
uri gagarnが8年ぶりのニュー・アルバムをリリース!!
group_inouのラッパーcpこと威文橋が率いるオルタナティブ・ロック・バンド、uri gagarnが8年ぶりとなるニュー・アルバム『my favorite skin』を遂にリリース!! 今作はオープンリールを使った録音を行い、マスタリングはSonic YouthやPRIMUSなどで知られるジョン・ゴールデンが担当。メンバーの脱退、新メンバーの加入を経て生まれ変わった彼らの、気合いが伝わる一枚に仕上がっている。新たな一歩を踏み出したuri gagarnのメンバーに、今作リリースまでの道のりと決意を聞いた。
uri gagarn / my favorite skin
【配信形態】
wav / mp3
【販売価格】
単曲 200円 / アルバム 1,650円
【Track List】
1. Intro / 2. Fly / 3. Manner / 4. Doom / 5. Closet / 6. Fear of Sale / 7. Clearance / 8. Gold / 9. Seesaw
uri gagarn INTERVIEW
group_inouでcpとして活動する威文橋を中心に結成されたuri gagarnが、前作から8年の時を経て遂にニュー・アルバムをリリースする。メンバーの脱退、実質的な活動休止期間を経て、2009年に元nhhmbaseの英(ベース)、カワムラ(ドラム)を迎え復活を遂げたuri gagarnは、他とは一線を画すオルタナティブ・ロックをかき鳴らしている。その3人に話を聞くと、メンバー間に流れる確かな信頼関係と、次々に新しい曲が生まれるという、充実したバンドの姿を垣間みることが出来た。「とにかくライヴを見て欲しい」と語る威文橋の言葉は、自分達の音楽に対する確かな自信に満ちている。今回のインタビューでは、3人の出会いから、新作、今後のバンドの展望までを追った。
インタビュー & 文 : 前田将博

音楽はマン・パワーというか、キャラクターが重要ですね
——uri gagarnはどういった経緯で結成されたんですか?
威文橋(以下、威) : だいぶ前になるんですけど、オリジナル曲を1人で作っていて、それをバンドでやろうと思ってメンバー募集をしたんです。それで、ジョン(jonathan hinton)とマキノが加入してバンドになりました。
——group_inouを始める前からやっていたバンドなんですか?
威 : そうですね。
——uri gagarnというバンド名はどういう意味なんでしょうか。
威 : 特に意味はなく響きだけですね。字面も良いなと思って。
——2005年にメンバー2人が脱退して威さん1人になった時期がありますよね。その後2009年に英さんとカワムラさんが加入したのは、もう一度バンドとしてuri gagarnをやろうと思ったからなんですか?
威 : 2人がnhhmbaseをやめて音楽活動をなにもしてなかったから、もったいないなと思って。丁度リズム隊がいなかったし、こんなにいいプレイヤーがいるなら一緒にやりたいなと。
——きっかけとしては、2人がnhhmbaseを脱退したことがあって、そこから2人と一緒にやりたいと思ったんですね。
威 : この2人は相当爆発力を持ってたから、これはいいタイミングだなって(笑)。
——uri gagarnとは別の新しいバンドにしようとは思わなかったんですか?
威 : 名前を変えようかなとは思ったんですけど、あんまりいい名前も浮かばなくて。昔の曲も3人でやったら3人のグルーヴが出来てて、別にもう変えなくてもいいかなと。名前を増やしても収集つかないし。
——昔はいなかったベースというパートが加わったことも、この2人とやりたいという思いからだったんですか?
威 : 前の時もベースがいても良かったんですけど、その人に合った楽器っていうものがありますからね。いいプレイヤーが揃っちゃうと、もう最高でしょ。それは最低条件であり、一番良いことなので。
——楽器というよりは、人を見てって感じですかね。
威 : やっぱり音楽はマン・パワーというか、キャラクターというか、それが重要ですね。
カワムラ : 『ep2』の曲が出来るまでも早かったよね。
——2人が加入してからすぐに新曲も出来ていったと。
威 : すぐに曲は作ってました。元々知り合ってからも長いですから。
カワムラ : uri gagarnが1stアルバムを出した時、nhhmbaseで企画に誘いたいと思っていたら逆に誘われたんだよね。
英 : 2003年くらいかな。
——その頃から交流があったんですね。
威 : group_inouとnhhmbaseでツアーを回ったことがあって、すごく面白かったんですよ。
英 : 楽しかったね。
威 : かなり馬鹿な感じで、ライヴも楽しいし、移動とか打ち上げとかも楽しい。元々そういう感じだったんで、感覚的にも分かるというか。スタジオではだいぶ抽象的なことを言うんですけど、それでも上手くまとまるんです。

生々しい音を出すために、3人で「いっせーのーせ」一発録りで
——今回のアルバムを作ろうと思った経緯を教えて下さい。
威 : 新曲が溜まってきたからアルバムを作ろうって感じです。
英 : 2011年にはアルバムの準備をしてたよね。その時は完全に自分達でやろうとしてたんです。でも、それなりの音しか録れなかった(笑)。
威 : 最初自分達で録って、冷静に聴いて「これはないな」と(笑)。バンドの爆発力が録れてないんですよね。それで君島(結・Tsubame Studio)さんに、テープで録りたいって言ったらオープンリールを用意してくれて。
——アルバムを聴くとダイナミックというか、リアリティを感じます。
威 : 生々しいですよね。そういった音が自分は好きなので、それは出したいなと思っていました。3人で「いっせーのーせ」の一発録りで。
——君島さんに頼もうと思ったのは何故なんでしょうか。
威 : 感覚が似ているというか、センス的にですね。やはり音ってニュアンスだったり抽象的なイメージで説明しづらいけど、それをちゃんと汲み取ってくれました。
——イメージしてた音に近いものになりましたか?
威 : バンドの爆発力やグルーヴとか、空気感も録れててバッチリです。無理矢理コンプで底上げするんじゃなくて、余白があるというか。やっぱり生バンドにはそれが必要だと思ってて。
英 : 今回のアルバムは収録しなかった曲が何曲かあるんですけど、とりあえず持ち曲は全曲録ったんです。
威 : その中で流れを考えた結果、この9曲になりました。持ち曲で音源化されていない曲がもう1枚分くらいあるんですよ。ライヴでもやってて。
英 : もう次はすぐにでも作れるよね。
威 : 今年また録音しようかなと。今ある曲を聴いて、「こういうのも欲しいな」って曲をあと何曲か作って、まとめる感じですかね。
カワムラ : うまいこと追いかけっこしている感じですね。一つ決めてそれに向かって進んでいって、その中でまたそれが膨らんで次に行く、みたいな。
——バンド活動自体が本当に自然体でやっていて、それがうまくいっている気がします。
威 : 楽しいですからね。ライヴとかも。
英 : group_inouがやっている時は2週間とか、1か月くらいスタジオに入らないこともあったりするし。
威 : ツアーとか出ちゃうとね。
英 : その感じも追いかけっこに似ているかもしれない。またやりたいなって思った時にスタジオに入ったりして。
カワムラ : うまく回ってるってことだよね。そういうのが全て。
——威さんがgroup_inouの方で忙しかったりする時に、英さんとカワムラさんはもっとやりたいとは思わないんですか?
英 : 休みがあって嬉しいくらいですね。
威 : あはははは(笑)。
英 : 毎週入ってたのが、突然空くといいよね(笑)。
カワムラ : すごく嬉しい(笑)。
威 : 1ヵ月くらい空いてスタジオ入ると、久しぶりだから「全然出来ない」とか言って(笑)。
英 : その間、楽器も持たないですからね(笑)。
威 : 良いサイクルで回ってます。group_inouも楽しいですし。どっちも満足いく作品が出来て、ライヴも出来て、すごいなと思います(笑)。
——歌詞についてお聞きしたいのですが、こちらも感覚的な部分が強いのかなと思ったんですけど。例えば自分の思いを伝えようとする感じではなくて、景色が浮かぶ感じというか。
威 : あまり自分のことを歌おうとは思わないですね。歌ってて気持ちいい、音に合っていてノリも出て勢いも出て、ここでこれを言ったらかっこいいんじゃないか、みたいな。そんな感じです。
——それはスタジオとかで出てきた言葉を、そのまま採用するといった形なんでしょうか。
威 : それが多いかも知れないですね。曲ごとに統一感はあると思うので、それが最終的に漠然と一個のイメージになっていく感じですかね。一応バランスは取っています。言いたい事や、気持ち的な部分もちょいちょいは入っていると思いますけどね。それがなんですかって言われてもうまく答えられないですけど。
——曲のタイトルも、曲全体の象徴になっているような単語をつけている感じですか?
威 : 曲中にはあまり出てこない単語が多いと思うんですけど、これもやっぱりイメージですかね。group_inouの時も「この歌詞はどういう意味なんですか? 」って聞かれるんですけど、自分でも分からないです。
——アルバムのタイトル『my favorite skin』はどうやってつけたんでしょうか。
威 : バンド名とかと一緒なんですけど語感が良いというか。ジャケットの絵にも合うような気がしていて。
——この絵はどなたが描かれたんですか?
威 : 僕です。
——アルバムに入っている曲をイメージして描かれたんですかね。
威 : ジャケットを作るぞって、ばーっと描いていて。その中で、これだなっていうのを選びました。

非常に健康的なバンドです(笑)
——みなさんはアメリカなどの海外のインディーズを好きな部分で共通しているのかなと思ったんですけど、どんな音楽を聴かれているんですか? ハード・コアやD.I.Yな部分があったりするのは、そのあたりのカルチャーに近いような印象を受けたのですが。
威 : US色も強いですけどUKもあるかな。US40%、UK30%、その他30%みたいな… もちろん邦楽も聴きます。
英 : アメリカのバンドと対バンも結構あるからね。
威 : 海外のバンドとやると必ずそのバンドの人が「awesome!」とか「great!」とか言ってくれます。
——uri gagarnはノー・ウェイブとかオルタナティヴ・パンクだとか、流行とは違うところの音楽をしているじゃないですか。それらの音楽って今冬の時代って感じで、がんばりどきのような気もするのですが、そういうところの辛さはないのかなと思いました。
英 : 逆にラッキーだよね。他がいないから。
威 : うちはいいからね。あまり不安とかはないですね。曲にしてもライヴにしても。
——流行とは別のところにいるからこそ、それを好きなお客さんが来るし、好きなようにやれている感じなんですかね。
威 : 前はもっと独自な人たちがいた気がします。それぞれのスタイルを持っているバンドが切磋琢磨して、お互い意識しつつ対バンしてるみたいな。今はそういうのがないのかもしれないですね。group_inouもそうなんですけど、どこ行っても浮きますからね。そういうものをやっていかないとね。
——東名阪のレコ発ツアーはどういった内容になりそうですか?
威 : 1stから3rdまで、万遍なくやろうかなと考えてます。持ち時間が長いので良い感じのセットリストを。
——次のアルバムに入るような未発表曲もそこには入っているんですか?
威 : 入れますね。
——uri gagarnの全てを見せる感じですね。
威 : この間スタジオに入ったら、結構えげつない感じになっていて(笑)。かなりの曲数があります。
——ツアー後の予定としては、ライヴもやりつつ次のアルバムの制作に向けて進んでいく感じでしょうか。
威 : そうですね。あと企画もやりたいです。昔「月刊ぼくら」っていう自主企画をやってたんですけど、しばらくやってないので。気になるバンドを誘って3マンくらいでやりたいです。
——今後、uri gagarnはどのような活動をして行きたいと考えていますか?
英 : 個人的にはスタジオ・ライヴとかもいいですね。そういうところで盛り上がっているお客さんを見たいです。大きいところはもちろん、そういうところでもやりたい。
——uri gagarnで食べて行きたいとか、そういうわけではないんですか?
英 : お小遣いは欲しいよね(笑)。
一同 : あはははは(笑)。
威 : せめてバンド活動の運営費くらいはね。
英 : 誰にも観られないとかは絶対に有り得ないからね。
威 : 作品を出して、認知度が上がって、お客さんが増えて。どこを目指すっていうのは具体的にはあまりないですけど、スタジオ・ライヴでも野外でも、どこでも合う気がします。色んなとこでライヴをやりたいですね。
——いたずらに大きいところを目指してしまうと、それがダメになったら終わりみたいになりがちですけど、そういう気負った感じがないというか。
威 : 広げたいですけどね。緩くやってると思われても嫌だし、飲みのために集まるようなバンドでもないし。良い作品を作るっていう目標がある。良いライブをやるっていうのもある。uri gagarnがいることによって、何かしら影響を与えたいなと思ってはいます。
英 : 緩くはない。情熱、気合は入っていると。
——音楽ありきな感じですよね。
威 : それが出来るなら作っていかないとね。松任谷由美さんがテレビで言ってたもん。作れる人はどんどん作っていった方が良いって。そうしないと体調が悪くなる、不健康だ、みたいな。ユーミンが言ってたら説得力あるよね(笑)。
カワムラ : なんか今、健康なバンドってことになったね(笑)。
英 : 非常に健康的なバンドです(笑)。
威 : とにかく音源を聴いてライヴも観に来て欲しいです。
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LIVE INFORMATION
uri gagarn "my favorite skin" release tour
2/10(日)@名古屋CLUB ROCK'N'ROLL
2/11(月祝)@大阪FANDANGO
2/17(日)@渋谷O-nest
PROFILE
uri gagarn [ユーリ ガガーン]
威文橋 (vo.gtr)
英 (b)
カワムラ (dr)
威文橋を中心に結成。
マキノ、jonathan hintonと共に自主企画「月刊 ぼくら」を軸に活動。
2004年、1stアルバムを発表。
2005年、2ndアルバムを発表。
同年、メンバー脱退後、威文橋のソロユニットとなる。
2007年、group_inou「System Kitchen」に参加。
2009年、英、カワムラが加入しバンドを再編。
2010年、デモ「ep2」を発表。
2013年、3rdアルバム「my favorite skin」を発表。