エレクトリックリボンはどこへ向かうのか?ーー現メンバーでラストとなる最新シングルを1週間先行ハイレゾ配信
テクノポップ・ユニット&アイドルとして活動するエレクトリックリボンが、最新シングル『無敵ガール』をタワーレコードのアイドル・レーベル“箱レコォズ”よりリリース。リーダーで楽曲制作も行なっているasCaが、10月24日に東京・CHELSEA HOTELにて開催される〈エレクトリックリボンasCa卒業公演~good-bye party~〉をもって、グループを卒業することが発表されており、このシングルに収録される3曲が、asCaがメンバーとして参加する最後の作品となる。12月29日には、渋谷WWWにてグループ初のワンマン・ライヴ開催も予定されているなか、果たしてエレクトリックリボンはどのような未来を進んでいくのか。OTOTOYでは、CD発売に先駆け1週間先行でハイレゾ配信スタートするとともに、asCaの単独インタヴュー、そしてasCa以外の4人へのインタヴューでエレクトリックリボンに迫った。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
箱レコォズよりリリースされる最新シングルを1週間先行ハイレゾ配信
エレクトリックリボン / 無敵ガール(24bit/48kHz)
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV / AAC 単曲 250円 / まとめ 1,000円
【Track List】
1. 無敵ガール
2. good-bye party
3. ガーリーソング(Hikaru-Remix)
4. 無敵ガール(instrumental)
5. good-bye party(instrumental)
INTERVIEW : エレクトリックリボン
実際にステージに立って歌ってみて、辞めたくないと純粋に思ったんです
ーーasCaさんの卒業を聞いたとき、みなさんは率直にどういう気持ちでしたか?
natsuki : 正直に言うと、asCaさんの中に「辞める」って選択肢があったんだと思ってびっくりしました。と同時に、引き止めることでもないのかなと思っちゃって。もちろん、エリボンの土台がなくなっちゃうわけで、すごく心配だったんですけど、私もエレクトリックリボンだし、これからもエレクトリックリボンのnatsukiでありたいと思ったので、続けるってことを決めて、asCaさんが辞めることも受け入れました。
ーーericaさんは事前にasCaさんの気持ちは知っていたんでしょうか。
erica : 事前にというか、ほぼ口癖みたいになっていて…。「新メンバーが入るし、何か変わるかもしれないし、ここで辞めたらもったいないよ」っていうのはずっと言い続けていて。もうちょっと頑張るってことで続けてきていたんですけど、まさかこのタイミングかっていうのはありましたね。この3人に本当に辞めたいって言ってしまったら、それまでだと思っていたので。
ーーchiakiさんは、asCaさんのことは薄々感づいていたりしたんですか。
chiaki : 薄々は…。ただ元気がないだけかなーとも思ったりしていていたんですけど、いきなり前触れもなくLINEが来て。みんなシーンみたいな…。
ーーpippiさんは、辞めるって聞いた時、どう思いました?
pippi : 感情的になっているんだなと思って、辞めないでと止めたんですけど「今は誰のことも信じられない」みたいに言われちゃって。それぐらい自分を追い詰めて考えて卒業っていう結果を出したんだなと思って。翌週にとりあえず落ち着いてこの件に関しては話し合いましょうって言ったんですけど、それを言い出したマネージャーさんが翌週に辞めてしまって…。それからasCaさんと2人でお茶に行ったりして話してみたら、マイナスな意味で辞めるっていうんじゃなくて、前向きな想いも入っていたので、納得しなきゃって自分を納得させているところです。
ーーLINEが来たあとに、直接話し合いの場ももったんですよね?
erica : マネージャーさんの引き継ぎの日の後に、asCaと話し合いをしたんですけど「辞めたい」って言われて、みんなびっくりしちゃって。現実を突きつけられたみたいな形だったので、みんな黙っちゃって。話し合いにならないから、その日は一旦帰ってもらって、そのときいなかったpippi以外の3人で話し合って。その翌日にはライヴがあったから、3人でやれることはなんだろうってことを考えはじめたんです。だから、ライヴがあったことが大きかったかなって思います。
ーー無理にでもステージに立たなければという状況がプラスに働いたわけですね。
natsuki : 実際にステージに立って歌ってみて、辞めたくないと純粋に思ったんです。すごく楽しかった。
erica : あの日、私も完全に動揺していたから、すごく大きな間違いしたの覚えてるんですけど(笑)、それを含めてすごく団結していたんです。
chiaki : お互いがお互いをカバーできたし、そういう助け合いが自然と初めてできたんです。
natsuki : それで、良くよくも悪くもやれるかもと思ったんです。
erica : ライヴがなかったら1人で悶々と考えて、やばい方向にいってたかもしれないですね。
ーーasCaさんがいなくなっても出来るんだみたいな意地もありました?
erica : そうですね。
ーーとはいえ、曲を作っている人がいなくなるということは、グループにとってすごく大きなことだと思うんですね。これから楽曲に関しては今どうしていこうと考えているんでしょう。
erica : もちろん、曲を作る人を募集したいなとは思っていますし、昔のエリボンにもいい曲がいっぱいあるんで、それをアレンジし直してもらうとかってことも考えています。ただ、やってみないと分からないですね、本当に方向性は。
この曲がラストの曲になる可能性があるのかなっていうのは、なんとなく思って歌っていました
ーー今回、そんななかでの『無敵ガール』のリリースですけど、どういう気持ちでレコーディングに臨まれていたんですか?
erica : これは2年前にできていた曲で、聴いた時からかっこいいなと思っていたんです。だから、単純に新しくアレンジして曲ができてよかったなっていうのがあって。でも、この曲がラストの曲になる可能性があるのかなっていうのは、なんとなく思って歌っていました。
ーーnatuskiさんは、「無敵ガール」のレコーディングで、心がけたこととかありますか?
natuski : asCaさんが仮歌で歌ったデモをもらっていたので、ニュアンスが近い方がいいのかなと思って歌っていました。基本的にasCaさんの理想を叶えることがエレクトリックリボンにとっていいことなのかなって思っていたので。
ーーそういう意味で、ericaさんはヴォーカルで心がけていたことはありますか?
erica : いつもasCaが好きなように歌っていいよって言ってくれるのもあったし、自分の声を活かせる歌い方をしてほしいって言われて事前に声を作って練習してきていたので、自分の表現を出しました。速い曲なので、言葉を聴かせなきゃと思っていたんです。早口言葉みたいに何を言っているか分からないような歌はあまりよくないと思うから、そこをはっきり言うように特にこの曲は気をつけています。
ーーericaさんは大学で声楽科を卒業されているんですよね。
erica : 私がやっていたのは、クラシックとかオペラの方なので別物なんですけど、ポップスをやった方が歌が上手くなると思いました。クラシックはクラシックでロング・トーンとかすごく大変なんですけど、ポップスの言葉やメロディの詰め込み方とかグルーヴの出し方って独特なので。レッスンの先生にはエリボン始めてからの方が歌が上手くなったと言われて、自分にあっているのかなって思います。
ーーchiakiさんは、どういうことに気をかけてレコーディングしましたか。
chiaki : どっちかっていうと、私もericaさん寄りの感じです。これは歌を教えてくれている先生に言われたんですけど、こうやって歌わなきゃとか考えて歌うとお経みたいになるから、あんたは何も考えないで楽しく自分の思ってる音楽をやんなさいって。だから、それだけ意識しました(笑)。あとはパンチかな。パッションとか、ファイト!! みたいな雰囲気じゃないですか(笑)。そういうところかな。
ーーpippiさんは「無敵ガール」で、意識したことはありますか?
pippi : めちゃくちゃありました(笑)。普段からasCaさんに、pippiは歌ってる時に母音が激しすぎてアニメっぽくなっちゃうとか、リズム感がなくて走っちゃうことが多いから、そこ気をつけてとかすごく言われていて。「無敵ガール」だったら、最後の無敵ガールのところの「ル」を丸めて歌ってみたいな、そういうのを思い出しながらレコーディングをしていて。前にレコーディングしたのが「クリームソーダ」だったんですけど、その時にasCaさんに注意されたこととかが頭にふっとよぎるんですね。なるべくasCaさんが言ったことを思い出しながら、asCaさんが思い描いているような「無敵ガール」を歌えるように気をつけました。
ーーasCaさんの指導を意識しながらのレコーディングだったんですね。
pippi : そうですね。asCaさんは、個性を大事にしてほしいってすごく言っていて。新メンバー3人が入った時に、ニコ生で3人でエリボンの曲歌いましょうみたいな企画があって、自分なりにericaさんのモノマネをして歌ったんですけど、asCaさんに「pippiらしさを出して」って言われたので、新しいエリボンに少しでも近づけるようにハモリとかも気をつけてます。
絶対に今回は成功させるぞって気持ちは余計強いかもしれないです
ーー4人それぞれのasCaさんへの距離感や想いがある中で、これから新しいエレクトリックリボンを作っていかないといけないわけですが、4人の共通認識というか一致している部分ってどういうところでしょう。
erica : 今の共通認識は、エレクトリックリボンを続けたい、続けようっていうところだと思います。だから、プランはどうするのってことや、ワンマンの話をコツコツやってる感じですね。一度は名前を変えるとか、辞めるとか、抜けるとか、1人1人考えていたとは思うんですけど、私的には続けようってことで一致していると思います。
ーーあくまでエレクトリックリボンとして続けたいっていうのは、なぜなんでしょう。
erica : 私個人の話をすると、エレクトリックリボンがやりたくてこのグループに入ったんです。アイドルがやりたいとかじゃなくて、エレクトリックリボンっておもしろそう、曲もいいしって気持ちで入って今も続けてるんで、エレクトリックリボンを守りたいって気持ちがあるんです。1年後に今の曲は1曲もやっていなかったとしても、新しい形のエリボンを見せていたいです。
ーーpippiさんはどうしてエレクトリックリボンを続けたいんですか?
pippi : ericaさんとほぼ一緒になっちゃうけど、エレクトリックリボンの曲が好きで、エレクトリックリボンに入りたいと思ったんです。その曲を作っていたasCaさんがいなくなってしまって、エリボンじゃないのかなとも思ったんですけど、ericaさんの声はエレクトリックリボンの象徴だし、chiakiとかnatsukiの声だってある。だから、エレクトリックリボン以外の名前になる意味ってあるのかなって。だったら4人でエリボンって言って何が悪い! って思いました。
ーーchiakiさんはどうですか?
chiaki : 私はまだ気持ちがまとまってないです。エレクトリックリボンの曲がいいと思って、アーティストっぽいなと思って入ってるから。うーん。asCaさんの曲の色があるじゃないですか? それがないエリボンってなんだろうってまだ考えてる途中ですね。
ーーnatsukiさんはどうですか。
natsuki : 私はエレクトリックリボンにすごく感謝をしていて。ずっとアイドルになりたくて、いろんなグループのオーディションを受けてきたんですけど、ほとんど書類で落ちてきて、やっと入れたのがエレクトリックリボンだったんです。もちろん受ける前に曲とかもたくさん聴いていて、単純に自分が歌ってこれはいい曲だって思ったんですよ。だから、自信があって受けたんです。asCaさんも「こういう声の子が欲しかったんだよ。私の作る曲にnatsukiの声はすごく合ってる」って言ってくれて、それがすごく嬉しかったし、お客さんも同じようなことを言ってくださって。それを考えた時に、エレクトリックリボンを辞める理由がないなって単純に思ったんですよね。ちょっとおこがましいけど、この半年でもエレクトリックリボンのnatsukiって思ってくれる人がいるんだと思って。これからもそれを背負って、責任を持ってエレクトリックリボンを大きくしていくのが、私の感謝の気持ちの一番の表し方だなって。だから、このままやっていきたいです。
ーーワンマンは、あえてasCaさんの卒業とかぶせないことにしたんですよね。それは4人での未来を見据えてのことなんだと思いました。
erica : 初めてのワンマンっていうのもあるし、すごく楽しみにしてることなので、悲しい卒業公演みたいな舞台より、みんなでワンマン乗り切ったね、楽しかったねっていうのにしたいなっていうのが一番大きいです。
ーーでも意外ですよね。これがエレクトリックリボンの初ワンマンって。
erica : そうなんですよ。本当は2013年の11月くらいにハコもおさえてたんですけど、次の年のすぐにはNAOMiが辞めるってことになって、去年は夏以降全く活動出来てなくて。年明けに3人が入ってきて、ようやくワンマンをやるってなっていた矢先だったので、絶対に今回は成功させるぞって気持ちは余計強いかもしれないです。
ーー本当に気持ちの入ったワンマンになりそうですね。
erica : 楽しみも不安ももちろんあるけど、気合いを入れ直して、ワンマンに向かっていきたいと思います。
INTERVIEW : asCa
自分のやりたいところをもうちょっと突き詰めたいなと思うようになって
ーーストレートに訊きますけど、なぜこのタイミングで卒業をすることに決めたんでしょう。
asCa : これまでも辞めちゃおうかなと思うときは何度かあって、そういう時は友達とかとしゃべってすっきりしていたんですけど、今回は自分のためにも決断しよう! と思って。自分の中ではエレクトリックリボンでやりたかったことはやり終えたかなって。アイドルという側面から評価していただいてすごく嬉しかったんですけど、曲をもっと聴いていただきたいとか、自己表現の方向に欲が出てきたんです。私の中で目指していたライヴ感はリップ・スライムさんで、ポップを可愛く見せる表現というか、そういう可愛さを作りたいという気持ちがどんどん強くなってきたんです。
ーーエレクトリックリボンを始めた当初から、リップ・スライムの感じというのは思い描いていたんですか?
asCa : 最初は全然考えていなくて。エレクトリックリボンって、初期は配信限定でやろうと思ってたんです。そのときに組んでいたバンドのメンバーに「こういうのをやりたいんだ」って曲を持っていっても、メンバーがみんな男性だったから「こんなアイドル、アイドルした曲はいやだ」って言われて。どうしてもやりたいから、ソロの配信限定としてやろうと思って名前を考えていた時に、アスカって本名なんですけど、エリちゃんとかリエちゃんとかもっと可愛い名前がいいなと思って「エリボン」って呼ばれたいと思ってつけたんです。当時、初音ミクも流行りだした頃だったんで、初音ミクっぽさも欲しいし、Perfumeさんっぽさも好きだしって全部詰め込んで、そういう感じの音楽をやろうって、はじまったんです。
ーーいまあるアイドルの要素を取っ払った状態で、再び楽曲を作っていきたいということですか?
asCa : そうですね。可愛い物はずっと好きなんですけど、近いところで行ったらspoon+さんとかって、世界感が全部可愛いじゃないですか。衣装も全部お人形さんみたいに作って。そこまで突き詰めた全体の可愛さみたいなことをしたいんです。
ーートータル・プロデュースというか。
asCa : プラス、単純にエレクトリックりぼん(初期の表記)をはじめた頃って、ニッチな層に受ける薄っぺらい曲をやっていたんですけど、徐々にもっとたくさんの人に見て欲しいっていう欲が出てきて、売れる路線にいったんです。最初はすごく楽しかったんですよ。自分の作る勉強にもなるし、新たな発見もたくさんあるし。それこそ「星屑ハイランド」をアレンジしてくれたfazerockくんにもいろんなことを聞いて、たくさん音楽的なことを学んだんですよね。それを試していくのはすごい楽しかったんですけど、それもなんとなく理解しちゃって。そしたら原点回帰じゃないけど、もう一度、薄っぺらくてもニッチでも、自分のやりたいところをもうちょっと突き詰めたいなと思うようになって。
ーーわかりやすく単純化しちゃうと、テクノ・ポップを基軸としたような楽曲制作をしたかったっていうこと?
asCa : そうです、そういうのをやっていたんです。今、同じものを作れって言われたら絶対に無理なんですよ。知識がなかったからこそ、ただ入れたい音だけを入れてたからできたんです。けど、今はいっぱい学び過ぎて、和音の音とかも入れたくなっちゃうから。
ーーそれじゃあ、エレクトリックリボンの枠を取っ払った時にどういうことをやりたいんでしょう。
asCa : オトトイの学校でも、DTM講座の先生をやらせてもらったじゃないですか。すごく楽しかったんですよ。もっと伝えたいこともたくさんあったし、つまずいたところもいっぱいあって。これから曲を作る人たちにそんなところでつまずいてないで、さっさと次いこうって教えたいこといっぱいあって。そういうのはやりたいことの1つですね。
ーー自分がステージの前に出て行くってことは考えてない?
asCa : それが全くの0になっちゃったらさみしくなっちゃうと思うので、DJ活動だったりとか、ソロ活動でPastel Pantsっていうソロ・ユニットをやっているので、サポート・メンバーの都合がつく時にやるみたいなのは考えてるんですけど、今のエリボンみたいにバンバン、ライヴを入れるっていうのはないと思います。
ーーエレクトリックリボンのような楽曲は作らないんですか?
asCa : もちろん、アイドルさんに楽曲提供はしたいです。例えば、中田ヤスタカさんみたいにビートを聴いただけで誰の曲か分かるみたいな、でもすごく聴きやすくて、メロもわかりやすい。ああいう個性的な音が出せるようになったらいいなって思います。パって聴いて「これasCaじゃない?」みたいな。
団結力のあるグループを作って欲しいなと思います
ーーそういうasCaさんの決意が固まったとはいえ、エレクトリックリボンとして新メンバーでシングルを出して初ワンマンをというタイミングでの、まさかの卒業じゃないですか。どういう形でメンバーに伝えたんですか?
asCa : 7月にちょっと辞めたいと考えているので相談させてくださいとLINEで伝えて、8月1日に話し合いだったんですよね。ゴチャゴチャ理由をつけずに、まず結論を言ったんですよ。「いろいろ考えたんだけれど、私は脱退します。12月29日まで決まっているライヴもあるから、そこまではやります」って。そしたら想像以上にみんなのことを傷つけてしまって。その時はほぼ話し合いがなく、私が結論を言って帰ったって感じでした。
ーーericaさんもその時に初めて知ったんですか?
asCa : なんとなく覚悟はしてたんだと思うんですけど、私がほんとにそういうふうに言うっていうのは、その時みんな初めて知って。話し合いまでに一週間あったからすごく考えて。その間にマネージャーさんが辞めちゃったりして。だからすごいぐちゃぐちゃで。壮絶ですよね(苦笑)。
ーーエレクトリックリボンを解散させるみたいなことは考えなかったんですか?
asCa : 考えなかったです。それは残る子次第だなと思って。私のワガママだけで、今日で解散みたいなのは言えないじゃないですか。私は辞めるけど、みんなはみんなの判断に任せる、名前も曲も全部私のものだから返せとは絶対に言わないから、そこはみんなで話し合って考えてほしいっていうのは言いましたね。
ーーとはいえ、楽曲を作ってるasCaさんがいなくなるって心臓部分がなくなることじゃないですか。
asCa : 私はそんなことは本当に思っていなくて。想像以上に周りの人の方がそう言ってくださるんですけど、自己評価はいつも低めに設定して頑張ろう! とやってきたので、私が辞めたところで、ericaの声があればエリボンだと思うし。メインのヴォーカルは3人だから、ヴォーカルがいれば成り立つって思っていたんですね。
ーーエレクトリックリボンの核は、3人のヴォーカルってことですか。
asCa : そうですね。そこがありきだと思ってます。もちろん私の曲っていうのもあるんですけど、一番のエレクトリックリボンの核になるのは、ヴォーカルだと思うんです。
ーー先ほど、12月29日までやるって言ってましたけど実際はもっと早いんですよね?
asCa : そうなんですよ。10月24日で卒業します。
ーーなんでその日になったんですか?
asCa : 最初は12月29日までって話だったんですけど、残ったメンバーはちゃんと未来が見れてるんですよね。ワンマンは終止符じゃなくて、そこからもうちょっと大きいリキッドとか、ブリッツとか、Zeppとかそういうところに出たいからこそ、asCaの卒業を使って人を入れるのはちょっと違うっていう。それはすごく分かるなと思って卒業ライヴは10月にしたんです。
ーーちなみに「無敵ガール」は、エレクトリックリボンでは最後の曲だと思って作ったんですか?
asCa : 全然! それは違います。この曲は2年前の〈夏の魔物〉の前日にデモができたんですよね。陽の目を見ず置いていたんですけど、マネージャーさんにこういう曲がありますって聴かせたらいいねって言ってくれて。その時に聴かせたのが「クリームソーダ」と「無敵ガール」だったんです。
ーーasCaさんがいるエレクトリックリボンとしては最後の曲になるわけじゃないですか。思い入れみたいなものはありますか?
asCa : もちろん苦しんで産み落とした子どもなんですけど、前にミュージシャンの方に言われたことがあって。1曲1曲に思い入れがあったり大切にすることはすごく大事だしいいことだけれど、それはその時の作品だからって。1曲に固執している時間を、もっと新しい曲を作ることにかけたほうがいいし、前を向いた活動をしたほうがいいって。後ろを向いてリアレンジするのはベスト・アルバムを出す時でいいんだって言われて。すごく大切な作品ってことに変わりはないけど、変な感情とかはないですね。全部好きだし、今できることを詰め込んだのが「無敵ガール」ってだけで。
ーー卒業するにあたって、asCaさんが目標にすることと、4人に伝えたいことがあれば教えてもらえますか。
asCa : 目標かあ…。自分に正直にちゃんと向き合って、自分の意見は言えるようになりたいなって。自分のやりたいことを大切にしながら、音楽をやっていくことが目標ですかね。エリボンのメンバーは、みんな優しいんですよ。優しいからこそ、本音が言えなくて、逆に絡まっちゃう時とかがあって。ぶつかってでも一緒にやっていくソウルメイトみたいなものだと思うんですよね。一緒に泣いたり、怒ったり、っていうのを重ねなきゃいけないと思うんですよね。私も人見知りが激しいから、メンバー全員に慣れるのに時間かかっちゃったけど、今はなるべくいろんなことを伝えるようにしていて。この間も、セットリストを決める時にいろいろ言いすぎて怒られちゃったけど(笑)。でも言わないと伝わらないから。言わなくても分かってよは絶対ありえない。みんなでちゃんと力合わせて、とりあえず怒っても、とりあえず聞く姿勢。怒られても、とりあえず言う姿勢。をしっかり持って、団結力のあるグループを作って欲しいなと思います。
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LIVE SCHEDULE
リリース・イベント
2015年10月12日(月)@ららぽーと柏の葉
2015年10月12日(月)@タワーレコード渋谷店屋上
2015年10月13日(火)@HMVエソラ池袋
2015年10月14日(水)@タワーレコード渋谷店1階
2015年10月15日(木)@タワーレコード横浜ビブレ店
2015年10月16日(金)@タワーレコード渋谷店屋上
2015年10月17日(土)@タワーレコード秋葉原店
2015年10月17日(土)@タワーレコード新宿店
2015年10月18日(日)@タワーレコード錦糸町店
2015年10月18日(日)@タワーレコード新宿店
2015年10月19日(月)@SHIBUYA TSUTAYA
2015年10月20日(火)@SHIBUYA TSUTAYA
2015年10月7日(水)@下北沢CLUB251
2015年10月11日(日)@渋谷WWW
2015年10月23日(金)@渋谷Glad
エレクトリックリボンasCa卒業公演〜good-bye party〜
2015年10月24日(土)@渋谷CHELSEA HOTEL
2015年11月1日(日)@CLUB SONIC MITO
エレクトリックリボン・ワンマン・ライヴ
エレクトリックパーティー~初ワンマンは渋谷WWW!!~
2015年12月29日(火)@渋谷WWW
PROFILE
エレクトリックリボン
エレクトリックリボンは asCa 、erica、natsuki、chiaki、pippiからなるテクノポップ・ユニット。楽曲はリーダーであるasCaがすべて手掛ける実力派アーティスト。
2011年10月よりメンバーの脱退によりに活動を休止していたが、2012年12月にericaの加入により活動を再開。2013年6月に初の全国発売となった『エリボンちゃん』がタワーレコード渋谷店でデイリー・ランキング1位を獲得、オリコン・ウィークリー・チャート・インディーズ9位を獲得。2014年は〈YATSUI FESTIVAL〉に出演や日本最大のアイドル・フェス〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉に2年連続出演するなど、アイドル・イベントから本格音楽イベントまで渋谷を中心に活動の場所を各地に広げる。2015年は新メンバー3人を加え、4月29日には新体制初の音源「クリームソーダ」をイベント特典CDとしての配布と同時にハイレゾ配信も敢行。オトトイのウィークリー・ランキングで2週連続1位を獲得、またマンスリー・ランキングでも1位を記録。
今秋には新体制初のシングル『無敵ガール』のリリースと、12月29日にエレクトリックリボンとしても初となるワンマン・ライヴが渋谷WWWで行われることが発表された。本格的に動き出したエレクトリックリボンに注目だ!!