これは、the dadadadysのブッ飛んだ“憂さ晴らし”──こんがらがったところに趣を見出す
the dadadadysの最新作『憂さ晴らせ♪ EP』の1曲目のタイトルを目にしてギョッとした。とてつもなく長いのだ。これは一体どういうことだと思っていたら、10曲のショート・チューンを1曲に繋ぎ合わせたそうで、曲名はそのすべてを羅列しているとのこと。予想だにしないアイデアで爽快にぶん殴ってくれる、the dadadadysの多少凶暴な遊び心を存分に浴びられる1曲だ。3曲目の“しゃらら”では、Gt.儀間陽柄が作曲を担当し、このことが小池貞利のヴォーカルに対する姿勢に、ちょっとした変化をもたらしている。このEPは、のちに振り返ったとき、転機といえる一枚になるだろう。the dadadadysの特大な“憂さ晴らし”に迫る。
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2024/11/27(水) ~ 2024/12/18 (水) 23:59
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■対象ユーザー
OTOTOYにて、the dadadadys『憂さ晴らせ♪ EP』のハイレゾorロスレス音源をまとめ購入いただいた方
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INTERVIEW : the dadadadys
the dadadadysから、約10ヶ月ぶりに新作EP『憂さ晴らせ♪ EP』が届けらられた。M1「地球終焉 ~mess.ns~ 危なくない恋、したくなくなくない? ~アクモンの猿真似を島国でしてます ~ ダダトルファイト ~ イカれたブルース ~MEGA NEGATIVE SPACE~ 空も飛べるはず ~ 真 makoto~ すなお」は1トラックにショートチューン10曲を詰め込んだ楽曲。さらに今年行ったツアーと同じタイトルの「嵐坊」、ギタリストの儀間陽柄が作曲を手がけた「しゃらら」を収録した本作には、このバンドのぶっ飛んだアイデアとセンス、ジャンルレスな音楽性が凝縮された作品に仕上がっている。メンバー全員のインタヴューによって、EP『憂さ晴らせ♪ EP』をじっくりと紐解いてみたい。
インタヴュー・文 : 森 朋之
写真 : 宇佐美 亮
ちょっとこんがらがってるんだけど、そこに趣がある
――OTOTOYでのインタヴューは1月にリリースされたEP『(茜)』以来になります。まず、この10ヶ月はthe dadadadysにとってどんな期間だったか教えてもらえますか?
小池貞利(Vo./Gt.)(以下、小池):世間の皆さま方と同じですね。毎日朝早く起きて、満員電車乗って、残業して帰って「嫌だな」だったり、休みの日は楽しいなっていう。音楽を作るのは楽しいですけど、それ以外は皆さんと同じような10ヶ月だったと思います。
佐藤健一郎(Ba.)(以下、佐藤):私は子供が産まれたりもしたので、「もう今年が終わるんだな」みたいな感覚がありますね、例年に比べて。
――佐藤さんは今年2月に1か月の育休を取ることを発表。バンドマンが育休を取ると公言するのはとても稀ですし、本当に良いことだと思いましたが、どうしてあえて発表しようと思ったんですか?
佐藤:このチームだから取れたというのはあると思います。その間のライヴは小池さんと儀間ちゃんがベースを弾いてくれて。
小池:ライヴ自体はもともと決まっていたんですよ。育休は取ったほうがいいと思ったけど、お客さんのなかには「佐藤を見に来たのに」「5人じゃねえのか」という人もいるだろうし、「申し訳ない」みたいな感じで公表したのかな? よく覚えてないけど。
佐藤:そういう感じだったと思う。
――サポートを入れるのではなく、メンバーだけでライヴを続けたのは?
小池:自分たちだけで補ったほうがカッコいいかなと。昔は自分もベースを弾いてたし、そこは問題なかったです。
佐藤:頼りになります。休まなかったら終わってたと思うので、ありがたかったです。皆さんのおかげです。
――yuccoさん、山岡さんはどうでした? この10ヶ月。
山岡錬(Gt.)(以下、山岡):普段と特に変わらずに過ごしてましたね。スタジオに入って、ツアーをやって、今まで通りのことをやって。
yucco(Dr.):ライヴも多かったし、あっという間に過ぎました(笑)。
儀間陽柄(Gt.)(以下、儀間):だいぶメンタルが変わりましたね、個人的には。
小池:引っ越しもしたしね。
儀間:環境も変わって、犬も飼って(笑)。プライベートな部分もかなり変わったんですけど、バンドに対する意識も変化したというか、ちょっとやる気になった感じがあって。作曲したり、何となく気持ちが音楽に向き始めたんですよね。
――何かきっかけがあったんですか?
儀間:前のバンド(ヤングオオハラ)のときはずっと作詞・作曲をやっていたんですけど、その後は作りたいというテンションではなくなって。変わったというよりも、戻ってきたのかもしれないですね。逆にこの数年間が異常だったのかも。
――儀間さんが曲作りに積極的になったのは、バンドとしてはもちろん良いことですよね。
小池:ありがたいです。ラクできるし、できるなら儀間に全部作ってほしい。
儀間:(笑)。
小池:俺はモチベーションが変わることがあまりなくて。高校球児が素振りするみたいに毎日何かしら音楽のことを考えていて、それが染み付いちゃってるので。動くのがめんどくさいなってことはありますけどね。スタジオ行きたくないなとか、電車乗りたくないなとか(笑)。
――では、新作EP『憂さ晴らせ♪ EP』について。1曲目(「地球終焉 ~mess.ns~ 危なくない恋、したくなくなくない? ~アクモンの猿真似を島国でしてます ~ ダダトルファイト ~ イカれたブルース ~MEGA NEGATIVE SPACE~ 空も飛べるはず ~ 真 makoto~ すなお」)はひとつのトラックにショートチューンを10曲入れた楽曲。このアイデアはどんなところから出てきたんでしょうか?
小池:あんまり覚えてない……メンバーは覚えてるかも。
――(笑)。yuccoさん、このアイデアを聞いたときはどう思いました。
yucco:小池さんはやっぱり面白いなって思いましたね。今の時代にこんなことやるんだ?! っていう。
山岡:自分はプリンスが好きなんですけど、プリンスにも1トラックに何曲も入ってる曲があるんですよ。
小池:まあ、それは関係ないですけど(笑)。
佐藤:(笑)。こういう跳ねたアイデアは小池さんが得意なところだし、今回も「面白いな」と思いました。1トラックに10曲入れると聞いたときは「どうなるんだろう? 」と想像したし、どうしたら上手く形にできるだろう? と考えて。
儀間:ワクワクしましたね。普段の曲作りはひとつのアイデアから膨らませていくことが多いんですけど、今回は何秒でもいいし、ワン・テーマでドン! と行けるので。制作も楽しかったですね。
小池:昔よく聴いてたんですよ、こういう曲を。ハードコア・パンクのバンドがよくやるんですけど、短い曲がバーッと並んでて、そのなかにいろいろバリエーションがあって。けっこう聴きづらいんですけどね。「この曲が聴きたいのに、3分くらい待たなきゃいけない」とか。でも、しっかり芯があって手が込んでるものって、便利ではなかったりすると思うんですよ。ワンクリックで欲しいものが出てくる感じではないし、ちょっとこんがらがってるんだけど、そこに趣があるというか。自分はそういうものを大切にしているので。