【BiSH】Episode91 アユニ・D「最後まで、たくさん愛で恩返ししていきたい」
2023年をもって解散することを発表した“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。それぞれが様々な想いを抱く彼女たちに、OTOTOYではメンバー個別のインタヴューを実施。今回はアユニ・Dに、PEDROの活動休止の理由や、解散についての想いを聞きました。最後まで走り続けることを決めた彼女たちの姿は、本当にかっこいいです。いまのBiSHを決して見逃さないでいてください。
12ヶ月連続リリース第2弾
INTERVIEW : アユニ・D
〈WACK WACK SHiT TOUR〉で見たアユニ・Dは、なんかスッキリした顔をしていて、楽しそうで、その感じが紅白の衣装に合っていて、びっくりするほど輝いていた。そして、BiSHのライブがまた良くなっていたことには、もう感嘆。まだ行くかと! しかも新曲の“ぴょ”がイケすぎてました! 現場からは以上です!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 井上沙織
写真 : 大橋祐希
後ろめたさなく解散を自覚したのは発表してから
──BiSHが解散に向けて忙しくなるなかで、PEDROの活動休止が発表されましたね。
アユニ : はい。BiSHの解散がちゃんと決まってからPEDROの3枚目のアルバムを作って、ツアーを回って、去年いっぱいでPEDROは一回けじめをつけようと。2022年からは解散までちゃんとBiSHに向き合うというか、BiSHとしての人生にまた専念しようということで活動休止しました。本当にありがたいことにBiSHに入ってから今まで怒涛の日々を過ごさせていただいていたので、それこそ横アリだけに集中できる期間とか全然なくて。BiSHの活動もしながらPEDROのツアーも回りながら、毎日やることとやらなきゃいけないこととやりたいことがたくさんあって、時間を縫ってひさ子さんと毛利さんと三人だけでスタジオに入る時間も作ったりして、横アリの日を迎えたんですけど。
──横アリのステージにバンドで立ってみていかがでしたか。
アユニ : 横アリがPEDRO人生第一章の一番最後の幕だったので、本当にいろんな気持ちになった日でした。やっぱ今までのPEDRO人生を振り返ると自分にとっては大きすぎる旅だったなってすごく思うし、MCでも話したんですけど、本当に楽しくて愛おしくてたまらなくて、今までの全部夢だったんじゃないかなって何度も思うんですけど、でも夢でも嘘でもなく、ちゃんと自分の本当だったし、いろんな感情をちゃんと飲み込みながら負の感情にもめげずに挑みましたね。技術面や歌に関してはやっぱりまだまだ至らない点ばかりではあるんですけど、未完成なりの完成形を必死に出したつもりではあります。PEDRO人生第一章の終わりとして悔いはありませんでした。
──BiSHは、2019年に渡辺さんから解散の投げかけがあったわけですけど、アユニさんは解散することについてどう向き合っていましたか?
アユニ : 解散の話が出始めた頃は、ライヴでお客さんやメンバーの顔を見る度に「私たち解散するんだ」って思いにはなったんですけど、なんだかんだ始まった当初から、BiSHっていうものが始まったからには終わりがあるって、きっとみんな心の中にはあったと思うんですよね。今をがむしゃらに生きているというか、すごい目まぐるしい日々を送っていて。私は目の前の物事しか見れなかったから、将来のことなんてあまり考えてなかったし。でも解散の話をしだしてから将来のことをすごく考えるようになりました。ちょっと冷静になれたというか、BiSHという存在と、BiSHのアユニ・Dの存在を客観視していかなきゃいけないし、していこうという気持ちになったりもしました。
──解散の実感はいつぐらいからわきましたか。
アユニ : メンバーそれぞれ違うと思うんですけど、私に関してはちゃんと自分たちの口から解散発表をしたときに「あぁ、私たちは本当に解散するんだな」っていう感情になりました。みんなで解散を決断して、表に見えない部分で解散に向けての計画を立てたり、それぞれ解散に向けて、そして解散後の自分の在り方とか生き方とかたくさん考えたりしてたと思うんです。でも正直私は自分たちから解散発表をする日までは解散へ向き合っていなかったというか。ライヴをしてても解散のことばっかり考えちゃうと目の前のお客さんとライヴをしてるっていう感情になれなくて、解散する悲しさでいっぱいいっぱいになっちゃうので、悔しかったのか悲しかったのか分からないですけど、逃げてたんですよね。解散から目を背けてた部分はあったと思います。だからちゃんと堂々と、後ろめたさなく解散を自覚したのは発表してからですね。