期待の2人組!! 日本から生まれたトラッド・ミュージック


ROTH BART BARON / Chocolate Demo
(※会場限定100枚のEP。同作を高音質で聴けるのはOTOTOYだけ)

【配信形態】
HQD(24bit/48kHzのwav)

【価格】
単曲200円 / アルバム500円

【収録曲】
1. Crystal Palace / 2. 静かな嵐 / 3. 素晴らしい日々

2012年、新しい才能の芽がここに

「あなたの人生を変えたアルバムは何ですか?」

その手の質問をされたとき、自分は黙りこくってしまう。正直言って、人生を変えられるほどの音楽なんて僕は出会ったことがない。そりゃあ、もちろん衝撃的だったものはあるし、興奮して人に話しまくったバンドだっている。けれど、それによってバンドを始めたわけではなかったし、音楽のみに集中してしまうことはなかった。素直にいい音楽だなと感動することはあっても、自分が何か行動を起こすまで変わったことはなかった。

ROTH BART BARON(ロット・バルト・バロン)の「素晴らしい日々」という曲に出会ったのは、本当にたまたまだった。音楽評論家の岡村詩野がレインボータウンFMで放送していた『radio kitten』という番組のポッドキャストを僕が担当していたときのことだ。同番組内の「radio kittenへの道」というコーナーは、全国のバンドマン、宅録をしているような音楽好きから未発表音源を募集するというもので、玉石混淆の楽曲の中から選ばれた楽曲が1、2曲そのコーナーでかかるという、いわば、アマチュア・ミュージシャンのコンテストのようなものだった。そこに送られてきたものは、想像以上に質が高く、プロと思えるものも少なくなかった。それでも、何かしら足りない部分があるというのは僕にもわかった。だからこそ、このコーナーで紹介され、客観的な眼を浴びることはとても意義のあることだと思っていた。そんな中の1つとして流れたのが、ROTH BART BARONの「素晴らしい日々」という曲だった。

左から、中原鉄也、三船雅也

この曲を聴いて僕は不安にかられていた。ギター、バンジョー、マンドリン、ピアノ、和太鼓、フィドルなど、多種多様な楽器によって奏でられるサウンドが、その展開が、質感が、抜けのある音が、少し震えたような高めのヴォーカルが、あまりに完璧すぎるように思えたからだ。その雰囲気は、Bon Iverの静謐さも、Fleet Foxesの祝祭感も、Dirty Projectorsの遊び心も備えていた。それでいて日本人ならではの、少し湿ったウェットさも全体を覆っていた。それがあまりに見事で、もしかしたら後半でその調和がバラバラになってしまうのではないか、台無しになるようなアレンジをしてしまうのではないか、と不安になった。そんなことを考えていたから、初めて同曲を聴いたときの印象は期待と不安が入り交じる不思議なものだった。けれど、1曲を通して、その素晴らしさは衰えることはなかったし、楽曲が鳴り止んだ後の余韻は体験したことのないものだった。もう一度聴いてみても、日を挟んで聴き直してみても、その素晴らしさは変わることはなかった。

どうしても本人たちのライヴを見たいと思い、『radio kitten』ディレクターの矢吹くんに連絡をとってもらい、ライヴを観にいった。運悪く、同僚から借りた自転車が途中でパンクしたけれど、タクシーで駆けつけた。急いで会場に入るとライヴは始まっていた。たった2人で奏でるライヴは、空気そのものを楽器にしてしまうくらいの、会場を彼らの色に染めてしまうものだった。僕は、静かに興奮しっぱなしだった。終演後、冷静を装って、2人に話しかけてみると、まだ何も知らないような若者でびっくりした。聞けば、バンドマン同士の横の繋がりもほとんどないという。まさに荒らされていない森で、新鮮で栄養のある植物を食べて育った動物のように、彼らの音楽はとても自然の中で生まれたのだ。それが、本当に新鮮だった。

最初に、あなたの人生を変えたアルバムは? という問いについて話した。もし僕がそれを尋ねられたら、ROTH BART BARONと答える日が来るかもしれない。彼らの音楽を聴いて、少しでも多くの人たちに届けたいと思い、ライヴに足を運び、行動を起こしている自分がいるからだ。誰かの音楽を聴いて、自分が行動を起こしたいと思ったことはこれが初めてだ。そういう意味では、人生を変えられた作品といえるだろう。けれど、これが一人でも多くの人たちに届くまで、僕はそう答えたくない。それくらい、ROTH BART BARONは多くの人たちに聴かれるべきだし、素晴らしい。僕だけが変わったなんてあまりにもったいなすぎる。ROTH BART BARONの音楽が世の中に広まったとき、僕は彼らの作品が人生を変えてくれたと胸を張っていえるだろう。(text by 西澤裕郎)

2012年12月13日(木)NEW EP『化け物山と合唱団』リリース決定!!


ROTH BART BARON / 化け物山と合唱団

2012年12月13日(木)リリース

【配信形態】
HQD(24bit/48kHzのWAV)

【収録曲】
1. 小さな巨人 / 2 . Campfire / 3 . 化け物山と合唱団
4 . よだかの星 (Fire works) / 5 . アルミニウム

『化け物山と合唱団』よりMVが公開中!!

LIVE SCHEDULE

「トランキラvol.1」
2012年12月8日(土)@京都 西院OOH-LA-LA
Open : 18:00/Start : 18:30
Ticket : 前売 : ¥2,000/当日 : ¥2,200(+1Drink¥600)
出演 : ROTH BART BARON(東京) / ゆーきゃん / Suelu / 井上陽介(Turntable Films) / DoDo
BGM DJ : 田中亮太(club snoozer)

「ROTH BART BARON NEW EP “化け物山と合唱団”Release Party『からっぽ博覧会Vol,3』」
2012年12月13日@渋谷La.mama
※詳細は後日発表

同時代に共振するアーティストたち

PROFILE

ROTH BART BARON

中原鉄也(drums/piano) Tetsuya Nakahara
三船雅也(vocal/guitar) Masaya Mifune

2008年結成、東京出身。

2010年に自主制作による1st EP『ROTH BART BARON』をセルフ・リリース、diskunionやJET SETから多大な支持を受ける。そして無名の新人ながら異例のiTunesでの国内、海外同時配信。ギター、バンジョー、マンドリン、ピアノ、和太鼓、フィドルなど多種多様な楽器を使い、壮大なサウンド・スケープと美しいメロディ、剥き出しの感情と生命力に満ちあふれた歌詞が作り出す圧倒的な世界観は日本の音楽シーンだけに留まらず、SoundCloudをはじめとする音楽系SNSサイトから多くの賞賛コメントを受けるなど、海外での評価も高い。

>>ROTH BART BARON official website

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筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/

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