【連載】Episode69 MiDORiKO EMPiRE「もっともっと前に進めるし、進んでいきたい」

WACKとavexの共同プロジェクト、EMPiRE。2021年11月に幕張メッセイベントホールにて開催したグループ最大規模のワンマン公演の模様を完全収録した映像作品『EMPiRE’S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW』を2022年4月6日に発売し、4月10日からは全国8カ所を回るホールツアー〈EMPiRE DOPE MAGiC TOUR〉を開催する。そんな彼女たちの2022年初となる個別インタヴューを敢行。第4回はMiDORiKO EMPiREの声をお届けする。
最新アルバム『BRiGHT FUTURE』
INTERVIEW : MiDORiKO EMPiRE

グループ史上最大規模の幕張メッセイベントホールでのワンマンライヴが即日完売となりエージェント(※EMPiREファンの総称)たちとともに大成功させたEMPiRE。2月18日には公式フォトブック『EMPiREビジュアルブック ViBES』を発売するなど、ライヴ以外にも様々な魅力を発信し続けている。そんな彼女たちは2022年の始まりとともに、どのようなことを考えて活動しているのか? EMPiREの初期メンバーで、独自の世界観を軸に映像制作をするなど、クリエイティヴ面で多彩な才能を持っているMiDORiKO EMPiREに話を訊いた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希
今の自分を見せられるようになれたかなと幕張で思えた
──EMPiRE史上最大規模となった幕張メッセ、改めてどんなライヴになりましたか?
MiDORiKO : エージェントの愛すごっ! って感じた1日でした。前日までに気持ちは整っていて、やるしかないマインドで迎えたんですけど、当日のリハーサルで初めて会場を見たときにちょっとビビっちゃって。でも、本番はそういう気持ちも吹き飛ばしてできました。エージェントが作り出す会場の雰囲気が愛に満ち溢れていたから、楽しんでできたんだと思います。
──これまでもエージェントの愛は強かったと思いますが、幕張はまた違いました?
MiDORiKO : センターステージだったので、360度お客さんが観ていて。もし私たちのことを好きじゃない人たちに360度囲まれていたら、きっと萎縮しちゃったかもと思うんですけど、溢れ出た愛と温かさを感じて。一緒に楽しんでくれているのが伝わってきて、安心しました。
──普通のステージとセンターステージだとパフォーマンスにも違いはありましたか。
MiDORiKO : ありました。幕張のセットリストがライヴでいつもやる定番曲が多かったので、体に振り付けが染みついてしまっていて。例えば、「EMPiRE is COMiNG」の間奏も、いつもと逆の方から始める部分があって。初期からずっとやっている曲なので、頭からちょっとでも抜けちゃうと間違えてしまうかもという難しさはありました。
──フォーメーションはメンバーで分担して作り直したそうですね。MiDORiKOさんはどの曲を担当したんでしょう?
MiDORiKO : 私は「SUPER FEELiNG GOOD」と「アカルイミライ」です。
──「アカルイミライ」は人間の進化を表したようなフォーメーションが印象的ですが、360度仕様にするにあたり、どのようなことをテーマにしたんでしょう?
MiDORiKO : 始めと終わりで1列になるパートが見せ場だと思うので、すごく悩ましくて。1列なんですけど楕円にしてお客さんみんなに見えるようにしました。あとは、ほっぺたをつねるところも、写真を撮る人は押さえたいところだと思うのですごく悩んで。1列にしちゃったら、どこかの人が見えないだろうから、3人×3人にしようと思って。それも見えないかもと思い、結局、2人×2人×2人で分けてやりました。そういう見せ場みたいなところはセンターステージ仕様に変えるのが難しかったです。「SUPER FEELiNG GOOD」もステージ上で円を六角形として考えて、それぞれの場所に全員が1回は回れるようにサビ部分のフォーメーションを直前で変えたんです。同じメンバーばっかり来るじゃんっていうのがないように、全員均等に見えるように作っていきました。

──改めて自分たちのライヴ映像を客観的に観て、いかがでしたか?
MiDORiKO : いつもより表情が柔らかいなって感じました。自分もニコニコ笑っていたし、そういう写真も多くて。はー、楽しかったよねって思い返しました。あと、日本最大規模のミラーボールを「Buttocks beat! beat!」の演出で使ったんですけど、私、直接見るのを忘れちゃって。ライヴ中もっと見ておけばよかったなってことがちょっと心残りです(笑)。そう言えば……とライヴの最後の方で気づいて(笑)。
──ライヴ中に、そんなことを思っている瞬間があったんですね(笑)。
MiDORiKO : ありました(笑)。一瞬振り向いたタイミングにあっと思って、うわーもっと見ておけばよかったーって。
──あと印象的だったのが、MiDORiKOさんのMCです。保健室の先生のことを話そうというのはどのタイミングで決めたんでしょう。
MiDORiKO : 幕張で個人MCをするなら、その話をしようとずっと考えていました。先生を会場に呼ぶのは迷ったんです。正直、恥ずかしさとかもあったから。でも見せたいなと思って誘って。来てくれることが決まったときに「あ、これ話せたらいいな」って考えていました。
──ライヴの後に先生からはどんな反応がありました?
MiDORiKO : 長文でLINEを送ってくれて。「私もエージェントの1人です。今年一幸せでした」ってメッセージを送ってくれて、すごくうれしかったです。
──デビュー当時からMiDORiKOさんの取材をしてきましたが、過去のことをそんなに喋らなかったじゃないですか? 幕張に立つときは、今の自分を過去に出会った人たちにも見せられるような自分に今なっていると思えたということなのかなと感じました。
MiDORiKO : やっと今の自分を見せられるようになれたかなと幕張のタイミングで思えて。なので見てもらいたいなと思って先生を呼べました。
──先生もチャーミングでしたね。ステージ上でMiDORiKOさんが「先生〜!」って呼びかけたら、返事していましたもんね(笑)。
MiDORiKO : 「思わず声が出ちゃいました」って言ってて、笑っちゃいました(笑)。おちゃめなんです。
