感情を解放したパフォーマンスでフロアに熱狂を巻き起こす──リリスリバース、初のメンバー全員インタヴュー
4人組アイドル、リリスリバースがグループ初作品となるミニアルバム『JUVENILE』をリリースした。デビュー&作品リリースを記念して、OTOTOYではインタビューを実施。前身グループHAMIDASYSTEMのメンバーであったミコト、シイカに、新メンバーのアサギ、モエギが加わって生まれたリリスリバースは、感情を剥き出しにした歌詞を歪んだギターサウンドに乗せた楽曲と自由度の高い振り付けが印象的なグループだ。デビューを果たしたいま、彼女たちはなにを感じているのか。撮り下ろし写真とともに、メンバー全員での初のインタヴューを、どこよりも早くお届けします。
リリスリバースが放つ、感情剥き出しの1枚
『JUVENILE』リリース記念無観客配信フリーライブの映像を公開中
INTERVIEW : リリスリバース
2020年7月13日のShibuya WWW公演にてデヴューを果たしたばかりの4人組アイドル、リリスリバース。初のミニアルバム『JUVENILE』のリリースを記念して行われた配信ライヴでは、ステージ上では笑顔ひとつ見せなかった前身グループHAMIDASYSTEMとは違い、表情豊かに感情を爆発させながらパフォーマンスをしていて、実際に彼女たちから話を訊いてみると、向上心の高さや個々のメンバーのパフォーマンスへの意識の高さを感じることができた。彼女たちは、ここからさらに大きなステップを踏み出してくれることを確信して止まない。
インタヴュー&文 : 飯田 仁一郎
文 : 綿引佑太、西田 健
写真 : 大橋祐希
コンセプトを体現したような1枚になっているんじゃないかな
──まずは『JUVENILE』発売おめでとうございます。今作はどんなアルバムになりましたか?
ミコト:それぞれイメージの異なる4曲が収録されているので、いろんな表情のリリスリバースを楽しめるアルバムになっています。
シイカ:私たちには「リバース」という2面性を表現するコンセプトがあって、今作はまさにそのコンセプトを体現したような1枚になっているんじゃないかなと思います。
アサギ:やっぱりはじめて音源で自分の声を聴いたときは感動しましたね。「やっとアイドルになったんだ」と…… グッとくるものがありました。
モエギ:今作ではメンバーが作詞を担当した曲もあるんですけど、やっぱりそういう曲をライヴでお客さんに観てもらえるのが嬉しいです。
── “夏色”はミコトさんが歌詞を書かれたんですよね? どんな思いで作られましたか?
ミコト:明るすぎず暗すぎず、どちらにも取れる曲を作りたくて。私の中では明るいと思った歌詞でも、みんなは暗いって思ったかもしれないです。
──「死んで生まれ」という歌詞もありますね。
ミコト:そのフレーズは「ポジティヴな死」なんです。トカゲのしっぽが千切れてまた生えるみたいに、死んで生まれ変わる「再生」の意味で書いたんです。ありのままを書いた自分らしい詞になったと思います。
──歌詞に登場する「君」は、誰を想像して書いたんですか?
ミコト:メンバーやスタッフさん、ファンの方も含めて、これからの私たちと一緒に頑張る人のことを考えて書きました。いろんな意味の“君”ですね。
──この曲を聴いて、ほかのメンバーのみなさんはどう思いましたか?
シイカ:「えっ!? ミーちゃん(ミコト)作詞なのに明るい!」って思いました。「死」っていう言葉が入っているのに、すごい明るい気持ちになれる歌詞を書けるのはミーちゃんだからできることだなと思って感動しました。
アサギ:私も歌詞は明るいなと思ったんですけど、先にトラックを聴いたときには寂しげな感じもして。そうやってマイナスとプラスが合わさってちょうどゼロになる感覚がおもしろいなと思いました。
モエギ:私がこの曲をはじめて聴いたのは電車の中だったんですけど、好きすぎて泣いちゃって(笑)。わたしは明るい曲だとは思わなかったんです。悲しくはないけど切ない…… 夏の終わりとかに聴きたくなる曲だなと。
──“夏色”以外にも制作に関わってる曲はありますか?
シイカ:わたしは“アンビバレンス”の振付を担当させていただきました。いままでは、曲の世界観とか歌詞にマッチすることを重視して振付をしていたんですけど、この曲の中では音をイメージしたり、キャッチーさを意識したりしました。
──「キャッチーさ」はどういう風に表現したんですか?
シイカ:私が歌っている「可愛くて憎らしくて」っていうパートで、ミコトとアサギには可愛らしい振りを入れたり、モエギに対して(私が)ちょっといたずらしてたり…… 観てくれる人がキュンとするような振付をしてみました。
──自分たちの楽曲への振付は、メンバーのことを本当に理解してないと難しいですよね。振付をするときはどういうことを意識していますか?
シイカ:振付のなかで「この子はこういう風に見せよう」というのを常に考えています。たとえば、ミーちゃんはかわいらしい振りの方が映えるとか、アサギは滑らかな動きが得意だからターンさせてみようとか、キメがカッコいいモエギにはキメの多い振付にしてみようって、ひとりひとりの特徴に合う動きを考えました。
──表題曲でもある“ジュブナイル”は、特にミコトさんとシイカさん時代のHAMIDASYSTEMを知る人からすると、いままでとは全然違っていてちょっとビックリする曲ですよね。みなさんにとってどんな曲になりましたか?
ミコト:私、ライヴであんまり笑ったことがなかったんです。でも、この曲をステージで歌ってみたら楽しくてみんな自然と笑顔になれました。素の笑顔が出る曲ですね。
アサギ:いままでなかった曲調も激しい振付も、なにもかもが新鮮でした。振付に関しては、笑ってもいいし泣いてもいいみたいな感情の表現を個々に任せてもらったすごい自由なものだったんです。
──振り付けの指示も「自由に」?
アサギ:曲のいちばん最後に振付がないところがあって。「自由に動いていいよー」って言われたんです。これまでHAMIDASYSTEMの活動を知っていると考えられなかったことでした。それがすごく新しいなと思いますね。
──なるほど。4曲目の“リセットロード”は皆さんにとってどんな曲になりましたか?
モエギ:「過去のことは興味ない 今に見てろ」という歌詞が好きです。自分自身、すばらしい過去ばかりではないんですけど、「今に見てろ」という気持ちを歌詞に込めてライヴで出せるのが、すごく嬉しいです。
アサギ:自分の状況にとてもフィットしている曲だなと感じています。私はいま大学4年生なんですけど、当たり前のように就職活動を進める同級生と、ずっとアイドルになりたかった自分の気持ちのギャップに悩んでいたんです。「そんなこと構ってる時間はないからさ」というフレーズを歌うときは、そのことを思い出して感情が篭りますね。
ミコト:わたしは歌詞をもらったときから、この曲のなかの「僕を愛している 貴方のもとへ行くよ」というところを絶対に歌いたいですと伝えたんです。わたしはライヴをしていないと生きている実感が湧かないので、そういう気持ちをお客さんに伝えたくて。
シイカ:“リセットロード”はリリスリバースとしてはじめて楽譜を渡された曲だったんです。歌詞もメンバーひとりひとりを表現してるような内容で、リリスリバースのアンセムと言うか名刺代わりになるような曲ですね。
ライヴをしていないと生きている実感が湧かない
──ミコトさんとシイカさんはHAMIDASYSTEMからリリスリバースへと、コンセプトもまったく異なるグループへ生まれ変わり、さらに新メンバーふたりを迎えての活動スタートとなりましたよね。実際に活動してみていかがですか?
ミコト:入ってくれたのがこのふたりで本当に良かったです。このまま4人で同じ足並みをそろえて前に行けたらなと思います。みんな頑張り屋さんなので。
シイカ:新しく入ってくれたふたりが、「一緒に上にいきたい」と思えるメンバーでよかったなって。それと、私はこのふたりのことを新メンバーだとは思ってなくて。4人でスタートしたのがリリスリバースなので、この4人全員でどんどん成長してお客さんをもっとびっくりさせたいなって思います。
──「内」を表現していたHAMIDASYSTEMと、「解放」をテーマにしたリリスリバースでは、サウンド面やパフォーマンス面でも大きな違いがあると思うのですが、いかがですか?
シイカ:180度違うと言ってもいいくらい全然違いますね。お客さんからは「いまの方がやりやすいんじゃない?」って言われることもあるんですけど、いままで「こうした方がいい」と思ってきたことをやめるのは難しくて。いつも頭をぐるぐるしながらレッスンを受けてるんですけど、やっぱり新しいことにチャレンジするのは楽しいです。
──「解放」っていうグループのテーマをアサギさんはどのように感じていますか?
アサギ:「解放」っていうテーマを聞いたとき、「私はこのグループに出会うために生きてきたんだ」と思うくらい自分のなかでしっくり来て。私は、自分の感情を表にすることもなく、親に反抗したこともない人生をガラッと変えたくてアイドルのオーディションを受けたんです。そのタイミングで「解放」をテーマにしたアイドル・グループと出会うなんて。それこそいままでの人生に別れを告げるというか、殻を破って心を解放しようとする自分にすごくマッチしていて、本当に心から共感しましたね。
──モエギさんはどうですか?
モエギ:普段なら、「自分イケてるな」とか「自分かっこいいな」とか思わない私が、ステージの上ではいちばんかっこいい自分であれることが私の中の解放かなと思います。
生きてるってこういうことなんだなって感じました
──2020年7月13日にはリリスリバースのお披露目ライヴが行われました。みなさん振り返ってみてどうですか?
ミコト:無観客のライヴではあったんですけど、本当に楽しかったです。頑張って準備してきたものを出し切れたと思います。
シイカ:リリスリバースがはじまってから初ライヴまで3ヶ月待ったんだなと思うと、やっとライヴができる喜びと幸福に満ち溢れました。
アサギ:「自分はアイドルなんだ」っていう実感がすごく沸きましたね。オーディションの課題曲だったHAMIDASYSTEM の“down”を踊ったときに、走馬燈のようにこれまでの風景と言うか情景が頭に浮かんで来て。生きてきた中でいちばん感極まった瞬間でした。
モエギ:この3人と一緒にステージに立てることがすごく嬉しかったですね。嬉しさと怖さが混じって最初の方はあんまり記憶がないです(笑)。ライヴの後半でやっと楽しくなってきて、生きてるってこういうことなんだなって感じました。
──この取材の前日にはリリース記念の無観客配信フリーライヴがありました。これまでと比べてどんなライヴになりましたか?
シイカ:いままでのライヴでいちばん出来がよかったかなと。わたしたちは毎回動画を見直して反省会をして、常に最新のライヴがいちばんいいライヴになるように工夫していて。昨日のライヴは改善点やカメラワークを意識して、よりよいライヴになったと思います。
──回を重ねるごとにどういうところが変わってきましたか?
シイカ:いちばんはライヴ・パフォーマンスだと思っています。わたしはパフォーマンスだけは誰にも負けたくないなと思っているんですけど、みんなと「ここは揃えよう」って話し合いをして、よりよいライヴができるように目指しています。
お客さんに「おいで」って手を差し伸べるのが自分の役割
──パフォーマンスについていまの課題は?
ミコト:自分たちが楽しいだけだとライヴとは言えないと思うんです。お客さんと一緒に盛り上がれたり感情を解放できたりする場所こそがライヴだと思っていて。自分たちだけでなく、お客さんに「おいで」って手を差し伸べるのが自分の役割だと思うんです。だからそれを全うできるように頑張ります。
アサギ:リリスリバースに入ってから物事の捉え方というか、姿勢が大きく変わってきています。たとえば、わたしは割と大雑把に考えるクセがあったんですけど、歌やダンスには緻密なことがとにかく必要で。そういう細かいところのひとつひとつを逃さない頭になるということが私の課題ですね。
モエギ:私は誰かひとりでも違う動きをしたり、音を外しちゃったりすることのカッコ悪さを痛感しています。踊りも歌も、本当にひとつひとつしっかり揃えることがグループとしても個人としても課題ですね。いまのままで満足してたら絶対に上にはいけないと思っているので、まだまだ課題しかないと思ってます。
シイカ:わたしは、ひとりひとりのスキルやポテンシャルが高くなればいいなと思います。みんな基礎ができる、全員が揃うようになる、その上で表現ができるようになる、この三つの構造ができていればもっと良くなると思います。パフォーマンスがよくなれば、見てくれる人も増えるんじゃないかなと思います。
──ありがとうございます。では、最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
アサギ:リリスリバースはこれからもっともっと大きくなると思うので、いまから応援しておくと、きっときっと恩返しができるんじゃないかと思います。どうぞ応援よろしくお願いします!
モエギ:話すのは苦手なんですけど、noteなどで私の言いたいことは伝えているので、そっちもチェックしてみてください! どんどん上を目指していきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いいたします。
ミコト:リリスリバースはもっと上にいけるグループだと思っています。もっともっと大きくなるので、1分1秒たりとも見逃さないでください。
シイカ:これからリリスリバースはこの4人と他にも関わってくださっている方、そしてファンの「あなた」と一緒に上にいけるグループだと思いますので、目が乾くぐらいに見ていてください!
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LIVE SCHEDULE
『JUVENILE』リリース記念無観客配信フリーライブを有観客で再演決定!
■「Revival of 200825」
2020/9/28(月) 開場18:00/開演18:30
@ 恵比寿CreAto
1部 学生/女性限定公演
op17:00 st17:30
tix 前売¥1500 (+1D ¥600)
※学生、または女性として日々を過ごされている方が対象となる公演です
※入場時に身分証の提示が必要となります。ご提示いただけない場合、入場できません
2部 一般公演
op19:40 st20:00
tix 前売¥3000 (+1D ¥600)
※学生/女性の方も含めどなたでも入場できます
詳細はhttps://rilisreverse.com/にて。
PROFILE:リリスリバース
2020年7月13日デビュー@Shibuya WWW 感情剥き出しのライブパフォーマンスでフロアを解き放つ4人組アイドル。8月24日にミニアルバム『JUVENILE』をリリース。
【公式HP】
https://rilisreverse.com/
【公式ツイッター】
https://twitter.com/rilisreverse_jp