音を奏でる喜びに満ちた、ブリリアント・ポップス——東京発の男女6人組、恋する円盤を先行フリー・ダウンロードでお届け
結成わずか2年にして〈出れんの!? サマソニ!?〉への出演を果たし、はたまたプロデューサー、いしわたり淳治(ex.スーパーカー)に絶賛されるなど、フレッシュさと勢いに満ち満ちている男女6人組バンド、恋する円盤。快活さと切なさの混ざりあったグロッケンとギター・ポップな楽曲群は、まさにいましか出せないサウンドばかりです。そんな彼らによる、2014年12月10日発売の初ミニ・アルバム『PASTEL』から1曲を先行フリー・ダウンロードでお届け! アーティスト写真からも溢れ出るポップな魅力を、結成からいまに至るまでを語ったインタヴューとともにお楽しみください!
>>恋する円盤の「テイクディスワルツ」のフリー・ダウンロードはこちら<<
彼らの初ミニ・アルバムは2014年12月10日発売!!
恋する円盤 / PASTEL
【配信フォーマット / 価格】
ALAC / FLAC / WAV / mp3 : 単曲 200円(税込) / まとめ購入 1,234円(税込)
【Track List】
01. テイクディスワルツ
02. まちのあかり
03. 春の嵐
04. スタンドバイミー
05. 夜明けまえ
INTERVIEW : 恋する円盤
6人組男女混成バンド、恋する円盤が、ファースト・ミニ・アルバムを完成させた。ロス・キャンペシーノス、ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートといった、キラキラしたポップスを奏でる海外のバンドに通じるピュアさを持ちながら、日本的なメロディを芯に備えた新生バンド。そのサウンドだけでなく、アーティスト写真もカラフルで明るくポップ。まるで非の打ち所のないような彼らだが、もちろん自信満々な初ライヴで挫折を味わうなど、山も谷も経験している。とはいえ、ここで鳴っている音楽に、そうしたバンドでの出来事の説明は不要だ。とにかく、そのサウンドがすべてを物語っている。日常の隙間に潜んでいるちょっとした出来事も、ここではとびっきりのポップスに昇華されて聴こえてくるのである。2013年の〈出れんの!? サマソニ!?〉で「いしわたり淳治賞」を受賞したということも納得のサウンドに、まずは触れてみてほしい。そして、そのあとで、以下に続くインタヴューをお読みいただけたら幸いだ。音がすべてを物語る。新しいポップスの誕生に、あなたもも立ち会ってみてほしい。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
おもしろがれる部分が同じだったりするんで、そこが強み
ーーもともと、真太朗さんはどんな音楽が好きだったんですか?
大塚真太朗(以下、大塚) : andymoriとか、日本語でストレートなことを歌っているバンドが大好きで、すごく聴いていました。
ーーいつぐらいから、洋楽を聴くことが増えていったんですか?
大塚 : バンドをやっていくにつれて、いろいろ聴いていくようになりました。アーケード・ファイヤーとか、ロス・キャンペシーノスとか、大人数のバンドがすごく好きだったんで、いまの6人の音的にはそこを目指してやってたりしてますね。
ーーまさに、1曲目の「テイクディスワルツ」は、ロス・キャンペシーノスの影響を感じさせる楽曲ですね。
大塚 : そうですね。ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートとか、そのあたりも好きです。
ーー明日香さんはどんな音楽が好きですか?
城明日香(以下、城) : 女性ヴォーカルの音楽をよく聴いているんですけど、カーペンターズとか好きです。
大塚 : カーペンターズ、めっちゃ好きだよね(笑)。
城 : むしろ、家にうたモノのCDがそれしかなくて。あとはソロの女性の方とかよく聴いてますね。
ーーちなみに、みなさんともに東京出身ですか?
大塚 : 結構バラバラで、僕とドラムの弟は東京で、城ちゃんは熊本、日下くんが岡山、戸山くんは大分、中村くんは埼玉ですね。
ーー真太朗さんは、自分が東京の人だって感じあります?
大塚 : じつは、東京って街を意識したことはあまりなくて。「テイクディスワルツ」に東京って歌詞が出てくるんですけど、それが初めて意識的に東京をイメージして書いた曲ですね。この曲は、男の子と女の子が別れそうになっている状況で、男の子はちょっと未練たらしくて、女の子はすっきり次に向かってるみたいな歌なんですけど、日々はどんどん過ぎていくし、街はどんどん動いていく。「東京はせわしない」ということを思って書いた曲ですね。
ーーいま東京の街を描く若い東京出身のバンドが多いなと感じていて、例えばYogee New Wavesのいくつか曲は、ビルが乱立している東京の街における孤独感と、そこに対する親しみみたいなものを描写したりしていると思うんですね。「テイクディスワルツ」はどれくらい東京を意識して作りましたか?
大塚 : ちょっと俯瞰して見る感じというか、街があって、その中に男女がいてっていうのを考えながら歌っていたんで、そこまで意識して東京を描こうとは考えてなかったです。
ーー「まちのあかり」と「スタンドバイミー」は、「テイクディスワルツ」や「春の嵐」のようなキラキラしたUKロック調とは違うポップな部分、いわゆる日本的な感じがする楽曲ですよね。
大塚 : このアルバムには、いろんな時期に作った曲が入っていて、「テイクディスワルツ」と「春の嵐」「夜明けまえ」は、言ってもらった通り、海外の音楽を意識しつつも自分たちの言いたいことや色を出そうと6人になってから作った曲なんです。「まちのあかり」と「スタンドバイミー」は、僕と弟しかいない4人編成の時に、もっとポップなメロディを重視してた時に作った曲です。いまは、どっちもしっかり出していきたい気持ちが自分の中であって、海外の音楽を吸収しつつも、ちゃんと自分たちの色を出していけたらなと思っています。
ーー恋する円盤は、メンバーが6人いるじゃないですか。日高央さん(元ビートクルセイダーズ)がフロントマンのTHE STARBEMSは、LINEのグループで日高塾っていうのをやっていて、60年代から年代順に、あれを聴けとか、これを聴けとかってバンド内の音楽知識を共有しているらしいんですね。恋する円盤では、そういう音楽的共有とかはどうやってやるんですか?
城 : あえてしないでおこうっていう時期もあったよね? 6人がそれぞれ違うよさを持っているから、テーマとして例えばエモーショナルっていうのを定めて、それぞれ違う要素を一個にしてみようって。そういう試みもやってたから、あまりこれ聴いて!! とかはしてなかったかも。
大塚 : 6人になったばかりの時、僕はそこに固執してたかもしれないです。ただ、メンバーにこれ聴いてほしいみたいなのはあったんですけど、聴いてくれなかった(笑)。やっぱりそこは人それぞれ好きなものがあるから、それでいいかなと思っていて。地方にも遠征で何回か行ったんですけど、車内では反応してくれたりするんですよね。こういうの好きなんだよねとか、ここいいよね、みたいなポイントは、海外の音楽でもJ-POPでもみんなで共有できるところが多いよね。
城 : そうだね。遠征の時はそういうことよくしてますね。
ーー車のなかだったら嫌でも曲が耳に入ってきますもんね(笑)。
大塚 : 全然知らないインディ・バンドでも、JUDY AND MARYとかユニコーンみたいな有名なバンドでも、おもしろがれる部分って結構同じだったりするんで、そこは強みというか、いい6人が集まったと思いますね。
ーー具体的に、みんなが反応した曲ってあったりします?
城 : くるりの「宿はなし」とか、すごい反応してたよね。二階堂和美さんがカヴァーもしてたりして、それもすごくいいねって。
大塚 : 海外の音楽でいうと、ミカル・クローニンっていうソロ・シンガーがいるんですけど、その人っぽい曲を作りたいと思って流したとき、みんなが「いいね!」って言ってくれて。自分がいいと思ってるものを、ちゃんとみんながいいって言ってもらえたのがすごく嬉しかったですね。ライヴでやっている新しい曲の「トワイライト」を作るときに参考にしたりしました。
完全に響きで付けました
ーーいまの6人になって、どれくらいの期間経つんでしたっけ?
城 : レコーディングしたのが2013年の4月7日だっけ?
大塚 : うん、だから、1年と半年くらいですね。
ーーだいぶ馴染んできました?
城 : 6人いても「あれ? 1人足りない」って思うときがあるくらい馴染みました(笑)。
大塚 : どういうこと(笑)? でもたしかに分かる気がする。
城 : 1人でもいないとさみしいよね。
ーーちなみに、恋する円盤っていうバンド名には、なにか意味があるんですか?
大塚 : バンド名が並んだときにパッと目立つような名前がよくて、最初に「恋」って漢字を使いたいと思ったんですね。「恋」って文字から思い起こすイメージって人それぞれあると思うんですけど、マイナスなことはないじゃないですか(笑)? 恋する○○とかって、いろいろくっつけて考えていてたんですけど、円盤はハマりがよくて。円盤に関しては、レコードが好きだったりする訳ではなくて、完全に響きで付けました。
ーーよく、そこで円盤って言葉が出てきましたね(笑)。
城 : わたしもよく思いついたなと思った(笑)。
大塚 : 最初、弟に「恋する円盤でいくから」って言ったときに、「おお?!」みたいな感じで、戸惑ってましたけど(笑)。
ーー2013年の〈出れんの!? サマソニ!?〉への出場は、バンドとして具体的な結果が出た出来事だったと思うんですけど、その時期はオーディションなどにも、いろいろ応募していたんですか。
大塚 : そうですね。いろんなところに応募しました。それと並行して、新宿のライヴハウスで初ライヴを6人でしたんですよ。僕的には「新しい音楽やってるぜ! どうだ!」みたいな感じはあったんですけど、あまり反応がよくなくて。何がやりたいのかわからないって言われて、すごく凹んでいたんですよ。結成して2ヶ月しか経ってないけど「もう終わりだ」「これがダメならもうやることねえよ」ぐらい思ってたんですけど、ちょうどそのとき〈出れんの!? サマソニ!?〉から電話が来て。弟にも「続けろって言われてるんじゃない?」みたいに言われて。だからこれがなかったら、もしかしたら、ね。
城 : うん。
大塚 : やってなかったかもね。
ーーさらに、いしわたり淳治賞を受賞ということで、それが自信に繋がっていったと思うんですけど、淳治さんからはどんなコメントをもらったんでしょう。
大塚 : いしわたりさんには6人になる前から縁があって、当時書いていた歌詞を見てもらったことがあったんですよ。その時にすごい褒められて。6人になってまた歌詞を見てもらったりしたんですけど、「結構方向が変わったね」とかいろいろ言っていただいて、アドバイスもたくさんもらったりしました。
ーー最初は評価をしてくれていたんですね?
大塚 : そうですね。あと、「楽しそうにやってるのがいいよね」ってことを言われました。
城 : 「キラキラしてるね」とかね。
「ミュージックステーション」とか出るようなところまでいかないとダメかなと思っていて
ーー恋する円盤って、陰と陽で言えば、陽な気持ちがすごく強いバンドじゃないですか。そういうものを出したい理由みたいなのとかってあるんですか?
大塚 : やるからには、暗いことはやりたくないなっていうか。自分の親に聴かせても、自分と同世代の人に聴かせても、「いいね!」って言われる音楽をやりたいなというのは漠然とあって。あと、明るい音楽を僕自身がすごく好きっていうのもあるんです。そういえば、この前歌詞をみんなで読み合う会をスタジオでしたんですよ。
ーー読書会みたいですね(笑)。
大塚 : すごく恥ずかしかったんですけど、この曲はこういうことを歌っていて、みたいなことをみんなの前で話したんです。みんなで共有したら、一個の塊として強くなるよねってことを思ってやったんですけど、「意外と歌詞は暗いよね」とか「意外と切なかったりするよね」みたいなことをメンバーに言われて。悲しいことを悲しいまま伝えたくないのですが、音楽は明るく伝えたいって気持ちがあるんです。だから、そういうのが歌詞に現れているんだと思いました。
ーーなんか、いま最もリア充なバンドとかってTwitter上で盛り上がってましたね(笑)。
大塚 : リア充ではないと思いますよ(笑)。
城 : リア充っていうのはちょっと「ん?」って思ったけど(笑)、バンドに入った時、真太朗くん自体が「楽しくなくなったら辞めるから」みたいなことを言ってて。楽しいっていうのが軸にあって、見てもらう人が自分も中に入ったら楽しいだろうなと思ってもらいたいって話をしていて。たぶんそれで、こういう(リア充みたいな)イメージが固まってきたのかもしれないです。
ーー原動力として楽しいっていうのは強いんですね。
城 : 毎週毎週、顔を合わせるメンバーだからこそ、嫌だなって気持ちでいきたくないし、作る段階から楽しくて、受けとってもらう人たちにも楽しんでもらいたいなって気持ちでやっています。
ーーアルバム・タイトルの『PASTEL』も、いろんな色が混ざっているイメージが湧いてきたんですけど、それ以上にパステルズが好きなのかなと思ったんですけど。
大塚 : もちろん意識はしたんですけど、どっぷり聴いてるわけではなくて、まずインスピレージョンというか。「一単語がいいよね」っていう話をしていたら、出てきたんだよね。それで、パステルの意味を調べたら「淡い」みたいなことで。うちらのアーティスト写真って原色感が強いじゃないですか? そういう意味ではちょっと違うんですけど、このアルバムの曲にそれぞれ色があって、ひとつの塊でありながら、いろんな方向の曲があるっていう意味ではいいかなと。
城 : 青春っぽさがあるよね。
大塚 : 淡い感じを出せるっていうか、無理やりかもしれないですけどつけたら、あとでいい感じに付けたなと思えるような内容になってマッチしていきました。
ーー原動力として楽しいっていうにはあると思うんですけど、関わってくる人が増えたり、見てくれるお客さんが増えたり、求められるものも増えてきたりすると思うんですね。そのなかで、バンドとしてどういうところを目指してやっていきたいですか?
大塚 : メインストリームでやりたいですね。いまって東京インディのバンドとか、いっぱいいるじゃないですか。そういう方向よりは、「ミュージックステーション」とかテレビに出るようなところまでいかないとダメかなと思っていて。やるからにはちゃんと海外の音楽の影響を出しつつも、しっかりメインストリームの場所に行きたいっていうバンドとして野望があります。
ーーなおかつ、キラキラ感というか、楽しい感は絶対失わないでほしいです。
大塚 : そうですね。それはずっとあると思います。
ーー聴いていて、僕もリア充になった気持ちになれました(笑)。
大塚 : それは嬉しいですね。でも、別にリア充じゃないですけどね(笑)。
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PROFILE
恋する円盤
大塚真太朗 (Vo.Gt) / 大塚薫平 (Dr) / 日下淳介 (Ba) / 戸山押売 (Gt) / 城明日香 (Gl, Cho) / 中村直人 (Key)
2011年春、「バンドやりたい」と思い立った大塚真太朗が隣の部屋で太鼓をたたいていた弟、薫平を誘って自宅にて結成。しばらく二人で遊んでできた曲を演奏していたが、夏にはメンバー4人となって初ライヴ。幾度かのメンバー・チェンジを経て2013年春、現体制となる。
2013年「出れんの!?サマソニ!?」にメンバーだけで制作したスタジオ・ライヴ映像をYouTubeにアップし応募、多数の一般票も獲得し見事「いしわたり淳治賞」を受賞。8月10日、サマソニ特設野外ステージにてライヴ・アクト、トップバッターにも関わらず多くの観客を集める。翌週8月16日には初自主企画「Tonight Is The Night」を新宿MARZにて開催、4組のゲスト・バンドを迎え大盛況のうちに終えた。
海外の音楽の影響を受けつつ日本語ポップスの心を忘れずあくまでも明るくさわやかに演奏するバンド、それが「恋する円盤」です。