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90年代後半、ビースティ・ボーイズ主催の伝説のレーベル"グランド・ロイヤル"からもアルバムをリリースし、ワールドワイドで活躍。国内外で高い評価を受けたBuffalo Daughter。活動20周年を記念してベスト・アルバムをリリースする。
しかし、そんな輝かしいキャリアを示すこれまでの作品は、残念なことに、さまざまな事情で、現在では近作を除き、ほぼ入手困難となっている。本作では、それらの入手困難な盤に収められいていた代表曲を中心に、ライヴでの定番曲なども収録。ちなみに、その選曲は、現在Inter FMの番組や、英BBCにも定期的に出演、Musicity創設者のひとりでもある、DJ / 音楽キュレーター、ニック・ラスコムが担当した。さらに単なる再収録に収まらず「ベストを尽くす」をテーマに、豪華メンバーを迎えた新たな録音やリミックス、未発表ライヴ・テイクも収録。単なる"ベスト盤"を越えるアルバムが完成した。
リミックスはビースティ・ボーイズのアドロック、昨年Maltine RecordsからEPをリリースした大阪在住のトラックメイカー、Avec Avecが手掛ける。新録にはKAKATO(環ROY+鎮座DOPENESS)をはじめ、日暮愛葉(THE GIRL) & 有島コレスケ(told / 0.8秒と衝撃。)、立花ハジメ、そして小山田圭吾(コーネリアス)が参加と、まさしく豪華メンバーが集結した。
OTOTOYではこの記念すべきベスト・アルバムをDSD(2.8MHz) & HQD(24bit/48kHz)の高音質で配信。メンバーと、サウンド・エンジニアのZAKがこだわった音をぜひ高音質で感じてほしい。
結成20周年記念アルバム "ベスト"の先の再発見
Buffalo Daughter / ReDiscoVer. Best, Re-recordings and Remixes of Buffalo Daughter
【配信形態】
【右】mp3+DSD(2.8MHz)、【左】HQD(24bit/48kHz)
【配信価格】
mp3+DSD アルバム購入のみ 2,000円
HQD 単曲 250円 / アルバム購入 2,000円
【Track List】
01. New Rock 20th featuring KAKATO (環ROY×鎮座DOPENESS) / 02. Beautiful You 20th featuring 日暮愛葉&有島コレスケ / 03. LI303VE / 04. Great Five Lakes 20th featuring 小山田圭吾 / 05. Dr. Mooooooooog / 06. Discothéque Du Paradis / 07. Cold Summer / 08. Peace Remix by Adrock / 09. Socks, Drugs and Rock'n'roll Live (Sax, Drugs and Rock'n'roll) featuring 立花ハジメ / 10. Volcanic Girl / 11. A11 A10ne / 12. Cyclic Live / 13. Balloon Remix by Avec Avec / 14. ほら穴 / 15. Balloon(Original version)[配信限定ボーナス・トラック]
入手困難な過去作品も高音質配信開始!
Buffalo Daughter / Captain Vapour Athletes
【配信形態】
【右】HQD(24bit/48kHz)、【左】mp3
【配信価格】
HQD 単曲 250円 / アルバム購入 2,000円
mp3 単曲 250円 / アルバム購入 2,000円
【Track List】
01. Counter Parrot / 02. Cold Summer / 03. Vampeeee / 04. Silver Turkey / 05. California Blues / 06. Dr. Mooooooooog / 07. Brush Your Teeth / 08. Kelly / 09. Big Wednesday / 10. Baby Amoebae Goes South / 11. LI303VE / 12. Vapour Action Forever
Buffalo Daughter / I
【配信形態】
【右】HQD(24bit/48kHz)、【左】mp3
【配信価格】
HQD 単曲 250円 / アルバム購入 2,000円
mp3 単曲 250円 / アルバム購入 2,000円
【Track List】
01. Ivory / 02. I Know / 03. Earth Punk Rockers / 04. 28 Nuts / 05. Volcanic Girl / 06. Five Minutes / 07. Robot Sings (As If He Were Frank Sinatra With A Half-boiled Egg And The Salt Shaker On A Breakfast Table) / 08. I / 09. Moog Stone / 10. Mirror Ball / 11. Long, Slow, Distance / 12. Discothéque Du Paradis / 13. A Completely Identical Dream
INTERVIEW : Buffalo Daughter
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いつ聴いても新しく感じる。それを20年続けてきた彼らのベスト・アルバムは、さまざまな事情によってそうなったにせよ、単に過去を振り返るベスト盤にはならなかった。ベスト・アルバムですら、新たなことへと挑戦する“ベスト盤を越えたアルバム”をつくることになったのは、どこか彼ららしく、運命めいているような気さえする。
Buffalo Daughterにこれまで刺激を受け続けてきた人は、もちろん彼らの軌跡を辿り、再発見し、祝い、おおいに楽しんでほしい。そしていまの若い世代の人たちには、クラウトロック、アシッド・ハウス、ヒップホップなどを取り入れ、ロックンロールの価値観を独自のものにした、こんなにもかっこいいレジェンドがいることを、ベスト・アルバムをいう機会を通して知ってほしいと強く思う。
インタビュー : 飯田仁一郎(OTOTOY編集長 / Limited Express (Has gone?))
文 : 梶山春菜子
「だったら、もう再録音しよう!」と今回の形に繋がっていった
——いまのバッファロー・ドーターに集点を当てて、いろいろ聞きたいなと思っています。まず今回のベスト・アルバムを作ろうとした、きっかけはなんでしょうか?
シュガー吉永(以下、吉永) : 大野さんが言い出したんですよ。
大野由美子(以下、大野) : 去年か一昨年に「そろそろ20周年だね。」という話が出ていて。10周年のときは、物販を多くする程度だったので、20周年はいままで出してないからベスト盤をと。あと以前、(リリースしていたCDは)いまほとんど手に入らないから、寄せあつめ的なものをまとめておきたいな、と思ったんです。本当は全部を再発したかったんだけれど。
——音源を集めるのにすごく苦労されたということですが、それは権利的な問題ですか?
大野 : そうですね。半分ぐらいが私たちではなく、他の人たちが原盤を持っているので。
吉永 : バンドをはじめたときから、原盤とかは全部自分たちで持とうと思っていて、条件にしていたんです。グランド・ロイヤルのときもそうだった。ただグランド・ロイヤルで出した2枚目が、ものすごくツアーで忙しいあいだに、どうやらサインをしてしまったらしいんですね。記憶のなかでは自分たちのものだと思ってたのに… グランド・ロイヤルが破綻したときに、「全部戻ってくるから」ってマネージャーから言われて、「ああ、良かった良かった」って。それ(返却の契約書)にはサインしたの。だけど、手違いで向こうのサインをもらえなかったから、無効になってしまって。原盤はいまは2人目ぐらいのオーナーに渡っていて、返してもらうことが権利的に難しくて。自分たちで気がつかなかったっていうのが悪いんですけども。
——サインひとつで駄目なもんなんですね…。
吉永 : もとの契約が活きちゃうからだめなんですよね。そのあとはもうヤケクソ(笑)。「もういいわ、あんな盤! 」みたいな。そこに至るまでがまた長かったけど。
——どういうことですか?
吉永 : 誰が権利を持っていて、っていうのを突き止めるまでが長くて。わかってからもコンタクトをするまでが長かったね。
大野 : 2年ぐらいかな。
吉永 : そう。2年か3年かかって、もうさんざん苦労して、「もういいよ」みたいな気持ちになったんですよね。それでもベスト盤は出すっていう話はなんとなく進んでたの。だけど5月の半ばごろになって、「やっぱり配信はダメだ」という話が、今度はグランド・ロイヤルじゃなくて、いまV2 Recordsの権利を持っている所からきたんです。配信への単曲ライセンスはダメ、CDで出すだけなら大丈夫という話になって「CDしか出さないっていまどきないでしょう」ってドンガラガッシャンですよ。「だったら、もう再録音しよう!」と今回の形に繋がっていったんですよね。
——OTOTOYは配信サイトなのでお聞きしたいのですが、そういった時代の変遷を、3人はどのように考えていますか? 配信は取り入れていきたいとか、SNSは使っていきたいとか?
大野 : 便利なものは使いたいけどね。
吉永 : 直接わかっていいですよね。前はライヴの後に紙でアンケートとかやっているバンドとかいたじゃないですか。要は、そうしないとお客さんの声が伝わってこなかったんですよ。でも今はみんなtwitterとかで書いたりしててわかる。そういう意味ではお互いの距離が近づいてるから、いいんじゃないかと思うんです。
——今回OTOTOYでは高音質で配信しますが、バッファロー・ドーターとしては高音質で発売することに対して興味があったりしますか?
吉永 : 個人的に、高音質にはすごく興味があるんですけど、正直ダウンロードにはあまり興味は無いんですよね。折角の高音質をパソコンだけで聴いてもって…。ジャケットと一緒にっていう世界が好きで。所有感があるじゃないですか。聴いてなくてもジャケットを見つめたり、細かいクレジットを一生懸命読んだりとか。だからダウンロードだと持った感が無いというか… パソコンのなかにはあるんだけど“無”な感じがすごくあって。高音質で聴くのは好きなんだけれど、それを積極的にダウンロードするというのはあまりなくて。それよりもレコードにダウンロード・コードが付いていて、家ではじっくり聴いて、移動してるときは簡単に聴けるとか、自分としてはそっちのほうが楽しい。
自分で見つけてきて、そこに新たな価値を再発見する
——バッファロー・ドーターは、いつでも最先端で、新しいものをいち早く取り入れているイメージが僕にはあるんです。だから、なにかのインタヴューで、「もう誰かのレコードを聴いて、影響されて作るんじゃなくて、自分の中にあるものを自然に出して、創っていこうと思った」という言葉が、ぼくにとっては衝撃的でした。バッファロー・ドーターは、いままでそれを取り入れてきた人たちだと思っていたので。あの言葉をおっしゃったのは山本さんですか?
山本ムーグ(以下、山本) : はい。
——あのときにそう思ったのは、なぜだったのでしょうか?
山本 : 単純に、10代から20代って1番外から取り入れる時期だと思うんですけど、30代で成熟してきて。で、たぶん40代に入ってたと思うんですけど、そのころは、ある程度自分のなかで体系的な知識があるから、新しいものがでてきても、「多分こういうことなんだろうな」みたいな想像がついたんですね。だからそんなに闇雲にレコードを買う必要はないんですよね。多分彼女たちもそうだと思うんですけど。あとは時代的に世の中が不景気になって、「そんなに買い物している暇ないよ」っていう意識が芽生えてきて。だから自分で新しいイメージを生みだしたというよりは、外から自分が成長した、年を重ねたってことと、まわりの状況が不景気になったっていう、それを素直に反映しているんだと思います。
——吉永さん、大野さんはどうですか? レコーディングのスタイルとかも変わったのかな、と思ったりもしたんですけど。
吉永 : やり方は変わってないですよ。せーので録って、それをダビングしていくっていうのは全然変わってない。このあいだゲストを迎えてやったときも、「最初はみんなでせーので録ってさ」って言ったら、「せーので録るの!?」って言われたりしたんですよね。他ではそういうのしないんだなって思った。
——1発取りなんですね。今回のベスト・アルバムでは、環ROYくんや鎮座DOPENESSなど、さまざまなゲストが参加していますが、もともとベストを作るときは全部リアレンジするつもりだったんですか? それとも、権利関係の問題が大きかったんでしょうか?
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吉永 : 最初は普通にベスト盤を作ろうとしていたんですよ。でもベスト盤を作って「新しい曲は? 」と訊かれるのもなんだったから、いまちょうど作っている新しいアルバムからなにか入れられる曲があるかな、とも考えていて。最終的には、昔の曲が権利問題でリミックスしたりしないと入れられなくなったので、新しくすることに繋がっていったんですけど。
——その新しいアルバムはどんな感じになっているんですか? 吉永 : 半分ちょっと…。6割くらいはできていて、あと4割。もうアイディアとか曲のパーツはあるので、それを最終的にしあげたいと。
——アルバムのテーマは決まっているんですか?
吉永 : 当初は「次はディスコのアルバムを作ろう」って話していたんです。2011年に金沢の21世紀美術館で開催されたピーター・マクドナルドさんの展示会のイベントでの演奏を依頼されて。ブロックパーティーをテーマにしたものだったんですが、先ず美術館で演奏するのが初めてだったし、自分たちとしてはとてもおもしろい経験だったんですよね。しかも楽しかった。そのイベント用に作った曲もありましたし、それがいい感じだったから「この気持ちのまま次のアルバム作ろうよ」って言ったのがはじまりなんです。
——発売はいつごろになりそうでしょうか?
吉永 : 発売は来年の夏前には出したいと思ってます。
——そうですか。新しいアルバムをつくっているところですが、いまはどんな刺激を受けていますか?
山本 : 僕はレコードを買うことが基本的にすごく好きなんです。新譜も好きなんですけど、やっぱり中古盤が好きで。中古盤の知らないものに出会って、「なんなんだろう? 」っていうところからはじまって、自分のなかになにかしらのジャンルを作るんですよ。それがすごく楽しくて。だから、モーグ・ミュージックや電子音楽とかを自分で再発見して、CDの再発もしたんですけども、それは自分の中で大きかった。誰も知らなくて叩き売られていたものを、体系的にもう1回リエディットするみたいな。『I』をつくっていたころ、渋谷とかでもレコード屋さんはまだはやっていたんですけど、「これで終わりだな」って思ったのは、ストレンジ・ミュージックみたいなのがはやって、北欧のジャズとかをブレイクネタとして珍重している、そこにお墨付きが付いちゃって、2万円ぐらいするようになったんですね。それをみんなが一生懸命買っている様子を見て、「なんか違うな」って思って。自分たちで100円とか、下手するとアメリカでは25セントとかフリーとかの、そういうのを見つけてきて、そこに新たな価値を再発見して、しかも自分でCD再発も監修するとこまでいけたっていうのは、すごく飛躍があるじゃないですか。でも元々バイヤーの方が2万円とかつけて、「これはいいもんですよ」っていうの、そのまま買ってありがたがたるのって全然逆だなって思って。けど最近はまた買ってるんですよ。なんか新しいものが、おもしろいんです。ただ単純に音楽だけでおもしろいものはなくて、必ず映像が付いてくるんですよね。
——映像というのは、PVとかですか?
山本 : 最初におもしろいと思ったのがアモン・トビンで。あの人は映像なしでは語れないじゃないですか。その前はリッチー・ホゥティンが好きだったんです。リッチーはライヴのセットの仕掛けが衝撃的で、あれは画期的だなと思って。
“ニュー・ロック”という言葉とは決別するけど、本質的な部分では持ち続ける
——『I』あたりでは、社会に対する姿勢などに対して意識が上がっていたと聞きました。僕もそれをアルバムを聴きながら感じましたし。いまの日本の状況に関しては、バッファロー・ドーターとして強く思っていることはありますか?
山本 : 個人としてでもいいですか? 三田格さんが湾岸戦争の前後にサウンド・デモというのをはじめて、それに参加しているんですよ。宮下公園でアジテーションしたりとか。官邸前のデモも個人的に行ってますし、だからもちろん興味はあります。ただ、いわゆるしばき隊のように直接行動に出る決心はついていなくて、別のやりかたを探しているんです。2000年代になって、音楽業界が不況になったときに、ミュージシャンはどんどん地位が下がるだろうなと思ったんですね。それまでミュージシャンの発言ってある種カリスマ的に受け入れられていたじゃないですか。でもCDの売り上げが落ちて、もちろんミュージシャンの影響力も落ちるわけだから、そこでえらそうなことを言っても誰も聞かないよって。極端な話、駅で詩集を売ってる人たちみたいな、それぐらいの覚悟は必要だと思ったんですね。だけどいまいろんなことが起こって、意外とみんなミュージシャンの言葉を聞きたがるのにびっくりして。忌野清志郎さんの再評価がすごく高まってたりとか、斉藤和義さんがYouTubeで上げた動画がすごい反響を呼んだりして、やっぱりこういうときってミュージシャンの言葉を聞きたがってるんだなって。でもやっぱり僕たちは直接的な行動で示すんじゃなくて、音楽に乗せて語るのが1番得意だし、受け手も受け入れやすいと、改めて思ったんですよ。だから個人的にはデモに行ったり署名したりもしますが、やっぱりメインは自分たちの楽曲で伝えていきたい。で、今回のアルバムには「PEACE」という曲が再録されているんですけど、たまたまリミックスで、ヴォーカルが中心で、あとはリズムぐらいしか入っていないような感じになり、メッセージがより際立ったんですね。対訳もあるのでぜひ見てほしいんですけど、あれはかなり直接的に僕らのステートメントを出しているんですよ。だからそこは変わらないんだと思います。
——それは3人共通の意識ですか? それとも山本さんの意見といった感じでしょうか。
吉永 : ムーグさん個人かな。でもやっぱりそうですね。毎回アルバムごとにテーマがあって、そこに込めている思いというのがあるんですね。でもそのテーマだけを伝えたいんじゃなくて、音楽というか、バッファロー・ドーターとして聞こえてくるものがメインだから、音楽として受け止めたとき、何回も聴いていくうちに違うものも見えてくる、聴こえてくるとか、なにかを考えるとか、そういうことが起こるといいなと思ってます。
——ありがとうございます。少し話は戻りますが、大野さんと吉永さんはいまどのような刺激をうけてますか?
大野 : 私はなにかを聴いて、影響を受けてとか、あんまりそういう感じでは作ってないかな。
吉永 : でも結局、いま聴いてるものって自分のいまの気持ちで聴いてるから、絶対影響するんじゃないですか。それこそバンドをはじめたころは真似するところからはじめるじゃないですか。だけど、だんだん私たちもこなれてきて、真似だけじゃなくて3人のそれぞれのパーソナリティが混ざって、バッファロー・ドーターとして違うものが生まれたりとかね。そういう風にはなってきたんじゃないかなと振り返ると思うけど、やってることはおんなじですよ、昔も。そのときにやりたいと思ってる、「これが新しい」ってことをやる。
——「これが新しい」というのは、バッファロー・ドーターにとって?
吉永 : 最終的には3人にとってですね。3人で発信するものだから。それぞれが、「いまこれがキテルんだ」っていうのを持ち寄るから、それぞれが少し違っても、それが混ざって、3人にとって新しい。
——「新しい」というキーワードがでましたが、僕は『NEW ROCK』というアルバムはすごくバッファロー・ドーターを象徴する作品だと思ってるんです。『NEW ROCK』というタイトルも含めて。あの言葉どおり、“ニュー・ロック”な感じをバッファロー・ドーターは持ち続けたいと思いますか。それとももう“ニュー・ロック”とは関係ないと思っていますか。
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吉永 : もう“ニュー・ロック”とは決別してるじゃないですか、私たち。いろいろゴタゴタで。だから決別してるんです。もう自分たちのものじゃないとわかったときに、自分たちのなかではなかったことになっているんですよ。
山本 : それいいね! かっこいいね!
大野 : でも気分的には、いつも自分たちでしかできない、新しい音楽ってなんだろうっていうのはいつも思ってる。時代にないもの、いままで見たことのないおもしろいものをね。それは普通の音楽形態のような、歌からメロディが付いて、メロディからコードが付いてとか、そういうのじゃないと思うんだけど、それでおもしろい音楽ってできないかなっていつも思ってるから、そこは変わらない。
山本 : それもいい話だ!
一同 : (笑)
吉永・大野 : はい、大丈夫です。
OTOTOYで配信中のBuffalo Daughterの過去作品はこちら
Buffalo Daughter / The Weapons Of Math Destruction
2010年、ゲスト・ドラマーに松下敦を迎えた、前作から4年ぶりのオリジナル・アルバムを自らのレーベルBuffalo Ranchよりリリース。"物理"という圧倒的なパワーに対する、アート宣言、破壊宣言! ムーグが言いだしたというBD的Hip Hop的アプローチも内在。
PROFILE
Buffalo Daughter
シュガー吉永 (g, vo, tb-303, tr-606) / 大野由美子 (b, vo, electronics) / 山本ムーグ (turntable, vo)
1993年結成。雑誌『米国音楽』が主催したインディー・レーベル、Cardinal Recordsより発売した『Shaggy Head Dressers』、『Amoebae Sound System』の2枚がたちまちソールドアウト。ルシャス・ジャクソン東京公演でメンバーに音源を渡した事がきっかけで1996年にビースティ・ボーイズが主催するレーベルGrand Royalと契約。同年1stアルバム『Captain Vapour Athletes』(Grand Royal/東芝EMI)を発表、アメリカ主要都市のツアーも行い、活動の場は東京から世界へ。1998年に発表した2ndアルバム『New Rock』(Grand Royal/東芝EMI)では、アメリカ・ツアーの車移動の際に見た同じ景色の連続とジャーマンロックの反復感にインスパイアされた内容となり、大きな反響を得て瞬く間に時代のマスターピースに。その後もアメリカ中を車で何周も回る長いツアー、ヨーロッパ各都市でのツアーも行い、ライブバンドとして大きな評価を得る。2001年『I』(Emperor Norton Records/東芝EMI)発売した後、2003年『Pshychic』、2006年『Euphorica』は共にV2 Recordsよりワールドワイド・ディールで発売される。2006年には、雑誌『ニューズウィーク日本版』の”世界が尊敬する日本人100人”に選ばれるなど、その動向は国内外問わず注目を集めている。
2010年夏、自らのレーベル”Buffalo Ranch”を設立。ゲスト・ドラマーに松下敦を迎え、前作より約4年ぶりとなるアルバム『The Weapons Of Math Destruction』を発表。結成20年にあたる今もなお、精力的な活動を続けている。
>>Buffalo Daughter Official HP