NEU! の次はESG!?ーーゆるめるモ!、新作ミニ・アルバム『Electric Sukiyaki Girls』をハイレゾ配信開始
ニューウェイヴ脱力アイドル・グループ、ゆるめるモ! が、新メンバー加入後8人になってから初のミニ・アルバムをリリース。前作では、ノイ! を意識した10分越えのクラウト・ロックに挑戦した彼女たちだが、それに飽き足らず、今回はESGをオマージュした「あさだ」「アーメン」(いずれも箱庭の室内楽のハシダカズマ作曲・編曲によるもの)を収録!! アルバム・ジャケットから、その気合いがバシバシ伝わってくるのがお分かりだろう。それだけではなく、前作に収録されていたアイドル・ソング「逃げろ!!」の続編「生きろ!!」、ニューオーダーのサウンドをぶっとくしたかのような「私の話、これでおしまい」、FACTORY FLOORへのアイドルからの返答ともいえる「スキヤキ」まで、ニューウェイヴを軸にバラエティに富んだミニ・アルバムとなっている。これまで通り、OTOTOYでは同作品をハイレゾにて配信。8月にはリキッドルームでのワンマンも決まり、攻めに攻めている彼女たちに注目せよ!!
ESGオマージュの新作ミニ・アルバムをハイレゾ配信!!
ゆるめるモ! / Electric Sukiyaki Girls(24bit/48kHz)
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz)
【価格】
単曲 200円 / まとめ購入 1,500円
【Track List】
1. あさだ / 2. 生きろ!! / 3. 私の話、これでおしまい / 4. アーメン / 5. スキヤキ
6. あさだ(Instrumental) / 7. 生きろ!!(Instrumental)
8. 私の話、これでおしまい(Instrumental) / 9. アーメン(Instrumental)
10. スキヤキ(Instrumental)
ゆるめるモ! の初ワンマン&1stアルバム・リリースが決定!!
史上最大キャパでのワンマン・ライヴ決定!!
2014年8月9日(土)@恵比寿リキッドルーム
出演 : ゆるめるモ!
※詳細は続報をお待ちください!!
7月9日(水)に初のフルアルバムをSPACE SHOWER MUSICから発売!
ゆるめるモ! / 未知との遭遇
発売日 : 2014年7月9日
収録曲 : 逃げろ!! / なつ おん ぶるー / ゆるめるモん / べぜ~る / ぺけぺけ / DO FUFU / 他全13曲収録
偉いおっさんたちよ、これが本当のクールジャパンだ!!
BiSが90年代Jパンクを、Especiaが80’sディスコやAORを、BELLRING少女ハートがサイケデリックやプログレッシブを… といったように、結果的にアイドルが過去の音楽を伝える役割を果たすことが往々にしてある。ゆるめるモ! もまた、そんな役割を著しく強く持っているユニットだ。
なんといっても前作『New Escape Underground!』は、NEU! のオマージュで、10分越えの楽曲があったくらいだし、当初は「白人がヒップホップをやってしまったビースティ・ボーイズのように、踊れるニューウェーブを歌うアイドル」をプロデューサーの田家は標榜していたくらいである。
前作では、クラシックの素養もあるインディ・ロック・バンド“箱庭の室内楽”ともコラボレーションを果たし、いわゆる現代のバンドとも異種配合を行なうことにも成功。時間軸を縦にも横にも広げたことで、不思議な化学反応を起こし、現在はかなりおもしろい状態にいるといっていいだろう。今作は8人編成になって初となる新作であり、どのような切り口でくるかと思っていたら、ここまで来ましたかと感慨深い気持ちになるジャケットが届いた。どうやら、今回はESGのようだ。
ESGは、70年代末に、NYサウス・ブロンクスで結成された伝説的な女性グループで、現在は娘を加えて(!?)活動をしている。彼女たちは、ニューオーダーが所属するマンチェスターのレーベル、ファクトリーから最初のEPを81年にリリースしており、グランドマスターフラッシュやパブリック・エナミーがサンプリングをするなど、音楽の歴史になくてはならない存在として君臨している。その音楽は、ベーシックな要素だけで、ファンキーで無機質な音楽を鳴らす、いわゆるNO WAVE。その後のニュー・ウェイヴやポスト・パンクにも少なからず影響を与えているのである。
そんなESGをオマージュした「あさだ」「アーメン」は、前述した箱庭の室内楽のハシダカズマ作曲・編曲によるもの。ファンキーなリズムとベースを、シンプルな構成で組み立てているところはESG流ではあるものの、そのトラックに舌ったらずで現代日本的な萌声が重なった瞬間、なんともいえぬ昇天感が訪れる。しかもじわじわと体液が漏れ出すような、なぶり殺し感があって、変なクセになりそうなのだ。日本のアイドル・グループがESGを取り入れることで生まれる和洋折衷感が実におもしろい。
そして、もっとやらかしているんじゃないかという曲があって、それが「スキヤキ」という曲である。これ、FACTORY FLOORの「Fall Back」やないか〜い!! と髭男爵風につっこんでしまうくらいの痛快感がある。インダストリアルなサウンド・スケープにミニマルな要素を持ったFACTORY FLOORの楽曲を、ゆるめるモ! 流に変換。サビで和風メロディが加わった瞬間、もはや即昇天するしかない。こちらは、かなり一撃必殺的な楽曲で、ダンスフロアの快楽と、ゆるかわいいアイドルの愛らしさが、同時に迫ってくる腹上死ソングなのである。5月18日の新宿MARZでのライヴでこの曲を観たが、ミックスやケチャがまったくない状態で進んでいき、音数が少なくなる最後のサビでヲタたちの両手が宙にあがった。その瞬間、最大のカタルシスが訪れて、身体が熱くなってしまった。これぞ、現代のスキヤキ・ソング!! 生まれて初めて柏手をうちたい気分になった。
そんな、ゆるめるモ!。6月21日に四谷OUTBREAK! で開催される「自家発電Vol.03」では、職人が手打ちうどんを打っているなかで、非常階段とのコラボ(???)が決まっている。そして、8月9日には約1000人キャパの恵比寿リキッドルームでワンマン・ライヴを行なうことが発表された。自分たちのスタイルを築きつつ、次のステップを踏もうとしているひとつの大きな山場。これを乗り越えて、世界のゆるめるモ! へステップアップするのか。どんな化学変化を起こしながら進んでいくのか。俺はいまから楽しみで仕方ないぞ、ゆるめるモ! ちゃんたちよ!!(text by スカムライター西澤くん)
ゆるめるモ! の音源アーカイブはこちら
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>>『Killer Killer EP(24bit/48kHz)』のレビューはこちら
PROFILE
ゆるめるモ!
2012年10月4日に結成されたニューウェーブ・アイドル・グループ。2013年9月18日発売のミニ・アルバム『New Escape Underground!』では、ドイツの伝説バンドNeu! の『Hallogallo』を彷彿させる10分超のクラウト・ロックに挑戦し、コアな音楽リスナーの間で大論争を巻き起こす。2014年1月22日にはタワーレコードのアイドル専門レーベル「T-Palette Records」から、ロック・バンド箱庭の室内楽とのコラボ・アルバム『箱めるモ!』を発売しロングセラー中。2014年5月21日発売のミニ・アルバムでは80年代に活躍したガールズ・バンド、ESGのオマージュに挑戦。8月9日(土)には恵比寿リキッドルームでワンマン・ライヴの開催も決定!