nonoc、熱量を増した歌声で最前線へ──『魔法少女特殊戦あすか』OPテーマ『KODO』ハイレゾ配信
2018年、人気アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』の新作エピソードの主題歌として鮮烈なデビューを果たした北海道出身・在住のシンガーnonoc。彼女が待望の1stシングル『KODO』をリリースした。川田まみが作詞、中沢伴行が作曲を担当した今作はアニメ『魔法少女特殊戦あすか』のオープニング主題歌に決定。楽曲制作陣の名前に負けぬ熱い歌声が鳴り響く今作をOTOTOYではハイレゾ配信するとともに、nonocへのインタヴューを敢行。デビューの実感や初めてのMV撮影など、フレッシュに語っていただきました!
nonocTVアニメ『魔法少女特殊戦あすか』OPテーマ、待望の1stシングル配信開始
INTERVIEW : nonoc
北海道に住みながら歌手活動を始めたnonoc。彼女の会心の歌手デビュー作『KODO』が完成した。アニメ『魔法少女特殊戦あすか』の主題歌とあって力強いメッセージ性と少女の葛藤を描いた痛快なナンバーだ。登場人物が同い年くらいの少女であることから、本人曰く“私だからこそ伝えられるものがある“のだという。誰にでも当てはまるようなテーマを持った曲でもあるのだとか。朝4時起きで東京まで来てくれた彼女に直撃した。
インタヴュー&文 : 荻原 梓
写真 : 大橋 祐希
私だから伝えられる部分があるんじゃないかって
──今作が待望の1stシングルですね。
ついに私の顔がジャケットになったCDが世に出ます。私の作品の第一歩という感じです。
──前作の反響はどうでしたか?
OVA「Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow」のサウンドトラックに、エンディングテーマとイメージソングも収録していただいた形なので、私個人の作品というわけではなかったのですが、作品が大きかっただけに、私の周りのアニメをそんなに知らない人とかにも「すごいじゃん」とか言ってもらえたり。実家に帰ったら私のアーティスト写真の拡大コピーを壁に貼ってくれてたりして(笑)。今回の『KODO』でも、札幌のアニメイトさんでは大々的にプロモーションしてくださっていて、そういうひとつひとつが今は本当に嬉しいです。
──歌手として活動してる実感が湧いてきましたか?
そうですね。いままでは歌うことが単純に趣味として楽しいものだったんですけど、曲を作ってる人とかアニメを作ってる人とか作詞してる人とか、いろんな人が携わってる作品を私の声で歌うので、これからは責任を持ってちゃんとやらなきゃなって。ただ楽しいとか上手くなりたいとかじゃなくて、歌うことが仕事に変わったので。なので、私だから伝えられる部分があるんじゃないかって常に考えてます。
──なるほど、ちょっとずつ責任感が芽生えてきたんですね。さて、そんな中での1stシングル「KODO」ですけれども、今回も作曲は中沢伴行さんです。
前回のイメージ・ソング「Relive」でご一緒していたので、聴く前から中沢さんが作ってくださってるのなら絶対格好良いだろうなって。で、聴いたらやっぱり格好良かった。大先輩の川田まみさんの歌詞も物凄く良くて。
──激しさの中に暗い部分を持った曲ですよね。
そうですね。ミステリアスな感じって言うんですかね。表に出したい気持ちを必死に隠してる主人公の感じが暗くもあり、悲しくもあり、辛くもあって。この『魔法少女特殊戦あすか』の主人公のあすかちゃんは凄く強いんですけど、戦うことは嫌いな子なんです。なるべく戦いたくないけど友達を失いたくないから戦わなきゃいけない。どれだけ逃げても戦いが追いかけてくる。そういう葛藤が彼女にはあって。あと、彼女には戦う時のリズムがあるんです。染み付いてるビートを持ってる。それをこのサビの〈beat… beat… beat!!〉の部分は言ってるんだろうなって。
──サビのその部分、とても印象に残りますよね。歌っていて苦労したポイントはありますか?
歌詞に英語が多いんですけど、いままで英語詞は歌ったことがなくて。
──でも初めてとは思えないくらい自然でしたよ。
ありがとうございます! あと、怪しげな雰囲気を出すのにウィスパーヴォイスを使ったんですけど、それも初めての経験でした。
──〈I don’t wanna lose anymore…〉のところですよね。とても雰囲気出てました。
もともとウィスパーヴォイス系の曲が好きだったんです。いままで色んなジャンルの曲を好き嫌いせず聴いてきたので、それが良かったのかなって。
暗い気持ちも共感しあえる部分があるからこそ救われる
──レコーディングの際に歌い方の面で指摘されたことはありますか?
歌声にメッセージ性を強く持たせたいから「もっと熱く歌って」とは言われました。なので、とにかく気持ちで乗り切ってる感じです。少女が押し潰されそうになったときの気持ちというか。
──少女が押し潰されそうになったときの気持ち?
アニメの内容に沿った歌詞だと思うんです。たくさん女の子が出てきて、たくさん傷ついて、すごく悲しい気持ちになるけどそれでも頑張るっていう作品なので。みんな私と同じぐらいの歳の女の子の話だから、私がその気持ちを伝えるべきなんだと思って。主人公は戦争を乗り越えてきた人でもう戦いは嫌だからって普通の学校に転校するんですけど、それでも友達が敵に狙われちゃう。戦いたくないのに、友達を守るためには変身して戦わなきゃいけないんです。そういう葛藤がこの歌詞には表現されてるなって。
──ちなみに普段はこういう激し目でラウドな音楽は聴くんですか?
私自身、普段聴く曲はめちゃくちゃ暗くて。
──えっ意外(笑)!
そうなんですよ。どん底に落ちるまで聴いて「はあ……なんてものを作るんだこの人は」って。でも逆にそれに助けられてるんです。こんなに暗い気持ちを歌っても良いんだって。暗い気持ちも共感しあえる部分があるからこそ救われるんです。
──中には悲しい時に明るい曲を聴く人もいますけど、nonocさんは逆なんですね。
雨の日には暗い曲を聴いちゃいます。ずーんって。気付いたら暗い歌詞の曲ばかり聴いててこれは良くないなって。でもなんて言うんだろう……”音”が好きなんですよ。”音”そのものが。ここのイントロ良いわあ……とか。高校を卒業するくらいにいろいろなジャンルの曲を聴くようになったんですけど、でもやっぱり原点回帰していまはまた暗い曲が好きになって。自分はこういう人間でも良いんだって思える。
──2番の歌詞に〈堕ちる喧騒の渦から 何度も心を拾われて、今〉とありますけど、まさにそんなnonocさんにはぴったりの歌詞かもしれないですね。
そうかもしれない。それと、この曲が歌ってることって私たちが生きてる現実でも同じようなことがあるんじゃないのかなって思うんです。私は魔法少女ではないけれど、嫌だと思っててもやらなきゃいけないことってたくさんあるし、大人になればなるほどそういうものは多くなるから。助けたい人がいるから頑張るとか、家庭があるから頑張るとか、何かを守るために頑張って仕事するじゃないですか。生きるってそういうことだと思うんです。
もっと魅せ方のバリエーションを増やしたい
──なるほど、誰にでも当てはまるもの持った曲だと。MV撮影はどうでした?
MVを撮るのは初めてだったので緊張してました。でも、ざっくりとした絵コンテをいただいた時から楽しみで。撮影自体も凄く楽しかったです。同じ1cho目でも何テイクも撮って編集しているので背景の凝ってる感じとか見てもらいたいです。ただ、マイクを持たずに歌うことが今までなかったので、手持ち無沙汰になってしまったり、体の動きが一辺倒になってしまったので、カメラに対してどう動いたら格好良いのかとか、カメラ越しに自分がどう見えてるのかとか、今後はもっと魅せ方のバリエーションを増やしたいですね。
──アーティスト写真もそうですけど、色っぽいと言いますか、妖艶さを感じます。今作の全体的な色使いとして衣装の黒だったり髪に付いている花の紫色がとても綺麗ですよね。
MVは割とはっきりした色で、逆にアー写は淡い色使い。この頭に飾ってるのは全部生のお花なんですけど、中には雰囲気を出すために少しだけ枯れさせた花も生けてくださって。本当に一本一本生けてくんです。私を土台に生花をしてる感じなのでちょっと動くと花が落ちてしまって大変でしたけど、こんなに綺麗に飾っていただけるのは人生でもそうそうあることじゃないなと思って、とても楽しい撮影になりました。
──今回「KODO」を歌ってみて気付けた自分の新たな一面などはありましたか?
いままでは、今回みたいにサビに力強いメッセージを置くような曲を歌って来なかったというのもあって、私の声は高めで”可愛い系”だと言われることも多かったんです。自分でもそういうものが得意だと思い込んでたんですけど、「KODO」を歌ってみたら”格好良い系”って言うんですかね……熱い歌い方、強い声の出し方みたいなものも出来るんだって発見できたんです。
──歌ってみて初めて気付けた。
はい。レコーディングのときにも周りの人から「いいね、熱い歌い方できるね」って褒められて。
──これからはライヴもありますね。
まだお客さんの反応とかも分からないですが楽しみです。MV撮影のときもそうでしたけど、なかなか想像してるように体を動かせないので、パフォーマンスや、盛り上げ方をこれからはもっと勉強していかなきゃなと思ってます。
──今後はどんな曲にチャレンジしたいですか?
テクノっぽいサウンドも好きなので、ピコピコしたロックみたいなものもやってみたいし、MVも今回はクール系の格好良い映像を撮ったので、次は笑ってる可愛い感じにも挑戦してみたいなとは思ってますね(笑)。
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『Re:ゼロ』主題歌での鮮烈デビュー。──いまだ謎多き新人シンガーnonocの素顔を暴く!
https://ototoy.jp/feature/2018111602
LIVE SCHEDULE
〈TVアニメ「魔法少女特殊戦あすか」オープニングテーマ「KODO」 発売記念イベント」〉
2019年3月2日(土)@アニメイト横浜店
時間 : OPEN15:30 / START16:00
内容 : トークショー&ミニライブ&お渡し握手会
PROFILE
nonoc
北海道歌志内市出身・札幌在住。「nonoc(ノノック)」。
高校在学中に楽曲投稿アプリで歌声を披露し始め、本格的に音楽活動をスタート。
2018年、OVA映画「Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow」のイメージソングとエンディングテーマ、2曲のボーカルに同時に抜擢され、株式会社KADOKAWAよりメジャーデビュー。
2019年2月27日には、メジャー1stシングル「KODO」のリリースが決定している。
>>>公式HPはこちら
https://www.office-cue.com/profile_media/profile.php?t=30
>>>公式ツイッターはこちら
https://twitter.com/nonoc_doll