2019/05/19 21:00

PEDRO本格始動、アユニ・Dが今の素直な気持ちを赤裸々に語る「音楽が好きって感覚がリアルになった」

PEDRO

“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのアユニ・Dによるソロプロジェクト、PEDROがEMI Recordsに移籍し、活動を本格的にスタートさせることを2019年3月末に発表した。2019年夏には、自身初となるフルアルバムの発売と全国ツアーの開催が予定されているPEDROが、現在どのような状態で、この先どのような活動をしていくのか、いち早くインタヴューで迫った。

INTERVIEW : PEDRO

アユニ・Dによるソロプロジェクト"PEDRO"が、ユニバーサルミュージック内のEMI Recordsに移籍し、活動を本格的にスタートさせたようだ。ってことで、すぐさまEMI Recordsに取材依頼を行った。BiSHがあんなに忙しいのに、まじでできるんすか? アユニは、バンドでも天下取る気なんですか? なんかそんなことを訊こうと思ったけど、アユニのPEDROへの愛がすごすぎて笑っちゃった。なんかいいな... PEDROって、アユニにも BiSHにもとても良い存在なんだなって確信したよ。

インタヴュー : 飯田仁一郎
写真 : 外林健太

ずっと歌っててもしんどくなくなりました

──アルバム制作中なんですよね? 次は、どんなアルバムになりそう?

アユニ : まだアルバム制作中ですが、めちゃくちゃかっこいいです。前回よりもパワー・アップしてます! 前回は中高生が学園祭とかで真似できるようなテーマで曲を作ってもらったんですけど、今回はPEDRO感があって、BiSHとはまた違うジャンルの音楽ができたらいいなっていう気持ちはあります。

──アユニって、ベース好きだよねぇ。どれくらい練習してるの?

アユニ : あんまり遠征とかで練習できてないんですけど、一回やり始めて気づいたら2、3時間経っています。

──ベースの魅力ってどんなところ?

アユニ : 音が好きなんです。あと BiSHでは、いつも流れている楽曲に歌や踊りを合わせていたので、ちゃんと自分で音楽を作る、自分で音を出せるっていうのが新鮮で楽しいです。

──歌を歌うモチベーションは変わりましたか?

アユニ : 変わりました。ずっと歌っていてもしんどくなくなりました。歌詞を覚えるのが世界で一番苦手で、自分で書いた歌詞さえ覚えられなかったんですけど、今は覚えられるようになりました。覚えようとしなくても次の歌詞が勝手に口から出るようになって「うわ、すご」って自分でビビりました。

──歌うことに関して、BiSHとPEDROで違うことはありますか?

アユニ : 自分で全部の歌詞を書いているので、より感情をこめやすい時があります。声に勝手に感情が乗っかる感じ。だから歌ってて楽しいです!

──歌詞は、『zoozoosea』から制作中のアルバムにかけて変わってきていることってある?

アユニ : 前回は割と自分の名刺みたいなアルバムになればいいなと思って創ったので、自分の本当の思いというか根の底の暗い部分を全面的に出しました。でも今回は妄想で誰かになりきったり、映画の脇役のキャラクターになりきって書いてみたりとかしています。

──妄想が入ってるんだ!

アユニ : はい。いろんなニュアンスを出したり、いろんなタイプの曲がかけたらいいなと思って。

──PEDROの「OFFICIAL TRAILER」からもグランジ的な要素を感じますが、アユニはグランジが好きなの?

PEDRO / OFFICIAL TRAILER

アユニ : あの動画のプロデュースをしてくれたのは渡辺(淳之介)さんなんです。よくわからないのですが、ヘッドフォンで聴いたら本当に車庫でなっているみたいに音が近くて。だからそこに本当にいるような今の音が好きです。

──アユニと喋っていると、音楽が好きな気持ちが伝わってくる。いつからだろう?

アユニ : PEDROを始めてからかな。音楽をより知るきっかけになりました。

PEDROじゃなかったら自分は何もできない

──PEDROとしてツアーもやるんですね。

アユニ : スケジュールはタイトなんですが、それでもツアーは楽しみだし、発売されるアルバムの曲を聴きながら頭の中で想像しています。移動時間とか飛行機の中で「この曲をライヴで弾いたらめっちゃかっこいいんだろうなー」とかそういうのをいっぱい考えてます。

──BiSHのインタヴューのときは「PEDROはどうなるかはわかんないですけど」って言ってたけど、PEDROは今走り出したわけじゃないですか。アユニはPEDROをどうしたいの?

アユニ : 続けたいって言うのもおかしいですけど、私は楽しいからずっとやっていきたいです。

──前はPEDROじゃなくて他のバンドも組んでみたいって言っていたけど、今は?

アユニ : あ、今はそんなの全く思いません。PEDROじゃなかったら自分は何もできないなって思いました。

──そうなんだ。上京からインタビューしてるけど、完全にアユニは変わったね。

アユニ : はい、自分変わりました。

──PEDROを聴いてお客さんにも変わってほしいとか、こう思ってほしいとかありますか?

アユニ : お客さんにどう思ってほしいみたいなのはないですけど、所詮女性グループがポッと出で、「ひとりでバンドごっこをしてる」と思われるのは嫌なんで。実際そうかもしれないですけど、そう思われるのは嫌で「アユニ・Dが好き」とかじゃなくて「PEDROの曲がすき」みたいな風になってもらえると嬉しいなと思います。

──今はそういう声は少ないんですか?

アユニ : まだ少ない。でもPEDROで好きになりましたみたいな人や、そこからBiSHに来てくれる人も何人かいるんで、嬉しいです。

愛がないと何をしてもダメだなっていうのを学びました

──BiSHとPEDROで違うことってありますか?

アユニ : 良いとか悪いとかじゃなくて、気持ちの持っていきかたとか、感覚とか全部違います。

──曲は同じSCRAMBLESが作ってるのにね。

アユニ : はい。BiSHでイヤモニしてライヴをやっているときもたまに弾きたいなって思います。

──ベースが聞こえてくるんだ?

アユニ : はい。BiSHの曲を、バンドでしたいなって思うようになっちゃいました。

──コメントに、"五感とシックスセンス"って書いてあって。このフレーズはアユニが考えたの?

アユニ・Dコメント
わたくしアユニ・D、PEDROを始めてから音楽というものを五感とシックスセンスで日々感じております。PEDROとしての経験から様々な抑えきれない欲望を掻き立てられ、フルアルバム制作や全国ツアー、こうして形に出来る事を心底感謝に思います。人生を感じ精進して参ります、何卒。

アユニ : はい。BiSHの「stereo future」のカップリング「S・H・i・T」を私が作詞して、そこで<考えるなよ感じろ五感とシックスセンスで>っていう歌詞を入れたんですけど、それを使いまわしただけです。

──これはどういう意味?

アユニ : 音楽を感じていますみたいなことを書いたんですけど、本当に音楽の感じ方が変わったことをお伝えしたくて。自分しかわからない感覚だから言葉にするのが難しいんですけど、今までは「音楽が好き」って意味が全くわからなかったんですよ。今はその意味が第六感の感覚や直感でわかるようになったというか。普段もずっと音楽を聴いちゃうとか、音楽が好きって感覚がリアルになったとか、説明難しいんですけど。

──音楽がなくて、今のアユニは生きていけますか?

アユニ : 無理ですね。音楽を通じて人との関わりができたりとか、人から音楽の知識や楽しさを教わったりしたことで、音楽や人間のことを好きになれるようになったので。PEDROがなかったら、今もまだ人と喋るのがそんなに好きじゃなかったと思います。最近人と喋ることがすごい好きで、自分自身の性格も変わったと思いますね。

──なんと!

アユニ : ポジティブにはなっていないですけど、人はみんなちゃんと生きてるんだっていうか、愛がないと何をしてもダメだなっていうのを学びました。

──また深いこといいますね!

アユニ : 深くないですよ(笑)。でも確かに今まで自分は愛を持って人と接してこなかったなと。

──やっぱり上京したときに比べれば、びっくりするほどの変化ですよ。

アユニ : 今考えるとよく耐えたなって思います、自分に。やっぱり続けるって意味があるっていうのはすごい実感しました。

BiSHとPEDROは生きがいです

──アユニは将来もバンドをやりたいと思っていますか?

アユニ : バンドをやりたいとは別に思わないですけど、今できることはなんでもしたいと思います。今まで、もしBiSHが終わったら本気で北海道に帰って失踪するぞって思ってたんですけど、最近全然それは思わなくて。

──失踪って(笑)。

アユニ : 誰にもバレない北海道のすごい小さい村とかに行こうと思ってたんですけど、そんなの思わなくなって。売れなくていいんで、音楽をやれたらいいなと思います。

──バンドってロードって言って、メンバーで1つの車に機材を積んでツアーをするみたいなのがあるじゃないですか。やってみたいですか?

アユニ : あ、やりたい。でもそれは私の勝手な理想で、私はやっぱりお願いしてやってもらってる立場なんで。

──できるなら、実現してほしいですね。将来は、もっとバンド感のある感じになりたいと思いますか?

アユニ : んー、なりたいって言ったら申し訳ないですけど、ドラムの毛利(匠太)さんも元々組んでたバンドがあるので何も言えないですが、PEDROはやり続けたいです。

──それはPEDROのメンバーに伝えていこう!

アユニ : えー、怒られたらどうしよ。「私やりたくないんですよ」って田渕さんに言われたらどうしよう(笑)。

──(笑)。ツアー期待していますよ!

アユニ : んー多分! 最近少しライヴのやり方がわかった気がするんです。

──バンドでのライヴのやり方?

アユニ : バンドに限らず、BiSHの時もライヴをしてるときの感覚がすごく変わったので。

──どう変わったんですか?

アユニ : BiSHに入った時から、やれと言われたことをやるという認識で進んできてしまったんですけど、そうじゃなくなった。ステージが、やりたいことができる場所になったのでツアーが楽しみです。

──わかりました。なんか言い残したことないですか?

アユニ : 今、BiSHとPEDROは生きがいです。

LIVE INFORMATION

DOG IN CLASSROOM TOUR
出演 : PEDRO

2019年7月17日(水)@宮城 CLUB JUNK BOX
Open／Start 17:30／18:30
2019年7月30日(火)@愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
Open／Start 17:30／18:30
2019年8月1日(木)@福岡 DRUM Be-1
Open／Start 17:30／18:30
2019年8月6日(火)@東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
Open／Start 17:30／18:30
2019年8月9日(金)@北海道 PENNY LANE24
Open／Start 17:30／18:30
2019年8月27日(火)@大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
Open／Start 17:30／18:30

チケット料金 :
SIMON TICKET 4,500円(税込・ドリンク別)
※大学生までの学生キャッシュバックあり(学生証提示で¥1,000キャッシュバック)
※未就学児童入場不可
※ダイブ/サーフ/リフト禁止

■PEDRO モバイル会員先着先行
【受付期間】5/20(月)22:00～5/21(火)22:00
【受付URL】https://sp.pedro.tokyo/

■PEDRO モバイル会員先着2次先行
【受付期間】5/21(火)22:00～5/22(水)23:59
【受付URL】https://sp.pedro.tokyo/

■BiSH ファンクラブ抽選先行
【受付期間】5/23(木)12:00～5/27(月)23:59
【受付URL】https://bish.fc.avex.jp

■ファミリーマートWEB抽選先行
【受付期間】5/28(火)12:00～6/3(月)23:59
【受付URL】http://w.pia.jp/t/pedro/

■ファミリーマートWEB抽選2次先行
【受付期間】6/4(火)12:00～6/9(日)23:59
【受付URL】http://w.pia.jp/t/pedro/

■一般発売日
6月22日(土)10:00〜
【受付URL】http://w.pia.jp/t/pedro/