【第三期BiS 連載vol.18】ネオ・トゥリーズの進化──終わってからもまたライヴがしたいと思えた

第三期BiSを追跡する連載『BiS 3度目の正直は、本当にあり得るのか!?』メンバー個別インタヴュー4周目の第4回にはネオ・トゥリーズが登場。認められた言葉に自身がハッとさせられたという新曲への思いから、6月20日の〈HEART-SHAPED BiS IT'S TOO LATE EDiTiON NO AUDiENCE LiVE〉の振り返り、さらには彼女の考えるライヴの在り方について語ってもらった。(編)
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INTERVIEW : ネオ・トゥリーズ

第三期BiS個人インタヴュー4周目、最後は、サウンドプロデューサーの松隈ケンタにも、「その声はWACKの中でも随一」と称されるネオ・トゥリーズ。2020年6月20日の〈HEART-SHAPED BiS IT'S TOO LATE EDiTiON NO AUDiENCE LiVE〉を観て、自粛期間を経て彼女の歌の存在感は、さらに大きくなったように感じた。またトギーのようにまっすぐ元気に受け答えをしてくれるわけではないけれど、それでもインタビュー時に彼女が紡ぎ出す言葉も魅力の一つだなと今回強く感じることができた。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 水上健汰
写真 : 大橋祐希
確かに「クソ野郎」はめっちゃ思っていますね
──自粛期間中はどんな生活をされていましたか?
ネオ:コナンの映画を見たり、ドキュメンタリーを見たり、いろいろしていたんですけど、何よりもダンベルで筋トレをしていました。
──どうして筋トレをしようと思ったんですか?
ネオ:家を出ちゃいけないってなると本当にやることがなくなってきて、私自身がちょっと塞ぎ込んじゃっていたんですよ。それに、このままだと体がなまって、いままでよりもひどいライヴになってしまうと思って、たまたま家で見つけた100円均一のダンベルで筋トレを始めました。
──塞ぎ込むタイミングがあったんですね。
ネオ:はい。緊急事態宣言が発令されてから、期間は一週間くらいだったんですけど。でもダンベルを見つけた途端、180度気分が変わりましたね。もうダンベルを持っていないと気が済まないくらい(笑)。

──おそらく、そんな落ち込んだ状況を抜けた後のタイミングで“IT'S TOO LATE”(4月30日無料配信)がリリースされたんじゃないですか? “IT'S TOO LATE”、“DESTROY”、“CURTAiN CALL”のネオなりの曲への思いを訊かせてください。
ネオ:“IT'S TOO LATE”はカッコいいですね。この曲はモンちゃんが選んだ言葉がいくつか入っていて、公開されたときの聞いてくれた人たちの反応も「すげー」とか「今じゃん」とか、まさにいまのこの鬱屈とした状況に対してのアンサー・ソングとして受け取ってくれたと思います。私も「確かにな」って思いました。
──“DESTROY”はどうですか?
ネオ:歌詞の〈うわべだけなら死んでほしいです〉とか単純に怖いと思いました。「これは誰に言っているんだろう…」っていう。〈やるかやらないか〉とか〈半端な覚悟なら全員即死です〉とか。こういった歌詞について、私は他人事に思えなくて、これは自分に向かって言われていると思って聴きながら気を引き締めてます(笑)。
──“DESTROY”の持つ、右に倣えの社会に対してのアンチ感というか、パンク感というものは、もともとBiSやWACK全体の源流でもあると思います。そういった部分ってネオ自身は持ち合わせていない? 何かに対して「このクソ野郎」と思っていたりとか。
ネオ:確かに「クソ野郎」はいつも思っていますね(笑)。多分人に対しても、自分に対してもそういう気持ちになることが多いと思います。自分のなかに他人を理解したり、思いやるという優しさが足りないのかもしれない。「クソ野郎」って思ってしまう自分に対してもめんどくさくて嫌だと思っているんですけど、まぁしょうがないって開き直っています。

──“CURTAiN CALL”はどうですか?
ネオ:“CURTAiN CALL”、凄いと思います。私はこういう曲みたいなことは思ったことなかったです。
──「もう終わり」「まだ足りない」っていうような名残惜しい気持ちになったことがあまりないということですか?
ネオ:いつも、そのライヴの終わりの場面を凄く意識しているというか、最後までいかに出し切るかというのがその日の一番の課題なんです。なので、ライヴの最後の場面は特に必死で。でも、この“CURTAiN CALL”という曲が出来て、初めてこの前の〈HEART-SHAPED BiS IT'S TOO LATE EDiTiON NO AUDiENCE LiVE〉でそういう名残り惜しいっていう気持ちをちょっと理解できた気がします。始めにこの曲を貰った時は、この曲で描かれている気持ちがなかなか理解出来なくて、自分には合わないし、パフォーマンスすること自体が難しいと思っていたんですけど、今回、ライヴで初めて披露して、実際にこのライヴが終わってほしくないって思ったし、終わってからもまたライヴがしたいって思えたんです。それがこの曲の力なのかなと感じていましたね。またダメダメな自分の考え方を変えてくれた曲だと思います。
「今日は私がハモリをやる」と言えたのが印象的でした。

──6月20日の〈HEART-SHAPED BiS IT'S TOO LATE EDiTiON NO AUDiENCE LiVE〉、どうでしたか?
ネオ:楽しかったです。
──先ほどの”ライヴの後半をいかに意識するか”というところにも、もしかしたら通じているのかもしれませんが、「後半のネオが凄い」っていうコメントが放送中にも見られました。後半調子が上がっていった感覚はありましたか?
ネオ:それって「後半のほうが前半よりも声が出ていた」というように見えてしまっているということだと思うんです。それに対しては、私は悔しいです。でもこういう意見は「次はもっと前半から仕上げて挑もう」って気が付けるので、ありがたい意見ですね。
──今回は、自粛期間を経て久しぶりのライヴだったのですが、どういった気持ちで臨みましたか?
ネオ:ライヴが始まる前は凄く緊張していましたね。いま、唯一研究員とコミュニケーションを取れるのがTwitterなんですけど、ライヴの前日に「明日絶対に見るよ」とか「楽しみにしているよ」とか、たくさんの人が言ってくれて「頑張らなきゃ」って凄く思いました。やっぱり私が研究員なら、久しぶりのライヴは本当に楽しみにすると思うんですよ。それに大切な新曲の披露もあり、しかも持ち曲30曲をすべて披露という大切な場面だったので頑張りましたね。

──とにかくライヴに挑む気持ちはできていたということですね。
ネオ:そうですね。いつもと比べると練習できる期間が多かったこともあり、いつもの練習以上に、実際のライヴを想定して、衣装も再現してライヴを通すというところまで練習できていたので、本番はいままでよりもスムーズに行えたと思います。それに、練習で久しぶりにメンバーに会ったときに、この自粛期間でも、メンバーそれぞれが個人で体力作りを行っていたんだなっていうのがわかりました。あと、会場側の人たちが冷房を付けてくれたり、いい環境にする事に凄く協力していただけたのが本当にうれしかったですね。それで頑張ろうと思えました。
──ライヴで印象的だったことはありますか?
ネオ:ライヴに挑む上で、いちばん不安だったのが、自分の声が最後まで出るかどうかということでした。他のメンバーみんながパワーアップしていたので、もし自分がどうなってもきっとBiSとして乗り切れるなとは思ってはいたんですけど、自分の気持ち的にはやっぱり怖くて…。“BiS-どうやらゾンビのお出まし”の最後のハモリは、以前のライヴでは、最後まで声が続かないことが多くて、モンちゃんがハモリをやってくれていたんです。でも、〈HEART-SHAPED BiS IT'S TOO LATE EDiTiON NO AUDiENCE LiVE〉の当日に、自分の中でも声が出るかわからないけど、「今日はハモリやってみるね」と言って、30曲という長丁場のなか、最後の29曲目の“BiS-どうやらゾンビのお出まし”の最後のハモリがちゃんと出たのは凄く印象的で嬉しかったですね。
皆さん健康でいてください。

──久々にメンバーで集まったライヴはどうでした? 以前に比べて仲良くなったとか?
ネオ:わかんないですね。でも不思議ですよね。メンバーがクラスにいたら、本当に4人それぞれがお互い関わらないと思うんですよ。でも最近は練習に行くのが楽しいんです。家で寝れないくらい嫌なことがあっても、次の日練習だから気持ちに折り合いが付けられる。自分の中でメンバーと練習するというのはそれくらいのものになっています。今まで、私は人に対してそういった感情になることがなかったので、不思議だなって思います。
──これから先、自粛が解除されても、まだまだ先の見えない状況はもう少し続くのかなと思います。そんな中、リアルのライヴと配信ライヴの違いっていうのはネオのなかでありますか?
ネオ:私は、配信ライヴに関して、周りの人と比べると好意的なほうだと思います。今回のライヴも生配信中、延べ53000人くらいの人が見てくれていて、実際のライヴだと実際に目撃できる人が1000人くらい。そう思うと、配信はより多くの人の目に届いているので、いい面もあるのかなと思います。配信が始まる前から約3500人が待機してくれていたんですよ。その時点でZeppとかのキャパシティを超えているわけで。自分が何かのオタクだった場合、リアルのライヴってあんまり行かないタイプなので、おそらく私みたいな人がたくさんいて、実際のライヴにはまだ足を運んでいない人も多いと思うんです。そんな人も配信だったら見ようかなと思ってくれているのだと思うと、まぁいいのかなと。でもやっぱり実際はリアルのほうが楽しいです。私もライヴに足を運んでみて気が付きました。

──やっぱりライヴをするならリアルなライヴがいいですか?
ネオ:リアルでライヴしたいです。まぁでも、それがライヴであるならどんな形でもやりたい。
──最後に研究員に対していま思うことがあれば聞かせてください。
ネオ:他のメンバーも言っていましたが、私も皆さんのツイートをいつも見ています。応援してくれたり、挨拶してくれたり、私のことしか呟かないアカウントもあったりして、本当にみんなのことを凄いと思います。私はそんなふうに誰かを応援したり、なにかに一生懸命になったりすることが今までなかったので、そんな皆さんのことを本当に尊敬しています。でも、一つだけみんなに心配しないで欲しいのは、これからどんな大変なことが待ち受けていても、誰に何を言われても、私はBiSとして頑張りたいし、そこがブレるつもりはありません。だから皆さんもっと自分のことを心配してくれてもいいんですよ。私たちは必ずまた会えます。なので、その時のために、皆さんどうか健康でいてください!

編集 : 西田 健
第三期BiSの音源はOTOTOYにて配信中!
RELEASE INFORMATION
◼︎BiS 1st EP「ANTi CONFORMiST SUPERSTAR」

2020年8月19日(水)リリース
【収録曲】
1. DESTROY
2. イミテーションセンセーション
3. DiRTY and BEAUTY
4. IT'S TOO LATE
5. I WANTO TO DiE!!!!!
6. GETTiNG LOST
7. CURTAiN CALL
LiVE SCHEDULE
BiS 全国ツアー「HEART-SHAPED BiS TOUR 1st season」振替公演
2020年08月02日(日)@静岡 Sunash
2020年08月09日(日)@北海道 BESSIE HALL
2020年08月10日(月・祝)@北海道 旭川CASINO DRIVE
2020年08月14日(金)@栃木 HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2
2020年08月29日(土)@広島 Live space Reed
2020年08月30日(日)@岡山 IMAGE
2020年11月01日(日)@埼玉 西川口Hearts
2020年11月13日(金)@新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2020年11月20日(金)@愛知 NAGOYA ReNY limited
2020年11月29日(日)@沖縄 output
女性限定ライヴ〈BiSのKiSS ME ONLY THE GiRLS〉(※振替公演)
2020年07月23日(木・祝)@大阪 LIVE HOUSE Pangea
2020年08月15日(土)@東京 TSUTAYA O-Crest
KM MUSIC 35th Anniversary Hi-KiCKS LIVE AT THE STREAM
<出演>
BiSH/BiS/LONGMAN/Mighty Crown
<配信日時>
2020年7月21日(火) Open18:00/Start18:30
※アーカイブ配信はありません
<チケット料金>
視聴チケット ¥3,500(税込) ※システム利用料など別途でかかる料金はありません。
Aid for F.A.D YOKOHAMA Tシャツ付き視聴チケット ¥5,500(税込)
※システム利用料などの料金はかかりませんが、Tシャツ配送料¥880がかかります。
※TシャツサイズはS/M/L/XLの4サイズとなります。
※Tシャツ収益の一部を(株)ケーエムミュージックよりF.A.D YOKOHAMAを支援する目的で使用いたします。
<チケット販売URL>
http://w.pia.jp/t/hi-kicks/
※チケットぴあ「PIA LIVE STREAM」にて販売となります。
<配信に関する注意事項>
ご購入前に必ずチケットぴあ「PIA LIVE STREAM」オフィシャルサイトをご確認ください。
https://t.pia.jp/pia/events/pialivestream/
WACK TOUR 2020”WACK FUCKiN’ REVENGE PARTY”
2020年08月01日(土)@パシフィコ横浜 国立大ホール
<出演>
BiSH / BiS / EMPiRE / CARRY LOOSE / 豆柴の大群 / GO TO THE BEDS / PARADISES / Wagg
メンバーのTwitterアカウントもチェック!
トギー : @TOGGY_BiS
イトー・ムセンシティ部 : @MUSENSiTEEBUBiS
チャントモンキー : @CHANTMONKEE_BiS
ネオ・トゥリーズ : @NEOTREES_BiS
BiS 公式twitterアカウント
https://twitter.com/BiSidol
BiS 公式ホームページ
https://www.brandnewidolsociety.tokyo/
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