新曲&衣装が明らかに! そして突きつけられた選択! 「#PIGGSメジャーへの挑戦」は佳境へ──〈BATTLE OF PIGGS〉ライヴレポート

【メジャーとは? インディーとは? for PIGGS vol.4】
「#PIGGSメジャーへの挑戦」という企画が進行中のPIGGSが、代官山UNITにて〈BATTLE OF PIGGS〉と称したライヴを開催! TEAMメジャーとTEAMインディーのそれぞれがプロデュースしたライヴが行われ、さらに新曲と衣装が発表されるという前代未聞の今回のイベント。果たして、それぞれの姿はどのようなものだったのか。異様な興奮と緊張に包まれたその模様をレポートでお伝えします。
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LIVE REPORT : 〈BATTLE OF PIGGS〉
取材&文 : 飯田仁一郎
編集 : 西田健
撮影: 大橋祐希
代官山UNITで行われた「#PIGGSメジャーへの挑戦」の一企画『BATTLE OF PIGGS』に行ってきた。
「#PIGGSメジャーへの挑戦」
・インディーズのラスト・シングルは、メジャーの第1弾シングルのプロデュース権がかかっている。
・某メジャーレーベル制作陣が集ったTEAMメジャーと、プープーランド制作陣が集ったTEAMインディーが、ラスト・シングルに関して、様々なクリエイティブを発表していく。
・そしてラスト・シングルのリリース翌週には、どちらのクリエイティブが好きだったのかをリスナーが投票し、得票の高いTEAMが、なんとメジャーデビュー・シングルのプロデュース権を得る。
詳しくは→
『BATTLE OF PIGGS』は二部制となっており、各部の中でも、TEAMメジャーとTEAMインディーがプロデュースしたライヴがそれぞれ行われるというもの。しかも、PIGGS Aは『BURNING PRIDE』、PIGGS Bは『豚反骨精神論』という新曲を初披露するという。所謂、前代未聞ってことですね...
会場についてみると、外は長蛇の列。メジャー・デビューを発表し、チケットは即完。メジャー・デビューが決まったからか、それとも危険な企画「#PIGGSメジャーへの挑戦」でざわついているのか、PIGGSに今注目が集まっているのは間違いない。なんにせよ「#PIGGSメジャーへの挑戦」は、PIGGS AとPIGGS Bの各クリエイティヴが、メジャー/インディーのどちらのチームが作ったかは全く明かされず、それにより各人が自身の好みを語ったり、どちらを誰が作ったかなどを語り合うような動きとなっていて、現在はとても好意的に受け止められていると信じてはいるが…


会場の異様な期待値のまま始まったPIGGSのライヴ。真っ黒な衣装で登場したのでPIGGS Aとわかる。KISSとかSEXとかを、ロックンロール・サウンドに乗せて叫び(セットリストにはーSE 豚的五大欲求ーと書かれている)ライヴがスタート。1曲目は、なんと“フォーエバー・ヤング”だ。気合い入りまくりだし、メンバーの目もギラギラしててかっこいい。ちょっと気合い入りすぎて固い気もするが、いつも後半戦で演奏されるこの曲が1曲目に聴けるなんて夢のようだ。そして初期の超名曲“とらえる”につながる。『#PIGGSメジャーへの挑戦』の期間にメンバーの表現力がさらに増幅していることに気づく。パワフルだ。
そして新曲“BURNING PRIDE”のカップリング曲だろう“I don’t believe in ADULT”がはじまる。「大人は信じるな / 保身ばっかのでまかせに負けんな / 遮ったあいつに唾を吐け...」もう歌詞は笑っちゃうくらいに尖っている。ロックンロール全開で所謂ノリノリで振りもわかりやすい。さらに初期名曲“モナリザ”で、もう客席を沸かしまくり、一言「新曲やります。“BURNING PRIDE”」と言い放ち、「あきらめねえ」とプー・ルイが叫び、新曲がスタート。もうこの曲は、立ちあがろうとする負け犬達のテーマソングだ。「握った拳に決意したことは『もう後悔なんかするもんか』」などのプー・ルイ達が何度も心に誓った言葉が散りばめられ、気持ちは昂っていく。メンバーの身体的特徴を生かしたダンスも相まって、気分は高揚していく。そしてSHELLMEが「最後の曲だぜ」と言い、“THANK YOU FUCK YOU”がはじまる。もうメンバーはロックバンドさながらに客席を煽りまくり、ラップもぶちかますし、大騒ぎのPIGGS Aのライヴは終了となった。



PIGGS Aのライヴは、2曲の新曲と代表的な楽曲群。制作サイドの気合がメンバーに乗り移り、エモさ全開、尖りまくり/煽りまくりで客席のボルテージをマックスにすることに成功したのだ。ここまで盛り上げて、PIGGS Bは大丈夫だろうか…(心配)。
10分の着替えタイム後、多国籍なSEが流れ、白色の衣装に身を包んだメンバーが登場する。PIGGS Bだ。なんと1曲目から新曲“豚反骨精神論”が始まる。美しいメイクが施され、SHELLMEの声にゲートリバーブがかかったりしてて、踊りもしっかり揃っているし、すっごいアイドルっぽい。でも、なんかめちゃくちゃ新鮮だ(ここめちゃくちゃ大事!)。なんかドキドキしてしまった(笑)。


そして 『JUICYY』からの始まりの曲“NAKED BORN NAKED DIE”、そして推し曲“NOT PIG”と続く。“豚反骨精神論”の影響もあってか、エモさはぐっと収まり、その分メンバー個々人が丁寧に表現していることもあって、曲の良さに酔いしれることができる。そしてMCでちゃんと自己紹介をし、1st albumからまさかの“スーサイドマリー”と“Moonage Driver”を演奏する。これには、会場から歓声が上がる! いまやワンマンでも演奏されないかもしれない曲を、この30分の尺の中でぶっ込んでくるなんて思いもしなかった。特に“Moonage Driver”の曲の良さを思い出したことは、今日得た1番の収穫かも。ほんといい曲!
そして、“豚反骨精神論”のカップリングだろう“ゴースト”。こちらもめちゃくちゃいい曲なんだけど、今までのPIGGSには絶対なかった曲。ギターのループがとにかく気持ち良いし、とにかく音の感触が素晴らしい。お客さんも踊るというよりかは、しっかり聴くという感じ。そしてラストに新曲“豚反骨精神論”をもう一度演奏した。2度目というのもあるが、やはりとても耳障りがいい曲だ。踊りやすいし(実際、2回目ではみんな一緒に踊ってた)、メロディーも覚えやすいし、何度でも聴きたくなる。そしてやはりPIGGSがこういう曲をやることが新鮮でメンバーの新しい一面を見ることができて、素直に嬉しくなった。逆に、歌詞はあまり入ってこなかったが(特に“豚反骨精神論”)、それは意図的なのだろうか...


とにもかくにも、少しの戸惑いと、多くの新しい一面を知れたことに喜びながらPIGGS Bのライヴは終了した。とても丁寧なライヴで、曲の良さに酔いしれ、MCがちゃんとあることや衣装に色が入っていることなどで、今回初めてPIGGSを見たお客さんも、彼女たちのことがよくわかるライヴだったと思う。
いやはや、それにしても『BATTLE OF PIGGS』、めちゃくちゃおもしかった。正直、ずっと考えててメンバーに挨拶することすら忘れて出てしまったほどだ。今回のライヴで、「#PIGGSメジャーへの挑戦」が、PIGGS AとPIGGS BのどちらがTEAMメジャーなのか、TEAMインディーなのかという話は、わかる人にはわかるだろうし、あまり重要ではなくなったように感じる。それよりも、エモさが溢れまくる今までのPIGGSの良さを全面に押し出したPIGGS Aと、PIGGSの新しい一面、そして新しい可能性を示して見せたPIGGS Bの両極端のライヴは、これからどんなPIGGSを期待するのかを考えさせられる重要な局面になったと思う。
やっぱり僕は、プー・ルイの人生に共鳴し、エモさに溢れ、拳を突き上げたくなるライヴが好きだ。でもそれって、重く思っちゃう人が多いのも頭ではわかっている。そして僕は、PIGGSにお茶の間に行って欲しいし、東京ドームを埋めて欲しいし、海外で成功して欲しいとも思っている。そしてメンバーがPIGGSをやる「目的」は、売れるやでかい場所でやることではないにせよ、それらが「目標」なのは間違いないのだ。だから、曲の本質がちゃんと伝わり、耳障りがよく、何度も聴けちゃうような楽曲やライヴは、そこに到達するための大きな可能性であることもわかっている。僕も含めたコアなPIGGSファンも、好きなPIGGSでいて欲しいけど、売れて欲しいのも事実なのだ。

そんなことを考えていると、“豚反骨精神論”の歌詞がわかりにくかったことだって、「歌詞カードを見ながらなんどもサブスクで聴いて欲しい、そうすればどんどんこの曲が好きになるし、サブスクも回転するし…」みたいな制作者サイドの気持ち(戦略)の表れなんじゃないかと思って感嘆してしまう。
もう一つ大事だと思ったことは、今あるPIGGSの魅力が、たとえメジャーに行ったって、新しい可能性を模索したって、新しい何かにとって変わるわけでは決してないってこと。そうではなく、今ある魅力に、新たな魅力が加わっていく。そしてその魅力で、また新しいファンがついていく。新しい魅力が生まれることは、その可能性を生み出すってことだと思う。そういう意味では、二部のラストソング“BURNING PRIDE”の前で「PIGGSがPIGGSであるために」と言い放ったMCは、とても違和感が残ったし、それは僕自身が今日のライヴを体感し、PIGGSがメジャーに行くことについて多く考えたからだろう。
「#PIGGSメジャーへの挑戦」、メジャーの第1弾シングルのプロデュース権をかけて、TEAMメジャーとTEAMインディーのどちらが勝つかの決着まであと約1ヶ月。僕らがやることは、それまでに散々考えて、どちらかに気持ちのこもった1票を入れるだけだ。「我々は次のPIGGSに何を期待する? メジャーのPIGGSに何を期待する?」。そんな「何」を常に問いながら、前に進んでいくなんて、プー・ルイ率いるPIGGSじゃないとできないじゃないか!? さすが新生アイドル研究会を立ち上げたプー・ルイだけのことはあるぞ! なんだ、この異様な納得感は!「#PIGGSメジャーへの挑戦」、企画としてすごすぎるぞ!!!

『#PIGGSメジャーへの挑戦』スケジュール
7月13日 : インディーズラスト・シングルリリース
7月22日 : 勝敗決定
詳細はこちら→https://piggs.vspiggs.tokyo/
next…
【メジャーとは? インディーとは? for PIGGS vol.5】に続く…
セットリスト
『BATTLE OF PIGGS』at 代官山UNIT
【1部】
〈PIGGS A〉
ーSE 豚的五大欲求ー
1.フォーエバー・ヤング
2.とらえる
3.I don’t believe in ADULT
4.モナリザ
5.BURNING PRIDE
6.THANK YOU FUCK YOU
〈PIGGS B〉
SE
1.豚反骨精神論
2.NAKED BORN NAKED DIE
3.NOT PIG
4.スーサイドマリー
5.Moonage Driver
6.ゴースト
7.豚反骨精神論
【2部】
〈PIGGS B〉
SE
1.豚反骨精神論
2.ゴースト
3.PIPEFICTION
4.ザ・ストレンジャーズ
5.NOT PIG
6.モナリザ
7.豚反骨精神論
〈PIGGS A〉
−SE 豚的五大欲求–
1.とらえる
2.LINK EMOTION
3.クマンバチの独白
4.I don’t believe In ADULT
5.フォーエバー・ヤング
6.夢を見させて
7.BURNING PRIDE
これまでの「メジャーとは? インディーとは? for PIGGS」
PIGGSディスコグラフィー
LIVE SCHEDULE
〈PIGGS「BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR」〉

2022年7月3日(日) 福岡 Drum Be-1
2022年7月8日(金) 名古屋 THE BOTTOM LINE
2022年7月16日 (土) 札幌 PENNYLANE24
2022年7月18日(月・祝) 大阪 BIGCAT
2022年7月22日(金) 東京 Zepp Haneda
【詳しいライブ情報はこちら】
https://piggs.tokyo
PROFILE:PIGGS

プー・ルイ、CHIYO-P、SHELLME、BAN-BAN、KINCHANからなる5人組アイドル・グループ。Produce IDOL Go to world is Good Society= PIGGS。とても良いグループです。
【公式HP】
https://piggs.tokyo/
【公式ツイッター】
https://twitter.com/PIGGS_idol
【公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCJD9kdqH1hRyCOFpGxfyFjQ