曲ができるまでの過程、全部明かします!!ーーSAWAとTomgggによる「シャボン・タイムマシン」解体新書
SAWAの新曲「シャボン・タイムマシン」が5月24日(水)よりOTOTOY独占でハイレゾ配信開始。同曲は、Hauptharmonieの結成1周年ワンマン・コンサートの限定シングルとしてSAWAが作曲・編曲し提供した「Searching,Afraid,Wandering,Acutes」のセルフカバーで、リアレンジのサウンド・プロデューサーとしてTomgggが参加。ドリーミーなキラキラワールドがSAWAの声と出会い、新たな楽曲として生まれ変わっている。5月27日に上野恩賜公園で行われるSAWA主催のイベント〈サワソニ25〉で本曲を初披露、会場限定シングルとしても発売する。本作のリリースに伴い、SAWAとTomgggの対談を敢行。「シャボン・タイムマシン」がどのように完成したか、実際のデモ音源とともに丸裸にする!!
サウンド・プロデュースにTomgggを迎えたSAWAの新曲を先行ハイレゾ配信
SAWA / シャボン・タイムマシン
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC 単曲 278円(税込)
【Track List】
1. シャボン・タイムマシン
5月24日(水)より配信スタート
INTERVIEW : SAWA × Tomggg
SAWA恒例のセルフカバー・シリーズ、今回はHauptharmonie結成1周年ワンマン・コンサートの限定シングルとなった「Searching,Afraid,Wandering,Acutes」を新たに作詞・編曲し「シャボン・タイムマシン」となって生まれ変わった。この楽曲の制作にあたり、サウンド・プロデュースを勤めたのが、自身のSoundCloudや〈Maltine Records〉など、まさにインターネット・フィールドで徐々に知名度を上げ、めくるめく展開ときらびやかな電子音によるポップ・エレクトロを展開するTomgggだ。
基本的にメールやLINEを使いながら何度も往復してアレンジを重ね完成した本作は、魔法がかかったかのような大きな変化を見せたという。確かに「シャボン・タイムマシン」はキラキラしたポップ・ミュージックで心地いい。しかしせっかくだから、どうやってアレンジを行い変化したのかを知りたいじゃないか!! そこでSAWAとTomgggに、本作ができるまでを詳細に語ってもらうことにした。しかも実際のデモ音源も試聴可能!! ぜひ、記事内に埋め込まれたデモ音源を再生しながらお楽しみください。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希
2人の出会いと制作にいたる経緯
ーー今回、SAWAさんとTomggg(以下、グググ)さんが一緒に楽曲制作をすることになったきっかけはなんだったんでしょう?
SAWA : もともとグググさんのお名前は知っていたんですけど、渋谷Lounge NEOでDJを観たときに「あれが噂のグググさんだ!」と思って「なにかやりたいです」って話しかけたのがきっかけです(笑)。
Tomggg(以下、グググ) : 僕も別案件でアイドル・イベントに出させてもらったときにSAWAさんをお見かけしてTwitterもフォローしていたんです。めちゃくちゃ現場活動が多いなと思って見ていて。僕はどちらかというと引きこもりの方なので(笑)。
ーー2人とも音大を出ているんですよね?
SAWA : いやいや! 私はただ単にヴァイオリンを10年くらいやっていて、弦楽団に入ってたくらいですよ。大学は英語科の教員をとる学科だったし、教師時代も英語科だったので。音楽系だと思われがちですけどまったく関係ないんです。
ーーそうだったんですね、失礼しました。グググさんは、国立音楽大学を卒業されていますよね? どのような経緯で現在の活動スタイルになったんでしょう。
グググ : 僕は音大で現代音楽というか、もっと尖った音楽の作曲をしていたんですけど、大学を卒業した後に作品を発表する場がなくて。自分の中で、もっとわかりやすい音楽を作って広めていきたいと思っていたので、ポップな音楽のほうに舵をきっていったんです。最初は発表するにあたってどういう媒体がいいのかわからなかったので、ネット・レーベル界隈に遊びにいったりする中で関係を作っていきました。やっぱり人に聴いてもらいたいし、僕の場合はもっと人を驚かせたいっていう気持ちが強いんですよね。
SAWA : たしかにグググさんの音には、人に聴いてもらうんだって考えが乗っているのがわかるというか。やろうと思えばコアなこととかマニアックなこともできるんだろうけど、あえてポップに変換して作っているなと思ったんですよ。私は最近セルフ・カヴァーをやっていっているので、「このタイミングで全然違うものにしよう!!」と思って、思い切ってグググさんをお招きしたんです。
「シャボン・タイムマシン」ができるまで 前編
ーー今回の特集では、SAWAさんがグググさんにオファーしてから楽曲が完成するまでの8つのトラックを聴きながら、どのように楽曲が変化していったかを聞かせていただこうと思います。お互いが制作のやりとりをする中で、少しずつ楽曲が変化を繰り返しながら進んでいくんですけど、これはSAWAさんにとってはスタンダードな楽曲制作の方法なんでしょうか?
SAWA : 私はこのやりかたは2回目なんです。前回はRIKEさんと「ワナビア罠」っていう楽曲を作ったんですけど、そのときもわりと共作でRIKEさんのトラックにサビメロをつけていったりとかそんな感じでした。今回もこうしたいってことを突っ込んで、やりとりをしていきました。
グググ : 僕はトラック・メイカーと共作することは何回かあるんですけど、今回はどっちかというと、最初にうけたイメージがリミックスしようっていう気持ちだったので歌と素材をもらって作っていって、ある程度まとまったところでSAWAさんに投げて聴いてもらいつつ、膨らましていきました。
ーーまずこれが、スタート地点の音源になります。SAWAさんは楽曲制作にあたり、グググさんに何かしらリクエストはされたんですか?
2人による制作コメント
SAWA : Hauptharmonieに提供したときのアレンジ。ちょっと“いなたい”洗練されていないけどドリーミーさはあったかな。
Tomggg : メロディとコードは美しいな~と思ってて、もっとビートを跳ねさせたいなと感じ始めました。
SAWA : 最初、何も言っていないですよね?
グググ : 「この日までにちょっとやってみてください」っていうノリで音源が送られてきたんです(笑)。最初聴いたときは、エレクトロ・ポップというかストレートな感じだったので、ひねくれたアレンジにしようって気持ちでやりました。あと、ヴォーカルの厚みがすごいっていうか、めちゃめちゃやばいなと思って(笑)。
SAWA : 素材が多いんですよ。
グググ : そう。ヴォーカル・データだけでもすごくあって。こりゃすげえわ!! って、そこに感動して(笑)。
ーーヴォーカル・トラックだけで、どれくらいあるんですか。
SAWA : メイン、ダブル、ハモ1、ハモ2みたいな。
グググ : しかもハモが4つか5つくらいあって、ダブルもあってみたいな感じでとにかく分厚かったんです。僕は、音を足し算する方法でアレンジを考えがちなので、こりゃすごいことになっちゃうなと思って(笑)。過剰な状態で始まるなと思いつつ、いろいろ試していきました。
ーーグググさんはトラックの引き算をしようとしなかったんですか?
グググ : 足し算でした(笑)。さらに分厚い音をいかに鳴らすかって感じで(笑)。
ーーあははは。グググさんが最初にアレンジした楽曲が以下です。
2人による制作コメント
SAWA : 全体をがっつり変更。リズムだけでなくコードや細かいところまでにわたっている! すごい、これがTomgggなんだ。
Tomggg : 制作に入る時とりあえず鍵盤弾くのですが、コードもかっこよくしたいなと思ってこうなりました!
ーーグググさんは、どういう部分を強化しようと思ってアレンジしたんでしょう。
グググ : ずっと分厚いだけだと重たいので、ビートだけで組んでいってサビに向かうにつれて音がどんどん増えていくようにしました。あと、サビでめっちゃステレオ感を出すみたいな感じで、空間的な部分にも気を遣いながらやってみました。
ーー実際に聴いてみると1番わかりやすい変化をしているのは、この音源です。でも緩急が加わっているから、音の厚みっていうのはそこまで感じませんよね。
SAWA : そう! いい意味ですっきりしていますよね。
グググ : いろんな部分でユニゾンをやっているんですよ。サブのメロディがあったら、そのメロディをいろんな楽器で弾いている、そういう意味での足し算をしています。メインのビートにプラスして別のパーカッションを足すってことも結構やっていて。僕の中ではそういう足し算をやっていきました。
ーーそれによってトラック数も増えたんじゃないですか?
グググ : そうですね。僕、いつも作ると100とかいっちゃうんです(笑)。
SAWA : えーーーーー!! 全然そうは聴こえない!!
ーーグググさんのアレンジが加わり、イントロも加わっていきます。
2人による制作コメント
SAWA : イントロもかなりオシャレ!
Tomggg : これがTomgggだ!
SAWA : 「あー、これこれ!! こういうの待ってたよ!!」って感じでした。期待以上のものが戻ってきたし、私にできないことがたくさん盛り込まれていた。それでいて、すっきりしているっていう印象を受けましたね。私の中で、DJトラック・メイカーさんと職業作家さんって特性が違うと思っていて。職業作家さんは、ものすごくバランスがとれていて、コード学も持っているしアニソンからジャズまで作れるっていう印象。DJトラック・メイカーさんはいい意味で偏りがちなんですよね。その人にしか作れない色がめっちゃ出ている。それがよくて、他のことはできません!! っていう印象だったんですけど、グググさんは知識がすごくて、恐れ入りましたって感じでした(笑)。
グググ : 恐縮です(笑)。
「シャボン・タイムマシン」ができるまで 中編
ーー恐れ入りましたって言っていますけど、SAWAさんはここで大きく構成を変更していますよね(笑)。Aメロの長さを2倍にしてグググさんアレンジのパーツを移動、コーラス・ワークを追加、そして間奏作成と、また大きく変化をみせます。
SAWA : 自分のアレンジではAメロは別に短いと思わなかったんですけど、グググさんのビルドアップの作り方が丁寧だったりしたので「あ、短いな」と思ったんです。あと、もう1Aと2Aを比べたら2Aの方が楽しそうだったので、それを前に持ってくるってことをしてみたいなと思ったんです(笑)。
ーーそれぞれ変わった部分を聴いていってみましょう。
2人による制作コメント
SAWA : コーラスアレンジで派手にしてみました。
Tomggg : このコーラスがかなり効いてて、共同作業はこの化学反応が面白いなと思いました。
2人による制作コメント
SAWA : Tomgggさんの作ったステム(ある程度まとまった音源データ)を使ってぶつぶつに切ったり、どこをどう聞かせたいか考え、自分の好きな箇所を際立たせたりしながら間奏を作っていく作業です。リズムを抜いて聴いてみるとgggさんの作ったメロディの中にすごく好きな部分とかたくさんあってそれを前にだしたりもしました。さらに自分のヴォーカル・データもぶつぶつ切って逆再生にしてみたり遊ばせながら盛り上がるような間奏を意識しました。楽しかったです。
Tomggg : 最初このパート必要かなぁって思ったのですが、この間奏がないと楽曲全体にヴォーカルパートの割合がかなり占めてしまってるんですよね。この間奏によって現場の盛り上げにも機能しますし、展開も豊かになるし勉強になりました。
ーー新たに間奏を作ったのは、どういう意図があるんでしょう。
SAWA : 間奏を使うことで、さらなる盛り上がりを作れたらという試みですね。
グググ : 踊れる場所を作りたいっていう話でしたっけ?
SAWA : うんうん。1回世界観をぶち壊したいってのもありました。すごくまとまっていたから。
ーーさらにヴォーカルのチョップも追加されました。
SAWA : ヴォーカル素材が多くてうるさいって自分で思っていたんですけど(笑)。
グググ : さらに足している(笑)。僕は最初、この曲がどうなっていくのかと思っていたんですけど、ヴォーカル・チョップの追加まで来たところで意図がわかってきて。SAWAさんはもっと盛り上げたいんだなと思ったんです。最初の僕のアレンジだと、引きこもり感があったんですよ(笑)。今回のアレンジによって、現場の声が入った感じがして、なるほど!! と思って、僕も盛り上げようと考えたのを思い出しました。
SAWA : ここの過程で、アイドル現場でもいけるノリが追加された感じですね。1回グググさんに戻して間奏を調整してもらっています。
2人による制作コメント
Tomggg : このパートだけ異質になりすぎないよう、楽曲の他の部分で使われているビートの音などを加えて”良い感じ”にするいろんな工夫をしています。
ーーこの段階で、SAWAさんが1回壊したものを再構築しているというか。
グググ : 整えました(笑)。
「シャボン・タイムマシン」ができるまで 後編
ーーそしてここでSAWAさんがぶっ込みます。いきなりセリフが入ってくる(笑)。
2人による制作コメント
SAWA : なんか喋りたくなったのです。
Tomggg : これは楽曲に深みを持たせる粋な演出です!
SAWA : LINEでグググさんと会話をしていたときに、思いつきで言ったんです。「セリフとか入れたいですね」「美しい地球とか入れたいです」って(笑)。そうやって私が言ったら、グググさんが「お、おう…」ってなって、さすがにすんなり受け入れてもらえなかったんですけど、まあいいや入れてみようってなって。え!? っていうことがあっていいかなと思ったんですよ。
ーーちなみに、コーラス変更も行なっていて、その部分のトラック・リズム変更もされているそうですけど、これはどういうことなんでしょう?
2人による制作コメント
SAWA : 初期から悩んでいたコーラスをつっこませたいという衝動をこの時やっと解放。それにともないオケ全体のタイミングも全部つっこませました。シンコペーションというのでしょうか。イントロ全体がつっこんでる印象だったのでここまでやりたくなったけどやるべきか悩んでました。
Tomggg : 聴き比べるとリズムが豊かになっていて、楽しさが増しましたよね
SAWA : インテンポじゃなくて、コーラスをつっこませたいなと思ったんです。それに伴って、トラックもざくっと切って前に倒していきました。
グググ : 要するにビートのノリが「トントントン」じゃなくて、「トンットントントンッ」ってちょっと前につっかかるようなリズムだったので、コーラスもそれに合わせてやったらグルーヴが出るんじゃないかって。だったのでリズムを変えたんですけど、結果的にここは変えてよかったと思うんですよね。
SAWA : 実は私は最初からこの部分をどうしようか迷って置いていたところなんです。グググさんが作ってくれたリズムで、食い気味のリードだったりする部分がいっぱいあったので、それに合わせていきたいなと思って。食い気味にしてみたいけど全部やるのはどうなのと思っていたんですけど、最終的にはやっちゃいました(笑)。
グググ : 僕はこれで統一感が出たなと思っているんです。これを聴いた後、リズム変更する前の音源を聴くと、やっぱりのっぺりしているというか、リズムに立体感がない。やっぱり変えてよかったなって部分です。
ーーグググさんは音大で音楽理論を学ばれてきたわけですけど、理論とインスピレーションで迷った場合、どちらを信用してるんでしょう?
グググ : そこはやっぱりインスピレーションの方ですね。理論って後からついてくるものだと思うんですよね。コード進行にしてもそうだと思うんですけど、やっていて気持ちいい終わり方だねっていうものが後から理論になっていっている。今回もインスピレーションが成功して、気持ちいいものになったんだなと思います。
ーーそして先ほど追加されたSAWAさんの「美しい地球、プラネット・アース」というセリフに、グググさんがエフェクトをかけています。
2人による制作コメント
Tomggg : セリフの前半と後半で異なる種類のエコーがかかっています。
SAWA : 字面で見るとアホくさいですね(笑)。でも、ここのエフェクトが大事ですから!
グググ : 大事ですよね(笑)。最初もらったのはドライな感じのセリフだけだったから。
ーー「美しい地球、プラネット・アース」っていうのは、どこで何に向けてしゃべっているイメージなんですか(笑)。
SAWA : 私の中では、バーンって宇宙に飛んでいって、宇宙にいる綺麗なお姉さん的誰かが「美しい地球っ…」って言い出すイメージです(笑)。それを聴いて、私たち群衆が「なるほど…!」ってなる。そこからまた始まるみたいな感じです。
グググ : たしかに、なんですかねこのセリフ。何の思想もなさそうですし(笑)。
SAWA : あははは。自分ではない他者のイメージ。誰かが来たんだなっていうことが伝わればいいなって(笑)。
ーーこの部分のエフェクトに関しては、グググさん的にはどんなイメージで作ったんでしょう?
グググ : 擬音語でしか言えないんですけど、バーンってなってすごい広い空間に出て人智を越えた誰かが仰っているって感じ(笑)。
ーーあははは。あと、3分21秒から間奏を整えたり音を足したりっていうこともされているそうですね。
グググ : 結構ノイズ多めの間奏になるところですね。
SAWA : そこをグググさんがもうちょっとかわいい感じにしたんだと思います。
グググ : かわいくしたり、ちょっとビートを強めにしたりしました。間奏でヴォーカル・チョップが入ったり、僕が調理したって感じですね。
ーーこれでミックス前の構造的な部分っていうのは一通り完成したと。
グググ : 構成は完成した感じですね。
ーーミックス作業にあたって、それぞれ話し合ったことはありますか?
SAWA : ここまででお互いだいぶ聴いているのでオーダーもなく、グググさんのやりたいようにミックスしてくださいってお願いしました。
ーー足し算に足し算を重ねたことでトラック数が多かったと思うんですけど、ミックスはどういうことを意識して行なったんでしょう。
グググ : ヴォーカルの厚みというかヴォーカルの太いイメージを残しつつ、人智を越えた人が出てくるなどストーリー仕立てな感じで、空間も広めたり狭めたりって感じで作ってみました。足し算引き算の関係もそうなんですけど、広がり方を気にして作っていますね。
ーーマスタリングは別の方がやられているんですか?
SAWA : マスタリングもグググさんにやっていただいて。どういう作業したかは知らないんですけど(笑)。
グググ : めっちゃ音圧上げるぞっていう感じではやってなくて。ミックスが済んで1つのデータになるじゃないですか? それをまた製品の状態に持っていくっていうイメージですね。イヤホンで聴いても大きいスピーカーで聴いても遜色ないような音量バランスにしています。
今回の制作を振り返って
ーー上記の制作は、どれくらいの期間で行われたことなんですか?
グググ : 2月中旬くらいにお話いただいたのかな?
SAWA : だから1ヶ月くらいですね。
ーーSAWAさんとして、一連のグググさんとの制作を振り返ってみていかがでしたか?
SAWA : グググさんの音数が多いのにすっきり聴こえるって空間の使い方にすごく憧れました。私も音を多くしちゃうタイプなので、少なく聴こえてかつノリも出て、かわいいっていう意味では、すごく今時だなって(笑)。ライヴでも響きそうだなって感じがしましたね。無理難題も受け入れてくださるので、ありがたかったですね。
ーーグググさんはいかがでしたか?
グググ : 最初ほんとに好き勝手やらせてもらえたんですけど、受け入れてもらってから本当の制作が始まった感じでした。そこから変なって言ったらあれなんですけど、いろんなフックが付いて、いろんな意味でおもしろかったですね。
ーー今回の制作を通して、SAWAさんがグググさんから学んだことってありますか?
SAWA : 音色に関して、こういう音を使えばいいんだってことだったりは勉強になりました。ただ、音数が多いのにスッキリ見せるっていうのはどうなってるかは、まだわからなかった(笑)。
ーー逆に、グググさんがSAWAさんから学んだものとかってあります?
グググ : やっぱり現場感ですね。現場ではこういうアレンジだったり間奏を作ると盛り上がるんだろうなって思いました。最初、僕は歌ものっていう感じで捉えてアレンジしていたんですけど、間奏やコーラス・ワークが足されることで、現場で盛り上がるようなアレンジになったなったなって。勉強になりました。
ーー聴いてる側としても、制作過程がわかるのは興味深かったです。
SAWA : 本当は自分の最初のデモとかは聞かせたくないんですけど(笑)。でも、それも含めて聴いてもらった方がいいかなと思って持って来ました。
〈サワソニ25〉開催、グググの最近の興味とは
ーー「シャボン・タイムマシン」のライヴ披露は、27日の〈サワソニ25〉なんですよね。〈サワソニ〉も定期的に続けていらっしゃいますよね。
SAWA : 気がつけば25回目ですからね。
ーー25回目の開催にあたって、なにかテーマはあるんでしょうか。
SAWA : 今回はDJっぽいというか、グググさん界隈のDJの方とかも入れつつ、アイドルさんも入れつつみたいな感じで、いいとこどりをできたらと思ってブッキングしました。ぜひ今後、グググさんに出演していただきたいなと思っています!
ーー「美しい地球、プラネット・アース」のところをコラボしてほしいです(笑)。
SAWA : たしかに! 私はアイドルと一緒のライヴに出ることも多いんですけど、私は中途半端な感じというか。だけど最近中途半端な層が盛り上がってきている気がするので、このまま頑張っていけたらなって思っています(笑)。
グググ : どこにも属せない人っていると思っていて、僕もそうだと思っているんです(笑)。ガッツリ、クラブ系ってわけでもないし、アイドルっていうわけでもない。どこにも属していないというか。属していないのか、属せていないのかはわからないんですけど、そういう人ってたくさんいるんじゃないのかなって。
ーー今後、グググさんとしてはどういう活動をしていきたいと考えていますか?
グググ : 僕は最近、教育テレビにすごく興味があって(笑)。
SAWA : すごく合う!
グググ : Eテレの朝7時に「シャキーン!」って尖った番組があって。僕が観たときは、スピーカーの上に砂があって棒が乗っているんですけど、2人のベーシストが8ビートでベースを弾きまくってどっちが棒を倒すかみたいなことをしているんですよ。ずっと低音でブブブってやばい企画を朝からやっていて(笑)。
SAWA : それはやばい企画ですね(笑)。
グググ : 僕も自分のスタイルをあまり変えずに、子ども向けの何かができないかなと思っています。
SAWA : あと、グググさんもチェキをやったらどうですか(笑)?
グググ : いやいや、チェキかあ…(笑)。考えておきます。
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SAWAの9作目となるミニ・アルバム『いじっぱりマーメイド』。アルバム・リード曲となる「いじっぱりマーメイド」は、フィロソフィーのダンスなどへ楽曲を提供している宮野弦士が手がけ、ダンサブルでどこか懐かしい世界観となっている。また、SAWA楽曲のセルフ・カバー曲も多数収録。過去、佐々木希、ワンリルキス、シブヤDominion、KOTOへ提供した曲を全てリアレンジし直し、SAWAの「今」へ仕上げている。フィーチャリングにライムベリーからMIRI、能登有沙、インタルードにはKOTO、YANAKIKUも参加。
SAWA / 踊れバルコニー
縄田寿志の完全プロデュースによるアルバム。自ら作詞作曲を行ったアイドルへの楽曲提供作品のセルフカバーも含め、全サウンドをデビュー当時から楽曲提供を受けている作家の縄田寿志にゆだねた。エレクトロ感が際立つキャッチーなサウンド。寺嶋由芙への提供曲「ジュリエットのパラドックス」、KOTOへの提供曲「ギザギザのロンリナイ」SAWA「Good day Sunshine」のカバーを歌うアイドルネッサンスからのメッセージ・インターリュードなどを含む全9曲。SAWAは新たな境地を切り開けるのか。
自身のSoundCloudや〈Maltine Records〉など、まさにインターネット・フィールドで徐々に知名度を上げ、昨年はフィジカル作品として『Butter Sugar Cream』をリリース、さらにその活動領域を広げた、Tomggg(トムグググ)。このたび、ライヴ・ストリーミングでおなじみの〈2.5D〉が設立したレーベル〈2.5D PRODUCTION〉から、新作『Art Nature』をリリース。ボンジュール鈴木、tsvaci(辻林美穂)といったゲスト・ヴォーカルを迎え、彼の真骨頂とも言える、めくるめく展開ときらびやかな電子音によるポップ・エレクトロ。
LIVE SCHEDULE
サワソニ25
2017年5月27日(土)@上野恩賜公園 水上ステージ
時間 : OPEN 11:00 / START 11:30
料金 : 前売 3,500円 / 当日 4,000円
出演 : エレクトリックリボン / 亜利美里 / DJモーモーミルク / MEN'S KNUCKLE / ハッピーくるくる / カラーポワント / YUC’e / 神井花音 / O’CHAWANZ / 小熊あやめ / キスできればそれでいいしス / 脇田もなり / 963 / センチメンタルウインク / SAWA
PROFILE
SAWA
2008年SonyMusicからメジャー・デビューし、5年にわたるメジャー活動を終えフリーに転身。佐々木希、Especia、小松未可子、寺嶋由芙、アイドルネッサンスなどに楽曲提供をする傍ら「アリナミンゼロ」「バスマジックリン」「LINE PAY」「明治ヨーグレット&ハイレモン」などのTVCMの歌や声を担当する。自身の活動では2017年2月14日に9曲入りミニ・アルバム『いじっぱりマーメイド』というミニ・アルバムをリリースし、能登有沙と共に仙台から大阪までリリース・イベントで回る。同アルバムの中にはシブヤDominionやKOTOへの提供曲のセルフカバー、YANAKIKUのメッセージ入りトラックなども収録。〈サワソニ〉というイベントの主催者でもあり2ヶ月に1度開催。中でも茨城で行った〈サワソニ野外フェス〉が反響を呼び、茨城県守谷市の要請を受け、市の商工会のイベントのブッキングにも参加。ライヴ・パフォーマンスでは「DJつなぎうた」と命名したDJで自ら曲ををつなぎながらノンストップで歌っていく技やフルバンド・スタイルなどを披露している。アイドルやアイドルヲタからの信頼も厚い唯一無二の次世代アーティストとなりつつある。
Tomggg
国立音楽大学大学院修士課程作曲専攻修了。卒業後は方向転換し劇的な展開・キラキラした音を駆使し、ものすごく楽しくなる楽曲を公募型コンピレーション”FOGPAK”や自身のsoundcloudなどインターネットを中心に発表し、Maltine RecordsよりEP『Popteen』を発表。カナダのトラックメイカーRyan Hemsworthとの楽曲制作、Yun*chiのプロデュースや、禁断の多数決、negicco、Porter RobinsonへのRemix制作を行う。2015年にデビューEP『Butter Sugar Cream』、2016年5月には2nd『ArtNature』をリリースした。ロゴ、アイコン、ジャケットのアートワークは風邪ぴことkazami suzuki(http://yohuka.tumblr.com)。ご連絡は ggtatsu.fujishiro ˁ῁͓ˀ gmail.com