【ExWHYZ】Episode13 mayu「私にとってのエネルギーは、ハッピーなバイブスだけではない」

昨年末〈ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.3 [Final Series YEAREND PARTY]〉を成功させたExWHYZ。メンバー個別インタヴュー第1弾は、mayuが登場。3月のSeihoとのスプリットツアー〈SeihoWHYZ〉、5月のライブハウスツアー〈ExWHYZ TOUR 2024 'Futura Free'〉や、3月20日にリリースのV.Aアルバム『Dress to Kill』について、さらには彼女の性格やライヴに対する考え方も率直に語ってもらいました。
マスター待望のキラーチューンがついにリリース!
INTERVIEW : mayu (ExWHYZ)

2017年のWACK合宿オーディションで初めてmayuと出会って取材を重ねてきた中で、前回の個別インタビューでは、一番ハッピーなモードになっている姿を見て驚いた。それから約半年。もともと自問自答を繰り返し、常に自分やグループと向き合ってきたmayuはいまどのようなモードなのか? 赤裸々な彼女の言葉からは学ぶことがとても多いように思う。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希
まだ人や社会に向けて何かをしたいってフェイズではない
──前回の取材では、mayuさんのハッピーバイヴスがかなり強くて、いろんな業が吹っ切れた感を強く感じたんですけど、最近またXで自身の内面をポストしていますよね。
mayu:前回の取材って何月でしたっけ?
──たしか9月頭くらいだったと思います。
mayu:去年の夏がすごい元気で。人生楽しい!って感じだったんです。私のサイクル的に、悩みに悩む時期があって、それを抜けると「楽しい!まだまだやるぜ!」みたいになるというか。だから、今は成長痛みたいな時期で、なんで自分はこの活動をやってるんだっけってことを、もう一回考え直している期間なんです。考えているというより、脳が勝手にそうしているんですよ。自分自身に考えさせられてるのに近い。
──もともとmayuさんはひとつの物事をとことん考え抜くタイプですもんね。
mayu:私は根があまり明るくないから、後ろ向きなことを言いたくなっちゃうんですよ。ダサいんですけど、人に期待されないために「私はダメなやつなんですよ」って言いたくなっちゃう。だからEMPiREでの活動初期から数年間はダメな自分をそのまま出しちゃう事があって、ライブとかも、くそ!って思ってる時はくそって顔でやっちゃっていて。周りの人にも気を遣わせていただろうし、よくないなと気づいて、1回穏やかになってみようと思い、そこから何年間か、穏やかを目指して過ごしていたんです。
──穏やかであることを目指していたんですね。たしかにmayuさんの変化は感じました。
mayu:みんなも感じていたと思うけど、明るくなったし、感情が豊かになったというか。嬉しいとか楽しいって素直に言えるようになったんです。ただ、穏やかになるためには、全部を許さないといけないなと思っていて。その分、こういう人もいるな、そういうこともあるかみたいに考えてしまうと、周りのことが全部どうでもよくなってしまうというか。そうしているうちに、私はなんでこの活動をやってんだろう、みたいに思ってしまう時があって。
──穏やかになったことで、自分の活動の理由を見失いそうになってしまった、と。
mayu:今年のWACKツアー初日の川崎公演で、渡辺(淳之介/WACK代表)さんが、「みんなはWACKに入って、やりたいことをやれてる?」って話をしてくださって。渡辺さんは、自分がやりたいことやるためにWACKを作って、いまはロンドンに行ったり、そのために勉強したりしているけど、今の所属メンバーはやりたいことやれてるのって言われて。やりたいことをやれている感覚はあるんですけど、そこをもうちょっと考えた方がいいなって。私は、入った理由と頑張る理由は、別に違くていいと思うんです。変わっていくものだと思うから。ただ、私は今、まだ人や社会に向けて何かをしたいってフェイズではないなと思ったんです。

──外に向けてというより、自分自身に向けてなにかをやりたかった?
mayu:私は基本、ずっとイライラしてる人間なんだなって思ったんですよ。それを穏やかにしようと、どうにかして考えをシフトしていたんですけど、基本的なところに戻れば、なめんじゃねえよ、馬鹿にすんじゃねえよみたいな気持ちでずっといる。そういう自分も全部ひっくるめて好きになるためにWACKに入ったなと思ったんです。本当に自分のことが嫌で、自分の人生もどうでもよかったけど、WACKに入って、どんどん好きなメンバーとかファンの人ができていった。それにつれて自分の人生も好きになっていって。そういうことをしていくために、私はこの仕事をやってるなと思ったんです。私は自分のためにやってるなと思ったし、あまり大きく考えすぎないようにしようって思ったんです。もっとやんなきゃいけないという切迫感はあるんですけど、生き急いでるなと思って。イライラしてる気持ちをそのまま出すんじゃなくて、いろんな方法で、自分を好きになるための形に変換できるようにちょっとはなったから。別にイライラしても構わないなと思えたんです。
──いまのmayuさんには、受け入れてくれる仲間やマスターたちがいるわけじゃないですか? 何に対してそこまでイライラしているんでしょう?
mayu:それが、わからないんですよ(笑)。別に誰か個人にイライラするとかじゃなく、多分被害妄想なんです。人になめられてる、馬鹿にされてると思って生きているというか。
──EMPiRE、ExWHYZとしてのキャリアを積み重ねて実績や自信をつけていってもその気持ちはなくならない?
mayu:なくならないですね。まだ全然、何も成し遂げてないから。普通に自分にムカつきますね。自分でもなんでこんなにイライラしてんのかわからない。万年イライラみたいな。
──それって一生なくならないんだろうなと思います?
mayu:そう思います。何かにずっと噛みついて生きてる人とか、反骨精神のある人、ずっと尖ってる人って、本当にすごいなって思うし、尊敬するんですよ。だって、それってめっちゃ疲れることだから。大人になっていくと、だんだん人のことを許せていくじゃないですか?まあ、そんなこともあるよねみたいな感じで。そうならない人って本当にすごい。自分を全く歪ませてないから。私もこの仕事してる以上は、それが自分のガソリンというかエネルギーに変える力になるものだと思うんです。私にとってのエネルギーは、ハッピーなバイブスだけではないんだって気付きました。
