【PIGGS、とらえる vol.57】SHELLMEが受け継いだ、「負けねえ」の魂──強い覚悟は、大きな変化のなか生まれた

プー・ルイの脱退という衝撃の発表のなか、全国ツアーを走り抜けるPIGGS。その個別インタビュー第5弾はSHELLME。これから新たにグループを続けるにあたり、彼女はとあるポジションに就く決意を固めていました。なぜSHELLMEは、PIGGSを続けることを選んだのか。グループの未来を支える覚悟と、ひとりのアーティストとしての夢について、その本音に迫りました。
眉村ちあきが手がけた、最新SG
INTERVIEW : SHELLME

インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
“名ばかりの”っていう感じではありますけど
──プー・ルイさんの脱退という大きなニュースを発表しましたが、PIGGSは現在〈全国ツアー『BANG A GONG TOUR』(バング/ア/ゴング/ツアー)〉の真っ最中ですね。ツアーの調子はどうですか?
SHELLME:「本当に絶対に良いものを見せるぞ」という、前向きな姿を見せなきゃっていう気持ちだけでひたすらやっています。でも最近ちょっと情緒不安定になってきて…。
──それはなぜなんでしょう。
SHELLME:「プーちゃんとワンマンをできるのが、あともう少ししかない」って考えたときに、寂しくなってしまったんです。前向きな姿を見せなきゃって思ってたけど、悲しいとか寂しい気持ちを隠すことだけが正しいわけではないのかなって。私が素直でいることでぶーちゃんズも感情を表に出せるんだったら、それもいいのかなって思うようになってきました。
──なにかきっかけがあったんですか?
SHELLME:“カッシーニ”の最後で「ラララ」って歌うパートのときですね。ここでは、いつもプーちゃんが変な顔してきたり、ちょっかいをかけてくるんです。そのときに「これ、もうなくなっちゃうのかな」って思ったら、気持ちがあふれちゃって。だからプーちゃんに「泣いちゃうから、もう絡んでこないで」って言っちゃいました(笑)。

──プー・ルイさんが脱退する、という話を聞いたとき、SHELLMEさんはどういう心境だったんでしょう?
SHELLME:メンバーとも、スタッフさんたちとも話し合いをしていく中で、6人でPIGGSを続けることは出来ない状況になっていきました。プーちゃんが「PIGGSの未来のためにこの形がいいと思う」って言ってくれてる意味も、途中からわかってきて、そうしたらどうしていくのがいいんだろうって考え始めました。
──他のメンバーとはまた違う目線ですね。
SHELLME:まあ私はキャリアも長いので(笑)。でもこうやって問題に直面して考えていると、「プーちゃんって、いままでもこうやってPIGGSに向き合ってきてくれたのかな」って思ったんです。
──共同生活の解消以降、メンバーとの距離感は変わってきていますか?
SHELLME:いまは一緒に住んでないからこそ「話す機会を設けよう」という意識を持つようになりました。私がメンバーを呼び出して飲みに行って、くだらない話から「これってどう思う?」って話しています。

──なるほど。今後はSHELLMEさんがリーダー的なポジションになっていくんでしょうか。
SHELLME:そうですね。一応“名ばかりの”っていう感じではありますけど(笑)。「みんなの意見をまとめたりするためにはリーダーがいた方がいい時もあるんじゃない?」ってプーちゃんが言ってくれたから、「やるっしょ!」みたいな感じです。話が煮詰まった時に、私が何か言えるようになっておきたいなとは思っています。
──大きな変化ですね。どのように自分の気持ちを切り替えていったんですか?
SHELLME:発表したときから、5人でやっていく覚悟を決めました。でも「頑張るぞ」って強く思えたのは、特典会でぶーちゃんズと話すなかで「今後もライブに行くよ」って言ってくれたことですね。
