【真っ白なキャンバス連載】「環境を自分で変えていかなきゃいけない」──三浦菜々子が語る、わたしのアイドル人生
アイドル・グループ、真っ白なキャンバス(通称、白キャン)のメンバー個別インタヴュー企画「真っ白なキャンバス Road to Be the IDOL」。グループとして、そしてメンバー個人としても大きな変化の中にいる彼女たちの素直な気持ちに迫ったこの連載。第4弾となる今回は、三浦菜々子が登場。Stereo Tokyo、真っ白なキャンバスとグループを渡り歩いてきた彼女のアイドル人生への想いを伺いました。
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INTERVIEW : 三浦菜々子 (真っ白なキャンバス)
インタヴュー&文 : 宗像 明将
写真 : YURIE PEPE
2017年に結成され、2020年にはメジャー・デビューを果たし、Zepp DiverCity(TOKYO)での3周年公演も成功させた真っ白なキャンバス(以下、白キャン)。そのヴォーカルを牽引する「白キャンの歌姫」である三浦菜々子は、しかし「自分に対する自信と自己肯定感をともに年々失くしてしています」と語る。Stereo Tokyoの自然消滅後、2018年3月28日に白キャンに加入し、ここ2年は舞台出演も控えて白キャンに専念している三浦菜々子は、新メンバーのオーディションについて、現在は「否定的じゃないです」と語る。では、その心境になるまでは、どんな葛藤があったのだろうか?
SNSとかで自分のことを発信するのが抵抗がある
──OTOTOYでは、かつて三浦さんが在籍したStereo Tokyoの10週連続企画もありましたね。 Stereo Tokyo は約3年活動して、白キャンも約3年。だいたい同じ期間活動してみて、一番の違いってなんだと思いますか?
三浦菜々子(以下、三浦) : すべてが違いますね。この間、岸森(ちはな/元Stereo Tokyo)とご飯に行ったんですけど、思い出話をすると、白キャンと全然環境も違って。Stereoでは、DJ台や物販のものも、荷物をめちゃめちゃ私たちが持ってたんですよ。スタッフさんが持ってたらメンバーが走っていって「私たちが持ちます!」って、もうひったくりみたいな(笑)。白キャンに入っても、それが常識だと思ってたけど、青木さん(青木勇斗/プロデューサー)は見え方やブランディングを大事にするから、スタッフさんに「メンバーに持たせないで」って。でも、いまはStereoの曲を聴いたりします。一時期はそれこそ、アイドルの曲が聴けなかったけど。「もしもStereoが続いてたらどうなってたんだろう?」って考えたりしてたけど、そういう「もしも」を考えなくなったし。(2016年の)「アイドル横丁」のすさまじい映像とかを見ても、普通に思い出のひとつとして捉えられるようになりました。
──それまではいかに生傷として残っていたかという話ですね。白キャンになって、ファン層が若くなったじゃないですか。
三浦 : 最初めちゃめちゃ怖かったです。だって、Stereo Tokyoは一緒になって踊りはするけど、最前でレスが欲しいとかコールをするとか推しジャンとか、そういう文化があんまりなかったから。Stereo でDJをやってると、みんなより一歩後ろで、みんなの背中とお客さんを一緒に見ている景色が当たり前だったのに、白キャンでは自分もメンバーと横並びにいて、「えっ、誰の背中も見えない、みんな私を見てる」みたいな。最初はドキドキしました。
──それが普通ですよね。
三浦 : あはは。私、加入するときも急遽決まって、お披露目だったから、Stereoの中で誰よりも早く次のグループに所属しちゃって、「三浦が裏切った」みたいなことをすごい書かれて。Stereoがちゃんと解散してなかったっていうのもあって、「復活してくれるんじゃないか」って心のどこかで思ってた人もいたから、すごい悲しんでいるツイートとか見て、最初は自分が白キャンに入ったせいで、みんなの希望をなくしたなって思ってました。
──なにをどう考えて三浦さんのせいではないですよね。
三浦 : あはは。まあ、みんなもなんか最初は感情的になって書いちゃったけど、「俺らは楽しい思いをさせてもらったから、どんな道に進んでも応援しようぜ」みたいになってて、いい人たちだなと思いましたね。
──その時代も記録していたアメブロが、ちょっと前にリニューアルして、約6年分のブログが全部消えたのはどうしてなんですか?
三浦 : 私だけ見れるんですよ(笑)。ブログをリニューアルしようってなって、そのときに消そうと思ったけど、気持ち的になんかストップがかかっちゃって、非公開にしたと思います。たまに新しく白キャンで好きになってくれて、ブログがあることを知って、わざわざ最初から遡って読んでくれる方もいたんですけど、新しく知った人がStereo時代のことをどう思うのかなと思って(笑)。
──Stereo Tokyoから白キャンに至る三浦さんの激動のストーリーを知ってほしいですね。
三浦 : 昔からなんですけど、けっこう秘密にしたがるところがある。秘密主義で、SNSとかで自分のことを発信するのがなんか抵抗があるというか。私が読んだ本に「好きな本は、すごく大事な人にだけ教えてあげるといい」みたいなのが書いてあるのを信じて、本を紹介しなくなったんですよ(笑)。ファンの方にも、「ななちゃんは何が好きなのかわからない、プレゼントも困る」って言われるし。
──そう言われてどうしてるんですか?
三浦 : 笑ってます。特典会では笑ってごまかしてる。メンバーもわかんない、浜辺(ゆりな)ちゃんも「ななちゃん、ちょっとミステリアスすぎてわからない」みたいな。たぶん1枚壁を張ってしまうんですよね。別に特別人見知りをするわけでも、人間が嫌いなわけでもないですけど、なんか一定の距離は保ちたい。ある程度の関係を築いて、友達になったら、そこを越えるんですけど。