音楽に仮面は必要? 天狗バンドと元ビークル日高央が語る「バンドと仮面の関係性」

ビートクルセイダーズ散開を機に仮面をはずし素顔で活動する日高央(THE STARBEMS)と、売れなかったことを理由に天狗の仮面を付けて活動するthis is not a business。キャリアや活動スタイルは違えど、共通するのは仮面というキーワード。なぜ、彼らは仮面をつけなければならないのか? そして、長年つけてきた仮面をとってみた音楽生活とは? this is not a businessの2ndアルバム『WELCOME TO THE TENGU WORLD』リリースを記念して、日高央に対談をオファー、仮面をテーマに存分に語ってもらった。2者による対談から見えてきたのは、先輩・日高央の深い言葉と、仮面の裏からみえる喜びと悲しみだった。われわれリスナーが体験できない仮面の世界をじっくり覗き込ませてもらおう。
2ndアルバム『WELCOME TO THE TENGU WORLD』をリリース!
this is not a business『WELCOME TO THE TENGU WORLD』
2014年1月8日発売
1. tengu style
2. Paranoid android
3. PEANUTS
4. ONE by ONE
5. HOLY
6. ONE TWO
7. NOIZE
8. NANDO
9. donuts maker
10. Don't worry about me
『WELCOME TO TENGU WORLD』発売記念ワンマン・ライヴ!
オオカミさんの聖地でやらせてもらえるのがこの上ない喜びgood!! ライヴ by天狗
2014年1月25日(土)@渋谷eggman
OPEN 17:00 / START 18:00
チケット料金
前売3名セット券 5,500円
前売2名セット券 4,000円
前売1名券 2,500円
当日3000円 ※各ドリンク別
(当日学生証提示で1000円キャッシュバック)
INTERVIEW : 日高央 × this is not a business
天狗の仮面をかぶって活動を開始し、瞬く間に大きな話題となったバンド、this is not a business。そして、BEAT CRUSADERSでその名を世に知らしめ、10年以上仮面をかぶりながらバンド活動を続けた日高央。今回の対談では、両者が仮面をかぶっている理由や、仮面をしたことで得たものや苦労したことなどを、じっくりと語ってもらった。話のなかで両者に共通していたのは、仮面をつけたヴィジュアルからは想像できないほどの、音楽に対するストイックさと深い愛情。さらには、仮面を脱いだ前と後でのファンの男女比の違いや、今後も仮面をかぶって活動していくthis is not a businessへの日高からのアドバイスなど、興味深い話がたくさん飛び出してきた。普段は決して見ることのできない仮面の裏に秘めたる思いを、存分に感じとってほしい。
インタビュー&文 : 前田将博
写真 : 雨宮透貴
お面をかぶっている方が正当に音楽も評価されている
――今日は、もともとお面をかぶってた日高さんと、今かぶって活動しているthis is not a businessに話を伺います。
否戸田雲仙(G / 以下、否戸田) : 恐れ多いです。日高さんは仮面界のレジェンドですからね。
ーーthis is not a businessの場合は、各々が素顔でやっていたバンドがあまりうまくいかなくて、もう一回再起して売れるために仮面をかぶったという経緯があります。日高さんがお面をかぶっていた理由はまた少し違うんですよね。
日高央(以下、日高) : もともと俺はLD&Kっていう、つじあやのちゃんとかガガガSPをリリースしてたインディーズ・レーベル兼マネジメント・オフィスの社員だったんですよ。ビークル(BEAT CRUSADERS)もそこから出してもよかったんだけど、自社のアーティストに「日高さんは自分のバンドばっかりやって僕たちのことをやってくれない」って疑われるのが嫌だなと思ったの。それでビークルに関してはLASTRUMっていうレーベルに丸投げしてお任せして。で、それがバレたら会社や取引先のお得意様なんかに悪いかなっていう配慮で、一応お面をして素顔を隠してたっていう。まあ、すぐにバレちゃったけど(笑)。

――まわりにバレてしまったあとにも、脱ごうとは思わなかったんですか?
日高 : なんかもう「後には退けないな」っていう覚悟。そもそもそんなに売れると思ってなかったし、いまさら外すのもめんどくさいっていうのもあったし。ところで、this is not a businessはなんでお面を天狗にしたの?
否戸田 : 1回みんなデビューしたりしたときに天狗になってるので、自戒の意味も込めてこれ以上天狗にはならないようにっていう。
日高 : 深いなあ(笑)。でも、お面のチョイスは確かに大事かもね。俺もはじめはなんでもよくて、たまたま会社に置いてあった英字新聞かなにかに「オースティン・パワーズ」の広告が出ててマイク・マイヤーズの顔が一面ドーンってなってたから、最初はそのままスキャンして使っていたし。それをちょっとずつ変えていったんだけど、当時はPhotoshopも古かったからあれ以上の加工ができなかったんだよね。
否戸田 : だからピクセルっぽかったんですね!
日高 : そう、あの時代だったからなんだよね。今だったらポリゴンの3Dお面になってたからもしれない(笑)。
陣下須(B / 以下、陣) : でも、あの感じが斬新でしたもんね。
日高 : そうそう。たまたまあれしかできなかったから良かったのかもね。ちゃっちいくらいの方が、DEVOとかYMOとかの初期みたいな匿名性が高いバンドの勢いっぽいものがあると思ったし。
――ビークルがお面かぶっていたことで、より注目されて売れたっていう部分はあると感じます?
日高 : それがどうなのかはもはや自分でもわからないよね。でも、印象としてはお面だから売れたってみんな思うわけでしょ?
否戸田 : 僕は地元が九州だったんですけど、大学生くらいの頃にビークルさんをライヴではじめて観て。HUSKING BEEとかELLEGARDENとかMO'SOME TONEBENDERとかが出るイベントで、ビークルさんがお面をかぶって出てこられてかなり衝撃を受けました。そのインパクトがやっぱすごかったですね。

――お面をかぶったことで勢いがついたっていう部分でいうと、this is not a businessはビークル以上に大きいですよね。
陣 : 話題性もあると思うんですけど、それ以外も影響があると思いますね。僕らは素顔でやってるバンドもそれぞれ続けていたりするんですけど、天狗のお面かぶってると気持ち的になんでもアリになるんです。
日高 : 確かにそれはビークルもすごいあった。俺はBeckとかPavementみたいなもうちょっとローファイっぽいバンドをやってたから、下向いてシューゲイズな感じで弾いてた方がかっこいいと思ってた。でも、ビークルになってお面をかぶってからはそれじゃまずいと思って。ライヴはお面を取っちゃうので別でしたけど、PVとかはわかりやすいように大きく動いたり踊ったりしてて、やってるうちに自分でも楽しくなってきちゃったんだよね(笑)。
否戸田 : でもやっぱり、フェスとかでの反応も良いですからね。天狗をかぶってるとインパクトがあるし、知ってくれるきっかけにはすごくなるみたいです。いままでやってたバンドも良い音楽を作ってるつもりはあったので。知ってもらいさえすれば売れるって、それだけを信じて音楽をやっていたので。気軽なことのようで、それが一番大事なことなのかなって。変な話なんですけど、お面をかぶっている方が正当に音楽も評価されているというか。
陣 : そのぶん、僕らも手を抜けないんですよね。
否戸田 : ただの色物になっちゃうからね。
加藤小判(Vo / 以下、加藤) : 音楽はより真面目になってるgood。
日高 : 天狗の顔で言われても説得力がないってのを、お面10数年やってて実感しています(笑)。
一同 : あははは(笑)。
――お面をかぶっているとぱっと見、色物に思われがちですけど、逆に音楽を聴いてもらえるっていうのは興味深いですよね。
日高 : その真面目な思いで楽屋に挨拶しにいっても、取り合ってもらえなかったりするけどね(笑)。やっぱり硬派なバンドとか、楽屋からあまり出ない人たちには下手に仮面で行かない方がいい(笑)。
否戸田 : そのバンドのキャラによってと(笑)。勉強になります。でも、ビークルさんはお面をかぶってやってたけどバンド・マンからすると本当にサウンドは斬新でかっこよかったですね。パロディやオマージュをやっているのを見ても、それって音楽が大好きってことじゃないですか。そうじゃないとパロディできないから。それがビンビンに伝わっていましたからね。
日高 : 確かに、ビークルが終わったいまでもメガネで理系の男の子から「ファンです」って言われたりする。僕はもう音楽しか恋人いませんていう、お前絶対モテないだろうっていう人から(笑)。自分に似た人が多いんですよ。それは誇りですね。
否戸田 : バカにしてるように見られても、僕らもそういうところは手抜きせずにやりたいですね。
自分の素顔をそこまで安くは売らないぞと(笑)
――逆にお面をかぶってることで生まれるデメリットはありますか?
日高 : なんか変に美化されて2枚目だと思われちゃいましたね。ライヴ来ればわかるんだけどね。特にメジャー以降は「BECK」(ビークルが主題歌を担当したアニメ)のおかげで売れたから、ファンも漫画とかアニメが好きな人が多くて、俺とかがものすごく美化されて描かれたファンレターが来たりとか(笑)。お面とかメガネみたいなアイコンがあると余計に美化しやすいんでしょうね。
序鬼間(Prog / 以下、序鬼) : フジロックのときだと思うんですけど、写真を撮ってる人に日高さんがびっくりするくらい怒ってて、やっぱりイメージを大事にされてるんだなって思いましたね。
日高 : あの時は、ちょうどライヴ写真の撮影とかが議論になっていたときで、やっぱりお面のバンドだったので撮らない派に1票を投じていたので。まあ、いまはどっちでもいいですけどね。確かに正体がバレるのを気にしないといけないっていうのも、デメリットとしてありましたね。

――this is not a businessのみなさんは、天狗をかぶっていて不便だと思うところはありますか?
否戸田 : 視界がまずかなり狭いですからね。
陣 : 視界が悪いのにお面をかぶってなんでもアリになって動きがアグレッシブになったから、余計にぶつかるんですよね(笑)。
日高 : 俺たちもテレビの生放送とかはお面をかぶってやってたので、事故めいたことはありましたね。
陣 : 加藤はよくマイクに鼻がぶつかっていますね(笑)。僕らもラジオのときにぶつけます。
――ラジオでもちゃんとかぶってるんですね。
否戸田 : 誰にも伝わらないのに(笑)。ライヴの時も入りから帰りまでずっとつけていますね。
序鬼 : 僕、電車乗ってきましたもん。
日高 : 通報されないの? ニューヨークだったら即逮捕だよ(笑)。
陣 : 意外と大丈夫です(笑)。
――日高さんはビークルを散開したあとに仮面を脱いでいますが、その理由をお訊きしてもよろしいですか?
日高 : 俺はそもそもずっとビークルを辞める気はなかったんだよね。バンドが存続する限りはお面をかぶっているつもりでいたんです。でも、それが幸か不幸か終わってしまったので脱ぎました。それは自分のなかでのルールというか、ビークルが終わったらお面ネタは二度と使っちゃいけないって自分のなかで決めていたんだよね。そういうストイックさは一応あったし、同じことを繰り返したくなかった。
――日高さんはTHE STARBEMSをはじめて素顔になる前には、しばらくサングラスをしてたじゃないですか。そのあたりは徐々に素顔を明かしていこうと思っていたんですか?
日高 : それは、次に自分がリーダーをやるバンドが決まったらサングラスを取ろうと思っていたんですよ。MONOBRIGHTには本当に悪いんですけど、自分の素顔をそこまで安くは売らないぞと(笑)。あの2年は、自分がいままで誰かの協力で楽しくやれていたので、そのお礼参りというか恩返しの気持ちが大きいですね。
――完全に素顔で活動するようになって、気づいたことはあります?
日高 : 恥ずかしいですね(笑)。チンポコ見られてるみたいな気持ちです。
陣 : この前、ライヴ中に帽子が取れたんですけど、ライヴがはじまってすぐに取れちゃったからテンション下がっちゃいましたね(笑)。
否戸田 : あれ、恥ずかしかったね(笑)。普段はその格好でやってるのに、どういう顔して弾けばいいのかわからなくなっちゃって。
日高 : これも仮面あるあるですね(笑)。
海外のお面がウケてるのはギャングスタっぽさとかサグい感じ

――逆に、取って良かったことはなんですか?
日高 : 生放送にもあまり出られなかったのが、いまはいくらでも出られるようになった。いまって携帯で配信しようと思えばすぐにできる時代になったから、お面を取ったタイミングも良かったのかもしれないですね。やるなら天狗みたいにずっとかぶってないとダメだから。あと、ビークルを解散した直後はTwitterのフォロワーの男女比率が半々だったのに、いまは男が8割になった(笑)。うれしいですけどね。それは自分のストイックさの象徴だと思う。
――this is not a businessとしては、今後このバンドをやってる以上はお面を脱ぐつもりはない?
否戸田 : そうですね、いまのところは。
加藤 : つけないと聴いてくれないgood…。
陣 : あと、KISSのジーン・シモンズが素顔になったときはやっぱりショックでしたもん。
日高 : おっさんだったもんね(笑)。脱メイク時代は本当に悲惨だった。すぐにメイク戻したもんね。
――でも、元々の理由が音楽をちゃんと聴いてもらって正当な評価をされて売れたいっていうことだとしたら、それが達成されれば正体を明かしてもいい気はしますね。
日高 : そうすると、いまの天狗の目標はなんだろう。
陣 : とりあえずはZepp Tokyoですね。
否戸田 : みんな自分のバンドで一度はなんらかの形で立っているのがゼップなので。
陣 : もちろん東京ドームとか武道館とか、でかいことも言いたいんですけど、僕らも一度は失敗した人たちなので。もういい年だし、堅実に謙虚にいこうかなって。
日高 : でも、俺もビークルでメジャー・デビューした時35歳くらいだったからね。まだまだ余裕だと思う。そうなると、お面の先輩からポイントをあげるすると、お面の精度を上げることかな。あと、お面のバリエーションを増やしたり。例えばビークルは、テレビの時はちょっと厚めで生放送用のなかなか取れない、口も大きめに開けて歌いやすいように作ったのをつけてやってたから。
陣 : なるほど。
日高 : 鼻が自動で動くとか(笑)。マンウィズもよく見ると表情がちょっとずつ違うし、進化してる。いまの天狗は単純に同じものを5個買ってあるだけでしょ? まずはそれをオリジナルのものにするとか。そうすると自分たちで作ってツアーで売れるしね。
――オリジナルのお面を作るのはおもしろいかもしれないですね。
日高 : そこもお客さんに言っちゃっていいんじゃないかね。ライヴの動員が上がったのでお面のここを変えたとか、ニット帽がオリジナルになったとか、どこそことダブル・ネームになりましたとか。そこの成長も一緒に見てもらうとか。
――負け犬バンドとしてやってるから、そうやって全部さらけ出すのもおもしろいかもしれないですよね。
陣 : 仕事場と自分の名前以外は基本はしゃべっていますからね。もう1個のバンドより全部しゃべってる。あっちはかっこつけてるから(笑)。
否戸田 : お面かぶってる時よりも普段の方がかっこつけてる気がする。演じているのかと思いきや、こっちの方が素なんですよね。
日高 : お面をつけてなんとか生活みたいなのを特典としてつけてもおもしろいかもね。24時間お面をつけたまま生活して、ど田舎とかで泊めてもらったり。あと、ビークルのときにやったのは仮面でドラマ。普通にお面をつけたまま演技したらおもしろいんじゃないかって。評判はあまり良くなかったけど自分たちで見てておもしろかった。映像の工夫はいろいろできるはずなんだよね。

――先日公開された「Paranoid android」のPVも、お面をつけてるからこそのシュールなおもしろさがありますよね。
陣 : あれ、カメラ・マンの人たちがクルーザーに乗っていますからね(笑)。
序鬼 : 船が2隻用意されてて、でっかい方が暖かいですよって言われてたんですけど、漁船の方が俺らだった(笑)。
加藤 : 正月の2日の午前3時の一番冷える時に半ズボンで撮影したgood…。
日高 : あははは(笑)。だから、失礼な場所に行けば行くほどおもしろくなるんだよね。それはビークルでもそうで、お面のまま国会議事堂にいるとかものすごくシュールな絵面だった。あとは、海外とか行ければね。グランドキャニオンとかで。
否戸田 : 海外は人気出そうだよね。
日高 : ただ、スリップノットとか、お面系のヒップ・ホップのアーティストとか、匿名的なバンドで共通しているのは、ギャングスタ感ね。結構それっぽい衣装は着てるけど、もっと出してもいいのかなって。海外のお面がウケてるのはそのギャングスタっぽさとか、サグい感じがウケてる。そこをもうちょっと出せば、男ファンも増えてくると思うよ。
――確かに、現状だと男受けするキャラやヴィジュアルではないですよね。
陣 : ちょっといいやつすぎるんですよ。
日高 : 井口昇さんみたいなちょっと特撮に強い人か、ホラー系の清水崇監督みたいな人と組めば、またちょっとおもしろい展開ができるんじゃないかと思いますね。あとは、サウンドのパロディをもっと増やしてもいいと思うし。最初にあがってたモノクロの絵を見てサグい感じでいくのかなって思ったら、意外といい人になっちゃってたから。
否戸田 : それはやっぱり、女性を狙ってたんですかね…。いま話して気づきましたけど(笑)。
日高 : 天狗のくせにモテたいなんておかしいよ(笑)。
陣 : 早く3枚目のアルバムを作りましょうか(笑)。
序鬼 : もうちょっとサグいやつをね。
日高 : ポップなのもあってサグいやつもあればいいよね。
いまは、自分たちの方向性がだんだん見えてきた
――そういう意味では、先日リリースした2ndアルバム『WELCOME TO THE TENGU WORLD』は前作に比べてすごくポップですよね。それこそ、全曲シングル・カットできそうなくらいの。
否戸田 : それは本当にそうですね。どれを押し曲にしようか悩んだくらい。
陣 : 前作はライヴをやったことがなかったので。だから、今作はライヴからのフィード・バックを曲に返しています。
日高 : ライヴ映えする曲ね。音源から作るとライヴの再現が低くなっちゃうからね。こんな難しいことやっちゃったのかって、動けなくなる。
陣 : 本当にそのとおりですよ。しかも、仮面つけてるわけですから。
序鬼 : だから、アレンジもそれぞれが組んだ状態から共有して、はじめからライヴを考慮して作りました。
陣 : スタジオで会って曲作りっていうのもほとんどなくて、全員そろうのは取材とライヴの時がメインですね。レコーディングもひとりひとり別々に録るし。
日高 : そんな合理的なバンドなのに、なんでこんな面倒臭いお面をかぶってるんだっていう(笑)。
――タイトルもまさに天狗を前面に出していて、自分たちの世界観が見えてきたってことなのかなと。もうオオカミとも比べる必要もなくなってきてるようにも思います。
陣 : そうですね。前作は話題の方に意識が行っちゃってたのかもしれないですね。いまは、自分たちの方向性がだんだん見えてきたので。
序鬼 : あまりやると怒られるっていうのもありますね(笑)。
陣 : でも、最初はこんなに早く認知されるとは思ってなかったよね。相手にされないだろうって思ってた。
日高 : ライヴもまだあまりしてないし、ここからさらに行く感じでもあるよね。まだ全国ツアーしてないんだよね。これのレコ発で行くの?
否戸田 : 東名阪だけですね。みんな働いてるので、なかなかスケジュールを合わせられないんですよ。
加藤 : 有給が足りないgood…。日高さんは純粋にサラリーマンと両立してたわけじゃないですか。そのポイントも知りたいので教えてほしいgood!!

日高 : とりあえず、死ぬほど残業してた。インディ―ズ時代の3~4年はほぼ毎日、家に帰ってなかったもん。ライヴがある日は朝10時くらいに出勤したら昼の2時くらいに1回抜けてリハに行って、もう1回帰って仕事して、また夜にライヴしにいくみたいな。1回ワンマン・ライヴの時にさ、リハから戻って仕事してたらライヴのこと忘れちゃっててさ、時計見たら7時半くらいで「やばい!」ってなって、それで慌てて会場に戻ったら、お客さんがみんな温かく待っててくれたっていう… 勿論、謝りながらライヴやったけどね(笑)。で、その代わりライヴが終わったら打ち上げもそこそこに退席して、朝まで書類を作ったりしてね。仕事机で寝たまま誰か来ると、「日高さん、バンドもやって仕事もやって大変ですね」みたいな。
陣 : 会社にいないと「なにやってんだ」ってなっちゃいますもんね。
日高 : 仕事してる感はなるべく過剰なまでに出す! って言うのは意識してやっていましたね。
――それは、まわりにバレてるからこそかもしれないですね。
加藤 : バンドやってるっていうのを会社に打ち明けてないgood… いま、撮影してる体でここに来ていますからね…。上司に怒られっぱなしで、この前ラジオ出られなかったgood。
陣 : 電話で出演したんだよね(笑)。隣の会議室から。
加藤 : 「ちょっとトイレ行ってきます」って言ったgood…。
日高 : まさかラジオに出てるとは思ってないよね(笑)。そういうときは、仕事を1個決めて帰ればいいんじゃない? 取材を1個決めてきましたとか、名刺は必ず配って爪痕を残して帰るとか。おもしろかったのは、最初の頃は仕事のついでにビークルのCDを渡していたのが、そのうち「ビークルの方はどうなんですか? 」って先に訊かれちゃうようになったんだよね。それは会社のアーティストには申し訳なかったけど、同時にありがたくてうれしかったの。それがビークルに打ち込もうと思ったきっかけでもあったし。そうなったら勝ちでしょ。「天狗知ってますよ」って得意先にコソっと言ってもらえるようになったりとかしたらね。
加藤 : それは勝ちですねgood!! まずはそこを目指してがんばるgood!!
LIVE SCHEDULE
this is not a business
GEKIROCK TOUR VOL.9
2014年2月3日(月)@KICHIJOJI CLUB SEATA
オオカミさんの聖地でやらせてもらえるのがこの上ない喜びgood!! ライヴ by天狗
2014年1月25日(土)@渋谷eggman
OPEN 17:00 / START 18:00
WELCOME TO THE TENGU WORLD TOUR〜名古屋では手羽先を食べるgood!!〜
2014年2月16日(日)@名古屋 新栄 DAY TRIVE
OPEN 17:30 / START 18:00
WELCOME TO THE TENGU WORLD TOUR〜大阪ではたこやきを食べるgood!!〜
2014年2月22日(土)@大阪 福島 LIVE SQUARE2nd LINE
OPEN 17:00 / START 18:00
THE STARBEMS
TOWER RECORDS SAPPORO PIVOT presents NOrth MUSIC, NOrth LIFE. Vol.4
~Punkish Wedding IN SAPPORO~
2014年1月17日(金)@札幌cube garden
開場 / 開演 18:30 / 19:00
出演 : HUSKING BEE / THE STARBEMS
アメリカはテキサス州オースティンで2014年3月に開催される「SXSW 2014」にTHE STARBEMS出演決定!!
PROFILE
this is not a business

加藤小判(Vo) / 否戸田雲仙(Gu) / 木須利茶(Gu) / 陣下須(Ba) / 序鬼間(Prog)
俺たち、
負け犬(天狗)バンド
this is not a businessでgood!!!
>>this is not a business Official HP
メンバー全員インタヴューはこちらから
>>第1回 陣下須(ジンシモズ)(Ba)<<
>>第2回 木須利茶(キスリチャ)(Gu)<<
>>第3回 序鬼間(ジョオニマ)(Prog)<<
>>第4回 否戸田雲仙(ピトタウンゼン)(Gu)<<
>>第5回 否戸田雲仙(ピトタウンゼン)(Gu)<<
>>初インタビューはこちら<<
ヒダカトオル

1968年6月5日生まれ 千葉県出身
現・THE STARBEMS、元・BEAT CRUSADESのギター / ヴォーカリスト。
2010年の散開後、MONOBRIGHT、ヒダカトオルとフェッドミュージック(w / Fed MUSIC)、TV MURDERS(w / カジヒデキ / イナザワアヒト / 堂島孝平)等、数々の音楽プロジェクトに参画。木村カエラ / 栗山千明 / 高橋瞳 / メロン記念日 / Milky Bunnyら女性アーティストへの楽曲提供から、住所不定無職 / セカイイチ / GOING UNDER GROUNDなどBANDプロデュースも幅広く手掛ける。