インディー・レーベルでA&RをしながらDJ活動を行うMagictouchと、copa salvoのメンバーCIVICによるベッド・ルーム・クリエイター・ユニットDUPER GINGERが、デビューEP『Kit-Cat』をリリース! アメリカ・ミルウォーキーのラッパーJUICEBOXXXが参加し、YOUR SONG IS GOODのリーダー・サイトウ "JxJx" ジュンがリミックスを提供する超話題作が登場! 更に、配信限定シングル『Wanna Be Kidz』も配信開始。スウェーデン発のSpeech Defectによる終始ご機嫌なラップに、Temple ATS所属のスクラッチャーDJ SHUNによる中盤のスクラッチも見事にはまり、後半の展開まで一気に駆け抜ける! その収録曲の中から「Wanna Be Kidz」を1週間のフリー・ダウンロード配信でお届け! とにかくぶっ飛んでます!
>>>「Wanna Be Kidz」のフリー・ダウンロードはこちら(4/5~4/12)
DUPER GINGERのデビューEPを要チェック
DUPER GINGER Feat. JUICEBOXXX / Kit-Cat
【Track List】
01. Kit-cat (feat. JuiceBoxxx) / 02. Dubwise Madness / 03. Optimist Walk / 04. Kit-cat (feat. JuiceBoxxx)[JxJx Remix]
【価格】
MP3 : 単曲150円 / アルバム500円
WAV : 単曲200円 / アルバム700円
配信限定シングルも絶好調!
DUPER GINGER Feat. SPEECH DEFECT、DJ SHUN / Wanna Be Kidz
『Kit-Cat』をリリースしたばかりの要注目新人DUPER GINGERによるブランニュー・シングル。本作品は、彼らと親交が深いアーティストであるIdiot Popとポップをテーマに企画・制作。『Kit-Cat』収録の楽曲とはまた一味違う、サンプリング・ベースであろう本楽曲は、パーティ・グルーヴを一聴で感じ取れるラテン/サルサ・ノリの痛快なホーンでスタートする!!
確信的な音楽的ユーモア・センス
このユニットはただ者じゃない。リード曲「Kit-Cat」にJUICEBOXXXがフィーチャーされている時点でそう思った。僕に初めてナードという言葉の意味をリアルに体験させてくれた外国人、それがアメリカ・ミルウォーキー出身のラッパーJUICEBOXXXだった。レーベル十代暴動社のオーナー、長州ちからが組んだ日本ツアーに足を運んだとき、ぼさぼさの頭に、まんまるメガネをかけて、ポカリスウェットを持った白人の外国人がいて、とにかく異彩を放っていた。それがまさにJUICEBOXXXだったのだ。ライヴになるとステージにあがり、まるで別人のように鬼気迫る表情でラップを吐きだし始めた。そして客席へと飛び降りて、観客を煽るようにひたすらジャンプし続けた。これぞナード・ヒップ・ホップという本質を、直感で分からせてくれる素晴らしいステージだった。ちなみにJET SET RECORDSでCDを買うと、購入特典としてCHERRY BROWN(オタク的視点で日本語ラップに新しい潮流を作り続けてきたラッパー)をフィーチャーした楽曲が収められているそうだ。
そんなナードなラッパー達をフィーチャーしてしまうDUPER GINGERとは何者なのだろうか? いくつかの音楽サイトでは、“アメリカのアンダーグラウンドなヒップ・ホップや、チルウェイブに共鳴するような”と書かれているけれど、僕としてはビースティ・ボーイズに近い感覚を覚えた。どこか皮肉が効いていて、少し視点をずらした遊び心。それが、DUPER GINGERにはある。それがなかったら、近年のサウンドに共鳴したユニットとしての情報だけで埋もれていたかもしれない。しかしこのユニットが作った『Kit-Cat』は、一風変わった魅力に溢れるアルバムになっている。このユニットを特徴づけている一番のポイントは、ユーモアにあると僕は思っている。
そもそもこの2人は、新人といえどもかなり音楽に詳しいはずだ。1人は、いくつかのインディ・レーベルでA&Rを勤め、都内の小箱を中心にDJ活動をしている「Magictouch」。もう1人は、ベーシスト/作編曲家を生業にしながらも、ラテンロッカーズcopa salvoのメンバーとして全国津々浦々で活動をしている「CIVIC」。DUPER GINGERは、その2人によるベッドルーム・クリエイター・ユニットなのである。だから、このユニットは、どこか俯瞰した目を持ちながら、おもしろいことをやろうとしているに違いない。その可能性をオタクという要素に見いだし、あくまでも音楽要素で勝負をかけているのがおもしろい。日本だけではなく、海外のナード・ヒップ・ホップのラッパーまでフィーチャーしているのは、その証拠といえるだろう。
とはいえ、難しいことを考えずとも、このユニットの楽曲は楽しめる。先ほどチルウェイブという言葉が出てきたように、ぼんやりした夢見心地なサウンドはもちろん、シティ・ポップに通じるシンセ・サウンドまで、カラフルなサウンドを聞くことができる。このような、確信犯的なユーモアがある音楽が現れてきたことは、ナードになりきれない僕のような人間にとっては本当に嬉しいことだ。(text by 西澤裕郎)
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PROFILE
DUPER GINGER
いくつかのインディ・レーベルでのA&Rを生業としつつ、サブ・カルチャー渦巻く都内小箱を中心に、DJ活動をしている「Magictouch」と、ベーシスト/作編曲家をしつつ、ラテン・ロッカーズcopa salvoのメンバーとして全国津々浦々で活動をしている「CIVIC」の2人によるベッドルーム・クリエイター・ユニット。