【連載】Episode47 MAHO EMPiRE「エージェントと一緒に、この瞬間を楽しみたい」

WACKとavexの共同プロジェクト、EMPiRE。2020年10月には約9ヶ月ぶりとなる単独有観客ツアー〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 4-〉を愛知、大阪で開催。11月1日(日)には札幌hitaru、11月23日(月祝)には福岡サンパレス、12月5日(土)には仙台サンプラザでの開催も発表し、全国5都市でワンマンを発表しているEMPiREに、2020年3回目の個別インタヴューを敢行。第1回はMAHO EMPiREの声をお届けする。
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INTERVIEW : MAHO EMPiRE

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、なかなかライヴができず、もどかしい想いをしていたMAHO EMPiRE。今年行った2回のインタビューでも、その胸の内を語ってくれた。そして約9ヶ月の期間を経て、ついにエージェント(※EMPiREファンの総称)たちの前で待望の有観客ライヴを行った。そんな彼女に、現在なにを想い、考えているのかを訊いた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 外林健太
初めての感覚というか、こみ上げてくるものがありました
──10月17日に、約9ヶ月ぶりとなる単独有観客ツアー〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 4-〉の初日公演を愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホールで開催しました。しばらくライヴができなかった中で浮き沈みはあったと思いますが、どのような気持ちで最近は過ごしていましたか。
MAHO EMPiRE (以下、MAHO) : コロナ禍が少し落ち着いてきた頃から、自分の中で深く考えすぎないようにと思うようになったんです。そこからは結構すっきりした気持ちで生活を送っている気がするし、ありがたいことにツアーができることになってからは、本当に前向きな気持ちでいられています。

──ライヴができるということは、MAHOさんの中で大きい出来事だった?
MAHO : はい。私の生活のほとんどがライヴのことでいっぱいだったので、ライヴがなかったことで落ち込んでいたところがあったんです。まだ感染拡大防止のため、様々な制限があるにしろ、できるとなってからはいいモチベーションでいられています。
──久しぶりの有観客ライヴ、どういう気持ちで臨みましたか?
MAHO : いろいろなことが変わったり、普通の日常じゃなくなったりして、それぞれの生活できついこともあっても待ち続けてくれた人も多かったと思うんです。だからこそ純粋に楽しみたいという気持ちが大きくて。自分たちも久しぶりのライヴで、どういう気持ちになるのか分からなかったけど、純粋にライヴで楽しい気持ちが芽生えるのが1番EMPiREらしいなってことを、この期間すごく考えていたから、それが実現できたらいいなと思って臨みました。
──初めて披露する曲も多かったと思います。緊張はなかったですか。
MAHO : 緊張もしたんですけど、コロナ禍になる前とは違う気持ちでできたなと思います。例えば「ORDiNARY」は、こういうことがあったからこそ歌詞にパワーがすごく宿ったというか、届けたい気持ちが大きくなった曲だなと思うんです。既存の曲もそうなんですけど、そういう瞬間がたくさんありました。
──EMPiREの振り付けは、激しいダンスの楽曲もあります。久しぶりの長尺のライヴに対する不安とか心配みたいなものはなかったですか?
MAHO : ツアーをやることが決まった最初の練習でみんながちょっとやばい! ってなったんですけど不安はあまりなかったです。実際、目の前にお客さんがいることに興奮して。息切れとかはもしかしたらしていたかもしれないですけど、自分の感覚では疲れたとか、そういうのはなかったです。
──久しぶりのお客さんの前でのパフォーマンスはどんな気持ちでしたか?
MAHO : 初めての感覚というか、こみ上げてくるものがありました。1曲目が「MAD LOVE」だったんですけど、やりながら幸せだなと思っていました。これまで何回もライヴをしたけど、「MAD LOVE」で泣きそうになったのは初めてでした。
──今回のセットリストにはどんな意味やテーマがあったんでしょう。
MAHO : 「MAD LOVE」から始まったというのは、みんなで作るというか、寄り添いながらやっていく感じが込められていると思っていて。これまでだったら「This is EMPiRE SOUNDS」とかから始まりそうじゃないですか? そうじゃなくて、最初は一緒に喜びを分かち合いたい。そういうセットリストだったなと思っています。

──ステージから見たお客さんの反応はどうでしたか。
MAHO : マスクをして声を出さなくても、みんなの愛がすごく伝わってきました。あたたかい反応でしたね。エージェントのみんなもたぶん、初めてのライヴの形だったから、どう伝えたらいいのかわからない部分もあったと思うんです。だけど、できる伝え方を一生懸命してくれるのが伝わってきたので、私たちももっと伝えないといけないと思ったんです。配信や無観客ではない、相手がいるからこそ生まれていくものがあるんだとすごく感じました。
──ライヴ後、メンバーとはどんな話をしましたか?
MAHO : 終わった直後は、目の前にエージェントがいたことの喜びをお互いで分かち合う感じでした。今まで、EMPiREはかっこよくなきゃならないし、かっこよくいたい気持ちが強すぎて、硬くなってしまうことが多かったけど、そうじゃなくてすごく楽しめた。それが分かったって、みんな言っていました。純粋にライヴを楽しむということを、みんなが手応えとして感じられたのかなと思っているので、そこを追求していけたらいいなと思います。
──コロナ期間中、ファッションのお仕事などにも挑戦して、新しい活動も増えましたが、やっぱりライヴというのはMAHOさんにとって重要なもの?
MAHO : はい、1番です。

──無観客ライヴもいくつか行っています。〈TOKYO IDOL FESTIVALオンライン2020〉は大きなイベントでしたが、いかがでしたか。
MAHO : エージェントじゃないみなさんも見てくれる場でもあったので、いろいろな人にEMPiREを知ってもらえたらいいなという気持ちもあったし、離れていても届いてほしいなという気持ちでやりました。TIFって、WACKのステージがあったり、スペシャルじゃないですか。お祭り的な感じで、みんなが楽しんでくれたらいいなと思いながらライヴをしました。
目の前にいるみんなと交換しあいっこをしながら作っている
──少しずつ前進しているとはいえ、まだ先の見えない部分も多いと思います。今の世の中や未来に希望みたいなものって感じられますか?
MAHO : うーん、正直、大きいことはあまり考えられないというか。考え始めたら止まらないし、私はそんなキャパがないので分からなくなっちゃうんですよ。目の前のすごく近いもの、今だったらちょっとずつできるようになっているライヴという小さな希望を、1個1個向き合っていくしかないとすごく思っている。なので、あまり先のことは深くは考えないようにしています。
──仕事柄、お客さんに希望を与える存在でもあるわけじゃないですか。そういう責任感というか重みみたいなものは感じたりはしますか?
MAHO : もちろんライヴに来てくれたら元気になって楽しんでほしいと思うんですけど、それを重みとはあまり思っていなくて。それができることが私たちがいる意味だと思っているから。それを成し遂げることに重みはないけど、責任はあると思います。それをすることで、自分たちがもらうものも大きいので。

──自分たちがもらうもの?
MAHO : 交換っこだったんだなって思ったんです。直接会えずに配信ライヴをしていた期間中も、会えてないみんなに届いてほしいと思って自分の中で気持ちを作ってやったけど、なんだかもどかしくて。今回、お客さんの前でライヴをしてみて、私がエネルギーをみんなにあげているというよりは、目の前にいるみんなと交換しあいっこをしながら作っているんだなと思ったんです。
──交換しあうというのは、エージェントたちから?
MAHO : エージェントもそうですし、メンバーからもです。私は、自ら話したりするタイプではないから、MAYUちゃんが気を遣って電話して話をしてくれたりケツを叩いてくれたり、すごく助かっていることが多くて。それこそEMPiREのメンバーって見ているだけで元気が出るじゃないですか? もちろんみんな、心の中でそれぞれ思うことはあったんでしょうけど、会ったら変わらず元気だし、変わらずバカなことをしている。そういう姿を見ているだけで、沈んだ気持ちに侵食されていくのはもったいないなと思うし、日常的なメンバーの空気にすごく助けられているなと思います。
目の前にいる人を全力で大事にして楽しんで目標を達成できたら最高

──コロナ禍でMAHOさんに2回ほど取材をさせてもらいましたが、その時と比べて気持ちが軽くなったのかなと感じました。
MAHO : 少しずつできることが増えたことがすごく大きいと思うんです。ただ家にいるしかなかった時期があったことで、今できることにどれだけ真摯に向き合えるかが大事だと思うようになった。あまり後ろ向きな気持ちになってもなというのもあるし、正直、私あまり考えるタイプの人間じゃないんですよ。
──そうなんですか? 意外です。
MAHO : 考えなきゃいけないと思って考えた気になってごちゃごちゃするより、目の前のことをちゃんと見て、私は何がやりたいんだろう、じゃあやってみようぐらいのフランクな感じでやった方が、この状況ではすごく前に進める気がしているなって思うんです。
──すごく考えていそうに見えますけどね。
MAHO : いや、私、思ったより単細胞ですね(笑)。
──コロナ禍で始めたキーボードは今も続けていますか?
MAHO : 最初の方はヘッドホンをしてすごい小さくしてやっていたんですけど、興奮してくると歌のボリューム大きくなってしまって、ついつい声が大きくなってしまうんです(笑)。家から追い出されたら困るから、人がいなさそうな時間を狙ってヘッドホンでちょっと触るぐらいで歌うようにしています。

──歌うのとか音を鳴らすのが好きなんですね。
MAHO : もともとずっと歌うのが好きで、お風呂とかでよく歌っていたんです。
──歌う機会が戻ってきて、本当によかったですね。この先のライヴはどのようなものにしていきたいと思いますか。
MAHO : 今までだったら、「EMPiREとして成長したい」とか「かっこいい姿を見せたい」という言葉が出ていたと思うんですけど、今は純粋に足を運んでくれるエージェントのみんなと一緒に、この瞬間を楽しみたいというか。みんなもいろいろなことがあるだろうけど、EMPiREのライヴを楽しめたから、それまでのつらいこともちょっと許すかぐらいの感じになってもらえたらいいな。直接話したりもできない状況だからこそ、そうやって寄り添えていたらいいなって。そのためには、本番までに私たちがしっかり準備をしないといけない。6人でちゃんと話して、どうやってみんなを楽しませられるか、元気にできるかを考えながらやっていきたいなと思いますね。
──地に足をつけた形で前に進んでいるのがいいですね。
MAHO : また改めて一歩一歩ライヴを積み重ねていった結果、以前話していたような大きな会場につながっていくと思うんです。大きいステージを目指すことも大事ですけど、今目の前にいる人を全力で大事にして楽しんで、目標を達成できたら最高だなって思います。

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