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2013年2月27日、オウテカが最新アルバム『Exai』を発表した。『Exai』と名付けられたこのアルバムは、メンバーであるロブ・ブラウンと、ショーン・ブースの2人にとって11枚目のフル・アルバム。2010年のスタジオ・アルバム『Oversteps』、2011年の5枚組ボックス・セット『EPs 1991 – 2002』に続く作品でありながら、2時間32秒にもおよぶ超大作!
Autechre / Exai
【販売価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム 1,800円
wav 単曲 250円 / アルバム 2,400円
【TRACK LIST】
01. FLeure / 02. irlite (get 0) / 03. prac-f / 04. jatevee C / 05. T ess xi / 06. vekoS / 07. Flep / 08. tuinorizn / 09. bladelores / 10. 1 1 is / 11. nodezsh / 12. runrepik / 13. spl9 / 14. cloudline / 15. deco Loc / 16. recks on / 17. YJY UX
オウテカの挑戦的な姿勢は続く
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2010年にリリースされた前作『Oversteps』から、3年ぶりに届いたオウテカの新作は、2時間を超える大作となった。その巨大なボリュームも然ることながら、質感もずっしりと重い。様々な音が混沌の中に散りばめられており、そのアプローチも多種多様である。幾重にも折り重なったリズムが自由に飛び交い、重厚なビートが迫り来るものや、メロディやリズムという概念から解き放たれた音が、ひたすら浮遊しているものまで。一見、無作為に散りばめられているかのように見えるこれらの音は、途方も暮れるような緻密な計算に基づいて配置されているようにも思える。同じ曲中に於いても、それは変幻自在に変形していく。曲から浮かぶ情景も様々で、それは壊れたブラウン管テレビから流れるノイズだったり、スラム街の路地裏の雑踏だったり、波のない静かな海に漂う気泡だったり、山奥の鍾乳洞を探索している時に聴こえた反響音だったり、人間が誰もいない近未来の全自動化された工場に鳴り響く鉄骨の音だったり。多くの音や景色が、代わる代わる現れては流れて消えていく。まるで何本もの短編映画を見ているような感覚になる。
常にテクノやエレクトロニカ、インテリジェント・ダンス・ミュージックといった枠に囚われず、緻密さと知性を持って次々と革新的なサウンドを提示してきたオウテカ。本作はその探求の歴史の集大成であり、彼らが現時点で持ち合わせている全てを詰め込んだ渾身の作品であると言える。1987年の結成から25年以上の時を経た今もなお、オウテカはその挑戦的な姿勢を緩める気配を見せない。(text by 前田将博)
RECOMMEND
Autechre / Oversteps
ストイックなまでの実験精神、挑戦的な姿勢をいつの時代も絶えず変えることなく、エレクトロニック・ミュージックとポップ・ミュージックを同時に革新し、深化させてきたショーン・ブースとロブ・ブラウン。記念すべき通算10作目となるニュー・アルバム『Oversteps』を24bit / 44.1KHzのHQDファイルで(も)お送りします。
SUGIURUMN / Acid 2 Acid
まるでThe DoorsかPink Floyd! 60年代が夢見たサイケデリック・サウンドが21世紀のビートと融合。配信限定でUnderworldやChemical Brothersを生みだしたレーベルJunior Boys Ownの創設者のJustin Drakeと作ったリミックス。
Underworld / Live from The Roundhouse
2011年9月に発売されたアルバム『バーキング』は、オリコン洋楽アルバム・チャートで2週連続1位を記録。本作はアルバム発売前にロンドンで行われたiTunes Festivalの模様を収録したライヴ盤。「オールウェイズ・ラヴド・ア・フィルム」、「ボーン・スリッピー」など全6曲、現在ベストの内容といえる収録曲です。
PROFILE
Autechre(オウテカ)
インテリジェント(IDM)・シーンの最重要ユニット。ショーン・ブースとロブ・ブラウンによるオウテカは、サンプリングの常識を覆し続け、電子音楽の無限の可能性を提示する。彼らが創造する、冷たく研ぎ澄まされ、かつ歪んだ複雑系サウンドは、ランダムな軌道で飛び回っているようでありながらも、カオスから生まれてくるハッキリとした何らかの法則のもとに成り立っている。当然リズムはあるのだが、それはバラバラで刺々しい。しかし、細かなビートとうねるパルス波のようなリズムがひとつになって独特の世界を織り成すのは確かだ。彼らのサウンドは間違いなくエレクトロではあるが、ダンス・フロアにはあまりにも不向きといえる。オウテカにとって、マントロニックスなどのようなリリカルなフロウは、舗道に捨てられたガラスの破片と同様。だが、オウテカ・サウンドは、原形をとどめていないながらも、そうしたキラキラ光る細かいガラスの破片の宝庫なのだ。
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