目標に向けてみんなでひとつに──空想と妄想とキミの恋した世界、3ヶ月連続インタヴュー vo.2

エモロックとミリタリーロリータ風衣装に身を包み〈絶対的オシャレエモカワ〉をコンセプトに活動中のアイドル・グループ「空想と妄想とキミの恋した世界」。
3ヶ月連続、独占ハイレゾ配信とインタヴューの第2弾をお送りいたします。
INTERVIEW vol.2 : 回廊
2021年1月17日に渋谷TSUTAYA O-WESTでワンマン・ライヴ〈「単独公演、白昼夢。」〉を開催する空想と妄想とキミの恋した世界。10月には堀井美佑が気管支喘息悪化のため卒業を余儀なくされるアクシデントでもあったが、メンバーは〈「単独公演、白昼夢。」〉に向けて前を向いている。前回のインタビューでは、仲谷瑠夏がメンバーと腹を割って話すために「タイマンをしたい」とまで言っていたが、今回は5人体制になってのメンバーの関係性についてさらに深く聞いてみた。すると待っていたのは、仲谷瑠夏の自己啓発セミナー状態だった……!
インタヴュー : 宗像明将
撮影 : ペータ
この5人がひとつになってきている気がする
──堀井さんが卒業して5人体制になってから、変化はありましたか?
今井 : 5人でご飯を食べる機会が多くなりました。5人になってから「みんなで行こうか」みたいなことが増えました。
松樹 : 前よりは同じ方向を向けているのかな。心の内が分かるようになってきて、居心地がよくなりました。

有沢 : 気持ちが楽になったというか、楽しくなりました。この5人になってちゃんとひとつになってきている気がする。
中山 : 今までよりも活動に前向きに取り組むことができるようになった。でも、5人になってフォーメーションや歌割も変わるし、やっぱりそこは物理的に大変です。
仲谷 : やりやすくなりました。今までは心の内が分からなくて気を遣っていた部分もあったんですけど、そういうのもなくなった。「やばいからレッスンしよう!」とかみんなで気軽に言えるようになった。
──メンバーが減って、これから新メンバーが入るかもしれないですよね。歌割やダンスのフォーメーションの変化はどう捉えていますか?
中山 : 乗り越えるしかない、やるしかないと思います。ほっぴー(堀井美佑)の歌割は今のところ全員で歌っているんです。5人体制になってフォーメーションも歌もまだできていないので、できるだけ早い段階で完成させられたらいいな。
松樹 : ほっぴーがポテンシャルが高くて、真似できないキャラクターで。ほっぴーのパートをもらったところを「どう自分のものにしよう?」って悩んでいます。
──結論は見えていますか? 今、松樹さんが思いっきり首を横に振りましたね……。仲谷さんはどうですか?
仲谷 : 6人から5人で奇数になって、フォーメーションとかをほとんど崩さなきゃいけなくなるので、そこがいちばん大変かな。
今井 : まさかこんな早くに……って感じですけど、「今このやらなきゃいけない流れに乗るしかないな」って思います。
有沢 : 私は「こういうハプニングがあったら楽しいな」と思いました。
──タフですね。大変なところは特にないんですか?
有沢 : 覚えることとか苦じゃないので、カバーしたりするところも楽しいです。
もっとかっこよく仕上げていきたい
──そして今回ハイレゾ音源が配信される"廻廊"は、みなさんにとってどんな楽曲でしょうか?
今井 : 好きな曲です。サビは意外と迫力があったり。あと巻き舌を遣っているんですけど、最初できなくてめっちゃ練習しました。
仲谷 : 私もめちゃめちゃ好きな曲です。コロナになってコールができない中で「すごく見せる曲だな」って。特に"廻廊"はコールができたとしてもしなくていい曲、コールいらないなって思う。だからこそもっとかっこよく仕上げていきたいですね。

中山 : 私、巻き舌できなかったんですよ(笑)。レコーディングの時もできなくて、私のパートだけ巻き舌じゃないんです。今もできないです。あははは。
──そこはアピール・ポイントなんですか?
中山 : はい(笑)。でも、大人っぽい曲だと思います。振りをつけてもらった時も、いつもよりウェーブしたり「女性らしいラインを意識して」って言われたり。"未成年とか。"は大人と子供の狭間みたいな感じだったんですけど、"廻廊"はぐっと大人っぽくなった曲だと感じました。
松樹 : サビも全部ソロなんですけど、歌が苦手だからサビをひとりで歌うのが心細いし、自信がない……。歌をがんばらなきゃいけない曲ですね。
有沢 : 初めて聴いた時、サビで鳥肌が立ちました。5回ぐらい聴いて5回とも鳥肌が立った。全体的にかっこよくて好きな曲で、鳥肌が立ちます。今は立たないけど。
──今はどんな感じですか?
有沢 : 今はライヴでたくさんやっていくようにしているので、何も考えず……。
中山 : 私、"廻廊"のありしゃん(有沢)の声が好きなんですよ。"廻廊"では珍しく地声なんですよ。
有沢 : 「すごい声でかくなった」って言われて嬉しかったです。いつもの歌声は小さいし、地声で歌っていないんですよ。みんなが出せる高い音が出ないから、ミックスボイスみたいな感じで歌っていて。地声だと大きい声が出せて嬉しいです、ふふふ。
うまくポジティブに切り替えられたら
──いい話ですね。さて、前回仲谷さんが「メンバーと腹を割って話すためにタイマンをしたい」と言っていた続きを今日は話したいんです。5人になってから、どんなことをメンバー同士で話しましたか? 仲谷さんは今もタイマンしたいですか?
仲谷 : タイマンまでする必要はあまりないかな。でも、最近ミーティングをずっとやっていて。「もっとこうしていくべきだ」みたいに、みんなで案を出し合ったりしています。細いダンスの問題点や「ここは誰が揃っていない」とか、そういう細かい指摘はまだできていないから、これからレッスンがもっと増えるし、言えていったらいいな。
──今は何が課題だと思いますか?
仲谷 : ダンス。個性は出してもいいと思うんですけど、しっかり揃えたら綺麗に見えるし、やっぱり必要だと思う。
有沢 : 私もそう思う。揃えるところは揃えて。今は基礎練をイチから先生に教えてもらっていて、そこからまた基礎練以外にも取り組んでいきたいです。
──ダンス以外に変えていきたい部分はありますか?
有沢 : 変えていかなきゃいけないところしかないんじゃないかな。
──歌の自信はどうですか?
有沢 : 自信は……普通です。褒められたりはするんですけど、自分的にはもっとうまくなりたい。あと地声で歌いたいです。
仲谷 : あと、みんなでメンタル面も強くなりたいなって。やるべき時はみんなで「やってやろうぜ」って強い気持ちを持てるように、変わらなきゃいけない。私、個人的にはけっこう強くなったんですよ。いろんなことを乗り越えたら、あんまり考えることがなくなって。あとは、言い訳とかをなくしていきたい。そういう部分でみんなで同じメンタルでできたらいいなって思います。難しい課題だと思うんですけど。

──メンタル面だと、今はどのくらい一緒になれていると思います? 100点満点で。
仲谷 : えー……45?
──微妙な点数が出ましたね。それってメンバー同士で話します?
仲谷 : 個々で悩みを打ち明けたりはするけど、5人ではそんなに……。それぞれの日常を含めたメンタル面の話とかは公に話していないかも。
──メンタルをみんなで強くしていきたいと言われて、他のメンバーはいかがですか?
中山 : ライヴの時、SEでステージに出て、自分のサイリウムの色が少ないと正直「あぁ……」ってなってしまって。だから「そういう時こそ新規のお客さんを取りに行ってがんばろう」って切り替えていきたい。日常では「これやだなー」とかはめっちゃ思うし、口にもしちゃうけど、それを言っちゃったらみんなもネガティブになるじゃないですか。口に出すのも大事だけど、うまくポジティブに切り替えられたらな。「ネガティブなこともみんな一緒だからがんばれるよね」みたいな感じになれればベストかな。まだ全然そこまで至っていないんですけど。
──今井さんは自分のテンションに波があると思いますか?
今井 : 波というか、ずっと下で生きていてます……。息をするのが精一杯……。
──そういう話は仲谷さんとしないんですか?
今井 : します。「読みな」って昨日本を借りました。自己啓発本。
仲谷 : 私もすごい病んでいてどん底な時があったんですよ。いろんな嫌な思いとかをして。なぎちゃん(今井)みたいにずっと下で生きていて「死にたいな……」みたいな時期があって。だけど今は全部切り替えられるくらい無敵になった。そういう本とかのおかげでもあるし、「考える方向性をちょっと変えればこれだけ楽になれる」っていうのを、私はうまく伝えられないから、「これ、とりあえずおすすめの本」って。「がんばり屋さんのあなたへ」みたいな感じの(笑)。
──調べてみましょう……。「がんばり屋さんのための、心の整理術」(井上裕之・著)ですか?
仲谷 : そうです!
──今井さんはその本はもう読んだんですか?
今井 : 借りてすぐ読みました。何の力にもならなかった……。
仲谷 : あはは! まぁまぁ、あの本だけでは元気にはならないけど、少しは切り替える要素にはなるかな、みたいな……(笑)。
──アマゾンで5点満点で4.4点だから、けっこう評価が高い本ですね。
今井 : ひたすら「あなたはがんばってます」ばかり言われて、何の解決にもならなかった……。
仲谷 : あれだけでは元気になっていないんだけどね(笑)。貸す前に少し読み返したら「やめたかったらやめていいんだよ、逃げ出してもいいんだよ」みたいに書いてあって。「……空想逃げ出したらどうしよう」って(笑)。
全員 : あはは!
今井 : それだけはないので大丈夫です。空想を辞めたら私は本当に人間として生きていけないと思うので。空想しかないです、今は。でも、半年前はもうちょっと元気だったんですけどね。なんでこうなっちゃったんだろう。
中山 : お酒の飲み過ぎなんだよ。
仲谷 : さっさと寝なよ。
中山 : 考える時間があると病んじゃうからね。睡眠大事。
今井 : ……ってみんな言うんですけど、ちょっとそれも分からないです。
仲谷 : 早くこの領域に来ればいいんだよ。私は人に期待しないのが、いちばんストレスフリーでいられる。「私はこんだけやってるのに、なんであの人はできないんだろう?」「なんでここで気を遣えないの?」とか。それって勝手に自分がその人に対して期待しているだけで。その人ができなければ自分がやればいいだけの話。その人に対して何も期待しない。全部自分でやるというベースができたら、相手がやってくれた時に「えー! やってくれた。気遣える子だ、ありがとう」ってなるから、切り替えられるんですよ。
いつか悟りが開ける時が来るんですよ
──仲谷さん、自己啓発セミナーを開けそうになってきましたね。
仲谷 : あはは。自分でもいろいろ悩んだんですよ。悟りを開いたり、瞑想をしたり、お香を焚いたり、いろんなことをやって。だからすごい生きやすいです。生きやすくするなら何でも教えます。
──それでもまだしんどいと言っている今井さんはどうしたらいいと思います?
仲谷 : 私もお母さんから「そんなこと考えたって無駄だ」って言われても、「あなたはそういう考えだけど、私はできないんだからしょうがないじゃん」って思っていたから、すごく気持ちは分かるんですよ。だけどいつか悟りが開ける時が来るんですよ。
──今井さんは仲谷さんみたいになれそうですか?
今井 : ……分からないけど、熱いな。すごい良いことだと思う……。前までそういう考え方でがんばりすぎて疲れたのかな……。るなちゃん(仲谷)が言っているような生き方を私もしていたんですけど……。

──今の今井さんの姿が、数か月後の仲谷さんの姿かもしれない……?
仲谷 : めっちゃやだー!
今井 : ないかな(笑)。
──なかなか難しい。松樹さんや有沢さんはメンタル面はフラットに維持できていると思いますか? ……松樹さんが無言で首を振っていますね。
松樹 : 病みます、めちゃめちゃ。
──そういうツイート、あまりしていないですよね。
松樹 : 昔は思ったことは全部ツイートしていたんですよ。そしたら「あまり良くないよ」って少しお叱りを受けて、ツイートしなくなりました。
──難しいところですね。病んでいると「俺が支えなきゃ」って思うファンもいそうですよね。
松樹 : 最初はそういう人がいっぱい来てくれていたけど、そういう人って正直めんどくさい……。
全員 : あはは!
松樹 : その人も病むし。だから今のほうがファンの治安が良くなった。病んでいる話はメンバーにはするし、共感してくれることが多い。有沢ありさも病むタイプなので、ツイートしていた分をそこで全部吐いて、なんとかメンタルを保っています。共感してくれる人がいるから……ふふふ。
有沢 : 私、極端だなって思います。めっちゃ病むし、めっちゃやる気ある、みたいに波がある。
──そこはフラットにできそうですか?
有沢 : どうなんでしょうか。
仲谷 : 3年後になったらできるんじゃない? もっとみんながいろんなこと乗り越えて大人になってきたら。自分もやっぱり病むし、「うわーっ!」ってなることもめっちゃあるんですけど、そういう時に自分がどうしたら楽になれるかを自分の中で見つけると、ある程度保っていける。私だったら枕に思い切り叫んで、暴れて疲れてスッキリして発散する。ありちゃんも、例えば甘いものを食べに行くとか、そういうのをしたらうまくいくんじゃないかな。
有沢 : 探してはいるんですけどね、ずっと見つかっていなくて。あ、睡眠をたくさんとりたいと思います。9時間寝たい。睡眠がとれた時は体調がすごく良い。今日は8時間眠れたけど、短い時は3時間くらい。でも私、家を出る3時間前には起きたいので。白湯を飲んで、荷造りして、ストレッチをして。

他のメンバー : モーニングルーティン(笑)。
有沢 : 朝ごはんを食べて、ツイートを作って、髪の毛セットしてメイクをして、着替えて、家を出る。
──それをもう少し短時間にまとめられたら、その分眠れそうですよね。
有沢 : でも最近、10時過ぎにはお布団に入る。寝れない時もあるけど……。
──安定して眠りたいですね。仲谷さんから松樹さんにアドバイスするなら何がありますか?
仲谷 : マユウちゃん、前に比べてすごく強くなったと思うんですよ。元から素直に聞き入れるし、話もちゃんと聞ける子。ずっと傷の舐め合いをしているのは良くないと思うんですよ。類は友を呼ぶし、病んでいたら物事はマイナスなことしかつきまとってこないので。物事をうまく、いいことを考えていると良いことしか入ってこないんですよ。人間関係もそうだし。
今井 : 本で読んだ。
仲谷 : 「テレビ欲しいな」とか、欲を出したりすると誰かがプレゼントしてくれたりとかあるんですよ。自然と入ってくる。今までもそうなんですよ。自分で買わなきゃいけない時もありますけど。それをベースとして私が洗脳したいです。
他のメンバー : あはは!
──松樹さん、洗脳される準備はできていますか?
松樹 : ……できています。
仲谷 : あはは!
松樹 : でも、るなちゃんみたいな強く生きている人が苦手だったんです。人とコミュニケーションを取るのも苦手で友達もひとりとかしかいない。最初の頃にケンカしたこともあったんですけど(笑)、最近は分かってきて「性格は合わないけど、こうなれたらいいな」って憧れたりする。
仲谷 : 私も分かるんですよ、女の直感で。(松樹は)すごい自分を持っているし、気が強いんですよ。だからそのまま強く生きればめっちゃ強い。けど、自分の中で少し出せない部分がある。私は思ったことはすぐ言うんですよ。でも、思っていることがあっても言わなかったり、陰で何か言ったり愚痴でこぼしたりしていて。「だったら直接言えよ。あんたこう思ってるんじゃん、なにいい子ぶってんだよ」「そんな言い方しなくてもいいじゃん」みたいな言い合いはあったりした気がする。LINEとかだよね。
松樹 : 電話もした。
仲谷 : 「嫌い」って言われた(笑)。
「楽しかった」って思えるライヴにしたいです
──そういう時期を経て風通しが良くなったのはいい話ですね。1月17日の渋谷TSUTAYA O-WESTワンマンライヴのチケットの販売も始まりました。どんなライヴになるか、どんな新メンバーが必要か、イメージは固まってきましたか?
中山 : やる気のない人は来ないで欲しいです(ニコニコしながら)。空想にどうしても入りたい人は受けていただきたいですけど、それ以外はいらないです。がんばります〜。
有沢 : 「5人でいいな」みたいな気もしている……。チケットも発売開始されたし、たくさんの人が来てくれるといいな。
今井 : ……生きていたらいいな。あとはもうちょっと気持ちが楽になっていたらな。「楽しかった」って思えるライヴにしたいです。
──生きていてくださいね……。松樹さんはいかがですか?
松樹 : 洗脳していただいて(笑)……強くなりたいですね。ポジティブになりたいです。
仲谷 : 目標は近くにあるので、それに向けてみんなでひとつになりたい。人気メンバーが辞めちゃったし、みんなも、ファンの人も少し不安があると思うんですけど、それを感じさせないように「このメンバーで行けるよね」って状態でスタートさせたいです!

LIVE
空想と妄想とキミの恋した世界「単独公演、白昼夢。」
日程 2021年1月17日(日)
開場 13:15
開演 14:00
場所 TSUTAYA O-WEST
12月3(木)@渋谷O-WEST (MARQUEE祭、ライブ会場限定CD「未成年とか。」発売日)
12月12(土)@新木場周辺にてライブイベント
12月17(木)@赤羽ReNY alpha (新世界〜結成弐周年記念公演〜)
PROFILE

空想と妄想とキミの恋した世界
2018年12月結成。「絶対的オシャレエモカワ」をキーワードに活動中のアイドルグループ。
メンバーは仲谷瑠夏、有沢ありさ、松樹マユウ、中山みる、今井なぎさの5人。
ミリタリーロリータ風オリジナル衣装やアパレルブランド「ToAlice」協力の衣装を身に纏い、荘厳でゴシック色強めなエモ系バンドサウンドにアレンジされた楽曲に乗せ、オトナとコドモの間で揺れる思春期の不安定な心情を綴った歌詞を歌う。
2020年10月から「空想WEBメディアジャック計画」を発動中。
2020年12月には無期限延期していた初CD「未成年とか。」をライブ会場限定発売。
2021年1月にはグループ最大規模の渋谷TSUTAYA O-WESTにてワンマンライブ開催予定。