演者と観客がひとつのバンドになった「街」で起こる大合唱『清 竜人 TOWN』
2016年12月5日に発表された、清 竜人の新プロジェクト『TOWN』。演者と観客との境界線をなくし、ひとつのバンド『TOWN』として一緒に歌い、演奏し、作品を残すことをコンセプトに発表された曲はOTOTOYからフリー・ダウンロードが可能です。
『TOWN』楽曲
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5月22日『清 竜人 TOWN Vol.5』PHOTO
4月10日『清 竜人 TOWN Vol.4』PHOTO
3月13日『清 竜人 TOWN Vol.3』PHOTO
2月20日『清 竜人 TOWN Vol.2』PHOTO
2月2日『清 竜人 TOWN Vol.1』REPORT
今まで見たこともないようなエンターテインメントが現れた。その名は「清 竜人 TOWN」という。
2017年2月2日、清竜人が新たに始動させたプロジェクトである清 竜人 TOWNのファースト・ライヴ「清 竜人 TOWN Vol.1」が渋谷TSUTAYA O-EASTで開催された。
清 竜人 TOWNの活動スタイルはラディカルだ。楽曲はOTOTOYから8週連続で無料配信、ライヴのチケット代も無料、楽器を弾くバンド・メンバーも公募し、ライヴの撮影も自由だ。それは、「清 竜人とリスナーとの関係性が、単なる演者と観客ではなく、同じ目線でライブを楽しもうというもの」(公式サイトより)というコンセプトゆえだが、無謀だとも感じさせるほどだ。
会場に入りフロアを見ると、ステージには多数のギター、ベース、ドラムが。さらに、メイン・ステージのほかにサブ・ステージにも楽器が設置されていた。そしてフロア中央には、ステージから降りてきて歌えるスペースも確保されていたのだ。
この日は楽器の販売もあり、開演前からフロアでタンバリンやカスタネットが鳴らされていた。開演時間が近づくにつれて、その音は次第に大きくなる。こんな雰囲気のライヴは見たことがない。今までに見たことがないものが見られるのではないか。そんな期待はいやがうえにも高まった。
開演時間の21時をいくらか過ぎたころ、ステージ袖から気合いを入れる清 竜人の声が響いた。暗転すると、16人ものバンド・メンバーが登場した。ドラム6人、ベース5人、ギター5人という編成に見えたが、遠目に数えた人数なので、微妙に違っていても許してほしい。
そして、頭にハチマキ、上半身は裸、下半身はジーンズという姿の清 竜人が登場。フロアに降りてブルースハープを吹きだした。1曲目は「それでいい!それがいい!」だ。
そして、清 竜人がメイン・ステージに上がった「俺の街まで来いよ!」では、一気に押しよせたファンによって、フロア中央の空間が埋まってしまった。フロアで演奏していたバンド・メンバー2人は、その状況で演奏を続けることに。そんな光景に動揺していると、「やりたくないぜ!」はあっという間に終わってしまった。
そして、清 竜人がサブ・ステージに移動して「青春」へ。メイン・ステージからフロアへ続く階段の上も、すでにファンで埋まっていた。
清 竜人はブルースハープを吹きながらフロアへ突入。フロアの柵に登ったまま「I Don't Know! I Don't Care!」を歌いはじめた。そして、ファンをかきわけて再びメイン・ステージへと向かう。
清 竜人は「楽しんでる? あと3曲ぐらいしかないけどね」と笑い、この日初めてギターを抱え、「糞小便の歌」を歌った。
清 竜人 TOWNの楽曲が次々と配信されていく過程では、楽器初心者でも演奏しやすいシンプルな楽曲構造になっていることにも気づいた。そのぶん、清 竜人の書くメロディーの美しさが光る楽曲ばかりである。
そうした輝きを特に放っていたのが「ケツの穴ちっちゃいね!」だ。シンプルな楽曲構造にして、強力にキャッチーなメロディー。それは清 竜人の鬼才ぶりを深く印象づけるものだった。まるで焼印でも押されたかのように。
曲間でときどき誰のものかわからない声がスピーカーを通して響いていたのだが、それはファンがマイクを通して言っているものだった。ファンがマイクで「(ライヴが終わるのが)嫌だー!」と叫び、もはや演者とファンの区別も混沌とした状況下で、「みんな歌ってな!」と清 竜人は呼びかけ、最後の「ほどほどに生きましょう!」を歌いだした。
清 竜人の「ではおしまい!」の一言でライヴが終了したとき、時計は21時36分。約30分のライヴは、まるで騒乱のようだった。しかし、これほど異端にして濃厚なエンターテインメントを久しく見た記憶がない。
清 竜人 TOWNは、今後ライヴ活動を行い、2017年にライヴ・アルバムを1枚リリースする予定だ。そこまでのビジネスモデルについては、「フリーミアム」という言葉で語ることもできるだろう。しかし、ファースト・ライヴで実際に目にしたのは、そうした小理屈を吹き飛ばすような、圧倒的な勢いだった。もはや暴力的なほどだったのだ。それはコンセプト通りに、演者と観客がひとつのバンドとしてライヴを構成していたからこそ生まれたものだ。なにか新しい生命体が誕生する瞬間に立ち会ったかのような感覚に陥ったのが「清 竜人 TOWN Vol.1」だった。(text by 宗像明将)
清 竜人からのメッセージ
LIVE INFORMATION
清 竜人TOWN全国ツアー
6月28日(水)宇都宮:HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
6月29日(木)埼玉:HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
7月3日(月)神戸:Kobe SLOPE
7月4日(火)大阪:umeda TRAD(前:umeda AKASO)
7月5日(水)京都:LIVE HOUSE GATTACA
7月6日(木)名古屋:SPADE BOX
7月11日(火)神奈川:CLUB CITTA’
19時開場 / 20時開演(21時までには終了)