サカナはどんなソラをとぶ──9月6日解散のsora tob sakana、チーム・オサカナからのメッセージ
9月6日に惜しまれつつ解散するsora tob sakana。ラスト・アルバムとなる『deep blue』が8月5日にリリースされた。 sora tob sakanaの音楽プロデューサー、照井順政が書きおろした新曲2曲とこれまでにリリースされた人気曲を現体制で再録した、最終作かつ最新の音が詰まった永久保存的作品となった。レーベルECサイトでは『deep blue』のインスト盤も発売中。
OTOTOYではリリース・タイミングなど何回も特集を組み紹介してきたが、残念ながら今回で最後となる。 最後は、sora tob sakanaのメンバーと『deep blue』ならびにオサカナの世界観を創りあげてきたスタッフ陣からメッセージが到着。
メンバー、スタッフ、そしてファンも含めた総称でもある〈チームオサカナ〉。
自分だったらどんなメッセージを贈ろうか。『deep blue』を聴きながら思いをめぐらせつつ、じっくりと読み深めて9月6日のラスト・ライヴを待ちましょう。
レーベルECサイト限定でインスト盤発売中
sora tob sakana/deep blue-Instrumental-
税込3000円
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MESSEAGE from member
寺口夏花
『deep blue』は今までの色んな曲がはいっていて、これを聴けばsora tob sakanaがどんなグループかわかると思います。オケも声も録りなおしているので、前にリリースされた時からの成長も感じられて、私たちの6年間が詰まっている、sora tob sakanaの最後にふさわしい作品です。
特に、最後の曲の"untie"は、今までにもなかったような曲なので是非注目して聞いて欲しいです。 このアルバムは、私たちのラスト・アルバムということで、sora tob sakanaの魅力が沢山詰まった素敵なアルバムになったと思います。sora tob sakanaのラスト・アルバム『deep blue』これからもたくさん聴いてください!
神﨑風花
『deep blue』の聞きどころは、再収録曲の後ろの音と歌声の変化です。6年間で成長した姿が見られると思いますし、後ろの音も今までと音が違う部分も多いので迫力があると思います。そして新曲2曲も、曲調は全然違いますが、どちらもサカナらしくていい意味で難しい曲です。
今回の『deep blue』を通してsora tob sakanaは良曲が多いと改めて感じました。最後のアルバムということで、6年間のsora tob sakanaをあらわす作品になっていますが、初期の曲から最後の新曲、"untie"まで、一貫して曲がいいです。自分達の曲をそのように思えることが幸せです。
山崎愛
いい曲沢山で聞きどころが選べないです…
私は最初から最後まで通して聞いてほしいです。
"ribbon"から"untie"の流れも素敵だと思います。
今回は全ての曲を録りなおしたんですけど"クラウチングスタート"とか初期の曲は特に声の変化がわかりやすいと思います。
初期の曲は本当に音が高い曲が多くて今回もなかなか苦戦したんですけど、これが最後の作品なので悔いのないようにレコーディングをしました。
皆さんが楽しんで聞いてくれたら嬉しいです!
最後まで照井さんの歌を歌えて嬉しいです。
私は歌う側だったけど、それ以前に照井さんの作る曲が好きでした。
好きな曲をたくさん歌えて嬉しいです。
最後の作品の『deep blue』も最後の最後まで照井さん爆発してて最高です!
歌えて楽しかったです!
MESSEAGE from ”team osakana”
照井順政/sora tob sakana音楽プロデューサー
ラスト・アルバムであり、ベスト・アルバムとしての意味合いも持っている作品ということで再録曲の選曲には悩みましたが、メンバーの歌唱の成長が感じられるものを中心に据えながら全体のバランスをとりました。
新曲はもっと王道のオサカナらしさだったり、最後の曲らしさを強調する選択肢もあったのですが、悩んだすえに今格好いいと思うことを素直に出すという方向に落ち着きました。
彼女たちの歌唱は良くも悪くも表現者としてのエゴのない、技巧的な装飾のないもので、それが独特の神秘性をもたらしていたと思いますが、フラットな表現であるがゆえに、全体のダイナミクスに欠ける側面もあったように思います。
今回の『deep blue』の歌唱は、特徴である純粋さやフラットさは残りつつも、その中で微妙な感情の機微や楽曲のダイナミクスをダイレクトに伝えてくれるような抑揚も獲得しているように感じました。
稀有なバランス感だと思います。
sora tob sakanaの解散まであと少し、最後まで楽しく活動できるように頑張るのでよろしくお願いします!
高山 優子(yenter)/Art Director・Designer
インディーズデビュー〜解散までたくさんご一緒させて頂きました。
アートディレクター/デザイナーとして関わらせて頂く中で、私が一貫して掲げていたのは「楽曲に寄り添ったクリエイティブ」ということで、
照井さんの楽曲や、楽曲から思い描く世界観を守って、クリエイティブを作り上げていくことを意識していました。
それは、初めて会った彼女たちはあまりにも幼く、
この可愛さに頼り切って「本人たちをただ可愛く写す」ことを重視したクリエイティブでは楽曲と合わないし、
彼女たちが大人になった際、こんな素晴らしい活動をしていたんだと胸を張れるようなクリエイティブをしようと思ったからです。
それが、彼女たちと仕事で関わる大人としての役目みたいに勝手に思っていました。
だからと言って彼女たちも、こんなにいろんな場所へ連れ回されるとは思っていなかったでしょう。
大嫌いな虫も、ちょっと怖い古いトイレも、空調のないロケの撮影で不便な思いもたくさんさせてしまいました。
でもいつでも彼女たちは、元気に、爽やかに向き合ってくれました。
顔が見えない作品ばかりで、ファンのみなさんにはもっと本人たちを見たい!と思わせてしまったことがあるかもしれません。
『deep blue』のジャケット撮影の際、彼女たちに海まで歩いてもらう指示をすると、予想よりもどんどん海へ向かって行ってしまって。
カメラマンの笹原さんをはじめ、今までずっと一緒にやってきたスタッフチームのみんなで、
「ああ、みんな行っちゃうね、終わっちゃうね」なんて言って勝手にエモーショナルな気持ちになってしまって。
そんな話しをしている間に、あまりにも遠くに行ってしまうので呼び戻すと、
私たちのエモーショナルとは裏腹に、本人たちはぎゃあぎゃあ笑い合いながら楽しそうに戻ってくる。
そんな彼女たちの、朗らかで飄々としたところが大好きでした。
解散はとても寂しいですが、sakanaの皆さんには、それぞれの道を、楽しく、健やかに、のびのびと思うがままに歩んでほしいです。
少女から大人へ成長して行く、眩しく素晴らしい日々の一部を一緒に過ごし、
作品として切り取れたことは、わたしのクリエイター人生の中でもずっと宝物です。
いつか、懐かしいねえって集まれたら嬉しいです。
ありがとうございました。おつかれさまでした。
笹原 清明/photographer
アートディレクターの高山さんからは最初に行った海で撮りましょう。
青で、と。
当日はいい感じにどんよりした天気で見事にDEEP BLUE。覚悟を決めた彼女たちの表情は凛々しくて爽やかでした。デビュー当時の撮影では草むらの中から飛び出す虫が怖くて泣いていたメンバーもいましたね(笑)。あの時よりも少しだけ?いっぱい?たくましくなった3人はいつも通りずっと笑っていました。アイドルなのにジャケットが遠い後ろ姿だったり、真っ白に飛んで顔が見えないアーティスト写真を使うのはあなたたちくらいです(笑)。
二度とない美しい季節sora tob sakanaを見つめられてとても幸せでした。深い海の底から夜空の果てまで、泣いたり笑ったりしながらいつまでも元気でいてください。ありがとう。おつかれさまでした。
小島康太郎(FLAIR)/Mastering Engineer,Connector
sora tob sakanaではマスタリングエンジニアとして、2018年の『alight ep』から始まり今回のラスト・アルバム『deep blue』まで携わらせていただきました。
“Lightpool”という曲からマスタリングしたかと記憶していますが、音が出た瞬間に今までイメージしていたアイドル・ソングとは全く違う! と感じました。
その後もマスタリングの度にいい意味で裏切る感じが新鮮で一緒に作っていて楽しかったです。
そんなクリエイティブな面を支えているのが楽曲を作っているプロデューサーでもある照井順政氏。
初めて出会った時(今もですが)おとなしい感じの中に強い熱い想いを秘めてる感じが印象的な方です。
マスタリング当初はミックスが結構突っ込み気味だったのでその点は苦労しましたが(笑)
『deep blue』については1曲目の”信号”、これも通常アルバム1曲目しかもアイドルとなればド派手な感じで始まることが多い中、淡々と進みつつ広がり感もあるという、ここでもいい意味で裏切ってくれました!
2曲目からラスト前までは過去曲ですが全て現メンバーでの新録が続きアレンジも変更されているものもあり、ある意味ファンの方も新鮮に聴けるかもしれませんね。
マスタリング的には従来の「音圧重視型」から今のトレンドでもある「聴きやすさ重視」を意識していて特に今回はアルバムでしたので何回リピートして聴いても疲れない感じになっているかとおもいます。(物足りない方はボリュームあげて聴いてください!!) アルバム最後の曲”untie”は彼女たちと一緒に没入していく感じがなんとも言えない良い曲です。
(MVでは更に没入感に浸れるはずです!)
最後に、担当していたアーティストの解散は過去にも何度か見てきていますが毎回勿体ないというか残念な気持ちになります。今回は特にまだまだ上を目指せるかな、と思っていた矢先の出来事だったので本当に残念ですが前向きな判断かとおもうので、近い将来また復活することを期待します!
その時も寺口夏花・神﨑風花・山崎愛+照井順政=”sora tob sakana”として!!!!
最勝 健太郎(FOV)/映像作家・「knock! knock!」「信号」監督
今回監督をさせて頂いた信号という曲から感じたイメージは、別の世界線上にある別の地球でした。この感覚はオサカナの楽曲やアート全体に感じていて、ノスタルジックでありながら、どこか別の世界の歌に聴こえます。信号のMVがオサカナとする最後の仕事になるだろうと思っていたので、メンバーやスタッフ、ファンの方を想像して宇宙船のモチーフには「羽根」を選びました。また、別の世界との交信の為に冒頭やラストの光の点滅にはモールス信号を使っています。
オサカナの魅力はその純度、透明度にあると思っています。楽曲や作曲のプロセスは非常に複雑であるにも関わらずメンバーの無垢な歌声によってその透明度が一気にあがる。複雑性が不要なわけではなく「透視」に近い形で本質が見えるような印象があります。
僕自身が持っている世界観ととても近いものがあったので、正直解散が残念ですがメンバーの3人のこれからの人生と未来を応援しています。プロデューサーの照井さんをはじめ皆さんと貴重な時間を共有できた事に感謝しかありません。オサカナフォーエバー!!!
TONTON/VJ・「untie」監督
今回の『deep blue』では「untie」の監督をつとめさせていただきました。
「untie」は僕の内側にある世界をそのまま素直に引き出した作品です。
その内面がsora tob sakanaとの結びつきが強く、親和性の高かったとこが事がいちばんの喜びですね。
『deep blue』全体を通して曲や映像やライヴ収録などを視聴しながら想うことは、sora tob sakanaの全てが本当に唯一無二の存在であり、彼女たちを通して、皆様が掛け替えのない時間を旅した証だなと感じいりました。素晴らしい作品だと思います。
sora tob sakanaはファンの皆様も含めたひとつのナニカだと思ってます。
解散という区切りを迎えますが、sora tob sakanaとして同じ時を一緒に過ごせたことが誇らしく、いつでも光り輝いた6年間でした。本当にありがとうございました。
そしてメンバーのみんな、まじで楽しかった! ありがとー!
構成& 文 : 田尻菜穂子
過去記事
LIVE INFORMATION
sora tob sakana last oneman live「untie」
【日時】2020年9月6日(日)開場16:00/開演17:00 (終演21:00予定)
【会場】日本青年館ホール
【出演】sora tob sakana band set
神﨑風花・寺口夏花・山崎 愛
Gt 照井順政/Gt 馬場 庫太郎 /Ba 照井淳政/Key 森谷一貴/Key,Cho 鎌野 愛/Dr リンタロウ /Per,Cho 佐藤 香
【配信チケット(TIGET)】 前売販売期間:9月6日(日) 16:50まで
アーカイブ視聴可能期間:7日間
当日開演10分前から、当日券3,500円(税込)に切り替わります。
>>販売ページ
@JAM ONLINE FESTIVAL 2020
2020年8月29日(土)@Purpleステージ(Zepp DiverCity)
PROFILE
sora tob sakana
2014年に結成。神﨑風花、寺口夏花、山崎愛からなる3人組グループ。通称 オサカナ。
音楽プロデュースの照井順政(ハイスイノナサ、siraph etc)が作り出すポストロック、エレクトロニカといったジャンルのサウンドを基調にした物語性の強い楽曲と、メンバーの紡ぐイノセントな歌声、表情豊かなパフォーマンスが唯一無二の世界観を作り出し、アイドルファンのみならず、こだわりの強い音楽ファンからも厚い支持を得ている。
また近年、「ハイスコアガール」、「ハイスコアガール2」や「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2」など多くのアニメ作品の主題歌を担当。特に「ハイスコアガール」OP主題歌「New Stranger」はアニメ/アニソンファンたちをもうならせ、一躍sora tob sakanaの名前を世に知らしめした。
ワンマンライブや主催フェスも積極的に行い、2019年には東京・大阪・名古屋でのワンマンライブツアーを開催。各地でソールドアウトした。また2020年2月にはSHIBUYA O-EAST、O-WEST、duo music EXCHANGE3か所にて、アイドル、アニメ、バンドシーンで業界内外で注目をアーティストらを集めサーキットフェスを主催で開催した。