【NATURE DANGER GANG】知られざる野村の世界
新宿LOFTを拠点にモッシュやダイブ、裸になったり、ならなかったり、常に噂を撒き散らしてきた8〜10人の集団・NATURE DANGER GANGが、2ndアルバム『THE INFERNO』をリリース。今作はKΣITO、DJ DON、Gnyonpix、Masayoshi Iimori、食品まつり aka foodman、CRZKNY、Seimei&Taimei from TREKKIE TRAX、国士無双、LEF!!! CREW!!! の9組がトラックを制作し、NDGが再構築した内容に。そのパフォーマンスの激しさや、ユニークなメンバー構成、ハードコアやパンク、レイブ、ベース・ミュージックといったジャンルが渾然一体となった彼らのアルバムをハイレゾ配信するとともに、メンバーの野村へ単独インタヴューを行った。場所は赤羽、インタヴューのスタートは朝6時半。赤裸々なインタヴューを大量の作品とともに浴びたら、NDGのことが少しはわかるかも♡
初の全国流通作をハイレゾ配信中!!
NATURE DANGER GANG / THE INFERNO(24bit/48kHz)
【配信形態】
24bit/48kHz(ALAC / FLAC / WAV) / AAC
【価格】
単曲 249円(税込) / アルバム 2,000円(税込)
【Track List】
1. オープニング
2. NDGノテーマ - NDG vs KΣITO
3. 自然危険愚連隊 - NDG vs DJ DON
4. カフカでいいんじゃな～い? - NATURE DANGER GANG
5. Last Summer ～ひと夏の経験～ - NDG vs Gnyonpix
6. フィッシャーキング - NDG vs Masayoshi Iimori
7. ハーフタイムショー(独唱)
8. Pocket Jupiter - NDG vs 食品まつり
9. SAMURAI RORD - NDG vs CRZKNY
10. ラストアクションヒーロー - NDG vs Seimei & Taimei
11. どぱ - NDG vs 国士無双
12. グランドフィナーレ前
13. 生きてる - NDG vs LEF!!! CREW!!
NATURE DANGER GANG / 生きてるNATURE DANGER GANG / 生きてる
INTERVIEW : 野村(NATURE DANGER GANG)
NATURE DANGER GANGの取材をしたいと、リリース元であるレーベル、オモチレコードのオーナー、望月慎之輔に手紙を送ったところ、「平日の朝6時半に赤羽まで来てください」という丁寧なメールが返ってきた。ライヴハウスでは客席にダイブしまくったり、ガムテープでぐるぐる巻きにされたり、裸になったりとはちゃめちゃなだけに、もしかしたら逆に普段は規則正しい生活を送っているのかもしれない。そんな淡い期待と好奇心を持って、埼京線の赤羽駅から歩いて20分近くの指定場所に行くと、そこにいたのはNATURE DANGER GANGで硬派なラップをしている野村の姿だった。
ーーまだ朝の6時半なんですけど… 野村さん、一体何してらっしゃるんですか?
野村(NATURE DANGER GANG) : トレーニングですね。
ーー何時に起きたんですか?
野村 : 2時です。
ーーそこから6時半までの間は何をされていたんですか?
野村 : 2時から2時半の間に朝食をとりました。
ーー自炊ですか?
野村 : マグロ1匹食べました。ごめんなさい冗談です(笑)。本当はしいたけの煮汁をコップで2杯。あとは野菜たっぷりのお味噌汁ですね。
ーー… その後、トレーニングをはじめたわけですか。
野村 : いえ、3時半くらいまではインターネットでドライヴ・レコーダーの動画を眠くなるまで観ていましたね。とっくに流行を過ぎたものを狂ったように追う習性は早くなんとかしないととは思っているんですけど(笑)。
ーーその後は?
野村 : 少し寝ていました。5時まで。
ーー… そこからはどうされたんですか?
野村 : トレーニングですね。無軌道と無修正の狭間で苦しみもがく三木道三というイメージです。石を集めているのもその延長線上で、「one for all ,all for one」という信念が石から感じられますから。
ーーその石をいま2つに分別していますが、どういう効果があるんでしょう。
野村 : とくに意味はないです。
ーー今日のこの後のスケジュールは?
野村 : 一通り見て周って、その後も大体見て周るかな。
ーー何を見て周るんですか(笑)?
野村 : 景色です。
ーー… お仕事はされてるんですか?
野村 : してないです。
ーーそれじゃあ、基本的にトレーニングとNATURE DANGER GANGをしているという認識でよろしいでしょうか?
野村 : いえ、その他にもプリウスの言い方を何通りも試してみてはいるんですけど、可愛い言い方っていうのはすごく簡単に出来たんですけど、肉親を殺した相手として見た場合に憎しみを込めて言い放つ「プリウス」はまだまだ練習不足です。
■NATURE DANGER GANG結成の話
ーーはい。NATURE DANGER GANGの$EKIくんとは幼なじみですか?
野村 : いえ、出会いは飯田橋のサミットで僕がバイトしてた時です。何回か来てたんですけど、いつも閉店時間ギリギリに来ていて、すごくそれが印象に残っていました。その後、目黒で痙攣を起こしながら背中のナップサックから砂を少しずつ撒き歩いている$EKIくんの夢を見ました。
ーーいつからお互いを認識するようになったのですか?
野村 : 地中海一帯に幕内力士を敷き詰めた時どのような結果になるかご存じですか?
ーーいいえ。
野村 : ビックバンです。
ーーはい。ちなみに、NATURE DANGER GANGのメンバーとはどうやって出会ったんでしょう?
野村 : インドに行くときに、旅行代理店で飯村くんと出会いました。
ーーそんな人いましたっけ?
野村 : はい。
ーーちなみに、新宿LOFTで行なっていたイベントがきっかけで始めたっていう情報を、なにかのインタヴューで見たことがあるんですけど、それは間違いなんですか?
野村 : 結成したのは新宿ではないです。日暮里です。メンバー全員の中心の駅が日暮里なんですよ。飯村くんの駅が上板橋なんで。NATURE DANGER GANGは日暮里ですね。僕いま日暮里っていっぱい言いましたよね(笑)。
ーーそうですね。NATURE DANGER GANGのメンバーのことはどう思ってるんですか?
野村 : 飯村くんとは身体の関係があるので、憎み切れないところがあります。でも、この間、ついカッとなって飯村くんの飼ってるインコを外に捨てちゃって。
ーーそうですか。NATURE DANGER GANGのメンバーから、なに言ってるかわからないとか言われませんか?
野村 : 飯村くんからは出てってくれって言われました。
ーーなんで出て行かなかったんですか?
野村 : メンバーは全員で4人いるんですけど、その4人の内のたった1人の意見なので、全員の意見じゃないと思って出ていきませんでした。
ーー今の情報だと、NATURE DANGER GANGは4人組で、野村くん、$EKIくん、飯村くんと後1人は誰ですか?
野村 : いそっち。
ーーいそっちは、何やってるんですか?
野村 : 知りません。
ーー… そうですか。そもそもの話、ライヴではもっと人数がいるような気がするんですけど。あれはサポート・メンバーなんですか?
野村 : すごい速さで4人が動いているので単に人がいっぱいいるように見えるんじゃないでしょうか。僕たちは4人組ですよ。
ーーそれは間違いないですか?
野村 : はい。間違いありません。
ーー… もともと、音楽は好きなんですか?
野村 : 好きですね。音が好きなんですよ。特に低い音かな。自分の好みの音が聞こえるとそれに呼応するかのように唾液がいっぱい溜まるんです。え? どういうこと? って思いますよね(笑)。
ーーそうですね。具体的に好きな曲とかグループはありますか?
野村 : ええと…。聴いたら狂ったように踊りだしてしまう曲があるんです。ああ、アレだ。B.B クイーンズの「おどれぴょんぴょん」です。
ーー「おどれポンポコリン」のことですか？
野村 : あ、それです。
ーーそうですか。NATURE DANGER GANGではラップをされていますよね。
野村 : いいえ。エレキ・ギターを弾いています。
ーー我々にはマイクを持っているように見えますけど。
野村 : ライブ中にカブトムシを握っていた事がありましたが、もしかしてご覧になられたのはその日では?
■アルバム『THE INFERNO』制作秘話
ーーわかりました、もういいです。今回、アルバム『THE INFERNO』がリリースされましたが、歌詞は全部野村さんが書かれていると伺いましたが。
野村 : はい。
ーーどういうテーマを持って作られたアルバムなんでしょう?
野村 : タイトルから分かる通り、大山倍達です。
ーー空手家のですか?
野村 : はい。突飛な発想と笑われてしまうかもしれないんですけど、大山倍達の突き出した拳を色で表したら赤じゃないか? ってメンバーの間で話題になって。そのニュアンスをアルバム・タイトルとして使いたいと思って。それで赤=炎=インフェルノということです。
ーー自分的にアルバムを聴いてみての手応えはいかがでしょうか?
野村 : ベスト オブ ベスト! といった感触です。鬼怒川のせせらぎにも似た、クラシカルな感じがあり、それでいてマッシヴな肌ざわりといいましょうか。筋肉ムキムキマッチョマンが5、6人で天気の良い日に川岸ではしゃぎあっているような牧歌的な歯応えです。
ーー今回、「オープニング」「ハーフタイムショー(独唱)」「グランドフィナーレ前」という形で、口上的なトラックが3曲ありますが、なんでそうした構成にしたんでしょう。
野村 : 性的な欲求を止められませんでした。申し訳ありません。
ーーいえ、謝って頂かなくて結構です。様々なトラックメイカーの方よりトラックを提供してもらっていますが、野村さんは直接トラック制作には関わってないんですか?
野村 : トラックって…?
ーー伴奏といえばいいんですかね。
野村 : 伴奏って…?
ーー声じゃなくて、その後ろに音が鳴ってるじゃないですか。
野村 : はいはいはいはい。
ーーあの音は作ってないんですか。
野村 : はい。頂いたものだという話は聞いてます。
ーーレコーディングは、どこでどういう形でやられたんですか?
野村 : 閉めきった光の全く届かない部屋の中で隣にいる人物が誰かすら分からない状況で四苦八苦しながら録りました。
ーーみんな同じ日に録られたんですか?
野村 : はい。2、3曲くらいずつ録りました。
ーープロデュースをした人とかいるんですか。
野村 : 今回は、マック村井さんにお願いしました。
ーーマックス村井さん?
野村 : いいえ、マック村井さんです。村井さんはすごく厳しくて、光を嫌うんです。なので完全な闇の中で村井さんの怒号だけが聞こえてくるような状況でしたので、僕たちは何をしていいかもわからずただ怯え戸惑うという状況が、数ヶ月に渡り続きました。メンバー全員一致で訴訟を起こすという結論に至ったのは言うまでもありません。
ーーそうなんですね…。そういえば、アルバムの発売は当初2015年の春先だとお伺いしていましたし、リリース・パーティーもかなり前にやっていたと思うんですけど、それでこれだけ発売が遅れたんですか?
野村 : はい。村井さんとの裁判が長引いて、2ヶ月くらい遅れていまいました。アルバム制作費も村井さんが全部使ってしまって。それを貯めるためにライヴ出演と物販をやったりして、資金を貯めるのに時間がかかってしまいました。
■『THE INFERNO』全曲解説
ーーせっかくなので、1曲ずつ簡単に解説をしてってもらってもいいですか? 1曲目の「オープニング」は、いきなりの前口上です。
野村 : 性的な欲求を止められませんでした。申し訳ありません。
ーー2曲目は「NDGノテーマ」です。
野村 : これは、日常の裏側にある恐怖を描いています。
ーーはい。NATURE DANGER GANGテーマですよね?
野村 : いや、NDGなんで、南部のデカイゴリラってことですね。
ーーああ、そういうことなんですね。 3曲目「自然危険愚連隊」はどういう曲でしょうか。
野村 : この曲は歌詞をご覧になって頂ければわかる通り、超意識エネルギーの集合体が1つの意思として我々人類の歴史を影から操っているという、ありふれたSF的観念から意図的に終末論を排除し、スパークするエネルギーの元気がいい部分を挑発的言い回しで表現しています。
ーーはいそうですか(笑)。4曲目「カフカでいいんじゃな～い?」は、ライヴでもかなり前からやられている曲ですよね。
野村 : 特にメッセージとかないんですけど、人生に疲れてる人たちにカフカでいいんじゃない? って言ってあげたらいいんじゃない? って曲です。
ーーフランツ・カフカの「変身」をモチーフにしているわけなんですね。野村くんは読書が好きなんですか?
野村 : まったく読みません。
ーー5曲目は「Last Summer ～ひと夏の経験～」です。
野村 : 「ラストサマー」っていう映画があったんですけど、夏といえば僕にとってそれなので、そういう題名にしました。
ーー曲調的にも、夏の終わりみたいなメロウな感じですよね。
野村 : 村井さんという闇の中で、恐怖からの逃避として僕の潜在意識が生み出した女性の別人格の描いた虚構の思い出です。
ーー色々大変だったんですね。6曲目の「フィッシャーキング」はカエルの歌のメロディが入っていますね。
野村 : 子どもたちに超ハイになってガンガンアガっちゃってもらうために作りました。小学校4年生くらいをターゲットにしています。
ーーターゲットとかあるんですね…。7曲目「ハーフタイムショー(独唱)」で1回落ち着いて、8曲目は「Pocket Jupiter」です。
野村 : 実はこの曲、ある芸人さんのネタにインスパイアされて作った曲なんです。
ーー ある芸人さんとは?
野村 : ええ、ハイキングウォーキングというお笑いコンビです。以前TVを見ていたらボケを担当されている鈴木Q太郎さんという方がスーパーイリュージョンというショーの中で、ペットボトルに入っているコーラを一気に飲み干して山手線の駅名をゲップをせずに言い切る。というショーをやられていたんです。僕が見た時はたまたま失敗してしまっていたんですけど、人間って凄い事が出来るんだって可能性に凄く感動して。
ーーそうですか。トリッキーなリズムがある中で言葉の乗せ方が絶妙だなって思ったんですけど、すんなりと乗せられるものなんでしょうか?
野村 : ごめんなさい。ちょっと意味がわからないです。
ーーはい。では続いて、9曲目「SAMURAI RORD」です。
野村 : 僕たちの中では「るろうに剣心」のテーマソングを作ろうと思って作りました。
ーーなんで「るろうに剣心」なんですか?
野村 : 世代なんで。歌詞も、完全に「るろうに剣心」ですね。ターゲットは全国のジャンプ戦士ですね。
ーー次、10曲目は「ラストアクションヒーロー」です。
野村 : これはシュワちゃんの曲です。
ーーまあ、そうですよね。11曲目の「どぱ」は、聞き覚えのあるバラエティのサンプリングではじまりますね。
野村 : はい。究極の真理がそこにあります。
ーーええと、曲のはじまりにですか?
野村 : いいえ。快男児が床ずれをはじめて経験した時でしょう。「痛い」という気持ちには一切の理屈が通用しないのですから。
ーーあの… 曲の解説をして頂きたいんですけど。
野村 : あ、すみません。そうでした。この曲は感情的になった女性に対して、必死になだめようとする肉体関係にある男性と冷めた目でその様子を見守るロッテリアの店員、野良犬を抱いて店内に入るタイムスリップしてきた西郷隆盛の三角関係を描いています。
ーー… わかりました。そして、最後の曲に行く直前のタイミングで「グランドフィナーレ前」を入れた意図はどういうところにあるんでしょう?
野村 : これを作った時期は僕が飯村くんとのグズグズの関係に疲れてしまっていて。自暴自棄になって、何もかも捨ててしまおうっていう気持ちが入ってるんじゃないでしょうか。飯村くんとし終わった後の虚無感が無意識に入っているのかもしれません。
ーー最後「生きてる」は、強い想いが入っているんでしょうか。
野村 : 実はこの頃飯村くんとの関係も段々と良くなってきて凄く毎日が楽しくなってたんですね。その時に書いた曲ですね。
ーーじゃあこの曲は野村くんと飯村くんとの関係を歌っているということですか?
野村 : 今気付いたんですけど完全にそうですね。飯村くんとの関係性がよくなってきて、生きることに希望を持ち始めた頃にこの曲が出来たんで。
ーーそれじゃあ、この曲のターゲットは?
野村 : 飯村くんです。
インタヴュー & 文 : スカムライター西澤くん
写真 : 大橋祐希
>>>ユキちゃん(NATURE DANGER GANG)のインタヴューは、こちら
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NATURE DANGER GANG / THE BEST OF NDG NONSTOP MEGAMIX
【配信形態】
WAV / MP3
【価格】
アルバム 1,800円(税込) / 単曲 199円(税込)
【Track List】
1. プロローグ
2. theme of NDG
3. メディカル ハッピー
4. 世田谷貴族
5. ネクロノミコン
6. Dirty Daddy Harry
7. くノ一Bomber!
8. final atomic war
9. オレたち!
世界初のモッシュ・レコーディング・ハイレゾ音源!!
NATURE DANGER GANG / NATURE DANGER GANG presents High Tension Party! at SHINJUKU LOFT(24bit/96kHz)
【配信形態】
24bit/48kHz(ALAC / FLAC / WAV) / AAC
【価格】
アルバム 1,500円(税込) / 単曲 199円(税込)
【Track List】
1. カフカ
2. アッパーカット
3. チェ・下痢・バラ
4. we gotta power
5. BIG BOOTY BITCH
6. くノ一Bomber!
7. Dirty Daddy Harry
8. SPEED
9. ふぁにふぁにぱらだいす
10. オレたち!
>>>当日の様子はこちらから
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PROFILE
NATURE DANGER GANG
2013年結成。快楽性の高い楽曲と無軌道で荒削りなパフォーマンスが評判を呼び、場所やイベントを問わずライヴ・オファーが殺到。 出れば規模、観客の人数に関係なく観ているものを狂乱の渦に巻き込むスタイルが好評を博している。
野村 幸司(のむら こうじ)
nature danger gang のメンバー。
1985年8月23日生まれ。東京都北区赤羽育ち。色々あって現在に至る。
>>NATURE DANGER GANG Official Twitter
