6人の新たな旅が始まった──ミームトーキョー、ついにメジャー・デビュー
グループ名の表記変更、そして新メンバー加入を経て「THE STRUGGLE IS REAL」で念願のメジャー・デビューを果たしたミームトーキョー。韓国在住のSOLIを除いた5人にインタビュー!
INTERVIEW : ミームトーキョー
2019年に〈でんぱ組虹コンJr.メンバー募集オーディション〉を経て結成されたmeme tokyo.が、メジャー・デビューにあたって「ミームトーキョー」に表記を変更。2021年7月31日に開催された2周年ワンマン・ライヴ〈MEMETIC STRUGGLE〉では、新メンバーのMITSUKIとNENEがお披露目された。ふたりとも沖縄出身にして、いきなり歌もダンスもこなす新メンバーだ。そして、メジャー・デビュー・シングル「THE STRUGGLE IS REAL」は、GigaとTeddyLoidという強力なタッグがプロデュース。新体制で新たな境地へと向かうミームトーキョーに聞いた。
インタヴュー&文 : 宗像明将
「より明るい未来が待ってるよ」っていうスタート
──7月31日のワンマン・ライヴは事実上二部構成で、冒頭はmeme tokyo.に別れを告げる形でしたが、寂しさのようなものはありましたか?
RITO : わし的にはお別れをしたわけじゃなくて、一旦、今までやってきたことをまとめてお見せした感じで。「これからもよろしくお願いします」みたいな気持ちのほうが強くて。ミームトーキョーで新メンバーがふたり加入するときに、あったかい空気に絶対しようと思ってたんで、その空気を作りあげることに精一杯でした。
──MEWさんはいかがでしたか?
MEW : えー!? RITOさんが言ってくれた感じです(笑)。
SAE : meme tokyo.を見てくれてたファンの方的には、「どんな風になるんだろう?」とか不安もあったかもしれないんですけど、私たちがちゃんと一区切りをつけて、「より明るい未来が待ってるよ」っていうスタートを見せられたなって思ってます。
──沖縄出身のMITSUKIさんとNENEさんは、どういう経緯でミームトーキョーに加入したのでしょうか?
MITSUKI : MITSUKIも詳しく知りたいぐらいなんですけど(笑)。ライヴ配信でモデルのオーディションを受けてて、モデルになりたかったというよりかは、高校生最後だったから自分をもっと知ってもらいたいという気持ちがあって受けてて。偶然それを見つけたYumiko先生(ミームトーキョーの振り付け、プロデュースを担当)がもふくさん(もふくちゃん/ミームトーキョーのマネジメント、プロデュースを担当)に教えてくれて、それでZoomで話して。「まだ高校生だし、沖縄県民だから本当に来てくれるかな?」って思ってたって、Yumiko先生から聞きました。でも、はいれてよかったです。
──Yumiko先生に見そめられたわけですね。
MITSUKI : やったー!(笑) もともとミームトーキョーは知ってて、大好きなグループだったんです。ディアステージでもいちばん聴いてて。「夢かな?」って今も思ってます。今はもっと大好きです。
──「話がうますぎる」とか不安になったりしませんでしたか?
MITSUKI : 怖かったです(笑)。もふくさんのインスタのアカウントからメッセージが来て、フォロワーが1万人もいるし、「もふくさんって、あのもふくさんだよね?」って思いながら。
──MITSUKIさんは、これまで芸能活動をやっていたんですか?
MITSUKI : いや、普通の高校生で、アイス屋さんでバイトをしてました(笑)。ダンスは幼稚園の頃からヒップホップを習ってました。
──NENEさんはどういう経緯で加入したんですか?
NENE : 私もインスタのDMをいただいて。でんぱ組.incさんは名前だけわかって、いろいろ調べて、お話して、メンバーにもお会いして。でも、そのとき全然しゃべってくれなくて(笑)。
RITO : みんながみんな突然で。「新メンバーがはいるかもしれない」という話はみんなで知ってて、「でももうちょっと後」って聞いてたら、ライヴが終わった後に突然会うことになって(笑)。
NENE : お互いにガチガチに緊張してたし、鎧を着てたからしゃべれなかった。私は知らなかったから、メンバーにがっついてしまったんです。すごくいいお話だと思ったし、自分の知らないジャンルの音楽をやってる人たちが目の前にいて、これからもしかしたら一緒にグループを組むかもしれないって聞いて、「どういう人たちなんだろう?」っていうのを限られた時間いっぱいしゃべりすぎて、壁を作られてしまって(笑)。
──NENEさんには、そもそもどうしてDMが来たんですか?
NENE : Yumiko先生は同じく配信を見てくれていたらしくて、私はプロフィールが派手めのすごい写真だったんです(笑)。そこからプロフィールを見て、私のインスタやYouTubeも見てくれて、もふくちゃんさんに「メッセージ送ってよ」って言ってくれたらしいです。
──NENEさんは芸能活動の経験はありましたか?
NENE : もともとソロでシンガー・ソングライターとしてやったんですけど、その前は沖縄でアイドルをやってました。ダンスも小3からしてて。「東京にいけば売れるだろう」と思って来たら全然売れなくて、路上ライヴとかしてて、気が付いたらここにいました(笑)。
──MITSUKIさんとNENEさんは、7月31日のミームトーキョーとして初めてのステージの感想はどんなものでしたか?
NENE : 普通にめちゃくちゃ楽しかったです。
──肝がすわってますね。
NENE : 詰め詰めで微調整とかめちゃくちゃ練習したのもあって、「やっと外に出せた」みたいに嬉しくて。みんなと仲良くなったのも嬉しかったです。
MITSUKI : NENEちゃんとは逆で、楽しみな気持ちもあったけど、不安な気持ちのほうがでかくて。NENEちゃんも含めてメンバー全員を尊敬してて、だからこそ「自分がいていいのかな」みたいに思って。それでずっと不安だったけど、いざ始まってみると、不安になる隙も与えてもらえないぐらいで、3秒でライヴが終わって(笑)。ミームトーキョーのメンバーもファンもスタッフさんも、とってもあたたかい人たちで、「出会えてよかったな」ってなりましたね。
──MEWさん、RITOさん、SAEさんは、新体制のミームトーキョーとしてワンマン・ライヴをした感触はいかがでしたか?
MEW : えー、楽しかったです。
──5文字ぐらいで終わりましたね。
RITO : でんぱ組.incに加入したとき、(古川)未鈴さんが「どの時代のでんぱも最高だよ」って言ってて、すごい素敵だなと思ってたんですよ。ミームトーキョーに今回の新しい仲間が来てくれたことがすごい嬉しかったんですけど、自分の心のどこかに不安があって。新メンバーは完璧なんですけど、自分が大丈夫かなっていう不安がすごいあって、ライヴまで自信がなかったんですよ。未鈴さんみたいな前向きな言葉を発信するのが怖かったんですけど、7月31日のライヴのときに、メンバーが全員がライヴに乗れたって感じがして、それにお客さんが乗っかってすごい素敵な空間になって。最初のmeme tokyo.があって、出会いと別れがいろいろあって、ここに来れて、「どの時代のミームトーキョーも素敵なんだよ」って今なら言える気がするくらい自信があるライヴでした。
SAE : お客さんが今まででいちばんって言ってもいいくらい、いきいきとしてくれてて。新しくはいってくれたふたりが盛りあげるのもすごく上手なので、お客さんがすごい楽しんでくれてるのが伝わってきて嬉しくて。今回の2周年のワンマンだったんですけど、最初からがんばってきてくれたメンバーやスタッフさん、見てくれた方がいるから、ここに立ててるんだなってのをすごい感じて、ミームトーキョーに関わってきてくれた方への感謝が溢れました。
大事にしていきたい曲がまた増えた
──みんなから拍手が起きてますね。そして、メジャー・デビュー・シングル「THE STRUGGLE IS REAL」がリリースされます。以前から在籍していたMEWさん、RITOさん、SAEさんは、メジャー・デビューと聞いてどう感じましたか?
SAE : メジャー・デビューっていうのは、人生で叶えたい目標のひとつでした。でも、私も加入してたった半年ぐらいでメジャー・デビューできるなんて思ってなかったし。ミームトーキョーにはいってよかったなって本当に思ったし、もっとがんばんなきゃって気が引き締まりました。
RITO : 正直、怖いなってすごい思いました。もう間違えられないじゃないですか? 何か間違えたら、人の目にすごい触れるようになるし、プレッシャーではありました。
──RITOさんは、でんぱ組.incでもうメジャー・デビューしてるじゃないですか。それでもプレッシャーがあったんですか?
RITO : でんぱ組はもう「でんぱ組」っていう枠組みがあって、その伝統みたいなものに乗っていけばいいんだなと思ってたんですけど、「ミームトーキョーがメジャー・デビューします」ってなったときに、「今までやってた気持ちじゃダメなんだろうな」ってすごい思って。だから、メジャー・デビューにするにあたって、どうやって自分の中で気持ちを固めていったらちゃんとしたものにできるのか、今でもちょっと考えてます。
──MEWさんはいかがでしたか?
MEW : えー!? けっこうさらっと言われて、まだ実感がなくて。メジャー・デビューってどうやって決まるのかはわからないけど(笑)、自分的にはこの2年間いろいろあって、けっこう振り返りました。
──今回、その「THE STRUGGLE IS REAL」は、GigaさんとTeddyLoidさんがプロデュースしていますが、初めて聴いたときの感想を教えてください。
RITO : もともとGigaさんがすごい好きで。わしが秋葉原ディアステージのステージで初めて踊った曲もGigaさんだったんですよ。中学生のときにGigaさんの曲をずっと聴いてた自分に教えてあげたいですね(笑)。歌詞もKOROMOちゃんと4人で書いて、すごい夢心地ですね。「すごくね?」って感じですね。
MEW : 私も、音楽をすごく聴いてて、だからめっちゃびっくりしたし、親に言いました(笑)。親も普通に「え、すごい!」みたいな感じで。お兄ちゃんも好きで、めっちゃうらやましがってた(笑)。光栄というか、大事にしていきたい曲がまた増えたな、って。
MITSUKI : 私もお姉ちゃんと一緒によくボカロを聴いてて。練習用の音源が送られて来たときに「Gigaさん曲」ってあって、「あのGigaさん!?」って。聴いたときも、今までのミームトーキョーの感じともちょっと違くて、「自分がはいって初めて歌う曲だ、デビュー曲だ」って考えたらなんか鳥肌が立って、なんか言葉には表せないですね(笑)。すごいなって思いました。
SAE : 私ももう本当に中学、高校時代はボカロ好きで、Gigaさんは大好きでした。私が加入したぐらいのときに「Gigaさんに曲を書いていただくんだけど」みたいな話を聞いて、「ミームトーキョーすごすぎる!」とか思ったんです。しかも、自分たちが書いた歌詞が曲に乗るなんて信じられなかったし。あと、レコーディングのときに、GigaさんとTeddyLoidさんが来てくださって、会えて、自分の歌を聴いてもらえるなんて、一生に何度あるかわからないすごい経験だと思って本当に嬉しかったです。
──実際に会ったおふたりの印象っていかがでしたか?
SAE : お二方ともすごい優しくて。アドバイスもすごい優しくしてくださって、もう感動でした。
──NENEさんは「THE STRUGGLE IS REAL」を初めて聴いた感想はいかがでしたか?
NENE : すごい声が高いなと思って、「出るかな? 歌えるかな?」って(笑)。しゃべっているときも、今まで歌ってきたときもすごい低い声だったから。ボカロっていうものを知らなかったけど、私もEDMがすごい好きだから、本当にビートかっこいいと感じました。
ミームトーキョーで叶えたい
──そんな「THE STRUGGLE IS REAL」で聴いてほしいポイントがあれば教えてください。
MITSUKI : メジャー・デビュー一発目から、ミームトーキョーらしさもちゃんと残ってて、さらにレベルアップしていて。しかも、メンバーが作詞に参加してることを最初知らなくて、めっちゃカタカナとか難しいじゃないですか?「みんなすごい、どんな生き方してるんだよ?」って思いました(笑)。
NENE : レコーディングを人に見てもらいながらちゃんとしたのが初めてなんですけど、最初に歌ったときにあまり力んでない状態で歌いだしを歌えたから、そこを聴いてください(笑)。歌詞も、わかんない言葉をめっちゃ調べたんですよ。でも、結局レコーディングするとき、頭が真っ白になってたから、逆にそれがよかったのかなと思ったりしました。
SAE : ミームトーキョーの尖った感じとかと、尖りつつ前向きな気持ちを歌詞にすごい込めたんです。落ちサビの歌詞が気にいってて、前向きだけど、ただ明るいだけじゃないものを表現できたかなと思って。自分的に「ここの歌詞はこのメンバーに歌ってほしいな」と思ってたのがけっこう反映されて嬉しかったです。新メンバーのふたりもめっちゃかっこいいし、「そういうふうに歌ってくれてすごい」と思って感動してました。
MEW : 落ちサビを歌わせてもらってるんですけど、自分の気持ちに似てて、私もいいなと思ってて。「夢の続き / 取り戻すために」とかも、私は前のグループが解散して、それをミームトーキョーで叶えたいなって思ってるので、すごい気持ちがはいるから、ここを歌えて嬉しいです。イエーイ!
RITO : もう「うわー!」ってなりながら書いたのを、こうやって素敵な歌詞に組み替えてくれた方に感謝してて。自分が曲を聴いたときに、ちょっと悲しい歌詞がすごい刺さってたので、そういうのをいれたほうが刺さる人がいるんじゃないかなと思って。わしも落ちサビのMEWちゃんが歌ってるところがすごい好きです。
──SOLIさんも、韓国からMVやレコーディングに参加していますが、どういう形で参加しているんですか?
ディレクター : 機材を家に送って、最近は全部自分でボーカルのレコーディングもしてます。
──すごいですね。新メンバーのおふたりはSOLIさんとどんな話をしましたか?
MITSUKI : ひたすら「かわいいね~」って言って。バーチャルアイドルみたいけど、ちゃんと人間でかわいいし、優しい。これからもっとしゃべりたいです、楽しみです。
NENE : はいったとき「NENEちゃんってアーティストなの?」ってDMが来て、「自分でも曲とか作ったりするよ」って。
──来年とかに対面できるといいですよね。新体制ミームトーキョーとして、今後やりたいこと、目指したいことを教えてください。
NENE : 自分がトラックを作るの好きだから、みんなに歌ってもらえたらめっちゃいいな。韓国でもライヴしたいです、いったことないから。観光もいきたい(笑)。落ち着いたらみんなでいきたいです。
MITSUKI : 全国ツアーで各地を周りたいです。自分は生まれも育ちも沖縄で、沖縄から応援してくださってる方もいるし、自分の生まれ故郷でライヴをしたいし。あとは、もっとミームトーキョーという存在を国外のいろんな方に知ってもらえたらいいな、って。自分がミームトーキョーの大ファンなので、大ファンがもっと増えるといいなっていう気持ちです。
SAE : メジャー・デビューということで、今まで以上にミームトーキョーをたくさんの人に知ってもらえるチャンスだと思うので、このチャンスを逃さずに、ミームトーキョーの曲をたくさんの方に聴いてほしいです。あと、個人的にずっと言ってるんですけど、フジロックとかロッキンとか、フェスがすごい夢なので、お客さんと一緒になって盛りあがって、楽しんでもらえるようなグループを目指していきたいですね。
MEW : やりたいことはいっぱいあるんですけど、絶対次にやりたいのは、やっぱりツアーだなって思ってます。
──47都道府県ですか?
MEW : 全部いきましょう!
──RITOさんはいかがでしょう?
RITO : 最近、本当にみんなでしゃべるようになったんですよ。楽屋も「うるさい」って苦情が来るんじゃないかっていうぐらい、最近にぎやかで。バキバキのライヴをするんですけど、中身は変な奴が多いし、みんなに親近感を持ってほしいし、面白いと思うので、いつかラジオをやりたいです。
他のメンバー : やりたーい!
INTERVIEW
MEW、RITO、SAEインタヴュー(2021年04月21日掲載)
https://ototoy.jp/feature/20210421111
メンバー全員インタヴュー(2020年08月20日掲載)
https://ototoy.jp/feature/2020082006
DISCOGRAPHY
PROFILE
meme tokyo.
2019年夏に開催された「でんぱ組虹コンJr.メンバー募集オーディション」経て結成された令和アイドル”ミームトーキョー”。MEW、RITO、SAE、SOLIに、新メンバーMITSUKI、NENEが加入。SOLIは韓国在住のためリモートでレコーディング、MV等に参加。これまでインディーズで『メランコリック サーカス』『レトロフューチャー』『モラトリアムアクアリウム』『アンチサジェスト』4枚のCDをリリース。2021年8月25日にトイズファクトリー内レーベルMEME TOKYOからメジャーデビューシングル『THE STRUGGLE IS REAL』をリリースすることが決定。 先行で7月30日に配信リリースも行う。メジャーデビューにあわせ、”meme tokyo.”表記から”ミームトーキョー”に変更。新体制での初パフォーマンスは7月31日に渋谷WWWXで開催されるONE-MAN LIVE「MEMETIC STURGGLE」。日本国内でのライブ活動は、MEW、RITO、SAE、MITSUKI、NENEの5人で行っていく。
【公式HP】
https://www.memetokyo.com
【公式ツイッター】
https://twitter.com/memetokyo_info