BACK-ON、“今日は奇跡を起こしに来たんで!” 最高の夜を全員で分かち合った「CHEMY×STORY」リリースパーティ

3月16日(土)、東京・代官山UNITにて開催された〈「CHEMY×STORY」リリースパーティ〉。本リリースパーティーは、コンピレーションアルバム「CHEMY&STORY」の発売を記念したイベントで、大阪Yogibo HOLY MOUNTAINでのパーティーに次ぐ開催となった。この日に全てをぶつけてきたという言葉通りに、初めからエンジン全開のBACK-ON。ゲストに、TOTALFATのShun、そしてFLOWのKOHSHIとKEIGOを迎えた今回の宴。熱狂の渦に包まれたイベントの様子を、岡本貴之がレポートする。
『仮面ライダーガッチャード』主題歌!
LIVE REPORT :〈「CHEMY×STORY」リリースパーティ〉
取材・文 : 岡本貴之
写真 : usamiryo
BACK-ONが2024年3月16日(土)東京・代官山UNITにて、〈「CHEMY×STORY」リリースパーティ〉を開催。盟友・FLOWのKOHSHIとKEIGO、TOTALFATのshunも登場、最後はサプライズ的に予定外の楽曲も飛び出すなど、会場にいた全員が笑顔になる最高の夜を分かち合った。
このライヴは、「仮面ライダーガッチャード」主題歌「CHEMY×STORY」のBACK-ON × FLOWバージョンをはじめ、BACK-ONバージョンやEnglishバージョン等も収録した作品が2月7日(水)に発売されたことを記念して、2月23日(金祝)大阪Yogibo HOLY MOUNTAINでのライヴに続いて行われたもの。代官山UNITのフロアはギッシリと観客で埋め尽くされていた。


KENJI03(Vo.Gt)、TEEDA(MC)がステージに上がると、KENJI03がギターを構えて「いくぞ!」と気合い一発、始まったのは「ヒカリトカゼ」。ハンドクラップがフロアに響き、KENJI03のヴォーカルからTEEDAのラップへと繋げて、サビではハーモニーを聴かせる。「「CHEMY×STORY」TOKYO!最後まで楽しんでいこうぜ!」(KENJI03)。BACK-ONの2人とサポートドラマーの畑中誇太朗、ステージ袖に控えるコンピューターマニピュレーターによる4人で作るぶ厚いサウンドが体を直撃する。「wimp」では歌い出しでブレイクしてシングアロングを求めるKENJI03。性急なリズムがつんのめるように変化すると、TEEDAがリズミカルなフロウで観客を惹きつける。終盤でKENJI03が「一緒に歌おう!」とフロアにマイクを向けると、会場中に大音量のコーラスが広がった。「リザレクション」では「Oi!Oi!」と拳を上げるオーディエンスに対して「声が小せえ!」とさらに煽りたてるTEEDA。1人1人がさらに大きな声を出してステージに対峙する。KENJI03がハンドマイクを持ち、TEEDAとステージ左右に分かれると、キャッチーで派手なシンセのイントロから「INFINITY」へ。4つ打ちのバスドラに後押しされるように2人がステージ前に出て興奮を掻き立てる。KENJI03が「みんなで歌うぞ!」と叫んで大合唱。ライヴ前半からお客さんの熱量が猛烈だ。

「「CHEMY×STORY」リリースパーティーファイナル東京、こんなに集まってくれてどうもありがとうございます!」(TEEDA)「ライブハウスに初めて来た人もいると思いますが、モッシュ&ダイブするようなバンドじゃないので(笑)。最後までみんなのペースで一緒に楽しんで行きましょう!」(KENJI03)。そんなMCからは、「仮面ライダーガッチャード」で彼らのことを始めて知って会場に来ている人への配慮が感じられた。一見いかついようにも見えてじつは心優しき男たちのバンド、BACK-ONだ。「もちろん、みなさん「CHEMY×STORY」ゲットしてくれたんですよね!?BACK-ON史上、初めてのオリコン週間ランキング5位をいただきました。ありがとうございます!」(KENJI03)と感謝すると称賛の拍手が沸き起こった。
懐かしい曲もやっていく、との言葉から「flyaway」(2009年)、「a day dreaming...」(2007年)と、緩急をつけた初期の楽曲を披露する。キラキラしたイントロが鳴るとドッと歓声が上がり、「ニブンノイチ」へ。自然にクラップが発生して、KENJI03が「歌える人は歌って!」と呼び掛けると、大合唱となり耳に手を当ててフロアからの声を聴く2人。今日のお客さんはずっと歌い続けている印象だ。「いいんじゃないですか、今日はもう“大カラオケ大会”で(笑)」と、一緒に歌うお客さんの多さに笑顔を見せる。
ここで、スペシャル・ゲストにTOTALFATのShun(Vo.Ba)が「そのカラオケ大会、楽しそうだなって見てましたよ!」と登場して、「俺たちの青春です」とのKENJI03のひと言から、TOTALFATとのコラボ曲「1994」を披露。ノスタルジックなメロディと歌詞をTEEDAとShunのラップから、KENJI03の歌へと繋いでいき、最後は3人で肩を組んで歌い上げた。


どこか感傷的で温かいムードとなったところで、「騒げ!」とKENJI03の声が空気を切り裂くように始まったのは、『仮面ライダーギーツ』挿入歌としてリリースされた「Chair」。ダークでヘヴィなサウンドに続いて、「Kill the Beat」では2人がハンドマイクを握りステージを縦横無尽に動き回ると、「代官山ー!」と煽りながら、破裂音のようにラップを畳みかける。かと思えば「SKY WALKER」は緩くピースフルにフロアを揺らす。途中、〈Everything Is Gonna Be Alright, Everything Is Gonna Be OK〉とフレーズを挟み込むと、TEEDAは「最高だ。ありがとね」と場内を見渡した。KENJI03が静かにギターを鳴らして歌い出したバラード「flower」のシンフォニックなサウンドに、静かに聴き入りながら体を揺らす観客たち。
MCでは、「続けてきて良かったと、今日実感しています。2004年にインディーズから『ADACHI TRIBE』というアルバムを出してから、今年で20年になるんですけど、あっという間ですね。みなさんのおかげでここまで来れました。ありがとうございます!」とKENJI03。ストレートに疾走するロックチューン「with you」、突っ走るように歌った「セルリアン」では、圧巻のロングブレスを披露してみせた。


「最後、スペシャルゲスト!」と呼びこまれて、FLOWのKOHSHIとKEIGOがステージに上がる。KOHSHIが「いくぞ代官山!行けるか!」と叫んで「CHEMY×STORY feat. FLOW」が始まると、KENJI03、KOHSHIと歌い、TEEDA とKEIGOが向かいあってラップ。サビで〈Gotcha Gotcha〉と声を合わせたり〈Yeah-e-e-e-eh〉とコーラスを取ったりと、大勢で歌う楽しさが詰め込まれた楽曲に、会場はこの日一番の盛り上がりとなった。
アンコールを求める声に「BLAZE LINE」で応えた2人が曲を歌い終えて「我々が着ている…」とグッズのTシャツを紹介しようとした瞬間、突然ボトルとショットグラスを持ったKOHSHIとKEIGOがステージに登場。「リハと違うんだけど(笑)」と戸惑う2人に、「そんな予定調和は見たくないよね?」と観客に同意を求めるKOHSHI。「みんなで乾杯しよう!」と “キンキンに冷えた” テキーラを注いで「「CHEMY×STORY」リリースおめでとう!」と乾杯。「せっかく来てもらったんだから、あの曲をやりましょう」(KENJI03)と、FLOWとのコラボ曲「NOT ENOUGH feat. FLOW」を4人で歌うと、曲中でKOHSHIがテキーラをKENJI03 とTEEDAの口に運ぶ。飲み干した2人はすっかり酔いが回ったのか、KOHSHIとKEIGOを送り出すと「そんなつもりじゃなかったのに(笑)。もうこうなったらぐちゃぐちゃになっていきましょう!」と開き直って「Chain」へ。


ド迫力の低音ビートとスリリングなラップ、ヴォーカルで空気をガラリと変えてみせた。そしてスペーシーなリフレインも印象的な「Milky way」を歌うと、「今日は本当にありがとうございました!また会いましょう」(KENJI03)「1人1人の顔がしっかり見えました。本当最高です」(TEEDA)と感謝して、2人でステージ前に並んで締めくくり。と誰もが思ったところでKENJI03が「本当はここで終わらせようとしたんです。もう1曲やっていいですか!?」と言い出して、TEEDAは「えぇっ!?マジで!?」と驚きの表情。「気が済まない。もう1曲!ついてこれますか、みなさん?」とKENJI03がフロアに呼び掛けると、「ウォ~!」と大歓声。
「俺たち、ライブの本数がそんなに多くないし、全然みんなと会える機会が少ないから。100本、200本とかツアーを回ってるバンドがいっぱいいると思う。でも俺は、その200本分を今日この1日にぶつけに来たんで。まだまだ気が済まないから、もう1曲やります」と改めて宣言したKENJI03がおもむろに〈Let‘s fly to the sky〉と「Departure」を歌い出して、耳をつんざくような大歓声。「今日は奇跡を起こしに来たんで!最後全員で歌おうぜ!」。ダンサブルなリズムに乗せて歌うKENJI03、ラップするTEEDAに〈OH!OH!〉と会場中からレスポンスが起こって大盛り上がり。見るとKENJI03はルチャ・リブレ風のマスクマンとなって駆け回っている。何度も大合唱とクラップが重なって会場が一体となって、あっという間に曲のエンディングを迎え、2人は万雷の拍手に送られてステージを降りた。最初から最後まで盛りだくさんで楽しませた〈「CHEMY×STORY」リリースパーティ〉は、興奮と感動、最高の余韻を残したまま、ハッピーに幕を下ろした。

BACK-ON〈「CHEMY×STORY」リリースパーティ〉セットリスト
2024年3月16日(土)
東京・代官山UNIT
1. ヒカリトカゼ
2. wimp
3. リザレクション
4. STRIKE BACK
5. INFINITY
6. flyaway
7. a day dreaming...
8. ニブンノイチ
9. 1994 with shun(TOTALFAT)
10. Chair
11. Kill the Beat
12. SKY WALKER
13. flower
14. with you
15. セルリアン
16. CHEMY×STORY feat. FLOW
EN1. BLAZE LINE
EN2. NOT ENOUGH feat. FLOW
EN3. Chain
EN4. Milky way
EN5. Departure
BACK-ON ディスコグラフィー
PROFILE:BACK-ON
地元足立区の幼なじみMCのTEEDA、Vo/GtのKENJI03からなるバンド。
ライブ活動は日本だけでなく、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、南米と世界各所にてライブを開催。
海外からも音楽性とライブパフォーマンスで高い評価を得ている。
また、その楽曲は自身だけではなく、多くのアーティストへ楽曲提供している。
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