過去を見ることから生まれた未来──QUADRANGLE、話題TVアニメOPテーマ「PARADOX」ハイレゾ配信開始
猫田ヒデヲが不定期で活動していたソロ・プロジェクトにさまざまなシーンで活躍するメンバーを加え、2016年よりバンドとして始動した「QUADRANGLE」。彼らがTVアニメ「RErideD -刻越えのデリダ-」のOPテーマ『PARADOX』をリリースした。OTOTOYでは、QUADRANGLEの中心人物であり、Vo/gtの猫田ヒデヲへ今作「PARADOX」について、またQUADRANGLEの活動について話を聞くためにインタヴューを敢行。「過去を振り返ったり、戻ったりすることも新しいことになっていく」と、偶然にもアニメの内容とリンクするような言葉を語った猫田。ときには作家として数々のアーティストへ楽曲を提供してきた彼が、いまQUADRANGLEとして見据える未来とは?
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※締切 : 2018年12月11日(火)23時59分まで
INTERVIEW : 猫田ヒデヲ (QUADRANGLE)
TVアニメ「RErideD -刻越えのデリダ-」のオープニング・テーマ「PARADOX」を手がけるバンドQUADRANGLE。その中心人物の猫田ヒデヲは輝かしい経歴の持ち主だ。楽器がほぼ未経験ながら、突如そうそうたるメンバーが所属するバンドに加入し、音楽キャリアがスタート。そこから数々のバンドにベーシストとして在籍し、作家としてはLiSAや西野カナといった著名アーティストに楽曲提供、そして自身がヴォーカルを務めるQUADRANGLE結成に至った。
猫田は今回のインタビューで「背中を押してくれた」と何度も発言していた。それは与えられたチャンスを確実にものにしてきた、彼だからこそ言えることであろう。「PARADOX」完成によってたどりついた「答え」とは。たしかな経験に裏付けされた数々の言葉から、感じとっていただきたい。それはきっと、多くの人の背中を押す言葉でもあるように思う。
インタヴュー&文 : 前田将博
写真 : 黒羽政士
いろんな人と仲良くなって、会って、直接しゃべってつながるのが好き
──音楽キャリアのはじまりはベースだった。
そうですね。もともと僕は服のデザイナーをやろうと思って、文化服装学院に通っていたんです。だから音楽は聴く側でした。20代になってから初めてバンドをやることになったんですけど、そのギターがいきなり西川進さんっていうすごい状態でした(笑)。
──すごい! そのバンドはなぜやることになったんでしょう。
ちょうど夏休みかなにかで地元・広島に帰っていたときに、映画の監督とたまたま道端で知り合って、しゃべっていたら意気投合して仲良くなったんですよ。それで手伝うことになって、その映画の音楽担当の方に「バンドやる?」って誘われたから「やります!」って答えたら、ガチなバンドだったという(笑)。スタジオに行ったらそうそうたる人たちがいて、びっくりしましたね。ベーシストいなかったんで、やろうよって感じで。
──その時点で楽器経験は?
ベースもちゃんと弾いたことなかったから、西川さんに買ってもらったんじゃないかな。そこからわけもわからず、いきなりワンマンやったりって生活がはじまりました(笑)。
──そのバンドにいた頃から曲も作っていたんですか?
「書いてみなよ」って言われて、アコギの弾き語りで覚えてる数少ないコードで作ってみたんですよ。そしたら「いいじゃん」て言われて、そこからですね。自分でもびっくりしましたね。書けるんだって。
──その後、バンドはどうなったんでしょう。
やりたい音楽が変わったりで、僕は抜けたんですよ。でも曲を作ったり歌詞を書いたりすることはおもしろかったし、自分でメンバーを集めてバンドを組みました。そこからいろんなバンドを組んでいって、そのほぼすべてで曲も書いていました。
──そのときに最初に組んだバンドは?
それがFOX LOCO PHANTOMじゃないかな。いちばん長くやっているバンドですね。いまはゆっくりマイペースに、肩の力を入れずにライフワークみたいな感じで活動していますけど。
──曲提供をはじめたのもその頃?
そのくらいから少しずつはじめていましたね。
──依頼が増えたきっかけはなんだったんでしょう。
西野カナちゃんの「Sherie」かな。初期のシングルのカップリング曲だったんですけど、いまでもライヴで大事に歌ってくれたり、ベスト盤にも入れてくれたりしてて。自分にとっても思い入れのある曲ですね。そこからいろんな人とつながって、幅が広がっていった。いまでもそうなんですけど、事務所やレコード会社に入らずに全部ひとりでほぼやってきたので、稀なケースだと思いますね。DIY感が半端ないです。
──いまでも個人で活動しているんですね。
いろんな人と仲良くなって、会って、直接しゃべってつながるのが好きなので。でもスケジュール管理ができなくなってきたので、そろそろ組織に入りたいです(笑)。
このバンドでしかできないことを探すようになっていった
──音楽以外のカルチャーにも精通していますよね。
ファッションや映画、小説、建築とかも好きなので。そういう引き出しから色々引っ張り出してきて、つなげてひとつの作品にするのが好きなんですよ。それは音楽でもいいし、それ以外でもいいし。僕は昔から好きなものができたら、その歴史や背景とか、なにからなにまで全部調べあげる人だったんですよ。それで自然と知識が増えていった感じですね。
──いまでもいくつかのバンドに所属されていますが、そのなかでヒデヲさん自身がヴォーカルを務めるQUADRANGLEは、どういう立ち位置なんでしょうか。
いまだにヴォーカリストとしての自覚が良くも悪くもそんなにないんですけど(笑)
──そもそもこのバンドは、どうはじまったんでしょう。
きっかけは「ジョーカー・ゲーム」の主題歌ですね。まず曲を書かせていただく話があって、誰に歌ってもらおうか考えていたんですけど、「自分で歌っちゃえば?」みたいな空気になってきたんですよ。もちろんそれまでもデモに自分で歌を入れたりはしていたんですけど、流通されて、しかもアニメの主題歌なので、かなり葛藤があったんです。それでどうしてもひとりは嫌だからバンドにさせてくれって言って、そのときに仲がよかった信頼のおけるメンバーを入れて、QUADRANGLEができあがった感じですね。
──ヴォーカルをやりたくてはじめたわけではなかったんですね。
そうなんです。僕そういうの多いですね。時の流れに身をまかせてます(笑)。
──QUADRANGLEという名前の由来は。
名前自体はかなり前からあったんですよ。短い期間なんですけど、この名前で自分のソロをやったり、バンドをやったりしていたことがあって。ただそのときは、単に響きが好きでつけたんじゃないかな。それを改めて引っ張り出してきた。4人組だし、QUADRANGLE(四角形)っていう。割と、スッて腑に落ちたんですよね。
──「ジョーカー・ゲーム」の頃は、継続的に活動するつもりではなかった?
みんなミュージシャンとしていろいろやっている人たちっていうのもあったので。だから「REASON TRIANGLE」のあとに出した1stアルバムを聴いて、「ん?」ってなった人もいると思うんですよ。戦略的に考えていなかったし。アルバムはファンク、シンセポップ、シューゲイザーとかいろんなものを合体させて、好き勝手やったので(笑)。
──それがどのように変わっていったんでしょうか。
たとえば人の視線を気にしたり、誰かにこう思われたいっていう思考回路って、アーティストは少なからずあると思うんですよね。でもだんだん年をとって、それはものすごく窮屈に感じたし、自分で自分の首を締めているような気がしたんです。それで自分自身がどうしていきたいかっていうのを考えていかないとダメだなって、あるときから思うようになったんです。だからQUADRANGLEも自由にやってきたんですけど、作品をリリースしてライヴをやっていくうちに、このバンドでしかできないことを探すようになっていったんですよね。歌いだした以上は、ヴォーカリストとしての自分も作り上げていかなきゃっていうのもあるし。けど、答えは出ないままだった。歌う自分への劣等感もあったし。
──答えを探していたと。
そんなときに、この『RErideD -刻越えのデリダ-』の話をいただいたんです。クリエイティブチームのバンドなので、アニメの楽曲を作る以上は自分たちのエゴを出すより、作品に寄り添う作り方にチェンジしちゃうんですよね。今回の「PARADOX」も、いかに作品を良くするために自分たちが力になれるかっていうのが一番にあったんです。でもレコーディングしはじめたら、その決められたなかでも、いままでよりメンバーのエゴが出てきたんですよ。自分の音楽として、バンドマンとして弾いてたというか。
──メンバーの意識も変化していた。
もともとアクの強いメンバーなので、そうなってくると化学反応がおきて、アレンジも細かく変わっていったんです。それで完成したものを聴いたときに、これが道標になるかもって思ったんですよね。メンバーにもヒデヲくんっぽい曲だねって言われてたし(笑)。自分が歌をうたって、中心に立ってやるバンドとして、やりたいもののヒントはこの曲にあるかもしれないと思って。
──好きなように作ったアルバムではなく、作品に寄り添って作った楽曲でそれに気づかされたのは不思議ですよね。
でも、たしかにその前兆みたいなものはあったんですよ。「REASON TRIANGLE」のカップリングの「SAD SONG」も俺っぽいってよく言われるんですけど、その理由が自分ではわからなかった。それが今回「PARADOX」が生まれたことによって明確になった。これが俺らしさなのかって。
──作品と常に真摯に向き合って作ってきたからこそ、それに気づけたのかもしれないですよね。
この歳になったら、もう自分では気づけないんでしょうね。挑戦することが億劫になって、一歩踏み出すことに勇気がいる。そのなかで原点回帰することが、実は先に進んでいるってことに気づかされたっていうか。いろんなことを経験してきたから、ただ前に踏み出すだけじゃなくて、過去を振り返ったり、戻ったりすることも新しいことになっていくんですよ。それだけ歴史があるから。それを自分のなかで再確認したときに、パチって頭の中のスイッチが切り替わった気はしますね。ほんと、ここ数週間の話ですよ。だから作品自体もだし、メンバーとか関係者とか、みなさんに感謝って感じですね。
今回のレコーディングはいつもと違うスイッチが入った
──完成した曲はその言葉通りロック色が強くて、MVも硬派なバンド演奏のシーンで構成されていますよね。
それをやることに少なからず抵抗はあったと思うんですけど、できあがってみるとすごくQUADRANGLEらしい、自分らしいストレートな曲だなって思いますね。
──ヴォーカリストとしても、これまでの曲とはアプローチが違うように感じました。
やっぱり常にチャレンジして、向上している自分を見せないとダメだと思うし、ワクワクしてもらいたいし、自分自身もそうでありたい。そう思ったときに、今回のレコーディングはいつもと違うスイッチが入ったというか。もちろんアニメの風景もちゃんとイメージできたし、ライヴ・ハウスで聴いている人たちの顔や、CDやテレビ、MVを通して聴いてくれるリスナーの顔もイメージして歌えたので、いまできる精一杯の表現ができたのかなって思います。
──カップリングの「TWILIGHT DREAMS」もバンドサウンドではあるんですけど、ファンタジックですごく優しい曲ですよね。
これもたぶん「PARADOX」に導かれてできた曲だと思うんです。子供の頃って過去は振り返らないじゃないですか。その「過去ってなんだろう」っていう謎めいた感じと、幼かった頃の未来に対するワクワクした感じ。タイムリープものの「PARADOX」と対になってるんです。これも狙って作ったわけではないので、完成するまでここまで明確に相性がいいとは思ってなかったですね。
──ここまでの話を聞いていると、今後のバンドとしての活動もまた変わっていきそうですね。
そうなんですよね。いままで欲がなかったので、あんまりライヴをしてこなかったし、プロモーションも率先してやってこなかった。でももっとQUADRANGLEの世界観を知ってもらいたい欲は出てきたかも(笑)。いまはちょうどフルアルバムの制作がはじまった感じですね。自分自身が「PARADOX」で教えてもらったものをより明確にして、もっと数を増やして、ひとつの作品にしたいなと思っています。
──アルバムが完成したら、それこそライヴが見たくなる気がしますね。
できるんですかねー(笑)。スケジュール的に、めちゃくちゃライヴの本数を増やせるかって言うと難しい部分はあるんですけど、いっぱいやりたい欲求はもちろん常にあります。前向きです(笑)。
──バンドとして最高の状態なのが伝わってきます。
いまになって、新人バンドやっていますって感じですね(笑)。
──最後にヒデヲさん個人としてお聞きしたいんですけど、バンドや音楽という枠組みを取っ払ったときに、どんな表現がしてみたいですか?
いちばんの究極は街を作ることだと思うんですよ。僕も大好きでよく行くんですけど、某夢の国とかは理想に近いですね。建築や音楽、デザインであったりとか、全部が秀逸で。あるブロックから別のブロックに移動するときに、音楽もナチュラルに変わっていたりするんですよ。そんな感じの思考回路だから、自分の部屋というか、アトリエはどえらいことになってるんですけど。森になっているので(笑)。
──それはかなり気になりますね(笑)。
公園やビル、無人島でもなんでもいいんですけど、自分のキャパシティにないような大きい空間をトータルプロデュースしてみたい気持ちはあります。いまはその欲求をギュギュギュッと凝縮して、音楽で放出しているのかなっていう気がしますね。
『RErideD -刻越えのデリダ-』OP『PARADOX』 ED『トキノツバサ』配信中
PROFILE
QUADRANGLE
Vocal / Guitar : HIDEO NEKOTA
Guitar : OMAR
Bass : TAKESHI UNO
Drums : HIROYUKI SUZUKI
数々のロックバンドでベーシスト、ブレーンとしての役割を担い、作家としてLiSAや西野カナ等への楽曲提供や、デザイナーとしても活躍する猫田ヒデヲが、ヴォーカリストとして不定期に活動してきたソロプロジェクト「QUADRANGLE」に、正式メンバーとして元ART-SCHOOLリズム隊で、LiSA、JUNNA、フルカワユタカ、Poet-type.M等のサポートでも活躍するベースの宇野剛史と、LiSA、土岐麻子、内田真礼、tacica、Schroeder-Headz等のサポートでも活躍するドラム鈴木浩之、 そして感情直結型のテクニカルなギタリスト、オマーの3人が加わり、2016年バンドとして始動。
【QUADRANGLE 公式HPはこちら】
http://quadrangletheband.com/
【QUADRANGLE 公式Twitterはこちら】
https://twitter.com/quad_jp