でんぱ組.incが"初レゾ"体験!――【REPORT】でんぱ組.incと一緒に新曲をCD&ハイレゾ&アナログ&カセットで聴き比べてみた!

でんぱ組.inc、初のハイレゾ作となるシングル『でんぱーりーナイト』がリリースされました!!! 表題曲「でんぱーりーナイト」はこれまでも数々のキラーチューンを提供してきた玉屋2060%(Wienners)が作詞作曲。まるでサーカスの世界に迷い込んだような、オーケストラ&マーチングで構成された華々しいサウンド。カップリングには初の冠番組CX『でんぱジャック - World Wide Akihabara -』のオープニング・テーマ「バリ3共和国 」、そしてそれぞれのオフ・ヴォーカルを収録。
さて今回、彼女たちはCDとハイレゾ配信に加えて、7インチ・アナログ・レコード、カセットと、4形態でリリースするという試みを行いました。しかもそれだけじゃない。「いや、でも、これって本当にちがうの?」という純粋な疑問にお応えするイベントを急遽企画!! その名も〈みんなで「でんぱーりーナイト」聴き比べ! 試聴会~ウェルカム トゥ でんぱーりーナイト~〉。全4形態をじっくり聴き比べたのです。オフィシャル・ファンクラブ「でんぱとう」会員様限定イベントのため事前に告知は行えませんでしたが、実はOTOTOYのイベント・スペースで開催したんです〜!! OTOTOY編集長 飯田仁一郎をハイレゾの解説にむかえ、メンバーとファンの皆様と一緒に「"初レゾ"体験」してもらいました!
レポート : 前田将博
撮影 : チェリーマン
でんぱ組.inc、初のハイレゾ作品!!
でんぱ組.inc / でんぱーりーナイト
【配信価格】
ALAC / FLAC / WAV(24bit/96kHz) : 単曲 328円 / アルバム 1080円(各税込)
【Track List】
01. でんぱーりーナイト
02. バリ3共和国
03. でんぱーりーナイト (Off vocal)
04. バリ3共和国 (Off vocal)
そもそもハイレゾとは?
High-Resolution(= 高解像度)の略称が"ハイレゾ"。一般的なCDの規格である16bit/44.1kHzを超える情報量を持つ音源(例:24bit/48kHz、24bit/96kHz)をこう呼びます。文字通り、高い解像度を誇る音源であり、音の波形をより滑らかにデジタル化しています。そのきめ細やかな再現によって、音質の低下によってカットされてしまったほんのわずかな息づかいや曲のディティールから、録音した"場"の空気感なども含めて感じ取ることができます。
クイック・ガイド! ファイル形式はどれがいい?
【WAV】
様々なビットレートに対応し、高音質再生が可能だが、非圧縮で容量が大きく、アーティスト名などのメタ情報が入力されていないなど扱いにくい場合がある。が、総じて、どのようなプレイヤー、機器でも再生できる。
【ALAC】
Appleが開発した可逆圧縮の音声ファイル形式、Apple Lossless Audio Codecの略称。同ビットレート/周波数であればWAVと同音質で、24bitのハイレゾ音源にも対応。70%から50%のファイルサイズの圧縮ができる。メタ情報も入っているので管理もしやすい。iTunes派はこちらがオススメ。OTOTOYの場合は、アーティスト名 / アルバム・タイトル / トラック番号 / ジャケット画像の情報が埋め込まれているので、iTunesのライブラリでスッキリ管理ができます。
【FLAC】
可逆圧縮の音声ファイル形式。こちらも音質の劣化なく、70%から50%のファイルサイズの圧縮ができる。メタ情報も埋め込めるなどALACと非常に近い利便性があるがiTunesには対応していない。24bit音源にも対応しているため、ハイレゾ器機やプレイヤーの多くで再生が可能。OTOTOYの場合、ALACと同様、細かなメタ情報が埋め込まれています。
>>FLACの解説・聴き方の詳細はこちら
【mp3】
不可逆圧縮音源なので容量が小さく小回りが利くが、音質がCDの音質より劣る。
でんぱ組.incは良い意味で特殊なアイドルで、それぞれの楽しみ方がある

11月26日に発売されたばかりのでんぱ組.incの新曲「でんぱーりーナイト」の試聴会〈みんなで「でんぱーりーナイト」聴き比べ! 試聴会 ~ウェルカム トゥ でんぱーりーナイト~〉が、11月27日にOTOTOYで開催された。
新曲はCDのほかにカセットテープ、レコード、ハイレゾ音源でも発売されており、今回のイベントでは、メンバーがファンクラブ会員と一緒にそれぞれの音源を聴き比べて音の違いを体感しようというもの。イベントは2回にわけて開催され、参加できるファンは各回30名ずつという狭き門。会場に集まった幸運なファンが着席すると、まずは所属レコード会社の山岸直人がイベントの趣旨を説明。ここで来場者にどの音源を購入したか訊いたところ、CDはほとんどの人が購入済み。カセット、アナログが5人ずつくらいで、ハイレゾはわずかにひとりだった。

拍手に迎えられながら、お待ちかねのメンバー登場。ハイレゾの話題を振られるも、メンバーはみんなほとんど知らない様子。そこでOTOTOYの編集長、飯田仁一郎がハイレゾ配信がはじまった経緯や、音の違いについて説明。音質の良さをCDの盤やクリア・ファイルの大きさに例え、ハイレゾはより大きな領域に波紋が広がっていくことで音が繊細に聴こえることを説明すると、メンバーも来場者も思わず「へー!!!」と納得していた。続いて、メンバーから飯田に質問。夢眠ねむが「ハイレゾをギュッとしたのがCDなんですか?」「車で聴くときやDJをやるときに、ハイレゾをCDに焼いちゃうとダメ?」など鋭い質問を投げかけると、飯田は「CDは形が決まっちゃっていて、それ以上発展しなかった。でも、録音の技術はどんどん発展していったから、ハイレゾで配信しようって流れになった」「CDに焼かずにUSBメモリに入れたり、パソコンのまま持ち込めばハイレゾで再生できる」と答えた。さらに古川未鈴からの「拡張子はなんですか?」という少しマニアックな質問には、飯田がWAVやFLAC、ALACなどの拡張子を挙げ、それぞれの特徴を丁寧に説明した。WAVという単語をみんな当たり前のように知っているあたりは、さすがでんぱ組.incだ。説明を訊いていた相沢梨紗は「早く聴きたくなってきました」と待ちきれない様子。そこでいよいよ、各音源を順番に聴いていくことに。メンバーも客席の前方に座り、一緒に聴く。

まずはCDから試聴。相沢がプレイヤーのスイッチを入れると、聴き慣れた音にみんなそれぞれ頷く。2コーラスほど聴いたところで、次はいよいよハイレゾ音源へ。飯田が改めて「細かさを聴いてください。よくよく聴くと違いがわかります。すごい違うってわけではないけど、密度、奥行きなどを」と聴き所を語ったあと、成瀬瑛美が緊張気味にパソコンの再生ボタンを押す。初のハイレゾ体験、略して”初レゾ”(メンバー命名)に、場内は真剣な表情で聴き入る。やはり、CDとはかなり違った感触があるようだ。藤咲彩音が「それぞれ楽器の音や歌が別々に、綺麗に聴こえた」と語れば、古川は「音のざらつき感が減ってた」、相沢は「音が静かなところでも、より静寂感を感じた」と思い思いの感想を述べる。客席も、大半の人が違って聴こえたとのことだ。飯田が、いまはiPhoneでもハイレゾが聴けることを明かすと、メンバーは「えー!」「聴きたい!!」と興奮気味。ハイレゾをだいぶ身近に感じたようだ。
続いて、最上もがが再生スイッチを入れて、レコードの試聴。相沢は「ハイレゾよりもパーカッション系は強く聴こえた」、夢眠は「レコードならではのパチパチ感。ダイナミック感が強い」、古川は「意外とはっきり聴こえる」とコメント。さらに夢眠は山岸に、さまざまな形態で音源をリリースする趣旨を問う。「でんぱ組.incは良い意味で特殊なアイドルなので、それぞれの楽しみ方があるし。音源もただみんな同じように聴くのではなくて、いろんな楽しみ方を用意して。リスナーに合わせて、なるべく幅広い選択肢を作りたいなと思って今回リリースしました」との答えには、大きな拍手が起こった。なお、第2部では古川がレコードに針を落とす役割に挑戦。馴染みのない作業に苦戦する彼女の姿に、会場は暖かいムードに包まれた。


続いてはカセットへ。現在プレイヤーを持っている人は少ないものの、客席も含めほとんどの人はカセットの音は体験したことがあるようだ。特に古川はカセットでSPEEDを聴いていたことや、「ウォークマンの電池が無くなってくると再生速度が遅くなってくるよね」といったエピソードを披露。最上は「テープを引っ掛けると壊れたりするよ」、成瀬は「ツメをセロテープで貼れば上書きで録音できるからすごい」と、それぞれの思い出を語った。藤咲がスイッチを入れて試聴スタート。親近感あふれる音に、メンバーはイントロから笑顔に。曲中に音が一瞬飛ぶというハプニングもあり、彼女たちは大爆笑だった。カセットでは、夢眠のリクエストでカップリングの「バリ3共和国」も試聴。夢眠は「ハイレゾのことを思い出すと、全部聴けるいまってすごいね」、相沢は「不安的な感じがたまらないね」と感想を述べた。

すべての試聴を終え、相沢が総括する。「いろいろ聴けたのはうれしかったし、特に後半に聴いたものはコピーができない良さがあるなって思って。でんぱ組.incは秋葉原でチェキとかを毎日売ったりしていて、それにサインをして。ポーズが同じだろうが、絶対に1枚1枚違うものしかないのがチェキの良さだよねって言っていたのが、改めてこういう音源の形として感じることができたのが、うれしいなって思いました。お家でも聴けるようになりたいと思いました。今日はすごいいい経験をさせていただきました。みなさんも一緒に聴いていただき、ありがとうございました」とあいさつした。
ハイレゾやアナログに多くの人はまだまだ馴染みが薄い中で、イベント終了後に客席の多くが、機会があればハイレゾを買ってみたいと答えていた。山岸も、希望があれば今後もさまざまな形態でのリリースを続けていきたいと語っていたのが印象的だった。ただリリースするだけでなく、でんぱ組.incのメンバーと一緒に音の違いを体感できるという貴重な機会を作ってくれた関係者に、拍手を贈りたい。とても有意義かつ、うれしい1時間だった。
でんぱとう会員様限定イベント
みんなで「でんぱーりーナイト」聴き比べ! 試聴会~ウェルカム トゥ でんぱーりーナイト~
日時 : 2014年11月27日(木)
時間 : (1)18:00の部 (2)20:00の部
場所 : オトトイ株式会社
定員 : 各回30名様
内容 : ハイレゾ、レコード、CD、カセットテープを聴きくらべる「でんぱーりーナイト」試聴会。でんぱ組.incメンバーと一緒にそれぞれの聴き方を楽しもう!
でんぱ組.inc 過去作品
でんぱ組.inc / 愛があるから!!
2014年9月27日(土)より角川シネマ新宿他で公開されたCGアニメ劇場版『gdgd妖精s っていう映画はどうかな…?』主題歌。テレビ・シリーズ終了から1年半で復活する劇場版。脚本には、脱力系アニメ「Peeping Life」で話題を呼んだ「森りょういち」が参加。
PROFILE
でんぱ組.inc
古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音の6人組ユニットで、「秋葉原ディアステージ」に所属し、様々な活動を展開。メンバーはもともと、アニメ・漫画・ゲームなど、自分の趣味に特化したコアなオタクでもある! また最近は、東京コレクションや、ミキオサカベをはじめとして様々なクリエイターとのコラボレーションなどを活発に展開。国内のみならず海外からも注目を集め、台北やジャカルタでのファッション・イベントに参加、さらに日本代表として「JAPAN EXPO 2013」にも出演。東西野音ツアーでのワンマンライヴも満員のファンで埋め尽くされた。TOY'S FACTORY×もふくちゃんの新レーベルMEME TOKYO所属。シングル『W.W.D / 冬へと走りだすお!』が、マイナスからのスタートなめんな! というキャッチフレーズで話題になり、さらに、10月2日にはシングル『W.W.D Ⅱ』をマイナスからのスタートやっぱキツい!? をキャッチフレーズにリリースし、オリコン3位を獲得!
RECOMMEND
オリコン・デイリー・チャート8位を記録した100円CD収録の「桃太郎」「千利休」をはじめ、サウンド・プロデューサーkenmochi hidefumiのエディットが光る「チャイコフスキー」「インカ」など、捨て曲なしの8曲を収録。水曜日のカンパネラのブレイク・ポイントとなるであろう待望のミニ・アルバム!!
BELLRING少女ハート / EPEP EP(24bit/48kHz)
ベルハー最強のキラー・チューン「the Edge of Goodbye」ぶりにタニヤマ氏が手がける、破壊力抜群の新曲「rainy dance」!! ディレクターの田中がタニヤマ曲に対抗すべく、初めて編曲に挑みエンジニアを精神的に追いつめた名曲「男の子、女の子」も収録!
プラニメ / Plastic 2 Mercy(24bit/96kHz)
BiS 解散ライブ内での発表で話題を集めた、カミヤサキ(元BiS)とミズタマリ(いずこねこ茉里)による新ユニット、プラニメ。デビュー・シングルはBiSや中川翔子の楽曲を手掛けるサウンドプロデューサー松隈ケンタ(SCRAMBLES)プロデュース。以前までプロデュースを行ってきたBiSとは違い、デジタルナンバーに松隈ケンタが得意とする切ないメロディーが映える新機軸な楽曲!!