2018/09/17 20:00

【連載】Episode14 MiKiNA EMPiRE「お客さんが自分から観たいと思うライヴをしたい」

MiKiNA EMPiRE

BiS、BiSH、GANG PARADEを手がけるプロダクション・WACKと、エイベックス・エンタテインメント株式会社によるアイドル・グループ、EMPiRE!! 2018年5月には新メンバー2人を加え、満員のマイナビBLITZ赤坂にて初ワンマンが行われた。また、2018年9月5日にリリースした新体制初となるミニ・アルバム『EMPiRE originals』は、2作連続となるiTunes週間1位、オリコン週間8位を獲得。9月4日(火)にはマイナビBLITZ赤坂で再びワンマンを成功させたEMPiREの2周目の個別インタヴューを敢行!! 第6回は、MiKiNA EMPiREの言葉をお届けする。

新体制初リリースとなるミニアルバムをハイレゾ配信中

EMPiRE / EMPiRE originals (OFFiCiAL ViDEO)

EMPiRE / EMPiRE originals (OFFiCiAL ViDEO)

INTERVIEW : MiKiNA EMPiRE

MiKiNA EMPiREは、今年3月に行われた「WACK合同オーディション2018」にてEMPiREへの合格を勝ち取り、MAHO EMPiREとともに5月1日のマイナビBLITZ赤坂ワンマンでお披露目を果たした。いつも笑顔でいながら、自信を持ちきれなかったと語るMiKiNAは、初の全国単独ツアーを経て、どのような気持ちで2度目のBLITZのステージに立ったのか。その想いを訊いた。

取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 外林健太

自信に繋がるライヴができたと思います

──EMPiRE初の全国単独ツアー〈EMPiRE NEXT EDiTiON TOUR〉のファイナル公演を、9月4日、マイナビBLITZ赤坂で行いました。現体制では2回目となるブリッツワンマンでしたけど、ライヴの手応えはいかがでしたか？

MiKiNA EMPiRE(以下、MiKiNA) : 個人的な目標として、自分の自信につながるライヴにしたいと思ってツアーに臨んできて、どう歌えば気持ちが伝わるかを考える余裕も出てきたので、ブリッツでも自信に繋がるライヴができたと思います。グループとしても、5月のブリッツとは変わった部分を見せることができたと思います。その上でもっと自由にパフォーマンスができたら、さらに伸びることができるかもしれないという課題も見つけられたライヴでした。

──MiKiNA自身、堂々として楽しそうにパフォーマンスしている姿が印象的でした。

MiKiNA : 初めて立ったブリッツより気持ちも自由になってできたと思います。ツアーで「Buttocks beat! beat!」を連発するようになってからは、メンバー間でそれをどうやって表現しようかという意見も増えてきて。自分たちの気持ちを前に出そうという気持ちを持ちつつ、楽しくできたんじゃないかと思います。

──〈TIF〉で「Buttocks beat! beat!」を連発したときに、1曲ごとにもうちょっと見せ方を考えられるんじゃないかって話をしてくれましたけど、ブリッツのアンコールで披露した5連発は、どんなことを考えて臨んだんでしょう?

MiKiNA : 自己満足じゃなくて、お客さんを見ながらできることは何かってことをメンバーですごく話し合いました。ライヴ中にメンバーの歌割りを交換して歌うのを見れたら楽しいんじゃないかとか、後は雰囲気を変えてみたりとか。

──中でも、「Buttocks beat! beat!」冒頭でのMiDORiKOのシャウトは、すごくインパクトありました。

MiKiNA : あれ、いいですよね。私も好きです(笑)。DORiちゃんがああやってシャウトするだけで場が湧くじゃないですか。本当に大きい存在です。

──MiKiNAはどんなことを意識してやっていたんでしょう?

MiKiNA : 個人パートのとき、1人1人の振り付けがあって、最初の頃は振り付けの先生に教わったものをやっていたんですけど、今回は自分で変えてみたりしました。連発3回目の「Buttocks beat! beat!」では、エロい雰囲気でやろうってメンバーで話し合ったので、エロい女の振り付けを考えてやったりとか(笑)。

──エロい煽りってどんなですか(笑)?

MiKiNA : とりあえず、「あーん」って言いました(笑)。あと、「熱くなりましょう」って(笑)。

──あはははは。「S.O.S」の間奏部分で6人の振り付けの見せ場があるじゃないですか。MiKiNAと同期のMAHOと一緒にダンスをするところは、特にグッとくる振り付けでした。

EMPiRE / S.O.S (OFFiCiAL ViDEO)

MiKiNA : あのパートは振り付けの先生が振りを入れてくださったんですけど、私とMAHOちゃんで、やる時に目を合わせようねってことを話していて。そしたら2人の雰囲気が伝わるんじゃないかなって話し合ってやりました。

お客さんと一緒にやるってことを意識するようになりました

──ツアーを通して、自分が変わったと思う部分はどんなところでしょう?

MiKiNA : 自分を見るようになったことだと思います。これまで、自分のことを立場が下だって決めつけていたんですけど、そういう気持ちを払拭して前向きになりました。あとは、メンバー6人で前に進もうっていう気持ちが強くなったと思うんですよ。ツアーを通して、より同じ方向に向いた感じはします。

──ツアーで一緒に行動することが多かったということもあると思うんですけど、どうして同じ方向に気持ちが向いたと思いますか。

MiKiNA : 1箇所1箇所ツアーをまわるうちに課題が見えてきて。渡辺(淳之介)さんからも細かいご指導をいただいたんです。その中で自分たちが求められていることを1個1個認識するようになっていって。次の場所では、ここをもっとしっかりやろうとか、みんなでやろうってことを話すようになったのも大きいです。

──今回のツアー全箇所に渡辺さんは同行していました。それは、EMPiREにWACKの哲学を伝えたかったからなのかなと思うんですけど、ツアー中に言われたことで印象的だったり、学んだりしたことはどんなことでしょう?

MiKiNA : お客さんのことをちゃんと考えながらやりなさいってことをすごく言われました。今までは自分たちの感情をお客さんに押し付けていたというか、自己満足みたいなところがあったと思うんです。MCも、私たちがおもしろければ、お客さんも楽しくなってくれるかなと思って煽りもしていたんですけど、「お客さんと呼吸を揃えてやるといいよ」って言われて。楽しいだけじゃなくてお客さんと一緒にやるってことを意識するようになりました。

──もともとMiKiNAは、EMPiREに加入する前からWACKのグループのライヴを観に行っていたこともあるわけで、お客さん視点の気持ちや考えが身を以てわかるわけですしね。

MiKiNA : そう考えると、EMPiREで活動を始めてから自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃっていたんだなと思います。お客さんだったとき、こういうライヴをしてくれたらいいなって思っていたことを改めて考えたりしました。

──5月に初めてブリッツに立った時と比べて、今回のブリッツではどういう部分が変わったと思いますか？

MiKiNA : 5月は失敗を恐れずにやるって感じだったんですけど、今回は歌う余裕を持って臨めたと思います。でも、逆に5月の方がなんでもやってやれっていう勢いがあったかもしれない。よくも悪くも今回のほうが慎重になってライヴしたかもしれないです。そこは、ちょっと怖気づいちゃったかもしれないです。

──5月のブリッツでは、YUiNAを含む5人体制のライヴもあり、既存のメンバーも余裕がなくて、あまりメンバー同士で話し合いできなかったって言っていましたよね。今回は話し合いはできました?

MiKiNA : 前日くらいに自分の気持ちを言う機会があって。そこでちょっと安心したっていうか、気持ちが一緒になってライヴに向かえました。

EMPiRE / EMPiRE originals (NEXT EDiTiON TOUR FiNAL at マイナビBLITZ赤坂)

──ツアー中はずっと6人で一緒に行動していたわけですけど、意見のぶつかり合いみたいなものはなかった?

MiKiNA : ぶつかり合いはないんですけど、メンバーみんながブリッツが近づくにつれて焦ったりしていて。効率のいい練習はどうやったらいいかとか、そういう話し合いをしたとき、意見の違いとかがたまに出てピリつくんですけど、そんなに長引いたりとか深刻になったりはしなかったですね。誰かしら方向を変えようとしたりしてくれたりして。

──YUKAがMCで「私たちがいるこのアイドルという世界は、いくら時間をかけて大切に作ってきたものでも一瞬で壊れてしまうことがあるほど、残酷な世界だと私は思っています」って話をしていましたけど、この6人はメンバーではあるけど、友達ではないし、ツアーで徐々に信頼関係が生まれていったのかなって。

MiKiNA : たしかに不思議な関係ですよね。一緒にいる時は話も弾むし、笑いあって楽しいんですけど、仲良しこよしみたいな感じではなくて、1人1人が独立している感じがする。ちょうどいい距離感を保てているから、できることなのかなって。

私が中耳炎になった話を稲川淳二風に話しました(笑)

──ブリッツではコントというか茶番劇みたいなMCのコーナーがありましたけど、これはツアー中からやっていたんですか?

MiKiNA : ツアー中にみんなですごく真剣に考えたんですよ(笑)。オチはもっと勢いいい方がよくない? とか言いながら。

──メンバー発案で始めたんですか?

MiKiNA : はい。別に誰かからコントをやった方がいいんじゃない? とか言われた訳ではなくて。1回渡辺さんが「EMPiREはMCがいいね」って言ってくださって、そこからくだらないことをいろいろと考え始めたんだと思います。場を和ませるっていう意味で重要じゃないですか? ただの雑談だと話が続かないから、ちゃんと考えてやっています。誰が何番目にしゃべるかとかも考えていて(笑)。

──それじゃあ、場所ごとに違う内容だったっていうこと?

MiKiNA : 仙台と福岡は同じだったんですけど、名古屋でセトリが変わったタイミングでガラっと変わりましたね。札幌では、私が中耳炎になった話を稲川淳二風に話しました(笑)。

──あははは。ブリッツでは「夏休みの宿題をいつやるか?」っていうことを話していましたけど、MiKiNAは学校が始まっても終わっていないタイプだと(笑)。

MiKiNA : 終わっていない人ですね(笑)。ああいうところでメンバーの個性とか知れたら嬉しいと思って、それを話すことにしたんです。私がお客さんだったら嬉しいから。

──本当に宿題が終わらないまま学校に行っていた(笑)?

MiKiNA : 先生から「MiKiNAさん宿題は?」って言われて、「今日はちょっと家に置いて来ちゃって… やったんですけど…」っていうのをバレるまでやってました(笑)。

──あははは。最終的には全部やるんですよね?

MiKiNA : やります！　ちゃんと出します。成績がなくなっちゃうので(笑)。そういうところがルーズなので治さなきゃなと思っていて。

──それぞれ性格がバラバラですけど、そういう性格の違いはEMPiREで活動する中でも現れたりします?

MiKiNA : しますね。YU-Kiちゃんは意外としっかりしていて、お姉さんみたいなところがあったりする。ふざけていても周りを見ているというか、メンバーの雰囲気を変えるのがYU-Kiちゃんかもしれないです。誰かが落ち込んでいたりしたら、すぐ声かけたりするんですよ。根がいい人なんです。MCでは、殴るぞとかあんな怖いこと言っているけど(笑)。

──(笑)。MAYUは宿題はいつ終わらせるって言っていたんでしたっけ?

MiKiNA : MAYUちゃんはそろそろやばいなって気づいて前日までに終わらすタイプ。

──コツコツやってそうなんですけどね。

MiKiNA : そこでいうと、MAHOちゃんが一番意外ですよね。前日に終わらせるって(笑)。

──めちゃくちゃ意外ですよね。逆に言うと、1晩で終わらせられるくらい能力値が高いのかもしれない。

MiKiNA : 高そう！　でも自分で大雑把って言っていましたね(笑)。

自分の努力次第で変われるはずだと思うようになった

──9月5日にリリースされたミニアルバム『EMPiRE originals』が、MiKiNAにとっての初音源となります。自分の声が入った音源がリリースされて、どんな気持ちですか?

MiKiNA : 私、もともと『WACK &　SCRAMBLES WORKS』を持っていて、それを通してEMPiREの音源も聴いてたので、まさかそこに自分が入るなんて全く予想できなかったことだし、すごいことだなと思いながら聴いています。

──まだ少し実感がないところもある?

MiKiNA : 気を抜くと夢の中に入っちゃうんですよ。自分は夢の中にいるんじゃないか、って。最近は、気を引き締めて現実を見ないといけないなって思います。

──それくらい嬉しい状況の中に、いま自分がいるってことですよね。

MiKiNA : 恵まれているなと思います。それでも、たまに気分が落ち込んじゃうときもあるんですけど。

──自信がなくなってしまうときがある?

MiKiNA : そうですね。でも最近は減りました。気持ちを切り替えるようになりました。

──どうやって気持ち切り替えているんですか?

MiKiNA : スタッフさんやお客さんだったり、自分のいいところを見てくれている人がいるので、そういう反応をモチベーションにしたり、あとは自分の努力次第で変われるはずだと思うようになったんです。切り替えて、自分に自信を注入してがんばっています。

──WACK合宿オーディションに合格したこと自体、大きな自信にしていいと思いますけどね。外から見ていて、MiKiNAは落ち込んでいるとかわかりづらいですよね?

MiKiNA : ニヤニヤしているみたいに思われることが多いです(笑)。でも、ヘラヘラしながら細かい部分までしっかりできるって、すごくかっこいいなと思うので、そういう部分も自信に変えられたらいいなって思います。

──今回のミニ・アルバムの中で、特に気に入っている曲はありますか?

MiKiNA : 私は「SO i YA」が好きです。歌割りがすごく好きなんですよ。〈眠い蕾だっていつかは咲くのですよ〉って歌詞があって、そこに自分に重ねることが多い。歌っていて気持ちが入りやすいです。これは、MAHOちゃんがメンバーや自分のことを考えて書いた歌詞で、そういう想いが歌っている私にも、聴いている人にも伝わってくるってすごいなと思ったし、歌詞ってその人の気持ちを知れるからいいなって思いました。

みんな違うなって部分が出て来た

──ツアーを回ったり、話し合いをする中で、メンバー1人ずつのキャラクターも出てきたんじゃないですか?

MiKiNA : 言葉にするのは難しいけど、みんな違うなって部分が出て来たと思います。みんな性格が別方向を向いているから、本当にEMPiREで一緒にならなかったら交わらなかった人たちだなって思います。そこがおもしろいです。

──ブリッツを終えて、MiKiNA自身はこの先どういうふうになっていきたい?

MiKiNA : お客さんが自分から観たいと思うライヴをしたいです。私が憧れの人のライヴを見るときって、自分の感情が全部持って行かれちゃうんですよ。卑屈な気持ちとか、後ろ向きのこととか、自分にかけている保険とかも全部持っていって圧倒するライヴを見ることができる。私もそういう人たちになりたい。それをEMPiREでできたらいいなって思います。できると思っています。

──憧れている人っていうのは……?

MiKiNA : BiSHなんですけど、言ったら媚を売っているみたいになるじゃないですか。でも本当に思っていることなんです。

──実際にライヴにも行っていたって、合宿中から言っていましたもんね。そういう意味で、BiSHと関わることもあるから学べることも多いんじゃないですか?

MiKiNA : 撮影でたまに一緒になったり、アイナさんが振り入れをしてくださったりするときに、話しかけてくださって。自分が人見知りなので、まだあまり関われてないですけど、いろいろ学ばせていただき吸収したいです。

──この世界では自信がないっていうのも起爆剤になると思います。自分自身と向かい合って、プラスの気持ちで爆発させられるといいですね。

MiKiNA : まだ自分と向き合う時間が足りないと思っていて。以前に比べたら、自分を見るようにはなったけど、もっともっと自分と向かい合って、EMPiREとして前に進んでいけたらと思います。

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EMPiRE / THE EMPiRE STRiKES START!!

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単曲 540円(税込) / まとめ 1,500円(税込)

【収録曲】
1. FOR EXAMPLE??
2. Buttocks beat! beat!
3. Black to the dreamlight
4. MAD LOVE
5. Don't tell me why
6. TOKYO MOONLiGHT
7. EMPiRE is COMiNG
8. デッドバディ
9. LiTTLE BOY
10. コノ世界ノ片隅デ
11. アカルイミライ

EMPiRE / FOR EXAMPLE ?? [NEXT EDiTiON]＜OFFiCiAL ViDEO＞

EMPiRE / FOR EXAMPLE ?? [NEXT EDiTiON]＜OFFiCiAL ViDEO＞