福岡・久留米市の星、THE FOREVER YOUNGが歌う”現代版日本語青春パンク”に込めた人生の喜怒哀楽
福岡県久留米市で結成された3人組バンド、“エバヤン”ことTHE FOREVER YOUNGが3枚目のシングル『ミッドナイトライナー』をリリース。表題曲の「ミッドナイトライナー」に「泣けよ男だろ」「現実逃避行」の3曲をレヴューで紹介。”現代版日本語青春パンク”を牽引してきたバンドの熱気を全身全霊で感じてほしい。
「青春を終わらせない」という宿命を背負ったバンド
YouTubeのMVのサムネイルも、アーティスト写真もむさくるしい。ステージが終わった後のライヴハウスの楽屋の熱気が流れこんでくる。
そして知っている。地元で周囲の連中がとっくに音楽を辞めても、そのまま楽器を手放せずにいる男たちの顔だと。
「エバヤン」ことTHE FOREVER YOUNGは、福岡県久留米市出身のバンド。2007年にKARIBUxNOxKAIZOKUとして結成され、2014年にTHE FOREVER YOUNGへ改名。さらに、メンバー・チェンジを経て2019年4月にギターのタカノジュンスケが加入し、現在はヴォーカルとベースのクニタケヒロキ、ドラムのオガワリョウタ、そしてタカノジュンスケの3人体制となっている。
新体制となって初めてリリースされ音源が、シングル『ミッドナイトライナー』だ。冒頭でクニタケヒロキが「想い出はもう色褪せたかい?」と激しく歌いあげた瞬間、ブルースを感じた。心地良い具合に枯れた喉だ。さらにサビで、「全部壊れちまって / 前が見えなくなっても / 俺とキミの声は響いているから」と歌われると、シンガロングが起きるフロアが目に浮かぶ。フロア・アンセムになるのはこういう楽曲だろう。
THE FOREVER YOUNGは、「ミッドナイトライナー」において肯定を繰り返す。それをGOING STEADYのような青春パンクの系譜の上に置くこともできるかもしれない。しかし、現在33歳のクニタケヒロキが「ミッドナイトライナー」を歌うと、人生の喜怒哀楽を吸いこんだ、より深いメッセージを感じさせるのだ。
カップリングの「泣けよ男だろ」は、2019年3月からライヴ会場限定で発売されていた楽曲。居酒屋を舞台にしたこの楽曲でも、冒頭からシンガロングの予感がする。もう1曲のカップリング「現実逃避行」は弾き語り。
「泣けよ男だろ」も「現実逃避行」も2分台で終わる簡潔さで迫ってくる。
THE FOREVER YOUNGは、「俺とキミの歌」「俺とお前の歌」を歌う。それは「終わりなき青春」というよりも、「青春を終わらせない」という宿命を背負ったバンドの熱を感じさせるのだ。だからこそ、彼らは数々のフェスに招かれているのだろう。安定した大人になることを捨てた男たちのパンクを聴くことができるのが、THE FOREVER YOUNGの「ミッドナイトライナー」なのだ。(text by 宗像明将)
LIVE
ミッドナイトライナー発売記念
「ミッドナイトライナー久留米行き」
2019年6月29(土)@久留米ウエポン
「ミッドナイトライナー東京行き」
2019年7月4日(木)@渋谷O-WEST
GIANT LOOP FES 2019
2019年6月22日(土)@神金村神スタ広場
FREEDOM NAGOYA 2019
2019年6月23日(日)@愛知県名古屋大高緑地特設ステージ
BROTHERHOOD vol.34
2019年6月24日(月)@大阪十三FANDANGO
京都大作戦2019~倍返しです!喰らいな祭~
2019年7月6日(土)@京都立山城総合運動公園太陽が丘特設野外ステージ
PROFILE
THE FOREVER YOUNG
2007年に福岡県久留米市にてKARIBUxNOxKAIZOKUとして結成。
2014年4月にバンド名をTHE FOREVER YOUNGに改名。
2016年10月30日に地元久留米のライブを最後にヒラヤマリョウタ、ヒラタタクヤが脱退。
止まることなく2日後の11月1日の八戸ROXXからサポートメンバーとともに活動を再開。
2019年4月29日の福岡BEAT STATIONでの-俺が肩を抱いてやるからTOUR-のファイナル公演よりタカノジュンスケ正式加入。
現在に至る。