「この変なおもちゃ箱みたいな場所」ーー33週連続配信企画「Biff Sound」のスタジオに辿り着いた3人にインタビュー
千葉県浦安市の外れにある倉庫を改造したスタジオ「Ice Cream Studio」。毎週末、そこでセッションやレコーディングを行い、できた音源を2014年3月3日より33週間連続(!?)でリリースする企画『Biff Sound』を実施しているのが「33RECORD」である。彼らは、音楽を中心としたクリエイティブな作品をつくるクルーであり、それを世の中のリスナーに訴えかけるチームでもある。特定のメンバーが役割のなかで動くのではなく、セッションやレコーディングをしていくなかで自分の役割をみつけ、それに寄与していく。そんな有機的で健全な繋がりで運営されている「33RECORD」に迫るべく、前回雪の降る中「Ice Cream Studio」に足を運び、夏木瑠璃、田中光、JINYAの3人に話を聞いた。そこでは彼らの一端を知ることができたものの、已然として全貌が見えづらかったこともあり、再びスタジオがある浦安まで足を運んだ。
今回話を聞くことができたのは、以下の3名。オーストラリア出身のシンガーで、The Mootekkis・The Goood Thingsのフロントマンをつとめる、Mike Hannah(以下、マイク)。マイクは、雑誌やファッションショーのモデルをつとめたり、2013年にゲームソフト"すばらしきこの世界(スクウェアエニックス)"のライヴ企画に、スペシャル・バンド"The Death March(Pay money To my PainのT$UYO$HI、ZAXなどが参加)"の一員として参加しボーカルを担当するなど、多方面で活動するアーティストだ。そして、前身バンドである「Placebo Sound」の活動休止後、2010年に結成された2人組バンドsoapの、Alex Martin(以下、アレックス)、Ryo Takezawa(以下、リョウ)。アレックスは普段記者として働いており、鋭い視点から質問に答えてくれた。また、リョウはそこに日本人としての視点も持った中間の立場からの意見を交わしてくれた。
この3人に共通していることは、東京で音楽をするための“当たり前のシステム”に疑問を持ち、自分たちでバンドを続けることを模索した結果、33RECORDのコアメンバーのhydrant house purport rife on sleepyと知り合い、「Ice Cream Studio」に辿りついたということだ。そして現在、月2回以上、このスタジオに通いセッションやレコーディングを行なっている。東京で音楽をやること、そして自分たちの場所を作っていくことについて、外国人という視点を通した率直な話を聞いた。「Ice Cream Studio」という場所、「33RECORD」という存在は特異かもしれない。しかし、ここからはじまることはきっと多いだろう。当たり前を疑え。そして、そこから創造せよ。言葉に出さずともその姿勢が伝わってくる彼らの存在に目を向けてみてほしい。(text by スカムライター西澤くん)
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第9弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #009
※まとめ購入のみ
HQD / mp3 : 240円
【収録曲】
1. 90's mind on the loops (DJ CLAMP5 a.k.a. wa5hei)
2. slowly blow wind 33ver(in pillow-) (mal da kid)
3. shed (harmonious)
4. i saw you,so i know you (Junya Kuribara)
5. ordinary feat.sheeps (Constructions)
6. B.S.S.M. mc.田中光 (DJ CLAMP5 a.k.a. wa5hei)
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第8弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #008
※まとめ購入のみ
HQD / mp3 : 240円
【収録曲】
1. bravo (川嶋成美)
2. tear (アラカキヒロコ)
3. fox (根岸たくみ)
4. letting (田中光)
5. deeper (Aimee)
33RECORD初のセレクション作品「Biff Sound Selection 01」全11曲を無料配信!
33RECORD / Biff Sound Selection 01
HQD(24bit/48kHz) / mp3 : 0円
【収録曲】
1. 11 (Alan Premselaar & Hiroko Arakaki)
2. синий (Aimee)
3. Monument (田中光)
4. blood (soap)
5. tt (Daniel Karras)
6. Sing (KINU)
7. hidden (Daichi Mori)
8. quiz (mal da kid)
9. Cookie Lover (Mike Hannah)
10. build up dub (JINYA)
11. Detune Piano (10)
Artwork Drawing by Ken Kimura
Artwork Design by Singo Suzuki
Mastering by sleepy it / Tetsushi Mase
Mix by Yawn of sleepy
倉庫を改造したスタジオ「Ice Cream Studio」でセッション&レコーディングした音源を、2014年3月3日より33週間連続(!?)でリリースする企画『Biff Sound』。同企画から、初となるセレクション作品が登場。毎週の配信を「週刊少年ジャンプ」に例えるならば、本作品は単行本的な意味合いもつ作品といえるだろう。3月にリリースされたパッケージのなかから選りすぐりの11曲を収録。配信価格はまさかの無料!! ぜひこの機会に、33RECORDから届いた音楽の招待状を田畑猛(AARHNND)のライナーノーツも併せて、お楽しみください!!
田畑猛(AARHNND)によるライナーノート
『出会い』を音楽で記録する悦楽。このセレクションで繰り広げられるのは、決して予定調和では生まれ得なかったトキメキを音楽として記録した作品である。
そして証明している。
『クオリティとは掛けた時間のことではないことを証明している』
しかし、こう書いても何か作り込まれたものよりも見劣り(聴き劣り?)するのではという懸念のような雑音が聞こえるが、寧ろ逆である。 その出会いから生まれた音楽の瞬間を、33RECORDのスタッフ陣による手腕によって丁寧に紡がれているのだ。
『作品として散漫ではないことを証明している』
様々なアーティストがスタジオに遊びにきた日々の記録と言ってしまえばそれまでかもしれない? これも全く違う。アイスクリームスタジオという秘密基地にてレコーディングされた数々の音楽の記録は、その全てが『偶然性を包み込んだ必然』であり、そこには意志や思想も音楽に込められている。オープンにしていない空間だが、だからこそスタジオの中ではリラックスに満ちている。その中でより表現者のコアな音楽による表現が引き出される。そう、コアな表現に豊かな差異こそ生じれど、コアゆえにメッセージが散漫になることもない。メッセージとはひとえに結果的にジャンルを超えた音楽そのものである。「バラエティに富む」などという作為的なあざとさが感じられないのもそのためである。
『新たな音楽の在り方を証明している』
そもそも33RECORDのスタッフも有志の集いではあるが、皆それぞれに音楽に携わることに関してはプロフェッショナルである。そのブレーンが集まる中で、あらかじめ決められたプロジェクトを遂行するのではなく、またセールスの限界に挑戦する体育会系な野心でもなく、純度の高い音楽を産み落とす喜びを味わっているのである。毎週末に集まって、日常として音楽を作る。もっと身近に、かつ、表現したいことの本質に近づく音楽制作は営みそのものである。
そして、その全てに温もりを感じるのである。息づかいを感じるのである。鼓動を感じるのである。
ほら、音楽はアナタの人生を証明してみせてくれる。そう聴こえないだろうか?
田畑猛(AARHNND)
AARHNND(あ、あれはなんだ)
10count(Drums)、sa(Bass/Vocal/Flute)、TANIGUCHI(Guiter)による3ピースバンド。
2012年10月結成。バンド名は日本語のあいうえお順でもアルファベット順でも
いちばん上に来るものにしよう、ということで決定。
"KKRHNND"、"LUNCH!LUNCH!LUNCH!"をライブ会場などで販売中。
http://aarhnnd.com/
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第7弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #007
※まとめ購入のみ
wav / mp3 : 240円
【収録曲】
1. easter feat.田中光 & soap (sheeps)
2. 1x100 feat.sheeps (soap)
3. Bounce Life (Last Ten Enemies)
4. 20x20(lovers) (harmonious)
5. CM (Sone)
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第6弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #006
※まとめ購入のみ
wav / mp3 : 240円
【収録曲】
1. Little April (Last Ten Enemies)
2. 星降る夜 (ハチスノイト)
3. eight (harmonious)
4. gainer (Aimee)
5. April (Yoh)
33週連続リリースの企画名は『Biff Sound』!! 第5弾をリリース!!
33RECORD / Biff Sound #005
※まとめ購入のみ
wav / mp3 : 240円
【収録曲】
1. Cookie Lover (Mike Hannah)
2. wood (長塚大地)
3. blood (soap)
4. troy song (sober)
5. ほら (soap)
INTERVIEW : 33RECORD
この変なおもちゃ箱みたいな場所を、もっともっと多角的なアングルで切り取ったらおもしろいかなって。(アレックス)
ーー日本の環境しか知らない人間からすると、倉庫をスタジオにして毎週末にセッションやレコーディングをするのって、かなり珍しいことだと思うんですね。オーストラリア出身のマイクさんにとって、Ice Cream Studioは特別な場所に感じますか?
マイク : こんなスタジオは、いままで海外でも入ったことないよ。ここはすごくユニークだから毎回来るのを楽しみにしてるんだ。最初来たときも、いきなり「このビートにのせて歌って」って言われて本番がはじまったんだよ(笑)。
ーーそれはエキサイティングな体験でしたね(笑)。
マイク : うん。ここでやっているのは、だいたいインプロヴィゼーション的ではあるんだけど、誰かが持ってきた新しいビートを元に、急いで歌詞を考えて歌うっていうのがここ最近のスタイルだよ。
ーーアレックスさんもリョウさんも最初は同じ状況だったんですか?
アレックス : そうですね。その場で歌詞を書きました。僕はギターも弾くんですけど、ここでは基本的に歌で参加してますね。
リョウ : 普段こんなことしないですから全然慣れてなくて、いまだに緊張しますけどね。酒飲んでても酔わないです。これ(ウイスキー瓶)1本空くんですけど(笑)。
ーーええ!?
アレックス : あと、寒さが厳しいときとか、そのときの環境によって声が変わるんですよ。震えちゃったりして。それが生々しいですね(笑)。
ーーいわゆるラフを書いて色を塗っていくのとは違う作り方ですよね。偶然性が強いとも言えると思うんですけど、そうやって出来上がった音源はリスナーとして聴いてみておもしろいと思いますか?
マイク : そもそもすべての音楽なんて偶然性でしょ? それに家で書いて作る音楽のクオリティとここに来て作るクオリティは違うけど、ここは音質自体がいいしビートもかなりかっこいいものが用意されているから、クオリティの高さでいうと変わらないよ。
リョウ : 僕は作品としてもいいと思うんですよね。元々能力がある人が集まっていて、その引き出しからでてくるものなので、自然といい作品になるんです。
ーーただ、それってプレイヤー目線が強くて、一般の聴き手には届きづらいのかなって気もしているんですけど、その点はどう思いますか。
マイク : いまは音楽を押し出している段階だと思うんだよね。自分たちの音楽を保ったままリスナーと距離感をつめるっていうのは、これからやっていくことだと思ってる。ただ、音楽が形成される筋道については同じことだと思うよ。だから作り手と聴き手でそれにふれる前にわけて考えたり意識する必要はないと思う。
アレックス : 確かにいきなり出てきたから、ぱっと見の人はなんだこりゃって段階なのかもしれないですね。結構シュールな音楽だし、この曲はいいけど、この曲はよくわかんないとかっていう意見もあるだろうし。ただ、まだ始めて数週間なので、そこまでいくのは早いとは思っています。これからプロデュースの方を中心にキャラクターを作っていくところかなって。
ーーアレックスさんは普段、記者としてお仕事をされてますが、Ice Cream Studioや33RECORDで起こっていることって、海外の人たちに向けても、おもしろいテーマになると思いますか。
アレックス : 思いますね。東京のライブハウスって大変じゃないですか。特に売れていないバンドだとノルマもあるし、下手したら自腹で払わないきゃいけない場合もある。そういったシステムの中でストイックにスタジオに入ってやるとなると、かなりタフな条件下にいると思うんですよ。僕が記者だったら、東京の現状をまず書いて、そのあとに「完全にDIY的な感じの倉庫のスタジオもあるぜ」みたいに書きます。この変なおもちゃ箱みたいな場所を、もっともっと多角的なアングルで切り取ったらおもしろいかなって。
自由な場所でここにいる人たちは出会っているし、音楽を演奏するにあたって大事なことなんじゃないかな(マイク)
ーー東京のライヴハウスでやっていくのが大変だって話がでましたけど、リョウさんもそれは思いますか。
リョウ : もちろんバンドをやっていて楽しいんですけど、ちょっとすっきりしないところもあります。東京で活動してるバンドマン誰もがそうなのかもしれないんですけど、知らず知らずのうちに自由にできなくて当たり前と思うようになっちゃうのかなって。だから、ここに来たときの衝撃や感動はすごくて、10年、20年東京で音楽をやってきた人のほうが感動が大きいんじゃないかって思います。
ーースタジオの料金とかライヴハウスのノルマとか、いろんな縛りがあって、音楽を作る以外に考えることが増えて不自由さを生んでしまう、と。アレックスさんはそういうことを感じますか。
アレックス : まわり見てると思いますね。彼(マイク)はとくに感じているんじゃないかな。僕らがいまやっているsoapは2人組なんですね。だから個人練習でも2時間2000円ぐらいで済むんですよ。でも、バンドになると違うじゃないですか。そのぶんカバーしなきゃいけないとか。たぶんリョウはバンドを掛け持ちしてたときは相当お金使ってたよね。
リョウ : レコーディングするにも何十万とかかるんですよね、数日で。
アレックス : 僕らは友達のカフェとか飲み屋でもできるからそういうの関係ないんですよね。それがバンドになっちゃうと、ステージもPAも必要だし、一気に複雑化すると思います。
ーーざっくり言うと、東京で音楽やるのはお金がかかるんですね。
マイク : そう。だから、いまはそういうのが発生しないところで活動を主にやってる。しがらみがめんどくさい外国人が、そういう抜け道を探して流れていってる現状もあると思う。なるべく日本のシーンでもやるし、ミックスするように心掛けてるんだけどさ。だけど、自由な場所でここにいる人たちは出会っているし、日本のライヴハウスとは違うシーンというか、どこでもアンプ持ち込んでなにかをやるとか、それって海外のスタンダードなスタンスだし、音楽を演奏するにあたって大事なことなんじゃないかな。
ーーマイクさんは、日本で音楽をはじめて、不自由と思ったことはありますか?
マイク : 最初、東京でバンド活動を始めたときは普通のライヴハウスで対バンを重ねていて、それはすごくおもしろかったよ。友達もたくさん来てくれていたんだけど、例えばすごい寒かったり、雨が降っていたり、ライヴの環境的に人が足を運びずらくなったときに人が来ない状況になってしまって。そうすると、ノルマとかを自腹で払わなきゃいけなくなってくるわけ。それがきつくなってきて、そういう変なことが発生しない場所で演奏するスタイルに切り替わっていったんだよね。いまも日本のライヴハウスで演奏することはあるけれど、大抵知り合いのバンドからオファーを受けて出演するとか、雑誌のイベントに呼ばれてやったりするってときだけ。自分でブッキングして東京のライヴハウスで演奏することはなくなったよ。
ーーその分、身入りもなくなるんじゃないですか?
マイク : 逆だよ。そういったところで演奏すると、入場料も高くないから、友達がいっぱい来るし、そこでお酒をたくさん飲むから、お店の方から出演料を貰ったりすることも多い。
ーーそれって不思議な話ですね。ライヴをするために設計されたはずのライヴハウスが、ミュージシャンにとって不自由な場になっている部分もあるっていうのは。
リョウ : 昔は音楽業界自体いまより盛り上がっていたから、そのシステムでまわっていたんだと思うんですよ。いまはそうじゃないから余計にそう感じるんでしょうね。
ーーみなさんは、ノルマを払わなくてもやっていける場所をどのようにみつけたんですか?
リョウ : 以前ぼくらがやっていた、プラシーボサウンドというバンドのドラムがマットってアメリカ人で、彼もマイクと同じ考えで、そこから繋がっていったんです。
アレックス : 彼は当時から、「ノルマってなんだ? こんなのはアメリカにはないぞ。高いし、それを払ったからお客さんが来るわけでもない。バーはあっても、他の施設がないじゃない。黙って立って聴いて、たまにお酒飲んでっていうのが当たり前で、エンターテイメント性がない」って言っていて。それがイヤで探し出したのが、そういうライブバーだったりしたんですよ。たぶん外国人で東京で音楽活動している人は、すぐそういう発想にシフトするんじゃないかと思うんですよ。
ひとつの作品ができあがる過程が早いので、それが楽しくてきているのかな。(リョウ)
ーーなるほど。少し話題は変わるんですけど、仕事と音楽、みなさんはどういうバランスで考えて活動していますか?
リョウ : 僕は仕事をしている時間の方が長いんですけど、ずっと仕事は続けてることですし、特に最近は音楽が楽しいので、気持ち的には普段の生活も充実してきますよね。
ーー音楽だけで食っていくという考え方ではない?
リョウ : 昔はあったんですけど、しばらくいまみたいな生活をしているので、いかに楽しく音楽ができるかにシフトを置くようになりましたね。
ーーシフトできたのはなぜでしょう?
リョウ : シフトせざるをえなかったんですよね(笑)。歳を重ねていくごとにバンドがなくなったり、始めたりってことを繰り返していくうちに自然にこうなったんです。
ーーそれによって、作る音楽は変わりましたか?
リョウ : それによってということは特にないですね。もしかしたらあったのかもしれないですけど、自分のなかでは変えたりしてないです。
ーーアレックスさんはどうですか?
アレックス : 僕も仕事も音楽も好きだから、肩の力を抜いてできています。ハードコアなミュージシャンにはなに言ってんだって言われるかもしれませんが、楽しんでできていることって、俺にとっては大事なんです。プレッシャーを受けて作らなきゃってことはなくて、自分たちで好きなときに作ることができているので、あまりプレッシャーがないですね。いまのスタイルが僕には合っていると思います。
ーーマイクさんはいかがですか。
マイク : いまは週3日仕事をしていて、残りの3日間、比較的自由に時間が使えるんだけど、その時間に2つのバンドや、いろんな活動をしてる。理想的には音楽だけでもいいかもしれないけど、別にいまは現状でまわしてる。そのうち音楽だけで食ってくけど、それは俺のミッションだよ。どうやってそれをやったらいいのかよくわからないときあるけど(笑)
ーー3人とも、Ice Cream Studioには月2回以上来られているわけじゃないですか。いろんなスケジュールがあるなかで、なんでそこまで足しげく来ることができるんでしょう。
リョウ : 楽しいから?(笑) なんだろうなあ。本当にやりたかったことができてるからでしょうね。ちゃんとした作品ができるのって嬉しいじゃないですか。それがここでは毎週できるので。ひとつの作品ができあがる過程が早いので、それが楽しくてきているのかな。
ーー今週は休んじゃおうかなってことはないんですか?
リョウ : いまのところないですね(笑)。体調が悪かったら来れなかったりするんでしょうけど、居心地がいいですからね。新しく出会える人たちも多くて、それも楽しみのひとつでもありますね。
ーー今日も、アレックスさんは二日酔いになりながらも来てますからね(笑)。
アレックス : そう(笑)。だから同じですよ。あと、空間ですよね。その場でプロダクトされていく過程を目の当たりにみることが楽しい。すっごく早いんですよ。ありえないスピードだもんね。だいたい初めて会う人もいますし、ありきたりな言葉を使っていうなら、隠れ家的な匂いが引き寄せるんでしょうね(笑)。
マイク : 来るたびに、新しいビートがでてくるのがおもしろいからね。それと、駅から離れているし、空気が新鮮な感じがするんだよ。通い続けてるから第2の家みたいになってきてるところもあるしさ。冬は寒いんだけど、これからの季節は過ごしやすくなるんじゃないかな。他のアーティストとコラボレートしたり、新しい音楽を作ること自体は当然おもしろいからさ、やっぱり続けていきたいって思ってるよ(笑)。
『Biff Sound』第1弾〜第4弾ラインナップ
PROFILE
33RECORD
ice cream studioに集う作品をお届けする不確定的コミュニティ・レーベル。3/3より33週連続配信企画スタート! 初回の所属アーティストとして発表されたアーティストは、Lee "Scratch" Perry、Adrian Sherwoodとも共演した経歴を持ち、ドイツの老舗DUBレーベル<ECHO BEACH>などからも称賛を集める“E.D.O. ECHO SOUNDSYSTEM”のJINYA、 90年代インディー・ミュージック・シーンを牽引したUK PROJECTの雄、<SECRET GOLD FISH>の長塚大地擁する“sundelay”、フリー・スタイル・ラップ・バトル<UMB 2012>CHIBA CHAMPION “田中光”、昨年待望の復活を果たした<downy>のギタリスト青木裕や<カヒミ・カリィ>との共作の発表でも話題を集める“hydrant house purport rife on sleepy”など、既にとても多種多様。
soap(ソープ)
前身バンドである「Placebo Sound」の活動休止後、2010年に結成。 Alex Martin (gut guitar/voice)とryo takezawa (electric guitar/effects)の 二人から成るユニット。 結成当初より、カフェやバーなどでのライブを中心に活動中。 gut guitarとelectric guitarから奏でられる多彩な音色に、 透き通るような歌声が交わり、独特な世界観を創り上げる。 今春から中目黒リロンデルで定期的にライブ予定。 そして、現在Ice Cream Studioにてフルアルバムを制作中。
Mike Hannah(マイク・ハンナ)
オーストラリア出身のシンガーで、The Mootekkis・The Goood Thingsのフロントマン。 その他にもゲストボーカルとして他アーティストの楽曲への参加、イトーヨーカドーの広告や、 BRUTUS等の情報誌のモデル活動など、活躍の場は多岐にわたる。 2013年にはゲームソフト"すばらしきこの世界(スクウェアエニックス)"のライブ企画に、 スペシャルバンド"The Death March(Pay money To my PainのT$UYO$HI、ZAXなどが参加)"の 一員として参加し、 3曲のボーカルを担当。