2021年は勝負と成長の年に──空想と妄想とキミの恋した世界、3ヶ月連続インタヴュー vol.3
エモロックとミリタリーロリータ風衣装に身を包み〈絶対的オシャレエモカワ〉をコンセプトに活動中のアイドル・グループ「空想と妄想とキミの恋した世界」。
3ヶ月連続、独占ハイレゾ配信とインタヴューの最終回をお送りいたします。
INTERVIEW vol.3 : ...iconic...
2021年1月17日に開催される渋谷TSUTAYA O-WESTでのワンマン・ライヴへ向けた、OTOTOYの短期集中連載も遂に最終回。今回ハイレゾ音源が配信されるのは、空想と妄想とキミの恋した世界の楽曲の中でもひときわポップな「...iconic...」だ。今回は、6人ヴァージョンと5人ヴァージョン、そしてインストルメンタルが収録されている。そして、渋谷TSUTAYA O-WESTでお披露目される新メンバーのオーディションもいよいよ佳境へ。ワンマン・ライヴへの不安、新メンバー加入への葛藤の中で揺れ動くメンバーの声をお届けしたい。
インタヴュー : 宗像明将
撮影 : ペータ
どこで誰がウケるかというのは本当にわからない
──最後にハイレゾ音源で配信されるのは「...iconic...」ですが、みなさんにとってどんな楽曲ですか?
中山 : 「…iconic…」は辞めちゃったほっぴー(堀井美佑)のイメージが強くて……歌い出しだし。今は私になったんですけど、やっぱり意識しちゃいますね。
──自分のものに変えられた感触はありますか?
中山 : まだライヴで5人バージョンで、自分のパートとしてやったことがないので、何とも言えないです。今日(2020年12月2日)、「…iconic…」の立ち位置を入れてきたんですよ。曲はかわいい部分もあるけど、その中にも闇がある感じで。すごい不安ですけど、そういうのを表現できたらいいな、と思います。
仲谷 : 曲調はかわいくてアップテンポなのに、歌詞が毒っぽくて。「二重人格な曲だな」って思います。
──そういう部分に自己投影したりしますか?
仲谷 : うーん。あんまり理解はできないけど、空想はそういう色があってこそ、っていうところがあるから、かわいい曲だけど「ザ・空想だな」って。
松樹 : 曲調が「空想っぽくないね」って言われたりしたんですけど、でもよく聴くと、すごいトゲトゲしたことを言っているし、本当はめちゃめちゃ空想っぽい曲。
今井 : いちばん自分には似合わない感じのポップな曲調ではあって。陰にいたい。だけど私自身は好きです。かわいいけど言ってる言葉がトゲトゲしかったり、強いことを言っていておもしろいと思います。
有沢 : 「お客さんがライヴ中すごく楽しそうだな」って思いました。跳んでいたり。自分自身にとっては、かわいい曲。私、空想の曲は全部好きなので、「…iconic…」みたいなポップな曲も好きだし、「廻廊」みたいな曲も好きだし。
──今回でOTOTOYの集中連載は最終回です。新メンバー募集はどんな状況でしょうか?
じょじょ。(プロデューサー) : 今日、最終オーディションをしてきました。
──みなさんは新メンバーの応募者に会って、どうでした?
全員 : ……。
今井 : ……今いちばん自分たちの中で触れづらい問題です。
──いい子はいるけど判断しづらい?
今井 : そうです。
仲谷 : 今のみんなの気持ちを代弁すると、うちらも何回も話しあってきてるんですけど、「やっぱりこの5人でやりたいよね」という気持ちが強くて。でも、現実問題を考えたら、やっぱりずっと空想は6人体制でやってきたので、ひとり抜けると、売り上げとか、そういう数字の部分ががっぽりなくなっちゃうわけですよ。それで先を見据えて「うちらが目指したい場所は何なんだろう?」って考えた時、「やっぱりもっと大きいイベントに出たい」とか、そういう目標になったとしたら、「やっぱりいれたほうがいいよね」ってなっています。
──ちなみに最終候補は何人いるんですか?
仲谷 : 今のところ、ひとり。
──今の話を聞いていると、その子がはいってうまくいきそうだったらいれる、あまり変わらなさそうだったらいれないという判断もありだと思うんですよ。
仲谷・今井 : そこの判断ができない。
仲谷 : やっぱりみんな十人十色じゃないですか。ファンの人の好きな子も十人十色だから、どこで誰がウケるかというのは本当にわからない。その子が世間一般的にどこまで人気になれるのか、というのが全く分からない。
──今日も現在進行形で悩んでいるわけですね。
仲谷 : うーん。「いれなきゃいけないな感」は話しあいの中ではあるんですけど、正直心の底から本当の気持ちを話すと、「5人でがんばりたいな」って。
シンプルに時間がない
──でも、そう考えられるような状況まで来たのはすごいですよね。最初のインタビューがこの秋口くらいですが、堀井さんが卒業してからいろいろと変化があるなかで、自分たちに足りないものを感じたりしますか?
仲谷 : ……ぶりっこキャラが足りない。アイドル界ではマジョリティな感じじゃないですか。
中山 : 私は「お客さんの数が足りないな」って。
──どういう要素があればいいと思いますか?
中山 : 顔。あと、自分も全然できないんですけど、ダンスのキレがない。基礎的な力がある子だとありがたく思います。
有沢 : 私も足りないのは「顔」ってなっちゃいますね。
松樹 : 「ザ・オタクウケ」みたいな。
──分かりやすいキャラクターが必要だとみんな感じているわけですね。……いましたか?
松樹 : ……(首を横に振る)。
今井 : 今の私たちに何かを混ぜて、急な変化が起こるのがちょっと怖い。何が正解なのかずっと見つけられない。「どんな子がいい」とかそういうのも、想像がつかない。どんな子が5人に当てはまるのかがよくわからない。
──こういう子はあわないな、っていうのはあったりしますか?
今井 : わがまま(笑)。
──それはたしかに(笑)。そんななかで、1月17日の渋谷TSUTAYA O-WESTへ向けた不安はありますか?
松樹 : レッスンの度に「不安だね」ってメンバーと話しています。フォーメーションとか元から覚えるのが苦手なのに、5人バージョンと6人バージョンを一緒にやっていくことになったら絶対頭こんがらがるし。しかもO-WESTでワンマンで、ってなったら緊張するだろうし。
──そういう話はメンバーとしないんですか?
松樹 : 結論としては「もっとレッスンをいれよう」と。
中山 : シンプルに時間がないです。これから新メンバーをいれて6人体制で、ってなると。もちろんO-WESTを埋められるかどうかも不安なんですけど、今は5人体制で、また6人体制に戻ってレッスンをやり直さなきゃいけないから、間にあうのか不安です。「私たちもがんばらなきゃいけないし、新メンバーも相当がんばらないと間にあわないだろうな」って思います。
──新メンバーはお披露目までに全曲覚えさせるんですか? 数曲だけ、というパターンもよくありますよね。
じょじょ : そういうパターンもあるかもしれませんね。顔出しだけとか。
──新メンバーならそれでも許されるし、そういう手もありますよね。
中山 : うーん。でもいつかはやらなきゃいけないから。
今井 : 私はチケットが不安。
──売り上げ状況とかは聞いていますか?
今井 : いちばん初めの状況しか知らなくて。もし一般チケットの売れ行きが止まってしまったら、そこからどう伸ばすかを考えなきゃいけないし。
──そういう話は他のメンバーとしますか?
今井 : 話題には出るけど、具体的に何をするとかはまでは話せていない……。
仲谷 : 今、またコロナが増えているから、無事開催できるかどうかもちょっと不安になってきたな、って。あと、今チケット取ってくれている人も「コロナ増えてきたから、チケット取ってるけどやっぱり行かない」ってなったとして、ステージに立ってあんまり人がいなかったらいやだな。
有沢 : 私もチケットが伸びないのが不安だな、と思っていて。
──自分から売れ行きは聞かないんですか?
今井 : 聞くのが怖い。
新メンバー候補の子と一緒にご飯を食べている夢を見ました(笑)
──逆にTSUTAYA O-WESTでやってやるぞ、みたいな気持ちも高まってきましたか?
仲谷 : うーん。新メンバーについての話しあいを何回もやって、それで今頭がいっぱいになっていた時期ではあったかもしれない。
──話しあうことによって空気は変わってきましたか?
仲谷 : より一層みんなで目指すところを確認できたというか、「どういう目的でこうしていきたいか」みたいな気持ちは一致はするようになった。すごいいいこと。
中山 : 本当に最近いっぱいいっぱいで。……いっぱいいっぱいでした(笑)。
──それは朝起きてから寝るまで?
中山 : 夢に出てきます。北海道に遠征して、新メンバー候補の子と一緒にご飯を食べている夢を見ました(笑)。「あれ?」って思って起きて。
──潜在意識では、一緒に北海道に行きたいんじゃないですか?
中山 : 分かんない〜(笑)。O-WESTも考えなきゃいけないですけど、正直そこまで行き着いていなくて……。
松樹 : O-WESTに向けて、ブログをみんなで回したり、ワンマンライヴに向けての動画を回したり、SHOWROOMも始まったりして。そういうところから「近づいてきたんだな」という実感はあります。
有沢 : SHOWROOMで「O-WESTでやります、きてね!」って言った時に、お客さんが反応してくれた時はテンションが上がります。
今井 : 何も変わらない……。いつも私は常に一日を生きるのが大変なので、がんばって生きています。でも、元気ではあります。
──こないだ仲谷さんに自己啓発本などを貸してもらったという話をしていましたが、そういうのを読んで元気になってきたとかは特にないですか?
今井 : それはないですけど……。でも、これで「いやだな」とか言っていても意味がないので、「がんばろう」とは思って……。がんばっているんですけど、ずっと続かないので、今はたまに休息しつつ。でも、この前に比べたら、たぶん大丈夫です。
──あの時はもっと思いつめていたと。気分の上がり下がりの波があるんでしょうか?
今井 : ありますね。 下がっている時にワンマンを迎えてしまわないか、そこが不安です。あはは……。
──それはコントロールできそうですか?
今井 : レモンサワーと緑ハイが好きなんですけど、最近はお酒を気をつけています。飲み過ぎて、ひとりで飲んでひとりで吐いて、というのを毎日繰り返して、「本当に体壊すよ」って周りのみんなから言われて。
──ひとりで飲んでいる時に他のメンバーに連絡はしないんですか?
今井 : 酔っ払った勢いで送ります。覚えていないから朝起きて恥ずかしい。
──みなさんはどんなLINEが来てるんですか?
中山 : 「さみしい」って(笑)。
──素直でいいですね。基本的にみんな同じ感じですか?
仲谷 : 私にはこないです。
松樹 : こない。
有沢 : きたことない。
今井 : たぶんみんな私が酔っぱらって連絡していることに気づいていないだけです。
──あはは、逆に酔っぱらわないと連絡できないものですか?
今井 : 恥ずかしい。
──いろいろなウェブ媒体でインタビュー載るようになって、反響はありましたか?
仲谷 : 新しいファンはついた感じは今のところはないです……。でも、既存のファンの人の熱量はもっと上がってきているように感じます。
中山 : ウェブメディアを見たかた限定でシークレットライヴをやらせていただいたんですけど、「新しい顔、いたかな?」って……。既存のファンの人はもちろん探してくるじゃないですか。やっぱり現実はうまくいかないな、って思っちゃいました。
松樹 : 知らない人にフォローをされて「もしかしたらウェブメディアを見てくれた人かな?」って思ったりするけど、現場にくるまでの領域には達していない。
今井 : たぶんそんなに変わっていない……。でも、いろんなウェブメディアに取り上げていただいて、「こんなことできているんだ、自分」って思えるようにはなりました。親戚とかにいっぱい報告ができるようになりました。
有沢 : 「何も変わらなかったな」と思っているんですけど、でも、ライヴハウス付近とかを歩いていて、知らないの顔の人から「空想じゃん」って言われることが増えた……みたいなことを松樹さんが言っていました。
松樹 : ……。
──黙っているけど、ドヤ顔をしていますね(笑)。今、これをやらないと後悔する、というものはあるでしょうか?
仲谷 : とりあえず後悔しないように、今必要なことはみんなとやっていて。あと何が必要なんだろう? 自分たちができる範囲で……。
──突然Twitterで不安を語りだすのはどうですか?
仲谷 : 私がですか? いやー……。書いたことないですよ。本当にみんな心配すると思う(笑)。
中山 : 個人的に、ダイエットします。
──今めちゃくちゃマクドナルドを食べているけど大丈夫ですか?
中山 : 今日はグラコロ発売日だったので(笑)。自分のビジュアル面をもっとちゃんとしたくて。デビューの時に戻します。
松樹 : 強化したいところは、表現力。堀井さんが抜けて、ニコニコしていい枠がなくなったから、今後はもっとかっこいいに寄せられるし。だから表現力を身につけて、魅せることを完成させたいです。
今井 : 生きる。今を必死に生きて、一日一日を大事に生きたいなと。
──今井さんの生きづらさの原因は特定できていますか? ……なぜ笑顔でうなずいているだけなんですか?
今井 : 分かんない。たぶんそこを考えすぎちゃうから、すごく嫌にもなるし、投げ出したくなっちゃう。
有沢 : 今も精一杯やっているので、今やっていることをちゃんと全部やりきりたいなと思っています。
来年は、空想にとって生きるか死ぬかの年
──レッスンも含めて、今やっていることを全部がんばっていきたいと。TSUTAYA O-WEST以降の空想は、どうなるのかというイメージはできてきたでしょうか?
有沢 : O-WESTより大きいところでワンマンとかができるようになっていたいな、って。みんなで話していたんですけど、恵比寿LIQUIDROOM。渋谷TSUTAYA O-EASTとかも。
今井 : 来年は、空想にとって生きるか死ぬかの年だと思うので、絶対に落としちゃいけないし、2021年も空想として駆けていきたいです。
松樹 : O-WESTが成功したていだったら、めっちゃ自信持てるだろうし。
──もしそうじゃなかった場合も考えているわけですよね?
松樹 : でも、成功したら成功したで自信がついて「もっとやっていこう」と思えるし、失敗しちゃっても「悔しいからがんばろう」って、どっちにしろそうなると思います。
──前向きでいいですね。中山さんは?
中山 : 私ずっと「TIF」に出たいんですよ。来年こそは。
──オンラインでもいいですか?
中山 : 嫌だけど〜……しょうがないじゃないですか。ちゃんと「TIFに空想さん出てください」って呼んでいただきたいです。あとは、アイドルだけじゃなくても、バンドが出るような大きいフェスとかにもたくさん出たいと思います。楽曲もいいので。
仲谷 : 外側も内側もビッグになる。心の面でみんなで成長したい。
──今のみんなの成長度合いはどうですか?
仲谷 : 前回もお話ししたと思うんですけど、まだ彼女(今井)が……。でも、同じステージでみんなでビッグになっていたい気持ちです。
──なれそうですか?
仲谷 : なれると思います、さすがに。いろんなこと乗り越えてこそメンタル面も鍛えられると思うから、そういう局面はこれからも増えると思うし。
──外側って、具体的にどのようなものを意識していますか?
仲谷 : 「TIF」や「@JAM」、「DDD」や「ギュウ農フェス」とか。大きいイベントには呼ばれていたいし、今「アイドル甲子園」さんとかに出させていただいていても、ずっとメインステージには立てていないから。メインに立ちたい。
──「DDD」はLeadiっていう主催元の会社に電話すれば出られると思いますよ。
仲谷 : 電話してくださ〜い。
じょじょ。 : してるよ! タイミングがあわないだけです。
──あと、「ギュウ農フェス」は出る秘訣があります。「出たい!」とTwitterで言っていれば、気合い重視なので注目してくれます。
仲谷 : そうなんですか? 今日からみんなでやろう(笑)。
3ヶ月連続インタヴュー BACK NUMBER
vol.1 この曲がなかったらいなかったかも
vol.2 目標に向けてみんなでひとつに
LIVE
空想と妄想とキミの恋した世界「単独公演、白昼夢。」
日程 2021年1月17日(日)
開場 13:15
開演 14:00
場所 TSUTAYA O-WEST
PROFILE
空想と妄想とキミの恋した世界
2018年12月結成。「絶対的オシャレエモカワ」をキーワードに活動中のアイドルグループ。
メンバーは仲谷瑠夏、有沢ありさ、松樹マユウ、中山みる、今井なぎさの5人。
ミリタリーロリータ風オリジナル衣装やアパレルブランド「ToAlice」協力の衣装を身に纏い、荘厳でゴシック色強めなエモ系バンドサウンドにアレンジされた楽曲に乗せ、オトナとコドモの間で揺れる思春期の不安定な心情を綴った歌詞を歌う。
2020年10月から「空想WEBメディアジャック計画」を発動中。
2020年12月には無期限延期していた初CD「未成年とか。」をライブ会場限定発売。
2021年1月にはグループ最大規模の渋谷TSUTAYA O-WESTにてワンマンライブ開催予定。