようになりました。
KINU : 私はちょうど1年くらい前に、お友達のラッパーの子にノリで連れて来てもらって。倉庫に連れられてきたから、なにされるのかって…。
一同 : (笑)。
KINU : しかも奥地だから、超ドキドキしてて。そしたら、機材がばっちりセットされているマニアックな空間が広がっていて。そこで早速トラックを聴かされて、「せーので録っちゃおうか」みたいな感じで歌いました。
ーーそれ以降、「これは、いつもと違う体験だったな」ってレコーディングはありましたか?
KINU : 私、WRENCHがすごく好きで。以前やっていたバンドで、前々座ぐらいのポジションでやらせてもらったこともあるんですけど、話し掛けることすらできなくて。で、その方がここに来るって言う連絡をきいたんです。そのときに、なぜに!? と思って。

ーー(笑)。
KINU : これはもう、「ファンの一人として来たい」と思って。もはや神みたいな存在だから。そう、「神とは会っちゃいけないのに!」と思って。
一同 : (爆笑)。
KINU : だからその日は、ここに来るまで本当にもうヤバくて。案の定、会った瞬間、なにもしゃべれなくて。
yukino : でもほら、KINUちゃんがその場で録った曲が一曲あってね。MUROCHINさんが「これ俺、太鼓叩きたいな」って言ってくれて。
KINU : そうなんですよ。そういう奇跡も生まれたりするんです。その後に、JINYAさんのトラックのうえでMUROCHINさんが演奏したんですけど、そこに作ったメロディと歌詞をYawnさんがアレンジして、神様がそれを歌ってくれたんですよ。それを見たときに、「もういいわ」と思って。
一同 : (爆笑)。
ーー(笑)。お2人もそういうことってありますか? ビックリしたレコーディングセッションというか。
田畑 : 僕は小説家の友だちを連れてきたんですよ。
yukino : あ! 先生だ!?
田畑 : ラーメン仲間なんですけど小説家を目指してる人がいて。「遊びに行こうよ」って、なにも言わずにつれてきちゃって。その人は本当に音楽はなにもやらないんだけど、その場でコーラスをお願いして。そこで、ヘッドホンしながら歌ってる姿見てたら、なんか「あ、これってすごいことだな」って思いましたね。
yukino : 先生、ブルブルしながら朗読してましたからね。
田畑 : でもそれが作品になって喜んでくれてる方の反応を見てると、ジャンルはあまり関係ないなって思ったんですよね。音で遊ぶことって、なにが職業で、どんなポリシーを持っていても、共通して喜んでもらえることなんじゃないかと思って。見たときにそれを確信したというか。
ーー先生ご本人はなにか言ってました?
田畑 : いやあ、めちゃめちゃ「ロックンロールがここにある」みたいなことは言ってました。
一同 : (爆笑)。
田畑 : いろいろな人間がここに集まってくることって「全然いいじゃん」と思って。ただ、ここでやってることがわかる人っていうのは前提にあるのかな。
ーーここでやっていることがわかるっていうのは?
田畑 : 音楽そのものに対して、固定観念を持ってない人のほうがいいのかなと。ある程度「音楽ってこういうふうに作らなきゃいけない」ってことを思っている人は、逆に難しいんじゃないかな。もしかしたら、おもしろさがわからないかもしれない。そこに対してなにも思ってない人は、素直に受け入れてくれるんじゃないかなとは思いますけどね。
ーーなるほど。
yukino : あと、普段絶対一緒にステージにあがることがないタイプのアーティストの方と、レコーディングセッションとかいろいろなことができるっていうのは新鮮だなと思って。JINYAさんもそうですし、(田中)光君とか、スクラッチとかラップとかの方とは絶対にバンドじゃやることがないんですよ。だから、そういう人たちの音楽とか、スタイルとか、技術を、目の当たりにできるのが新鮮だなって。「こういうのもあるのか、すげーな」っていうのは、楽しいですね。
自分にできることをやればいろんな人の手を経て形になっていくから
ーー普段のバンド活動とかでは、そういう体験はなかなかないですもんね。
yukino : どうしても近いジャンルだったりシーンの人が集まるじゃないですか。そうなると、似たようなものの中で「すごい」とか「すごくないな」とかになっちゃって。でもここにはタイプが違う人が集まってるから、そういう意味で刺激的ですよね。私は、普段ラップとか聴かないですし、クラブもあんまり行かないですから。そういう音楽に対してあまり耳がない状態から、ここで初めて生で聴く体験を経て「いいな」っていうのが、やっぱ新鮮ですね。
ーーさっきおっしゃっていた小説家の方だったり、僕みたいな素人が入ってくるっていうのも、普段とは違うことが起こったりする可能性もありますしね。それって、アーティストの方にとっても新しい体験になるのかもしれないですね。
田畑 : ここでは、知名度とか、ジャンルだとか、スタイルだとか、なにも関係なくなるんですよね。そこは他のスタジオと一番違うところで。っていうか、スタジオと比べるのもなんか違うんだよな。
yukino : スタジオっていう名前はついているけど、スタジオじゃないんですよね。
田畑 : 呼び方がないだけで、そういうことができる場所って、他にないかなとは思いますよ。
yukino : スタジオでもなければ、ライヴハウスでもなければ、ラボ的な感じですかね? 実験室。

ーーまさに、ジャンルもプロ・アマも関係なく、いろんなタイプの方が集まってくるわけじゃないですか。その中で自分らしさを出していくって相当大変なんじゃないですか。
yukino : いや、そこは無理する必要はないんですよ。自分にできることをやれば、それがミックスだったりマスタリングだったり、いろんな人の手を経て形になっていくから。
ーー確かに、JINYAさんやYawnさんのダブ・ミックスだったり編集が入ることで、かなり色が変わっておもしろみが深くなりますもんね。そういういろんな人がかかわることによって、自分の長所というか、こういうことできるんだなって気がついたこととかはありますか?
田畑 : それは逆に「できなくていいんだ」って思ったことですね。
ーーどういうことですか?
田畑 : 「こんだけしかできないけど形にしてくれるんだ」っていう安心感があるんですよ。僕なんか、太鼓のキャリアだって1年くらいしかないんですよ。そんな自分でも、こんなことをやったら、こんなものが生まれるんだっていう発見があって。なにかができなきゃいけないだとか、改めて自分の長所を発見するっていうよりは、出来上がった作品をそのまま楽しむだけだったりするんです。だから、発見というか、改めて「みんなすごいな」って思っちゃったっていう(笑)。
yukino : たしかに、私自分の長所っていうよりは、アイデアを収集できる場所って感じですね。「こういうやり方あるんや」とか「こういうミックスができるんだ」とか。あとやり方ですよね。「こんな無茶ぶりしてもいいんや」って。「じゃあ、ちょっと無茶ぶり誰かにしてみようかな」とか考えられるようになるし。そういうアイデアとか、やり方を収集するする場所になってますね。
遊びだから、広がると思うんですよ
ーーそうやってできた楽曲が、毎週にわたり配信されていくわけじゃないですか。楽曲が世の中に発信することで、なにかしらの期待ってあったりしますか?
yukino : これは私の意見ですけど、この33週連続リリースっていうすごい頭の悪いことをやろうとしてることに対して「すげーだろ」っていうのはありますね。「まだ誰もやったことがないんじゃない?これ」っていうところで、楽曲単体で「この曲いいや」とか「この曲ダメだわ」っていうのじゃなくて、この企画もろともで「あいつら、すごいな」っていうのは、「ちょっとみんな、知った方がいいんじゃないの?」っていう気持ちはありますね。
田畑 : 僕は期待っていうのとはまた違って、この場所でリアルに起こってることが、その時点でピークなんですよ。だからそれ以降のことが、それを上回ることっていうのは、そんなに期待してないんです。そのときに出来上がったもの、しかも全部ミックスされていないものを、「じゃあ、これ聴いてみようぜ」って言って聴く、その瞬間を収めるまでがリアルタイムなんで。それ以降に起こるリアクションがすごく大きくなったとしたら、それはそれですごい嬉しいのかもしれないけど。それとは別に、そのときその場にいた俺たちが一番楽しかったっていうほうが重要かなって。
ーーまずはここで起こっていることだと。
田畑 : そうなのかなとは思ってます。僕はね。
ーーKINUさんは、どうですか?
KINU : そうですね。私は週末ちょろっと遊びに来て録らしてもらってるって感じなので、レコーディング以外のそういう作業に携われてないというか。みなさん、すごいなあと思っていて。自分はなにもできてないんですけど…。申し訳ないです。
一同 : (笑)。
KINU : お酒を持って来て、そのまま飲んで、録って、「お疲れ様でした」みたいな。そういう楽しみでしか関われてないから(笑)。
田畑 : 大丈夫よ。KINUちゃん、歌最高だから。
KINU : あの… だから、そこまで期待とかそういうこととかは、よくわからないですね。でもいい感じにアウトプットして、どんどんできたらいいんじゃないかなと思います。

ーーそれぞれ期待することや関わり方は違うけれど、この場で起こることが起点になるってところでは共通していますよね。
yukino : もちろん、作り込まれた企画だったり戦略のある人たちに対しては、すごく太々しいやり方を見せつけたい気持ちはあります。これは、個人の意見ですけどね。だから、いまやってることを中心に、自分たちの存在アピールして、しっかり存在し続けられれば。そのあとに、周りから「33RECORDのみんなってこれだよね」って評価をもらったら、更に広がりを持っていけるんじゃないかなと思うんですよ。だから、いまさえ楽しければいいかってやってるかと思うと、実はそんなんじゃなくて。っていうのは、ちょっと伝えたいな。長い目でこらえていくし、アピールもしていきますよ。
田畑 : でも僕はいまのままでもいいんじゃないかなって思っちゃうんだけど。焦ることはないかなって(笑)。
yukino : でもやっぱ欲はあるから。「こんなもんじゃないねんで」って。
田畑 : 例えば、一週間後のことと10年後っていうのは重要だけど、その間の中長期って、ぶっちゃけどうでもいいかなって思ってて。いまやってるこの遊びがずっと続いて、日本中とか世界中でこういうことが起こってるんだって広まっていったとき、その起源がたまたまここだったってなると思うんですよね。そういうことになったら、世の中もっとおもしろくなるんじゃねえかっていうビジョンを持ったうえで、来週どうしようかっていう遊びを、ずっと考えていけばいいんじゃないかなと。
yukino : そうそう、まさにそう。田畑さん、流石ですね。
田畑 : いやいやいや! だって俺、それしか考えられないもん。5年後とか3年後とか、タイムスケジュールがなかなか決められない人だから。逆に。決めれる人は決めたりするんだろうけど、俺はやっぱ遊びだと思ってるんで。でないと、真剣にできないというか。
yukino : 真剣に遊んでる。
田畑 : そうそうそうそう(笑)。
yukino : 歳とって、じいさんばあさんになってからも楽しめるしね。「あん時、あれ録ったね」みたいな(笑)。
一同 : (笑)。
ーーさっきのKINUさんの神が現れたように、みなさんそれぞれの神も降臨したりしてね。
田畑 : 俺の神はデンマーク辺にいるんだけど。
一同 : (笑)。
yukino : デンマークかあ。
田畑 : 例えば、来日とかじゃなくても、東名阪でもいいですし、九州、北海道、それから東北でもいいんだけども、多分やりたい人はいると思うんですよ。語弊があるかもしれないけど、遊びを体験してもらって「うちでもこういうことやりたい」って思って、帰ってもらうっていうか。それが大事かなと思っていて。遊びだから、広がると思うんですよ、勝手に。そこに期待感だとか、「これで一山当ててやろう」とか、そういうことを持ち込んじゃうと続かないかなと、俺は思っちゃうんで。俺は元々出身が大阪だから、もし大阪に帰ることがあったら、こういうことやりたいなとは思うし。こういう音楽を用いたスタイルで遊びがどんどん広がって行くんだったら、それはここをやってる意味があるんじゃないかなとかも思っています。最後の最後で、あんまりまとめられなかったな。
一同 : (笑)。
『Biff Sound』第1弾〜第9弾ラインナップ
>>Ryo Takezawa、Alex Martin、Mike Hannahへのインタビューはこちら
>>『Biff Sound』スタート時のインタビューはこちら
PROFILE
33RECORD
ice cream studioに集う作品をお届けする不確定的コミュニティ・レーベル。3月3日より33週連続配信企画スタート! 初回の所属アーティストとして発表されたアーティストは、Lee "Scratch" Perry、Adrian Sherwoodとも共演した経歴を持ち、ドイツの老舗DUBレーベル<ECHO BEACH>などからも称賛を集める“E.D.O. ECHO SOUNDSYSTEM”のJINYA、 90年代インディー・ミュージック・シーンを牽引したUK PROJECTの雄、<SECRET GOLD FISH>の長塚大地擁する“sundelay”、フリー・スタイル・ラップ・バトル<UMB 2012>CHIBA CHAMPION “田中光”、昨年待望の復活を果たした<downy>のギタリスト青木裕や<カヒミ・カリィ>との共作の発表でも話題を集める“hydrant house purport rife on sleepy”など、既にとても多種多様。
Yukino
kaninaのボーカル、キーボード、プログラミングを務める。 MVやジャケット、Webサイトなど、アートワーク全般も手がけており、 楽曲の世界観をトータルで表現するコンポーザー。 ソロ活動や他アーティストとのコラボレーションなど、作品も多数。 33RECORDでは楽曲への参加はもちろん、MVのディレクションや撮影でも活躍している。
田畑猛
AARHNND(あ、あれはなんだ)にて10countとして活動中。 2012年10月結成。バンド名は日本語のあいうえお順でもアルファベット順でも いちばん上に来るものにしよう、ということで決定。 その他にもthe cisumやMorasでの音楽活動、レコードSHOP元店長の経験と 豊富な知識量から海外アーティストのライナーノーツなどにも寄稿している。 33RECORD初のセレクション作品「Biff Sound Selection 01」においても 作品のレビューをototoyのサイト上に掲載している。
KINU
レゲエからアコースティック、ジプシーパンクまで幅広く活躍するシンガー。 在籍していたラテン・パンク・バンド”MASTARICA”では FUJI ROCK FESTIVAL’08のgypsy avalon出演経験を持つ。 数々のトラック・メーカーやバンドへボーカル提供する他、 ギターリスト関勇太とのduo”ナミギワ”や”KINU”としてソロでも活動中。