
2013年4月、突如として音楽シーンに現れた天狗集団、this is not a businessの素顔に迫る!!
ついにレコ発ワンマン・ライヴも発表された彼らの5週連続特集も3回目。就職活動に失敗し、ニートになり、2ちゃんで悪口を書き、ネット上では常に天狗で…。しかし、自分たちの音楽性を最も信じ、「一発やってやろう」という強い思いを抱く天狗の最年少、序鬼間(ジョオニマ)が登場!!

インタビュー : 前田将博
写真 : 外林健太
>>第1回 陣下須(ジンシモズ)(Ba)<<
>>第2回 木須利茶(キスリチャ)(Gu)<<
「10 goods」発売記念レコ発ワンマン「天狗の納めドキ」決定!!
this is not a business「10 goods」発売記念レコ発ワンマン「天狗の納めドキ」
2013年8月24日(土)@中野heavy sick ZERO
OPEN 15:00 / START 16:00
チケット料金
前売 2500円 / 当日 3000円(各ドリンク別)
学生 1500円(当日受付にて学生証提示でキャッシュバック)
チケット発売日 : 7月27日10:00〜
ローソンチケット&メール予約
※ローソンチケットで購入の場合は、ワンマン・ライヴ特製ステッカーを当日お渡しします。
メール予約は以下アドレスに
thisisnotabusinesslive@gmail.com
件名に「天狗ワンマン予約」と入力、本文に「お名前、人数、緊急連絡先」を明記の上、送信。
※ローソンチケット購入者が優先入場となります。
※ローソンチケットにて予定枚数終了した場合はメール予約された方でもご入場いただけませんのでご注意ください。
意識の高い人間とそりが合わない感じだったので、基本的にはずっと家にいたいと思っていました
――序鬼間さんはthis is not a businessでプログラミングを担当されていますが、楽器はやっていなかったんですか?
序鬼間(Prog) : 幼稚園のころにピアノを習ってましたね。中学生のころにはベースをやっていました。
――では、中学のころはバンドをやってた?
序鬼間 : コピー・バンドくらいはやってたんですけど、結局耳に自分のテクニックが追いつかなくて、気持ち悪くなってすぐに辞めましたね。そのあとに、パソコンに打ち込むとコンピューターが指示したとおりに演奏してくれることを知って、だんだんそっちに惹かれていきました。
――打ち込みをはじめたのも学生のころだったんですね。
序鬼間 : コンピューターで音楽が作れることを知ったのが高校生くらいなので、そのくらいにはじめましたね。最初はハードオフかなんかで安いサンプラーを買ったんですけど。
――打ち込みではオリジナル曲を作っていたんですか?
序鬼間 : そうですね。幼稚な感じでしたけど。
――その曲は、ネット上で発表したりしていたんですか?
序鬼間 : 2ちゃんねるでアップロードしていました。でも、基本的にはみんなが好き勝手アップしては流されていく文化なので、あまり反応はなかったですね。まだニコニコ動画とかもなかったころなので。あとは、友だちに聴かせるくらいでした。

――序鬼間さんは、ほかのメンバーとは違ってあまりバンド活動はしていなかったそうですが、バンドをやりたい思いはずっとあったんですか?
序鬼間 : 音楽をやりたいと思ったきっかけはバンドなので、自分の曲もバンドでやれたらいいなとは思っていたんです。だから、mixiのメンバー募集のコミュニティとかを見て探していたんですけど、なかなか思うように弾けるメンバーに出会えなかったんですよね。人間相手なので、こう弾いてほしいと思っても弾けなかったりする。打ち込みベースで作っちゃうと、どうしても要求が高くなってしまうんですよ。人間が弾くことを想定していないフレーズもありますしね。
――高校卒業後は、普通の大学に進学したんですか?
序鬼間 : そうですね。大学時代も似たような活動をしていました。たまに集まったメンバーでライヴをやってみたりもするんですけど、なかなかうまくいかずに続かないんですよね。俗にいう、音楽性の違いみたいな現象が高頻度で起こるみたいな感じでした。
――大学で音楽サークルに入ったりはしなかったんですか?
序鬼間 : まったくないです。意識の高い人間とそりが合わない感じだったので、基本的にはずっと家にいたいと思っていました。
――家では音楽制作以外には、どんなことをしてたんですか?
序鬼間 : インターネットで、2ちゃんねるとかを見ていましたね。
――そのころは、音楽で食べていこうというよりは、普通に就職しようと考えていたのでしょうか。
序鬼間 : 音楽で食べていけるほど甘くないと思っていましたからね。だから、普通に一般企業に就職しようと思って就活をしていたんですけど、このご時世ですからなかなか厳しくて最後まで決まらない。そもそも、昨今の意識の高い就職活動みたいなものが肌に合わなくて辛い思いをしていたので、あまりモチベーションを保てなかったんです。結局、本気になれないまま卒業しちゃいましたね。
――では、卒業後は…。
序鬼間 : ニートという形になりますね。就職活動に失敗して、そのまま家に引きこもる生活でした。もうこの世の底辺て感じですよね。
今回こういう形になって、一発やってやろうかなって思いが強いです
――this is not a businessには、否戸田雲仙さんに誘われて一緒にやることになったそうですが、否戸田さんとはいつごろ知り合ったんですか?
序鬼間 : 大学生のころに、mixiでバンド・メンバーを捜していたときに知り合いました。そのころから意気投合してメールでいろいろやりとりしたりはしてたんですけど、なかなかタイミングが合わずに一緒にバンドをやることはなかったんです。
――今回ついに一緒にできることになったと。
序鬼間 : 「バンドをやろうと思ってるんだよね」っていう話を聞いたので、すぐに「僕も入れてください」って頼みました。「曲は作れるのか? 」って訊かれたから、「作れます! 」って答えて。そこから、ついに一緒にバンドをやることになりました。早くいまのニート生活から抜け出さなきゃいけないっていう思いがあったので、今回こういう形になって、一発やってやろうかなって思いが強いです。

――このメンバーだったら、ずっとやりたかったようなバンドが実現できると思った。
序鬼間 : そうですね。一応みんなメジャーに行ったりとか、プロに近い場所で活動していた人たちで実力は申し分ないので。リハに入って練習するときも、特にこちらからのオーダーはないんですよ。曲を聴いてもらって、練習して覚えてやりましょうってなったときに、なにも言わなくてもそのとおりやってくれますからね。
――いままでは家に引きこもる生活が中心だったわけですが、バンド活動にはすぐに入り込めましたか?
序鬼間 : 基本的にほかにやることもなくて、自由にいくらでも時間を作って動けるので、そんなに違和感はなかったですね。メンバーとも非常に仲が良いし、お互いがリスペクトし合っているのでとても良い関係が築けています。
――このバンドはドラムがいないので、序鬼間さんの役割が大きいと思うんです。しかもみんなメンバーは実力もあってバンド経験も豊富。そんな人たちと一緒にやることへのプレッシャーはありませんでしたか?
序鬼間 : 最初はやっぱりありましたね。自分の作った音楽をプロの目線で見てもらうことはこれまでなかったので、大丈夫かなって思いました。でも、特になにも言われなかったので大丈夫かなって(笑)。
――今回のアルバム『10 goods』のドラム・トラックは、打ち込みとは思えないような迫力がありますよね。
序鬼間 : 音が大きく聴こえるようにいろいろ試行錯誤しながら作りましたね。打ち込みで作っているのでデジタルっぽいところもあるんですけど、サウンドとしてはバンド寄りのものになっていると思います。全体としてバンドっぽくなるように、ドラムのサウンドとギター、ベースの混ざり具合やバランスには気をつけて作りました。
――ミックスも序鬼間さんがやっているんですか?
序鬼間 : 曲をメインで作った人がだいたいミックスまで担当していますね。だから、僕も何曲かやっています。このバンドはみんなが曲を書けるのが強みなので、それぞれのいろんなテイストの曲が収録されています。
――「thunder」などはひときわラウドで、これまでネットにアップしてきた曲にはなかったテイストを感じました。
序鬼間 : 僕は基本的には思いついて作ったものをどんどんあげていくスタイルなので、こんな曲があってもいいんじゃないかなっていう思いがありましたね。こんなのどうですかって提案したら、「いいじゃん、これも入れよう」ってなったので入れました。
――もともと序鬼間さんがこのバンドに入る前に作っていた曲は、どんなものが多かったんですか?
序鬼間 : やっぱり、こういうラウドな曲が多かったですね。
やっぱり自分たちがやってる音楽がこの世で一番かっこいいと信じてる。それは僕も同じですね。
――序鬼間さんはSkrillexが好きとのことですが、彼も部屋のなかで黙々と音楽を作っているようなイメージがあります。影響を受けていると感じますか?
序鬼間 : 彼は、ライヴでスタート・ボタンを押してあとは暴れている感じなんですけど、そういうところはすごく好きですね。僕もライヴでは曲のスタート・ボタンを押すのが主な仕事なので、Skrillexのようなパフォーマンスも見せていきたいです。
――いまは、ライヴでスタート・ボタンを押したあとはなにをしているんですか?
序鬼間 : 客席を煽ったり、ステージ上を駆け回ってる感じです。いまの僕は、当日使うトラックを事前にとりまとめたりだとか、どちらかというと舞台に出るまでの役割の方が大きいんですよね。だから、ライヴではほかのメンバーががっつりやるっていう感じです。
――これからは、ライヴ中のパフォーマンスにももっと力を入れていきたいと。ある意味、とても自由度が高い位置にいると思うので、いろいろな可能性はありそうですよね。
序鬼間 : いまはそれも探りながらやっているところです。ステージ上でバク転とかできたらおもしろいですよね。アクロバティックな動きも取り入れていければいいなと。僕らは天狗なので、そういうこともできたらもっと大きなインパクトがありますよね。
――これまでのライヴはあまりできない状況から実際にライヴをやることになって、不安はありませんでしたか?
序鬼間 : 最初はもちろん不安もありましたけど、いまはその都度良いライヴをしていくだけだなって思いますね。お客さんも最初は様子見だったのが、ライヴの回数を重ねていくなかで結構盛り上がってくれているので。僕は楽器を演奏するわけではないので演奏面でできることは少ないんですけど、精一杯舞台を盛り上げるっていう部分でがんばっていきたいです。
――逆に、ステージに立つことへのよろこびは感じました?
序鬼間 : やっぱり、ひとりじゃできなかったことなので、本当にありがたい話ですよね。感慨深いものはありました。これがやりたかったんだなって思います。うれしかったですね。
――これまで陣下須さんと木須利茶さんに話を訊いて、ふたりとも早くから大舞台に立ってしまって天狗になっていたというエピソードがありました。バンドをなかなか組むことができなかった序鬼間さんにも、自分が天狗になっていたと思う瞬間はありましたか?
序鬼間 : 僕は基本的にはネット弁慶なので、ネット上では常に天狗ですね。俺が一番最強だと思っています。
――2ちゃんねるで煽ったりしてるんですか?
序鬼間 : そうですね。あのバンドは糞だとか、だいたい人の悪口を書いています。やっぱり僕が作る曲が最高だと思っているので。
――実際にバンドをやるようになっても、その思いは変わらない?
序鬼間 : どのアーティストやバンドも、やっぱり自分たちがやってる音楽がこの世で一番かっこいいと信じてると思うんですよ。なので、それは僕も同じですね。
――今後、自分たちがかっこいいと思える音楽が世のなかにも浸透していく自信はありますか?
序鬼間 : 僕はまだ音楽業界のことはよくわからないですけど、ほかのメンバーは長く活動している人たちばかりなので、みんなで話し合いながら考えてうまく広めていきたいですね。そこも信頼しています。
――自分たちの音楽を広めるためにやっていることのひとつが、天狗の仮面を被ることだと思うんですけど、抵抗はありませんでしたか?
序鬼間 : まったくないです。逆にいつ脱いでもいいと思っていますしね。ライヴでのパフォーマンスも含めて、自分たちの音楽を広めるためならなんでもやっていこうと思っています。

――ところで、序鬼間さんはまだ仕事はしていないんですか?
序鬼間 : 働いてないですね。
――では、今後も就職活動はせずにこのバンド1本でやっていきたい思いが強い。
序鬼間 : そうですね。このバンドが忙しくなったらなおさらできないと思いますし。今回のアルバムもすごく良いものができたので、いけると思っています。
――序鬼間さんがこのバンドで実現したいことを教えてください。
序鬼間 : 有名になってチヤホヤされたいですね。
――陣下須さんと木須利茶さんは、バンドとしてまずはZepp Tokyoのステージに立ちたいと話していました。
序鬼間 : そのくらいまでいかないとやってる意味はないと思っています。最終的には、紅白に出るような国民的なバンドになりたいですね。
――このバンドでならそれができると。
序鬼間 : この仲間とならやれますね。

>>次回、否戸田雲仙(Gu)のインタビューは8月14日(水)公開!!<<
PROFILE
this is not a business

加藤小判(Vo) / 否戸田雲仙(Gu) / 木須利茶(Gu) / 陣下須(Ba) / 序鬼間(Prog)
俺たち、
負け犬(天狗)バンド
this is not a businessでgood!!!
>>this is not a business Official HP
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