心に残る歌を届けるyukaDDの魅力──貫き続けるパワフルな歌声と表現力の正体とは?

パワフルな歌声で圧倒的なパフォーマンス力を見せ、リスナーを魅了し続けるyukaDD。幼少期には島津亜矢らの演歌に触れて育ち、のちにクリスティーナ・アギレラの音楽に出会ったことでR&Bやヒップホップへと音楽の幅を広げていった。いまやドラマのタイアップや音楽活動にとどまらず、ラジオ出演などでも引っ張りだこの彼女。本インタビューでは、デビュー後の5年間を振り返るとともに、現在放送中のTVドラマ『FOGDOG』主題歌に抜擢された「flashback」についてや、意外な演出も組み込められたワンマンライブ〈I Can’t Stop Singing!!!〉への意気込みも語ってもらった。
TVドラマ『FOGDOG』主題歌に抜擢! yukaDDの原点と新境地が交差する「flashback」
INTERVIEW : yukaDD

「ダイヤモンド(Diamond)のように歌声でステージを魅了し、光り輝くディーバ(Diva)を目指す」という意味が込められたDDを名に持つアーティスト、yukaDD。その由縁から「どんなにギラギラとした人がやってくるのだろう」と身構えていたが、実際に姿を現した彼女はギャップの人だった。
体格は華奢なのに、歌声はパワフル。華やかなビジュアルでありながら、恋愛経験は少なめ。音楽と真摯に向き合う一方で、MCに怪談を持ちこむコミカルさだって忘れない。触れるほどに新たな一面を魅せ、もっと知りたいと思わずにはいられないトピックが溢れ出てくる。
そんなyukaDDも、今年の1月でメジャーデビュー5周年。短くない年月を経て、今の彼女は何を思うのか――。
取材・文 : 坂井彩花
撮影 : 大橋祐希
ライブにラジオ、活動の幅を広げ「いい流れに乗っている」
――今年の1月でデビュー5周年になりましたね。
yukaDD:5周年か。めっちゃ早いですね。もうそんなに経ったんだって感じ。体感としては、去年デビューしたような感覚なんですよ。私が「ちゃんと活動できてるな」って感じるのは、お客さんがいる場所で歌っているときなんです。でも、デビューしたタイミングでちょうどコロナ禍に突入してしまい、2、3年くらい思うように活動ができなくて。曲はリリースしていたものの、いろいろなところへ行ってライブをすることができなかったんです。だから、みなさんの前で歌える機会が増えてきた最近になって、ようやくデビューした実感が沸いてきました。
――コロナ禍では歯がゆい思いもしたようですが、現在のご活動はいかがですか。
yukaDD:いい流れに乗っているように感じます。ラジオ番組を持たせていただき、ラジオ関連のライブやイベントに出ることもできたんですよ。そういう活動にも興味があったので、けっこう理想に近づいていると思います。
――yukaDDさんがパーソナリティーを担当されていた『LOVE SONG LOVE LIFE』は、恋愛トークを繰り広げる番組でしたよね。
yukaDD:あまり恋愛経験がなかったので、お話をいただいたときは「恋愛の番組をやるんだ!」とびっくりしました(笑)。ずっと歌と向き合ってきた自分にとっては、本当に知らない世界のことばかりで。すごく新鮮で楽しかったですし、お便りからたくさんのことを学べました。不倫がテーマのタイアップをするときには、不倫系のお便りから心情を汲み取って、歌いかたを変えたことも。もともと「ラジオでの経験を歌に繋げられたらいいな」と思っていたので、実際に活かすことができてよかったです。
――番組を通して、価値観に変化はありましたか。
yukaDD:恋愛したいなって思いました。「恋をすると表現が変わるから、どんどんしたほうがいい」って、よく言うじゃないですか。それって本当なのかなって興味が沸いてきて。心情がわかるようになると、歌いかたも変わってきそうだし。選ぶ男の人にはちょっと気をつけないといけないけど(笑)、いい人と巡りあえたらいいなって思ってます。

――この5年間で聴いている音楽に変化はありましたか。
yukaDD:今も変わってないですね。幼少期は演歌歌手になりたかったので、島津亜矢さんの歌をずっと聴いていましたが、途中で洋楽にシフトチェンジしてからは、ずっとクリスティーナ・アギレラに影響を受けています。アギレラの声って、パワフルなんですよね。そもそも発声の仕方が違うし、歌声に芯や深みもある。そういう歌いかたができる日本人になろうと思って、これまで頑張ってきました。自分のなかでは、それが「歌が上手い」ってことだと思ったので。
――ちなみに最近気になっているアーティストをあげるとしたら、どなたになりますか。
yukaDD:最近はデュア・リパが好きです。去年の来日ライブも観に行きました。デュア・リパも声に芯があるし、深みがあってすごくパワフルなんですよ。「自分もこういうアーティストになりたいな」と思って、ずっと聴いています。
――これまでの活動を振り返って、転機となった作品をあげるとしたら、どれになるでしょうか。
yukaDD:稲森いずみさん主演のドラマ『夫婦が壊れるとき』で、主題歌を担当させていただいた「WRONG」。小さい頃から『花より男子』や『メイちゃんの執事』などを見ていた私にとって、ドラマのタイアップは目標のひとつで。作品のラストで自分の曲が流れたら、不思議な感覚になるんだろうなって、ずっと憧れていたんです。だから、達成できたときは、すごく嬉しくて。リアルタイムでドラマを観たし、配信でも何回も観直しました(笑)。「こういう作品に携われるように頑張ろう」と思ったので、今でも強く印象に残っていますね。