新しい時代に、新しい刺激とワクワク感を! でんぱ組.inc 古川未鈴 × もふくちゃん座談会

夢眠ねむ卒業後、6人組で新体制をスタートさせたでんぱ組.incが6月26日にニュー・シングル『いのちのよろこび』をリリースする。ニュー・シングルのリリースとともに発表された新ビジュアルに「でんぱ組.incがまた何か新しいことをやろうとしてる…」と感じずにはいられない人も多かったはず。これからの「でんぱ組.inc」はどうなっていくの? 記念すべき令和の幕開けに、音楽評論家の宗像明将がでんぱ組.incの古川未鈴とプロデューサーのもふくちゃんを迎えて座談会を開催しました。
6月26日リリース!
でんぱ組.inc / いのちのよろこび
1. いのちのよろこび 作詞・作曲 : 玉屋2060%
2. 形而上学的、魔法 作詞・作曲 : 諭吉佳作/men
3. いのちのよろこび (Instrumental)
4. 形而上学的、魔法 (Instrumental)
座談会 : 古川未鈴 × もふくちゃん
2019年4月10日に渋谷TSUTAYA O-EASTで開催された、でんぱ組.incの東名阪ツアー〈我々はどこから来たのか? 我々はでんぱ組.incなのか、我々はどこへ行くのか 〜とりま東名阪〜〉の東京公演のアンコールで異変は起きた。アフロ・パーカッション奏者が現れ、さらにステージには大道芸人たちが登場。そして、でんぱ組.incが披露した新曲「いのちのよろこび」は、まさにアフロ志向のサウンドだった。2017年12月30日の再起動以降、宇宙をテーマにしてきたでんぱ組.incが、今度はアフリカへと向かいだした瞬間だった。
さらに終演後に公開されたアーティスト写真では、でんぱ組.incがコギャルに。なぜでんぱ組.incはここまで大胆な変化を選んだのだろうか。でんぱ組.incを作った未鈴と、プロデューサーに完全復帰したもふくちゃん(福嶋麻衣子)に話を聞くと、今回のツアー・タイトルがフランスの画家であるポール・ゴーギャンの〈我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか〉に由来することとも関係があるという。ゴーギャンはタヒチへ、でんぱ組.incはアフリカへ。その真意とは?
インタヴュー& 文 : 宗像明将
撮影 : ペータ
不安ではあったけど自信を持って挑んだ
──〈とりま東名阪〉は、6人になって初めてのツアーでしたけど、初日の3月28日の大阪BIGCATのステージに立ったときはどんな感覚でした?
古川未鈴(以下未鈴) : きっとファンの皆様も「ねむ(夢眠ねむ)がいないでんぱ組とは一体どんなことになるのやら」と思ってたと思うし、それは正直私達の中にもあって、「ねむさんの穴を埋められるのか?」みたいなことを思っていたんです。だけど、ねむさんが卒業するときに「でんぱ組.incはその穴も不確定要素で面白くできるんじゃないか」みたいに言ってくれたことをハッと思い出して、その歪な感じもまた見せていければいいのかなと思いながら、私は「とりま東名阪」に挑んでいて。とは言っても、フォーメーションや曲のクオリティーに関しては下げてはいけないので、めちゃくちゃ時間をとって入念な準備はしましたね。大阪はみんな緊張と不安が大きかったですね。ぺろりん(鹿目凜)とかは泣いてたな(笑)。
もふくちゃん : あはは。
未鈴 : ねもちゃん(根本凪)も、ひとりで影のほうで練習してたり。私たちもやっぱり新しいものへの不安が大きかったし。なおかつ「いのちのよろこび」の準備をしていたし、新しいアー写が出るのも知っていたので、ファンの人は受けいれてくれるだろうかとか、”でんぱ、方向性を間違えたんじゃないか?”とか、いろんな不安があったんです。だけど、すごく長い目で見るとグループに変化って必要だって思ったし、とにかく私たちが前を向いていないと、ファンの人もどこを見ればいいんだってことになってしまうので、不安ではあったけど自信を持って大阪に挑んだつもりです。
──4月10日のTSUTAYA O-EASTでの東京公演を拝見して、アンコールにむちゃくちゃ力がはいっているなと感じました。
未鈴 : そうですね、予算をすべてアンコールに持ってきたなと私は思ってるんですけど(笑)。

もふくちゃん : あはは。
──アンコールでは、アフロ・パーカッションの人が出てきて、大道芸人が現れて、アフロの新曲「いのちのよろこび」が突然始まりました。”でんぱ、いきなりアフリカに行くんだ!?”みたいな。
未鈴 : 2018年は、ずっと宇宙をテーマに1年間やってきてたので、その後どうしたらいいかはいろいろ悩んでいたんですけど、そこでもふくちゃんが「ゴーギャンっぽくしたい!」みたいなことを言い出して、私は「何を言っているんだ?そもそもゴーギャンってなんだ?」と思いながら(笑)。
──しかも、「いのちのよろこび」って、かなりいかれた曲だと思うんですね。
もふくちゃん : 私もそう思う。久しぶりにちょっと頭のおかしい曲を作った(笑)。
──あはは。作詞作曲の玉屋2060%さんとどういう話をしたんですか?
もふくちゃん : 「狼少年ケン」っていうアニメの曲がすごいかっこいい曲で、この時代に聴いても新鮮さがあって。ちょうどトイズファクトリーの稲葉(貢一)社長と「次、でんぱ何やろう?」って話をしてたときに、「私、民族音楽だと思うんだよね」って話をしたら、アフリカンやインド音楽、ポリネシアンなどの曲調で盛りあがって。次のでんぱ組はそういうリズム隊にしようみたいな。それを玉屋さんに伝えて。「ずっと今まで彼女たちのキャラクターや生い立ちなどを語る内省的なテーマが多かったけど、愛に突然目覚めて人間になるみたいな根源的なところに、宇宙をさまよってようやくたどり着いたみたいなストーリーにしたい、だから原始時代に戻りたい」って話をしたら、玉屋さんが「僕もそう思ってました!」みたいな(笑)。全員話がツーカーでブワッって広まって、アフリカン・ポリネシアンなんだけど電波ソングっていうのを作ることになって。
──アフリカン・ポリネシアンだけど電波ソングって、めちゃくちゃ力技ですよね。2017年12月30日の大阪城ホールでスペースシャトルで宇宙に飛び立って、この間の日本武道館(2019年1月6日、7日)でネオ地球に不時着して、今回のツアーで原始時代のパラレルワールドに急展開しているんですけど、なんとなくでんぱだとみんな納得する不思議なところがある。
もふくちゃん : ねむちゃんが卒業するときは、宇宙船から始まったじゃないですか。宇宙から帰還して不時着するみたいな感じで地球には戻ってきてるので、もう1回人類が始まるところをやりたいなと思って。でんぱって、最初の頃はちょっと人間的じゃなかったみたいなところがあるから(笑)。人への愛みたいなのを知らないみたいな。
未鈴 : あはは。
もふくちゃん : この何年かで体験したメンバーとの出会いと別れってすごい大きかったと思うので、それをちゃんと昇華して、みんなが大人になったっていうのを出したいと思って。新しい出会いで新メンバーがはいってきて、もがちゃん、ねむちゃんが卒業して、そういう人間ストーリーみたいな。ゴーギャンというテーマも、西洋のアートに疲れちゃったおじさんが、原始的な刺激を求めて未開の地へ行くみたいな、完全に私の主観ストーリーですが(笑)、そのワクワク感が、すごく今のでんぱには必要なんじゃないかなと思ったからなんです。
──そのワクワク感を求めた理由とは?
もふくちゃん : でんぱって、2016年から売れるためにアイドルとしてやるべきことを淡々とやってきたっていうイメージがあって。でも、でんぱのもともとのコンセプトって、すごい革新的なものを求めて、新境地を常に目指していく姿勢だったんです。ゴーギャンがアートとして新しいものを求めてタヒチに行くって、当時すごい勇気がいることだったと思うんですね。でもその姿勢をでんぱももう一度やりたいと思って。既存のでんぱと1回さよならして、こうなっちゃった(笑)。
──みりんちゃんは「コギャルになる」と言われてどう思ったんですか?
未鈴 : 不安にがないと言ったら嘘になるんですけど(笑)。でも、メンバーも、何か見たことがないことをやらなきゃいけないともがく気持ちで、藁にもすがるような感じだったので、こういうアイデアが降りてきて、「ファンの人は本当に喜んでくれるかわかんないけどやるしかない!」みたいな感じだったんです。あと、実はこのメイクを担当してくれたのが、でんぱが始動した頃に担当してくださってたチームの方々(資生堂の計良宏文など)で、またこうやってはいってきてくれたりとか。衣装もJenFangがまた担当してくれてるので、実はでんぱのDNAもはいりつつ新しい形だったので、そこは安心ポイントだったなとは思っていて。やっぱり私たちの生い立ちをわかってくれてる人達がやってくれたので。アイドルって、ファンの人が本当に求めていない進化の仕方と、求めている進化の仕方ってあるじゃないですか。そこのいいバランスをいったなと思うんですよね。もちろんみんながみんな求めてる形ではないというのはわかってますけど。
──でんぱにコギャルになってほしいと思ってる人がどれぐらいいるかわからないですよね(笑)。
もふくちゃん : あはは。あれは実は「コギャル」じゃないんだよ!もっと新しい、謎の生物のイメージ(笑)。でも、でんぱが偉いなと思うのは「次、なんかすごい色を顔に塗るよ」とか言っても何も言わない(笑)。本当にそれは他のアイドルとは違って特筆すべき偉いところだと思う。アートワークに対して何も言わない。「次パンツだよ」とか言っても「あーパンツかー、んーまぁいっか」みたいな……パンツはわかんないですけど(笑)。「顔、ゴールドに塗るよ」って言っても「へ〜」みたいな、その反応で返せるのがすごい(笑)。
未鈴 : それはもふくちゃんだっていうのがあったので、「もふくちゃんだからしょうがないかな」っていう半分諦めのような(笑)。
──みりんちゃん達はそうかもしれないけど、ねもぺろは温度感が違ったんじゃないですか?
未鈴 : でも、ねもぺろもやっぱりもふくちゃんがお母さんみたいなところもあるんじゃないかな。
もふくちゃん : でんぱが宇宙に行ってる間、私はねもぺろを育てていたので(笑)。虹コン(虹のコンキスタドール)もベボガ!も、プロデューサーやクリエイターの言うことを聞いてくれるし、リスペクトがあると思うので、そこは本当にいいところだと思いますね。
今どういうところを直したほうがいいかが見える
──もふくちゃんのプロデューサー復帰は「いのちのよろこび」からですか?
もふくちゃん : そうですね、この間の武道館はやってないんで、ここからですね。「でんぱーりーナイト」(2014年)では曲は見てたから、それ以来。
──もふくちゃんがプロデューサーに完全に復帰することになって、もふくちゃんとみりんちゃんの気分を教えてほしいんです。
もふくちゃん : 「すごい嫌でした」とか(笑)。でも、ちょいちょいは顔出してたもんね。
未鈴 : 「こうしてほうがいいよ、ああいうのがいいよ」とか、直接言ってくれるのが「いのちのよろこび」でまた再開したって感じなので、もふくちゃんとそのなんか……私の中で……えへへ。
もふくちゃん : なに言葉選んでるんだよ(笑)。
未鈴 : ひらめきだけはすごくいいけど……。
もふくちゃん : 「だけは」!(笑)
未鈴 : 他のことに関しては、みたいな(笑)。イメージがすごいバーンってひらめくけど、それを実現していくにあたってはすごくいろんな人の手がいるみたいな(笑)。
もふくちゃん : しかも、それも大変な人手がいる(笑)。
未鈴 : 昔のでんぱとは、今は規模感も含めて違うじゃないですか。今の状態でもふくちゃん帰ってきたら、ちょっと不安だったけど、やっぱり雰囲気が変わったなっていう感じますね(笑)。現場ですごくうるさいんですよ、もふくちゃんが(笑)。LINEの返事を返せとか。
──むしろ返さないんだ?
もふくちゃん : ほんとそれ。みりんに最初にした説教がそれ。
未鈴 : 「お前はLINEの返事をしなさすぎだ」と言われて、わかってはいるんですけど、なんか素直に「うん」とは言えない感じが(笑)。「私の一個のスタンプで、みんなの携帯を鳴らすのがちょっと嫌なんだよね」とか(笑)。
もふくちゃん : 「そういうところがダメなんだよお前!」って(笑)。
未鈴 : 数年経って久しぶりに一緒に仕事すると、よりお母さんになったなって感じがしますね。

もふくちゃん : やっぱり5年間、虹コンとベボガ!をやって、すごく私も勉強になって。でんぱはやっぱり同じ目線で一緒にやってたから、ある意味振り回せたんですよ。だけど虹コンは赤ちゃんだから、親御さんもいる中で順序を立ててプロジェクトを進めて、きちんと説明しながら丁寧にやって、「仕事だ!」みたいな(笑)。「仕事ってこういうことなんだな、仕事のやり方ってこうだな」って学んだので、今戻ってきて昔よりやり方が見えるようになって、仕事はすごいしやすいし、今どういうところを直したほうがいいかが見えるし。一回離れてみるもんだなって思いました(笑)。
──昔のでんぱではどれだけ強引なことをやってたのかって話ですよね(笑)。
もふくちゃん : そりゃそうでしょうね、よくわからないもんね。「なんでこんなことしてたんだろう?」みたいな(笑)。
未鈴 : たしかに同じ目線に立ってたっていうのは納得しましたね。
──今のでんぱって、簡単に動かせないところがあるじゃないですか。もふくちゃんがプロデューサーに戻るのは、勇気や覚悟が必要だったと思うんですが、どうですか?
もふくちゃん : みりんちゃんの前で言うのはあれだけど、今のファンをもう一度裏切るっていう覚悟でやっているんです。「でんぱれーどJAPAN」(2012年)を出したときに、「今の客の好みを考えない」みたいな話をみりんちゃんたちにした覚えがあるんですけど、半分ぐらいその気持ち。ただ、前と状況が違うというのもわかっているので、どこを捨ててどこを残すかっていうのは自分の中でイメージができてて、「研ぎ澄ましていく」みたいなイメージができてます。
──「研ぎ澄ます」というのはどんなところ?
もふくちゃん : 「いのちのよろこび」のカップリングで諭吉佳作/menさん(高校1年生、15歳のミュージシャン)に書いてもらったりとか、今やり始めてるんです。常にでんぱってユースカルチャーの中で育っていった子達なので、常に「でんぱ組が初めての仕事なんです!」っていう人たちと一緒にやっていかないとダメだなと思ってて、どんどんそこを耕して、でんぱ組があげまんになりたいですよね(笑)。「でんぱとやったから売れたよね」みたいなアーティストが今までたくさんいたと思ってて、そういう人たちを今後もたくさん作っていきたい。
──っていう話を、みりんちゃんは聞いていましたか?
未鈴 : こと細かに説明はないけど、やってること見てればわかるというか。私は逆に「どのクリエイターを使おう?」とかに、あまり関わらないほうがいいなと思うんですよ。「やってる人」なので、降ってきたものを120%にするにはどうしたらいいかを考えるのが私は好きなんです。
──もふくちゃんの新しく体制になって、今の感覚ってどうですか?
未鈴 : この夏ぐらいから「でんぱが新しい!」みたいなのがもっと広がると思うんですね。なので、まだ正直そんな実感もないし、このアー写に関する阿鼻叫喚ぐらいしかないんですけど(笑)。
もふくちゃん : いい表現だね(笑)。
未鈴 : その阿鼻叫喚も私はいいなと思っていて。「悪口も言われなくなったらもう終わりだな」と思うんですよ。
もふくちゃん : みりんの名言その1、「ひとりのアンチが50人のファンを連れてくる」(笑)。みりん名言集、早く出そうよ(笑)。
未鈴 : 恥ずかしい(笑)。
「でんぱ組はこうであるべき」っていう理想がある
──もふくちゃんから見て、離れていた時期にでんぱが変わったところってありましたか?
もふくちゃん : 逆に変わってないと思います。「最初の頃から何ひとつ変わってないじゃん」っていうのは、逆に私の苛立ちになるし、もっと変わっていくほうがいいなと思っていたから。転がる石には苔むさないし、常に転がる石であってほしい。同じアートワークで走り続けるのも、大きくなる時期にブランドイメージを固めるのは大事なことだったとは思うから、逆にいい時期に戻ってこれたと思っていますね。
──みりんちゃんから見てもふくちゃんが変わったなと思うところはありますか?
未鈴 : それこそさっきも言ったようにお母さん。たぶんねもぺろに接触する機会がすごく多かったと思うので。
もふくちゃん : ずっとこの5年間、赤ちゃんと接触していた(笑)。
未鈴 : 私は同世代気味なので(笑)、なんかちょっと面白いですよね。もふくちゃんはお母さんになるような成長を遂げたんだなって。それは私たちにはない体験だったので。
──じゃあ、もふくちゃんも成長し、でんぱも人としての心を取り戻すことになり……。
もふくちゃん : でんぱは成長してないような気もするけど(笑)。でも、ねむちゃんの卒業って、他のメンバーを成長させるんじゃないかと思ってます。
──どういう成長か、もう見えてますか?
もふくちゃん : もう見えてますよ。ピンキー(藤咲彩音)はダンスのフォーメーションに意識的に取り組んでるなと思うし、それぞれがんばってる感じがしますね。結局、全員にすごい説教してるんですけど(笑)。こないだももうえいたそ(成瀬瑛美)に説教してた(笑)。
──えいたそに説教して反応は?
もふくちゃん : 「うんわかった!」って(笑)。とにかく、わかってくれるまで同じことを10回言わないとダメだなって思って。私は「でんぱ組はこうであるべき」っていう理想があるから、そのイメージに沿うように全員に「こうしてね」と言いたいことがあるんですよ。それは結果的にはグループのためになるってわかっているから、それに関しては「言うことを聞いてね」っていうスタンス(笑)。
──今戻ってきて、ユースカルチャーとやらなきゃダメだってなって、今回「形而上学的、魔法」の作詞作曲に諭吉佳作/menさんを起用したわけですが、彼女を知ったきっかけは?
もふくちゃん : SoundCloudとかTwitterで名前はずっと見てて。「今回誰にお願いしよう?」みたいな感じになったときに、何人か若手のクリエイターの名前が挙がったんですがYGQ(でんぱ組.incのサウンド・ディレクター)が「諭吉さんがいいんじゃない?」って言いだして。でんぱで15歳の子が曲を書いたって言ったら話題になるだろうから、ぜひそうしたいってお願いした感じですね。
──ちなみに諭吉さんには「こういう曲を書いてください」みたいな話はしたんですか?
もふくちゃん : ほぼフリー。すごくないですか? 自由演技でこれができるんだみたいな(笑)
──みりんちゃんは「次の新曲のカップリング、15歳が作るよ」って聞いたときにどう思いました?
未鈴 : 何か新しいウェーヴを作りたいんだなって、ひしひしと伝わってきたって感じですね。
──しかも、歌詞がすごいじゃないですか。
もふくちゃん : 一発目でこれですからね。ほぼリテイクなしですよ。
未鈴 : 私はあんまり歌詞に感情を込めて歌わないタイプなんです。レコーディング前に「こんな感じになるんだろう」みたいなの作ってきたら、YGQさんがディレクションするんですけど、ちょっと難しかったですよね。

もふくちゃん : 過去イチ苦労してたよね。
未鈴 : リテイクも多かったし。でんぱは、サビがユニゾンじゃない曲って珍しいんです。全ソロなんで、やっぱりみんな苦労したんじゃないかな。
──諭吉さんはTSUTAYA O-EASTに来ていたので、みりんちゃんも会ったと思うんですけど、どうでした?
未鈴 : 本当に小さな方!(笑)
もふくちゃん : 繊細そう。
未鈴 : なんかやっぱこういうの書かれてると「天才少女」みたいなすごいオーラがあって、あの歳でサングラスかけてる感じなのかなって。
もふくちゃん : どんなイメージだよ(笑)。
未鈴 : 奇抜な感じかと思ってたら、通学路を歩いてそうな方だったから、「こんな才能が生まれるんだな、最近の日本は」みたいな。インターネットとかSoundCloudとか、今の時代だからこそできたなっていうイメージがあって。
もふくちゃん : iPhoneで作ってる人ですよね。
未鈴 : すごいですよ、私でさえ考えられなかったようなことが、この若い子の世代で起きてるんだなって。
もふくちゃん : ねもちゃんとすごいハモってたよね。うちらの世代では理解が追いつかないけど、ねもちゃん世代は何か飲みこめてる感じ。だって、歌詞の1行目に「ボールプールめいた雑多に」っていう言葉が出てくるのが、もう天才だから。「ちーっす!ジンセイ飴と鞭」(2013年『でんでんぱっしょん』)以来の歌い出しだなって。「ちーっす!ジンセイ飴と鞭」が1行目に来たとき、「絶対いい曲になる」って確信があったんですよ、それぶりの1行目のよさ。
──途中の「水差す わたしの性 読めないならば」って、もう何言ってるかわかんないけど、なんとなく納得させられてしまう。
未鈴 : なんとなく世界観がわかるみたいな。そういうのはいい歌詞なのかなって。
もふくちゃん : 天才的な歌詞だなと思って。「私タイトルが作れないんです」って言われて、一発でタイトルが頭に浮かんで、決まりましたね。
──「形而上学的、魔法」を歌うときのでんぱの様子を見てて、もふくちゃんはどうでしたか?
もふくちゃん :苦手分野がきたなって思いましたね。でも、だからこそチャレンジしがいがある。「くちづけキボンヌ」(2011年)のときにすごい苦労したことを思い出して。
未鈴 : めちゃくちゃレコーディングで苦労したよね。
もふくちゃん : 電波ソングのまま歌ってて、ねむちゃんが「声作らないで」と言われて、泣きながら「声作らないってどういう意味? 作らない声なんて出したことないよ!」みたいな。「素の声ってなんだ?」みたいな戦いがあのとき起こって、あのときは「くちづけキボンヌ」はでんぱに合ってないなって思ったんですけど、 そこからちゃんと持ち曲としてなじんでいったから、だんだん慣れていくだろうと。「形而上学的、魔法」がでんぱの持ち曲としてなじんだ頃には、もっと音楽的にいろんなことができるだろうなと思って。
苦手なことをやり続けて成長したんだろうなって思って
──「いのちのよろこび」があって「形而上学的、魔法」があって、このヴィジュアルがどんと出しました。こんなに変わって大丈夫なんだろうかという不安はなかったんですか?

もふくちゃん : 私は先に言っておく、まったくない(笑)。みりんちゃんはあると思うけど。
未鈴 : 私は心配症なんで「大丈夫かなー」って。でも、私が心配するときって、長い目で見ると結果的に大きな事件でもなかったことが多いので、杞憂だと思うんです。でんぱって、苦手なことをやればやるほどうまくなってくのはわかってたんですね。私、実は歌が超下手で、「キラキラチューン」(2012年)とか歌割り1個しかないんです。「ORANGE RIUM」(2013年)も1個しかないんですよ、実は。「ORANGE RIUM」も、初期はもっと歌割りがあったんですけど、レコーディングして「みりん、お前下手だから減らしたから」って言われたのをよく覚えてて(笑)。
もふくちゃん : 虹コンもそうなんですけど、歌割りは容赦なくて、下手な子は減らすんですよね。
未鈴 : へこむけど「じゃあどうやったら増えるかな?」って考えたときに、得意なところを伸ばして苦手なところは最低限できるようになればいいじゃないかと。
もふくちゃん : ゲームと一緒で効率厨だからすぐルートを見つける(笑)。
未鈴 : いろいろ試行錯誤した結果、今ではこの「いのちのよろこび」でも落ちサビを担当させてもらったり。それは苦手なことをやり続けて成長したんだろうなって思って。今ぺろりんも「歌割りがなくて」ってへこんでるけど、それでもやり続けてたらなんとかなる日が来ると思うから、「まあがんばんなよ、私もそうだったよ」って。
もふくちゃん : ほんとそう。ぺろりんにも容赦なく、「今日のライヴで歌下手だったったから明日変えるから」って、翌日に歌割りを変えることを現在進行中でやってて。でも、それでへこたれてちゃだめじゃないですか。厳しいけど、お金を払ってきてくれてるお客さんのためにベストなもの見せたいっていう思いでやってるから、その説明をちゃんと理解できる子じゃないと長続きしないなって思うんですよね。
未鈴 : 前のでんぱだったら「それも個性でしょ?」みたいな感じだったけど、そこは変わったかもですね。もふくちゃんも変わって、「それは駄目」みたいな。
もふくちゃん : そこは厳しいかも。要は、変わらないユニットっていうのがいちばんつまんないんです。アイドルを見てても、やっぱり変わっていくアーティストが面白くて追いかけたくなるし、動いてる、生きてるユニットのほうが応援できるじゃないですか。同じクオリティー、同じパフォーマンスをずっと繰り返されてても、追いかけたい気持ちが薄くなっちゃうのかなって。
未鈴 : でも、私は何でもかんでももふくちゃんの言う通りにしてたらよくないと思うんです。中の人的に「いや、そこは守ってかなきゃダメだ」みたいなこともあるんです。でんぱは大人なので、提案も言わなきゃダメだなと思うから、私の大きな成長はそこだなと思いました。
──そこで衝突する可能性はないんですか?
未鈴 : ないよね。けど、そこで噛みつくことを覚えました。今までは「わかりました」って感じだったけど。
もふくちゃん : でも、みりんちゃんの言うことが正しいときは、私も「ふーん」って思うし(笑)。私、意外と頑固ではないので、納得するときは「あー、なるほど」って言うし、ちょうど今お互い言いやすいね。
──おふたりから見て、みりんちゃん以外のでんぱのメンバーは、今どういう感じですか? ぺろりんは、この間のもふくちゃんとの対談の取材のとき、もふくちゃんに怒られたことがトラウマだと言っていて、おびえた目のまま取材が終わって。
もふくちゃん : あはは、地獄のような(笑)。でも、ぺろりんはいい子ですよ。
未鈴 : 負けず嫌いなところがすごくいいと思う。
もふくちゃん : 「絶対に歌いたいんだ」みたいな思いがあるから。やっぱり負けず嫌いって大事じゃないですか。
──ねもちゃんはどうです?
未鈴 : 思ったよりも自分の意見を言う子だなって思いました。「私はこうです」とか「私、今これ食べたいです」とか、意外とそういうことを言う子だなと思っていて。やっぱりでんぱって、意見を言える子が強いって思うから。私たちが先輩みたいなところがあるから、違う意見をいれてくれるなって思います。
もふくちゃん : ねもちゃんは虹コンといるときのほうが成長がわかる。でんぱの中にいると、やっぱりお姉さん方の意見がバーッて飛び交って、そこに割ってはいるとはいかないけど、虹コンのときはもうめっちゃ会議で意見を言うようになってきて、それはでんぱにはいった後の成長だなって。あと、「ソロでこういう曲を出してみたいです」とか「DTMの勉強してみたいです」とか「衣装のデザインしてみたいです」とか言ってくる。今までは「したい」で終わってたけど、イラストを描いて送ってくるとか、アクションが伴うようになってきたから、だいぶ成長してきたなと思って。自分がクリエイターになりたいって思いがすごい強くて、ねむちゃんの遺伝子を受け継いでくれているから、クリエイターとしての成長がファンの人にも見えれば面白くなってくるんじゃないかなと思ってます。
──ピンキーはどうですか?
未鈴 : ピンキーは後輩ができたおかげで先輩のポジションになったというか。
もふくちゃん : 初めてだよね。
未鈴 : 同年代で、ちょっとお姉さんみたいな、
もふくちゃん : 大阪のライヴが終わったあと、ホテルの部屋に集まって、おつかれさま会したらしいですよ(笑)。
未鈴 : 後輩への気遣いは、本当は私とかがしなきゃいけないんですよ。そういうのを率先してやってくれてるし、そういうのが好きなタイプだから、中間管理職としてすごく適している(笑)。
もふくちゃん : ねもぺろにも、ダンスをすごいよく見て教えてくれてるし、何か教えるためには自分が把握してなきゃいけないから、意識が高くなった。
未鈴 : だから、もうダンスリーダーはピンキーでいいんじゃないかな!と思うんです。今は私になってるけど、どこかで「私じゃなくてピンキーです」って渡そうかなと思ってます。
もふくちゃん : いいかもね。そういうのがあったほうがピンキーって「がんばる!」ってなるタイプだから。
──そして、もふくちゃんが怒ったというえいたそは?
未鈴 : あはは。
もふくちゃん : えいたそは、やりたいことが強すぎていちばん頑固なんですよ。でも今、夢の「プリキュア」声優をやっているというのは本当に素晴らしいことだからそれに人生かけて打ち込めっていう話をしましたね。
──「プリキュア」の声優として活躍しているのは大きいですよね。
もふくちゃん : 今、彼女には千載一遇のチャンスが来てると思うので、変わるチャンスだよと教えて続けたいなと思って。えいたそってすごい意志が強い子で、今はその固い意志を「プリキュア」をがんばるということに完璧に振ってくれれば、すごいよくなると思って言い続けます。

──そして最後のひとり、りさちー(相沢梨紗)ですね。
もふくちゃん : メンバーの中ではいちばん、仕事を一緒にしている部分が多いので連絡は取り合ってて、ずっと何を考えてるかとか、どういうことをしたいかとか話してたと思う。
未鈴 : がんばってるし、いちばん優しいし、ひと思いだし。
もふくちゃん : そうなんだよ。だから「こうしてほしい」と怒ることはあまりないです。
未鈴 : いちばん安定してるかもね。
もふくちゃん : りさは同じ目線で見てるかなって。みりんちゃんとりさちゃんは、「でんぱをこうするべき」とか「こういう風にしていきたいよね」とか、同じぐらいの目線で考えられますよね。りさちゃんは、さらにディアステージっていう会社全体のこともすごい気にする子なので、そこが優しい。
未鈴 : お店への愛がすごいあるよね。
もふくちゃん : お店にいる後輩たちに何ができるかとか、そういうことも一緒に考えて、私よりも教育に関して考えてくれることが頼もしい。「りさちゃんは、もうちょっとでんぱや自分のことを考えていいよ」って言いたいぐらい。でんぱって、バランスがいいんじゃないですか? いろんな人がいて。
最初、実は○○○だったんですよ(笑)
──今は、もふくちゃんが「でんぱのケツに火をつけるためだ!」って言って「でんぱ組虹コンJr.メンバー募集オーディション」を始めて、さらに「いのちのよろこび」もリリースされます。これからのでんぱをどうしていきたいか、もふくちゃんとみりんちゃんの間では一致しているんですか?
もふくちゃん : たしかに話してはない(笑)。一応来年ぐらいの話として、「子でんぱ」みたいなのができるって話はしたけど。どうですかね、みりん先生は?
未鈴 : でんぱにも卒業とか加入で変化があって、「メンバーが変わってもでんぱは続いていく」っていう方針になったわけじゃないですか。続けるって難しいんだなって今体感してるけど、なくなってほしくないグループなんですよ。

もふくちゃん : アイドルユニットの核ってなんだろうなって考えたときに、メンバーと音楽だと思ってて。たとえば、来年や再来年、あるいは10年後に同じメンバーじゃない可能性ってあると思うし、だとしても若手がはいってきて、でんぱの精神みたいなのを受け継いでいってもらえるのがいいかなって。だからみりんちゃんはEXILEのHIROさんみたいになって、「象徴!」みたいな感じになるときが来るかもしれないしね(笑)。今のメンバーのマインドを、次のちっちゃい子達にどう受け継ぐかすごい考えてて。BiSさんとBiSHさんとか、dropさんとまねきケチャさんとか、初めて作ったアイドル・ユニットのノウハウを活かして出すものが人気だったり。そのどっちもすごい面白いし素晴らしいけど、私はやっぱり「0か1か」のタイプなので、泥の中から何かを作り出すほうが好きなんです。誰かが「子でんぱ」チームを、きれいなでんぱとしてやってくれたらいいけど(笑)。
未鈴 : でんぱが汚いみたい、やめてくれよー(笑)。
もふくちゃん : 泥から生まれたことには間違いないんで(笑)。自分はノウハウを活かしてキレイに揃えていくのは苦手な方面なんですけど、そういうことってビジネスとして大事だなって。
──みりんちゃんにとって、でんぱは自分が作ったグループでもあるし、この先どうしていきたいですか?
未鈴 : 今、正直アイドル業界が前みたいな盛り上がり方とはちょっと違うじゃないですか。前が盛りあがりすぎたのかな、今はもう普通のカテゴリーとして存在し始めてるのかな。もう流行りやブームみたいな波が使えないんですよ。そうなったときに残れる人達って少ないと思うんです。今でんぱに必要なことって、「まだまだ注目したいな」と思ってもらえる存在でいることだなと思うんです。でも、難しいですよね。Twitterでたくさん宣伝したところで動員が上がるわけでもないし、動員や人気を上げるって、そういうことじゃないんだなというのはこの何年かでわかったんですね。私も中の人なりのノウハウを培ってきたので、そういうのを駆使しまくって、普通になったアイドル業界で、でんぱが生き残れるようにやっていくしかないのかなと思いますね。
もふくちゃん : 私はその辺のノウハウがわかるような気がして。やっぱりアートワークとかパフォーマンス。すごい基本的なことだけど、それが絶対に必要だから。とにかく驚きや面白さのあるヴィジュアルや、すごくいい音楽を作り続けてさえいれば、ムーブメントやブームというわけでもなくても、人って残るし。「注目したい、次の新曲が楽しみだ、次何やるんだろう?」っていう期待は、結局クリエイティヴに尽きると思っているので。次のちびっ子チームとかは、歌やダンスがうまいとか、でんぱと違う方向性で基本の「き」を押さえてさえいれば、でんぱとまったく違う客層が付いたり、できなかったこともできる。大事なのは、適度なポップさと、いいアートワークと、いい曲。きちんと丁寧に作ってあるところって、それなりに売れて生き残ってるなと思うから。
──でんぱ本体はどうなるんですか?
もふくちゃん : でんぱ本体は泥水をすすりながら生きていくのが美しいと思うんですよ(笑)。
未鈴 : 私は、「それはいいと思うんですけど、ちょっとやりすぎです」とかちょこちょこ言う係になろうかなって(笑)。

──「泥水をすすりすぎです」みたいな(笑)。
もふくちゃん : 「泥の濃度が」みたいな(笑)。
未鈴 : 「これはファンの人、たぶんダメですよ」とか(笑)。当事者としてわかるものがあるので。アー写の頭の上のブタちゃんは、すごい言いました。
もふくちゃん : 最初、実はうんこだったんですよ(笑)。「ここは絶対うんこの方がいいよ!」って私とJen-FangとYGQは盛りあがってたけど、みりんちゃんがどうしてもうんこはダメだって(笑)。
未鈴 : 私は直談判はあんまりしないし、基本的に何でも「やります」って感じだけど、これだけは「お願いします!」って言って。
──その役回りをやっていこうと?
未鈴 : なんか悪ノリしてるところがあるんで(笑)。
もふくちゃん : 悪ノリじゃなーい!(笑)
未鈴 : 「ちょっと落ち着いてください!」って。
もふくちゃん : うんこのほうがよかったよ!(笑)
でんぱ組.inc DISCOGRAPHY
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LIVE INFORMATION
でんぱ組.inc 全国ホールツアー 「UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019」
6月26日(水)東京・オリンパスホール八王子
7月4日(木)福岡・福岡市民会館
7月6日(土)名古屋・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
8月12日(月・祝)札幌・札幌市教育文化会館
8月24日(土)金沢・本多の森ホール
8月28日(水)大阪・NHK大阪ホール
PROFILE
でんぱ組.inc
古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪、の6人組ユニットで、ディアステージに所属し、様々な活動を展開。メンバーはもともと、アニメ・漫画・ゲームなど、自分の趣味に特化したコアなオタクでもある! また、東京コレクションやミキオサカベをはじめとして、様々なクリエイターとのコラボレーションを活発に展開し、国内のみならず海外からも注目を集め、台北やジャカルタでのファッションイベントにも参加。さらに、2013年にはJAPAN EXPOに日本代表として出演。2014年度は東アジア文化都市2014横浜親善大使を務めた。TOY’S FACTORYの新レーベルMEME TOKYOに所属。マイナスからのスタートなめんな!というキャッチフレーズで話題になり2014年5月には日本武道館で1万人動員、2015年2月に国立競技場代々木第一体育館2days単独公演を大成功させた。シングル『あした地球がこなごなになっても』でミュージックチャート1位を獲得。2015年はワールドツアーも敢行。MTV「ワールド・ワイド・アクト賞」の日本部門「ベスト・ジャパン・アクト」のウィナーに。2016年12月21日にはベストアルバム『WWDBEST 〜電波良好!〜』をリリース。2017年1月に、アリーナツアー「幕神アリーナツアー2017 電波良好Wi-Fi完備!」6公演を開催、二度目となる日本武道館公演も行う。8月に、最上もが脱退。2017年12月30日「JOYSOUND presentsねぇもう一回きいて?宇宙を救うのはやっぱり、でんぱ組.inc!」大阪城ホール公演で、鹿目凛、根本凪が加入し、2018年4月4日に7人体制となって初のシングル「おやすみポラリスさよならパラレルワールド/ギラメタスでんぱスターズ」をリリース。2019年1月1日に7人体制初のアルバム「ワレワレハデンパグミインクダ」をリリース。1月6日と7日で日本武道館公演2days(二日間で約2万人動員)を開催。1月7日『でんぱ組.inc コスモツアー 2019 in ⽇本武道館 夢眠ねむ卒業公演 ~新たなる旅⽴ち~』で夢眠ねむはでんぱ組.incから卒業した。