【BiSH】Episode69 リンリン「みんなで行けるところまで行きたい」

首都圏以外での初アリーナワンマンとなった大阪城ホール公演が即日完売、先日放送となった「アメトーーク!」での「BiSHドハマり芸人」でも大きな話題となった"楽器を持たないパンクバンド”BiSH。2019年11月6日に、6作目となるシングル『KiND PEOPLE / リズム』をリリースし、現在〈NEW HATEFUL KiND TOUR〉を開催中のBiSHに10周目となる個別インタヴューを敢行。第6回は、リンリンの声をお届けする。
BiSH、6作目のシングルをハイレゾ配信
BiSH / KiND PEOPLE(OFFiCiAL ViDEO)BiSH / KiND PEOPLE(OFFiCiAL ViDEO)
INTERVIEW : リンリン

リンリンの活躍が著しい。「FREEZE DRY THE PASTS」のダンスの表現力、モデルのお仕事、髪型、絶叫…… 僕の周りでも「リンリンが凄い! めちゃくちゃかっこいい!」ってやたら聞くようになった。今回のインタヴューの最後にリンリンがまっすぐ見つめて、「一緒に行けるところまでついていきたいし、ついてこさせたいので、みんなで行けるところまで行きたいですね」って言ってた。なんか、ここまでのどっか孤独なリンリンを思い出して、やっぱり彼女もBiSHが必要なんだって思って、なんかめちゃくちゃ泣きそうになったんだ。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 井上沙織
写真 : 大橋祐希
成長できたアルバムだなって思いました
──色々と遡って聞かせてください。まず3rdアルバム『CARROTS and STiCKS』はリンリンにとってどんな作品になりましたか?
リンリン : 成長できたアルバムだなって思いました。いろんな種類の曲にアイナ象の振り付けがついて、表現の仕方もかっこつけたりするだけじゃなくなって、もっと先に進めた気がしていて。

──1番好きな曲はやっぱり「FREEZE DRY THE PASTS」ですか?
リンリン : 「優しいPAiN」が好きですね。振り付けの語りかけているような、何かを演じているような感じが楽しいです。セトリのどのタイミングにあっても感情移入しやすい。「FREEZE DRY THE PASTS」は緊張しちゃうんですよね、すごい好きなんですけど。
──大阪城ホールでの「FREEZE DRY THE PASTS」の世界観には本当に圧倒されました。リンリンはその中心にいますよね。
リンリン : "私と他5人との共依存"っていうテーマでアイナ象が振り付けしてくれて。アイナ象はノートに私のことをいろいろ書きこんで、そこから共依存っていうテーマを生んでくれたんですけど、客観的に自分を見ることで気付けたこともありました。ツアーの最終日のZeppに山田(健人)さんが来てくれて「大阪城ホールで(「FREEZE DRY THE PASTS」の)完全体を見せたい」って言ってくださって。渡辺さんも「山田さんがやりたいことを頑張って通すから」って言ってくれて、メンバー以外の人とも1つの作品を作れて嬉しかったです。
──観ている僕らもそうですけど、リンリンにとって「FREEZE DRY THE PASTS」は他の曲とは一線を画している感じがしますね。
リンリン : はい。BiSHのライヴで誰も騒がず棒立ちで観て、曲が終わったら一瞬シーンとしてから拍手が起こる曲は初めてで。私は見せ物を見せたいタイプなので、それができてよかったです。
今の自分にはBiSHと自分の今後しかないので

──〈LiFE is COMEDY TOUR〉はリンリンにとってどんなツアーでしたか。
リンリン : 向上心しかなかったですね。アイナ象とスタジオに入ったおかげで見せ方が分かってきたというか、表現に対する興味が沸いて何をしてても楽しかったです。ライヴが嫌だと思う日が一度もなくて、ツアー中にメンバーとMCについて言いあって空気が悪くなったときも、その子の気持ちとか考えを1人で考えることが楽しかったです。最近はライヴ中にメンバーと目が合う瞬間とかも結構増えて。ステージ上で会えるのがすごい嬉しくて、元気にもなるし、楽しいです。
──ものすごい変化じゃないですか! 毎日人と接するのが嫌だって言ってた人が。何が変わったんでしょうか?
リンリン : 自分の時間ができたので気持ち的にスッキリしたんですよね。今の自分にはBiSHと自分の今後しかないので。
──新作の「KiND PEOPLE/リズム」では「リズム」の作曲をアイナが、作詞をモモコが担当していますが、リンリンにとってはどんな曲になりましたか?
リンリン : レコーディングのとき松隈さんに「アイナになりきって歌ってくれ」って言われて自分なりに考えて歌ったんですけど、アイナ象から「リンリンの歌割りのパートが求めていたものだった」って言ってもらえて嬉しかったです。「リズム」はアイナ象が手術前に作った曲だから、私はそのとき一緒にいた自分のことを思い出しながら歌えたらいいなって思ってます。
──「KiND PEOPLE」はどうですか。
リンリン : 「KiND PEOPLE」の歌詞は共感できるので歌いやすかったですね。私はよくいろんなことの積み重ねで怒られて切羽詰まったりするんです。今の私だったらそこで無理をしても頑張ろうって思えるんですけど、前の私だったらこう思うだろうなって。

──〈NEW HATEFUL KiND TOUR〉が始まっていますが、課題はありますか。
リンリン : 表現がワンパターンにならないようにしたいですね。大阪城ホールのステージでメンバーを見ていて、それぞれがよくする表情や動きに気付いたり、自分のこともわかるようになってきて。キレイに見せることに加えて、しなやかさとか女らしさとか、いろんな表現の仕方を見つけられたらなって思います。
歌をやっててよかったと思える瞬間にいっぱい出会ってほしい
──なるほど。リンリンは普段どんなものから刺激を受けていますか。
リンリン : いろんなPVとか映画とか。大阪城ホールの前はNetflixで「ロード・オブ・ザ・リング」を見ていて、ゴラムが指輪に執着心が出てる動きをマネしたいと思ってました。
──着眼点がやっぱりちょっと違うというか……(笑)。今年もあと2ヶ月で終わろうとしてますけど、来年やりたいことはありますか。
リンリン : 何でもやりたいですけど、服の仕事はいっぱいやりたいですね。インスタも始めたので。

──リンリンは最近モデルとしての活動も活発ですよね。もともとファッションの仕事にも興味があったんですか?
リンリン : はい。やりたかったことなので嬉しいです。HYSTERIC GLAMOURとかSaint Laurentのヴィンテージ・コレクション展みたいなものに出させていただいたりして、幅が広がった気がして楽しいです。来週は「装苑」に載るので緊張してます。
──グループとしてはどうですか。
リンリン : 海外に行きたい。「My landscape」のPV撮影でロスに行ったけど観光もできなかったんですよ。だから海外でライヴをして観光もしたいですね。
──もうそれなりに大きいところでできそうな気がしますけどね。国内でもドームではまだやっていないですよね。
リンリン : やりたいですね。大阪城ホールではアイナ象が夢の舞台に立って。あの人は歌を歌いたくて上京してすごい苦労してきてるから、BiSHでもひとりでも歌ってるのを観ると本当に良かったねって思うんです。これからも歌をやっててよかったと思える瞬間にいっぱい出会ってほしい。大阪城ホールで「SHARR」のときに1人ひとり遠くで歌っていたんですけど、そのときに一緒にステージに立ててるのが嬉しいなと改めて感じて。一緒に行けるところまでついていきたいし、ついてこさせたいので、みんなで行けるところまで行きたいですね。

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LIVE INFORMATION
NEW HATEFUL KiND TOUR
2019年11月23日(土)@石川 本多の森ホール
2019年11月24日(日)@長野 ホクト文化ホール・大ホール
2019年11月29日(金)@神奈川 相模女子大学グリーンホール
2019年12月4日(水)@東京 東京国際フォーラム
2019年12月7日(土)@北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2019年12月13日(金)@宮城 仙台サンプラザホール
2019年12月14日(土)@岩手 盛岡市民文化ホール(大ホール)
2020年1月10日(金)@兵庫 神戸国際会館こくさいホール
2020年1月11日(土)@大阪 オリックス劇場
2020年1月18日(土)@栃木 宇都宮市文化会館
2020年1月22日(水)@東京 NHKホール
2020年1月23日(木)@東京 NHKホール
※ダイブ・リフト・サーフ禁止
チケット料金(税込)
通常チケット :
S席 7,000円(税込)
A席 3,500円(税込)
年齢制限/ 未就学児童入場不可
受付URL
PROFILE
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなる楽器を持たないパンク・バンド。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。ツアーは全公演即日完売。1stシングルはオリコン・ウィークリーチャートで10位を獲得するなど異例の快進撃を続けている。