2011年9月、新宿歌舞伎町のライヴ・ハウス5会場6ステージを使って行われた大型イベント『ETERNAL ROCK CITY.2011』。ZAZEN BOYSやthe telephonesから、インディペンデントに活動する若手バンドまで、総勢60組近いアーティストが熱いライヴを繰り広げ、見事大成功を収めました。そして同イベントが、2012年も開催決定!! それを記念して、OTOTOYでは2回に渡って『ETERNAL ROCK CITY.2012』の特集を展開いたします。第二弾となる今回は、『ETERNAL ROCK CITY.』の主宰者・辻友哉が一番お世話になったという、タイラダイスケ(FREE THROW)と鶉野拓人(新宿Motionの店長、about tess)を招き、鼎談を決行!! 辻の想いがどうやって形になっていったのか、そして『ETERNAL ROCK CITY.』以降の展望まで、赤裸裸に語ってもらいました。開催まで、あと1カ月!! チケットがSOLD OUTして後悔しないように、予約はお早めに!!
>>第一弾特集、辻友哉と成田大致の対談はこちら
新宿歌舞伎町のライヴ・ハウス6会場7ステージを使って開催決定!!
Yuya Tsuji Presents ETERNAL ROCK CITY.2012
【日程】2012年9月15日(土)~16日(日)
【会場】新宿MARZ / 新宿Marble / 新宿Motion / 新宿LOFT HALL STAGE / 新宿LOFT BAR STAGE / 新宿OTO / 新宿RUIDO K4
※Midnight ROCK CITY.(深夜公演)のみ、会場が新宿MARZ/新宿Marble/
新宿Motionの3会場になります。
【時間】
一日目 : OPEN / 9:00 START / 9:00 END / 22:00
一日目深夜:OPEN / 23:00 START / 23:00 END / 5:00
二日目 : OPEN / 9:00 START / 9:00 END / 22:00
※各入場時につき、1Drink(¥500-)~3Drink(¥1500-)必要。
券種詳細はOfficial web siteをご参照ください。
2012.09.15.Sat(1日目)
▼OPENING ACT
如何に崇高な精神といえども顔面が伴わなければ『彼女』は出来ない。 / QOOLAND / Day and Buffalo / FOX CAPTURE PLAN
▼MAIN ACT
aie / the unknown forecast / 赤い公園 / about tess / avengers in sci-fi / 或る感覚 / ANYO / indigo la End / 【NEW!!】Wienners / ent / otori / 快速東京 / KAGERO / 完全にノンフィクション / 聞こえないふりをした / クウチュウ戦 / Christophert Allan Diadora / THE★米騒動 / JABBERLOOP / The sisi / 6eyes / Jeepta / 新世界リチウム / SuiseiNoboAz / 【NEW!!】SEBASTIAN X / SEVENTEEN AGAiN / SELFISH / 太平洋不知火楽団 / QomolangmaTomato / deepsea drive machine / told / native / Half-Life / HaKU / バックドロップシンデレラ / ひらくドア / Brian the Sun / The Flickers / BLUE ENCOUNT / FOUR GET ME A NOTS / 【NEW!!】PE'Z / MUGWUMPS / mississippiroid / the mornings / 【NEW!!】MO'SOME TONEBENDER / MOROHA / Large House Satisfaction / レムチャップ / WRENCH / THE UNIQUE STAR / WOZNIAK
▼GUEST PARTY【ALL NEW!!】HIGH SCHOOL DISCO(GUEST LIVE: ahme) / ピストル・ディスコ(GUEST: odd / GEEKSTREEKS / 四星球) / LEF!!!CREW!!! 4 HOURS DJ SET
▼GUEST DJ
【NEW】あばっと(TOKYO BOOTLEG) / 【NEW!!】石毛 輝(the telephones) / 【NEW!!】 岡本 伸明(the telephones) / 【NEW!!】小倉 健一(Shinjuku Rolling Stone) / 【NEW!!】渋谷リュウ(Shinjuku Rolling Stone) / 【NEW!!】SMYLE(TOKYO BOOTLEG) / 【NEW!!】タイラダイスケ(FREE THROW / Parade) / ツジユウヤ(HIGH SCHOOL DISCO / ETERNAL ROCK CITY.) / 【NEW!!】ヒサシ the KID(THE BEACHES / Parade) / 【NEW!!】ホリエアツシ(ent / ストレイテナー) / 野垣内 悠(Synchronized Rockers) / 紀(Whoop de doo!) / 【NEW!!】Yuki Abe(AFRICAEMO / Boys Get Hurt)
※出演予定でした、DJマキトは一身上の都合により、キャンセルになりました。ご了承ください。
2012.09.15.Midnight ROCK CITY(深夜)
▼MAIN ACT
AFRICAEMO / ORLAND / Dorian
▼GUEST DJ Party
FREE THROW
▼GUEST Live Party
Love Action(Canopies and Drapes/kenta hirano/NILE LONG/#9)
▼GUEST Label
Second Royal Records
▼ARTIST
アナ / Satoru Ono Band / Turntable Films / TEEN RUNNINGS / NEW HOUSE【ARTIST NEW!!】
2012.09.16.Sun(2日目)
▼MAIN ACT
ircle / OUTATBERO / YeYe / いったんぶ / UHNELLYS / winnie / 嘘つきバービー / sgt. / おさむらいさん / キドリキドリ / Cathy lost one's apricot yesterday / キュウソネコカミ / Clean Of Core / GRIKO / 撃鉄 / KONCOS / 385 / the chef cooks me / suzumoku / 3markets(株) / Sorrys! / ソンソン弁当箱 / DALLAX / deepslauter / talk / チーナ / dob / tricot / HALFBY / BYEE the ROUND / bacho / 【NEW!!】PAN / HANDSOMEBOY TECHNIQUE / BAND A /【NEW!!】ピアノゾンビ / viridian / 百蚊 / FOX LOCO PHANTOM / the brown / BLACKS / Fragile / Predawn / FLUID / 蜜 / Moonbug / memento森 / moja / MONICA URANGLASS / yEAN / ゆれる / johann / Liaroid Cinema / Lighter190E / Rhycol. / 0.8秒と衝撃。 / and more...!
▼GUEST PARTY【ALL NEW!!】
CLUSTER SOUNDS(GUEST LIVE: Kiyoshi Sugo / JaccaPoP / ★STAR GUiTAR / WONDER WORLD) / TOKYO BOOTLEG(GUEST LIVE: YMUT Kingdom) / HIGH SCHOOL DISCO(GUEST LIVE: thatta / PILLS EMPIRE)
▼GUEST DJ
【NEW!!】遠藤孝行(Freak Affear / New Action!) / オオイユウスケ(BYEE the ROUND) / KAZUHIRO ABO(DONUTZ) / 【NEW!!】クボタマサヒコ(kuh.) / 【NEW!!】クロマティーゆうや(ピストル・ディスコ) / しゅうぴー(Rock Anthem) / SEKITOVA / 【NEW!!】TA-1(KONCOS / SUNNY CLUB / Anorokes) / TAMAYAMAN(KaTie) / ツジユウヤ(ETERNAL ROCK CITY./HIGH SCHOOL DISCO) / ナルケユート(Grass Code) / M!-ke(Synchronized Rockers) / 【NEW!!】68(MONICA URANGLASS)
【TICKET】
早割一般二日通し券 : THANK YOU!! SOLD OUT!!(※¥4,500-(with 3Drink/¥1,500-)
早割高校生以下二日通し券 : THANK YOU!! SOLD OUT!!(※¥2,500-(with 2Drink/¥1,000-)
一般15日入場券 : ¥4,500-(with 1Drink/¥500-)
一般16日入場券 : ¥4,500-(with 1Drink/¥500-)
高校生以下割引15日入場券 : ¥2,500-(with 1Drink/¥500-)
高校生以下割引16日入場券 : ¥2,500-(with 1Drink/¥500-)
Midnight ROCK CITY.(深夜)入場券 : ¥2,500-(with 1Drink/¥500-)
一般通し券(15日/深夜/16日入場可能) : THANK YOU!! SOLD OUT!!(※¥7,000-(with 3Drink/¥1,500-)
高校生以下割引2日通し券(15日/16日入場可能※深夜入場不可) : ¥3,500-(with 2Drink/¥1,000-)
チケット購入については、Official web siteをご参照下さい。
【MORE INFORMATION】
ETERNAL ROCK CITY.2012 Official Web
【主催】
ツジユウヤ(HIGH SCHOOL DISCO / ETERNAL ROCK CITY.)
【お問い合わせ】
ETERNAL ROCK CITY.2012 Official Web
Mail / info.yuya.tsuji@gmail.com
HOT STUFF PROMOTION
『ETERNAL ROCK CITY. 2012』へ2組4名様をご招待!
無料招待への応募方法!!!
件名に「ETERNAL ROCK CITY. 2012 招待券希望」、本文に氏名、年齢、住所、電話番号、をご記入の上、info(at)ototoy.jpまでメールをお送りください。当選者の方には、追ってメールにてご連絡します。
※あらかじめinfo(at)ototoy.jpからのメールを受信できるよう、設定ください。
※3ドリンク代とチャージ代(合計2,000円)は別途いただきますので、ご了承ください。
応募締切 : 2012年8月23日24時まで
鼎談 : 辻友哉 × タイラダイスケ × 鶉野拓人
いよいよ開催まで1ヶ月を切った『ETERNAL ROCK CITY.2012』(エロフェス)。ブッキングから告知・宣伝、連絡まわりまで、ほとんど主宰者の辻友哉が一人で行っており、辻の疲労もこれからピークに達していくはず。しかし、肉体の疲労と反比例するように辻の情熱はさらに勢いを増しているようだ。会うたびに、彼の表情はいきいきとして輝いていっている。これは間違いなく、去年の『ETERNAL ROCK CITY.』にも増した、熱くエネルギーの渦巻いた2日間になることだろう。OTOTOYでは、前回の成田大致との対談に続き、対談企画を決行。「どうしても、この2人は呼びたいです」と、辻が強く願った2人に登場してもらった。1人目は、新宿Motionの店長であり、about tessやカオティック・スピードキングのメンバーでもある、鶉野拓人。そして2人目は、元・新宿MARZのスタッフでFREE THROWの主宰でもある、タイラダイスケ。「この2人がいなかったら、エロフェスは始まっていなかった」とまで辻が言いきる、信頼のおける2人とともに、エロフェスへの熱い想いを語ってもらった。
インタビュー&文 : 西澤裕郎
写真 : 畑江彩美
フェスをやって生計を立てるのが最終目標ではない
——今回の座談会は、辻君が本当にお世話になっている2人をお迎えしたいという希望から実現しました。最初に、それぞれの出会いをお聞きしたいのですが、タイラさんは辻君とどういう形でお会いしたんですか?
タイラダイスケ(以下、タイラ) : 最初は、辻くんのイベントに、DJで誘ってもらったんです。そのあと、DJを教えてくださいって言ってくれて、付き合いが続いていったんです。当時、俺は新宿MARZで働いていたから、あるときエロフェスの企画書をもらって。彼はまだ高校生だったので、赤字が出ちゃった場合のことを考えると、簡単に返事はできなくて。新宿MARZだけじゃなくて、新宿Motionも使いたいってことだったので、Motionの店長であるタクトさんにも相談をしたんです。
——その企画書をタクトさんが見て、率直にどういう印象を持たれましたか?
鶉野拓人(以下、鶉野) : ものすごくしっかりした企画書だったと同時に、夢というか、想いでいっぱいになっているなと思いました。成功したらすごいけど、コケたら… と思っていました。タイラさんからは「すごい面白い高校生の子がいる」と聞いて会ったんですけど、割と印象が違ったんですよ。DJやっているからイケイケかなって思ったんですけど(笑)。
辻友哉(以下、辻) : (笑)。
鶉野 : そしたら、ひょろっとした大人しそうな子が来たんで(笑)。単純に言うと面白いなぁって思いました。想いが、すごくしっかりしてました。
——辻くんはどういったところで、2人がいてよかったと思いますか?
辻 : ブッキング面で相当助けてもらったところとか、困ったときにちょこちょこ助けてくれたところが本当に多くて… 一言では言えないですね。
鶉野 : ブッキングに関しては、候補があがった時点で、3人で共有しながら誘っていったというか。チャージバックとかギャラとかの条件も3人で相談して。今はもう辻くんが一人でやってるんですけど。そこまではお誘いの仕方とかは一緒に進めていきましたね。
——10代の時って、現状に対する不満とか初期衝動が行動の根本にあると思うんですけど、前のインタビューで辻くんは現状に対して不満はないって言ってたじゃないですか。なんで最初から大きいことをやろうと思ったんですか。
辻 : それは、小規模だったら、インパクトがなかったからですね。高校生主催のフェスで、MARZで10時間やりますっていっても、そんなにインパクトが強いと思わなくて。2会場でもインパクトはあまりないと思ったんですけど、現実的に無理なので、2会場に加え、後々ですが1会場増やして、合計3会場で開催したんです。
——世の中に対して、名を残したいという思いもあったんですか?
辻 : それが一番でかいです。僕の名前が弱いまま、普通にやってもそんなに大きくならないと思ったので。最初のインパクトってすごい大事ですから。
鶉野 : 僕が見てると、辻くんは自分の名を売るというよりは、こんなに面白いバンドがいるのに、10代の若い子たちが知らないのはもったいないみたいな気持ちが強いような気がすごいするんですよね。
辻 : そこは半々ですね。フェスをやって生計を立てるのが最終目標ではないので。
——この間のインタビューで、これがコケたら人生終わるって言ってたじゃないですか。エロフェスをやる上で、最終目標ってどういうところにあるんですか。
辻 : 新宿のライヴ・ハウス全部を使って、深夜も挟みつつ5日間分のイベントをやりたいというのと、同時にレーベルを作って、生計を立てる。あとDJもやりたいです。要するに、音楽を楽しみたいだけなんです(笑)。
一同 : うん。
——決してフェスだけをやりたいわけじゃなくて、レーベルとかDJを自分でプレイしながら、生計を立てていきたいと。それをやるためには、インパクトを残して、ちゃんと自分の名前を認知させるっていうことが必要だったわけですね。
辻 : そうです。だから認知させるためにも最初にフェスをやりました。でも、やるからにはちゃんと筋が通ってないと嫌だから、自分で責任を持ってやりました。
ライヴ・ハウスがその人の新しい居場所になったら素晴らしいと思う
——お2人はライヴ・ハウスで働かれていたり、自分でプレイをされていたり、いろんな現状を知っているわけじゃないですか。決して今音楽業界お金があるわけではないですし、浮いた話も多いわけではないじゃないことを踏まえた上で、辻くんにどうアドバイスしますか?
鶉野 : 本当にやりたいなら、やめろって言ってもやると思うんですよね。だから僕はがんばれよとも、無理だとも言わないというか。わりとニュートラルなスタンスで付き合っていきたいなって。僕もレーベルに関わってたり、演者でもあったり、ライヴ・ハウスの店長でもあるので、僕の知っていることをいっぱい伝えられると思うんで、自然にやりたいようにやればいいんじゃないかなと(笑)。
一同 : (笑)。
——タイラさんはどうですか?
タイラ : 辻くんって物怖じしないでわーっといくんですよ。俺だったら尻込みしそうなオファーとかを、スポーンとしたりできる。そういうところがみんな面白がってるというか、「しょうがねえなぁ、辻は」みたいになるんだと思います(笑)。辻くんがそういうことをやりたいっていうのは、思いつきで言ってるわけじゃないし、頑張ってエロフェスを3回続けてきてるっていうこともあったり、辻くんは今までにいないタイプ。面白いキャラクターだし、可能性がすごくあるんじゃないかな。愛されてるなぁって思いますよ、周りの人達とかにも。
——そういうまっすぐさが行動にも現れているし、放っておけない感じも、すごくよく分かります。ちなみに、エロフェスにはDJも数多く出演するじゃないですか。それこそ、FREE THROWの影響は受けてたりするんじゃないですか。
辻 : パーティに関してはFREE THROWの影響は受けまくりだと思います(笑)。僕、最初に行ったパーティがFREE THROWなんですよ。それがきっかけで、知り合いも増えて、色んなパーティに行くようになったから。
——言ってみれば、タイラさんは辻くんの先をいってパーティをやってるわけじゃないですか。タイラさんから見て辻くんのパーティはどう写りますか?
タイラ : いい意味で、自分たちとやってることは違うなっていう感じがします。デモ音源しか出ていなかったり、流通してないような音源とかでも、若いお客さんが盛り上がったりするし、それこそお酒を飲まないでみんな楽しんでるわけじゃないですか。しかも、深夜じゃなくて夕方に。これをちゃんと成立させてるのはすごいなぁって。言葉で表すのは難しいと思うんですけど、ロックのDJはちっちゃい村社会みたいなところがあって。でも辻くんは、こっちの村のこの人が良くて、あっちの村のこの人が良くてみたいな感覚があるんで、ごっちゃでやれたりする。バンドの感覚も同じだと思うんですけど、普段対バンしないけど合わせてやったら絶対大丈夫、みたいな。自分の好きなものが絶対! という芯があるのかなぁと思います。パーティにはすごい雰囲気がある。
——最初に信念ありきで、とにかくこれがやりたいんだって思いがあるから、方法が分からなくても、ニュートラルというか垣根をこえてできるのかもしれないですね。
タイラ : 辻くんは、飛び級で変な所からスポンと入ってきたみたいな感じで、そこがおもしろいのかもしれないなぁって思います。
——タクトさんは出演者としても3回連続での出演になりますよね。出演者としての印象はいかがでしょう?
鶉野 : 1回目にカオティック・スピードキングで出たときは、楽しみにしてくれているフロアの雰囲気がよく分かるというか、いつものライヴとは全然違うんですよね。新しい人に観てもらってる感じはすごいありました。単純に若いお客さんがすごい多かった。2回目にabout tessで出たときも、昼間2時半くらいなのにすごいお客さんで。僕も各会場まわっていたんですけど、さみしい空間がないんですよね。どこにいっても人がいて。もちろん人が多くて観れないってことは起こっちゃうんですけど、「あ、残念!」って他の会場に走っていくみたいな感じもあって。出てても、観てても、楽しいなぁっていうのが率直なところですよね。
——やっぱりお客さんは若かったり、それまでライヴ・ハウスに来たことのないような人も来ていたりするわけですね。
鶉野 : ライヴ・ハウス規模でやってるバンドさんって、自主企画とかレコ発とかをやる時に、どうしても知り合いとか知り合いのバンドマン、友人レベルの人にもかなり来てもらわないと、集客とか難しい人とかいるんですけど。一般層の人達がちゃんと来てくれてるっていう印象はありました。音楽ファンが来てるというか。
——それは辻くんの知り合いが多いというわけではない?
辻 : そもそも僕、友達がほとんどいないです(笑)。
一同 : (笑)。
辻 : 本当にライヴに行くか、家でひきこもってるかのどっちかなんで(笑)。友達だから来てよっていうのは僕はすごく嫌いで、それをやったら嘘でも動員1000人記録!! とかだって出来てしまうじゃないですか。だからよく、友達だから来てよ的な招待が来るのですが、僕は楽しいと思ったものにしか行きたくないのもあるので、そういう誘い方はしないです。
——友だちがいない状況の中で、高校生を呼びたいと思ったのが不思議だなあって思ったんですけど。
辻 : 1年目の趣旨に大きく書いていたのですが、人にはその人なりの学校とか職場でも居場所がいっぱいあるじゃないですか。僕は、ライヴ・ハウスがその人の新しい居場所になったら素晴らしいと思うんです。僕は現に居場所っていったら、家かライヴ・ハウスかぐらいなんで、僕は今のライヴ・ハウスという居場所がすごく楽しいので、他の人もそういう環境になったらいいなあって思って。すごい暗いんですけど…。
——いえいえ、いい話じゃないですか(笑)!
辻 : 僕は高校生の時、高校よりライヴ・ハウスの方が知り合いが多くて、ライブ・ハウスで「私、この場所が楽しい!」みたいな環境を作って欲しいなぁと。そしたらすごい幸せだと思うんです。ライヴ・ハウスに行けば、いっぱい友達に会える環境。で、その学校の友達がどんどん流れてきたらもっといいじゃないですか。あとまぁ良いバンドが埋もれずに解散せずに、若い子達にみてもらいつつ、どんどん大きくなっていけるという環境を作りたいんですよね。だから、ライヴ・ハウスが人の居場所になってほしいなぁと思って、1年目のエロフェスがあったんですよ。
常に熱い状態でやってないとフェスが死んでしまう
——そういうアイデアがあった上で、行動を起こしたところが辻君のすごいところで、さらにそれが3年目まで絶えずに続いてきてるっていうのが素晴らしいですね。ライヴ規模が大きくなった分、主宰者を増やしたら、それだけリスクも分割されるじゃないですか。それをやらないで、自分だけでリスクを背負う理由はあるんですか?
辻 : もちろんです。集団でやってると熱量の差がでちゃうんですよね。
——4人いたら4人で熱量に差が出てしまうということ?
辻 : そう。一番熱量ある人と、それ以外の人って感じで。そうなると、イベント的に熱量が平均になっちゃう。僕はそれがすごい嫌だと思っていて、常に熱い状態でやってないと、フェスが死んでしまうのではないかなぁと思っています。一人でやってるのはそういう理由なんです。タイラさんとタクトさんには、完全に補助を頼んでる状態。毎年言ってるんですけど、一人でやってるっていっているけど、この2人がいなかったら、このフェスは生まれていないと思います。僕の感覚的には3人でやってるイメージなんです。だから去年、MARZを辞めますってメールがタイラさんからきたとき、エロフェスをやめようかなって結構本気で考えて。それを色んな人に相談したら、いや、それ多分喜ばないよっていう話になって。
——タイラさんはMARZから離れても音楽はやってるわけですし、東京からいなくなるわけじゃないじゃないですか。なのになぜ辻くんはエロフェスやめようと思ったんですか。
辻 : 2人がいないと出来ないと思ったからです。MARZとmotionの担当がこの2人じゃなくなるっていうのは大きなことだっていうのがあって。
タイラ : そこの連携がうまくできていないと「タイムテーブルのここ、5分短くても、なんとかするようにお願いしてみるよ」みたいなのは、まずできないわけじゃないですか。ライヴ・ハウスの人間であれば協力できることはいっぱいあるけど、そうじゃなくなるので今までの関わり方と変わってしまうんですよ。
——つまりイベントとかフェスをライヴ・ハウスでやるにあたって、ライヴ・ハウスにいる人たちの協力も影響が大きいということですか。
辻 : そうですね。去年ほぼ押さずに22時で終われたのって、その影響がでかいと思うんですよね。
——さっき人が増えると熱量が平均化していくとおっしゃっていましたけど、ライヴ・ハウスの数が増えたら熱量が平均化されちゃうっていうって気持ちはないですか。
辻 : いや、それはないかな。それがあったら、去年はすごい生半可なものになってたと思う。僕のイメージとして、担当さんはいるけど、完全に頼ってるのは去年までタイラさんとタクトさんだけだったので。今年もそういうつもりでやってるので、変わらないんじゃないかなと。
——本当はもっといっぱいの会場でやりたかったんですよね?
辻 : そうですね。13会場、2Daysくらいでやりたかったです(笑)。
——(笑)。本当に信念があってこその、エロフェスなんだなってことを実感します。でも実際、超赤字になる心配とか不安はあるんじゃないですか。
辻 : ありますよ。額が額なので恐いです。
タイラ : 俺も(新木場)スタジオコーストでFREE THROWをやった時に、赤字になったらどうしようって恐かったもん。うちのDJに神(啓文)さんって人がいるんですけど、自己破産のことを調べていて「タイラ、自己破産するにもちょっとだけお金がかかるんだよ」って(笑)。「俺、そのお金がないから自己破産できない」とか言って。「マジすか、チケット頑張って売りましょう」って(笑)。
辻 : 本当に売るしかないですよね…。
——そこまでリスクがあってもやろうっていう気持ちはどこから湧いてくるんですか、タイラさんは。
タイラ : スタジオコーストはちょっと特別で、一回やろうと思って地震でダメになっちゃったので。あと、辻くんの考えにも通じるところはあるんですけど、自分たちがいいなと思っているバンドとかDJを、一同に介して提示する事を、分かりやすい形でしてみたかったんです。1年目は地震でできなかったんで、2年目は半分意地みたいな部分もありました。
——タクトさんも年末に、イベント「SWAN SONG COUNCIL」を主宰されていますが、どういう気持ちでやってらっしゃるんですか。
鶉野 : 東京は3デイズにして、3店舗往来にしてとか、どんどん規模を大きくしていったんですよ。知らないバンドを知ってほしいというか、そういう気持ちも大きくあって。以前は地方でもやっていたんです。怖がらすわけじゃないんですけど、お金の部分でやられちゃって…。東京から3、4バンド連れて全国10ヶ所まわるとお客さんがパンパンでも、ギャラをペイすることすらできないんですよね。僕はそこを個人のお金でやっていて、3年間で200万くらい借金作ってしまったので、「これはちょっと… やってたらもうもたないな」って。絶対にお客さんを入れたくて、毎回フライヤーだけ配りに仙台とか行ってたりしたんですよ。200人のキャパが満員になってもなかなか難しいというか、そこにぶち当たって。そのバンドたちは順調に育っていったんで、これからは自分のことも頑張ろうかなってシフトして、年末イベントになったっていう経緯があるんです。
——相当フェスやイベントが乱立しちゃってるっていう現状もあって、現実的に地方で個人が主宰していくのも難しくなっているのかもしれないですね。
辻 : 僕は、来年の9月にツアーをやりたくて、仲の良いバンドと話を今してる段階なんです。来年は企画だけで生計を立てていこうとしているので、もしかしたらツアーをやるかもしれないです。でも、えらい目見るかもしれないですね(笑)。
タイラ : FREE THROWはツアーの時の経費削減方法いっぱい考えてるから、そしたら、地方にある、いいサウナ、紹介しますよ(笑)。
一同 : ははははは。
——では最後に、お2人から激励の意味を込めて、辻くんに一言づつお願いできますか。
鶉野 : 困ったときはいつでもおいで(笑)。
辻 : (笑)。はい!
鶉野 : うん、まぁ大丈夫。思ったままにやってほしいです。
——タイラさんからもお願いします。
タイラ : 辻くんの立場は独特だと思うし、自分たちにできないことをやっているので、希望があるなぁと思っています。期待をしているというか、負けないように俺もがんばろうという感じで、お互い頑張れればいいなぁって思います。
——では最後に、辻君からエロフェスに向けての意気込みを。
辻 : 死なないようにがんばります(笑)。本当にそれしかないっすよ。多くの人に向けて、続けていきたいことなので、今後も続けていけるようします。
>>第一弾特集、辻友哉と成田大致の対談はこちら
『ETERNAL ROCK CITY. 2012』出演者の作品はこちら!
2012年9月15日(土)出演アーティスト
2012年9月16日(日)出演アーティスト