『#PIGGSメジャーへの挑戦』、ついに最終決着! PIGGSはまだまだでかくなる!──〈BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR〉ファイナル公演
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【メジャーとは? インディーとは? for PIGGS vol.8】
5月から『#PIGGSメジャーへの挑戦』と題した企画に挑戦してきたアイドルグループPIGGS。OTOTOYでは、この企画を追いかけるべく、2ヶ月に渡って「メジャーとは? インディーとは? for PIGGS」という連続記事を掲載。プー・ルイとブタ山氏(某メジャーレーベル A&R)のインタヴューをはじめ、メンバーへのインタヴューや、アーティスト及び音楽関係者の証言、街頭アンケートなど、様々な角度からメジャーとインディーについて考えてきた。
今回は、その完結編。東京Zepp Hanedaで開催された〈BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR〉のライヴレポート。この企画の結末を見届け、そして、これからの彼女たちの未来から目を離さないでほしい!
これまでの「メジャーとは? インディーとは? for PIGGS」
LIVE REPORT : 〈BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR〉
取材&文 : 飯田仁一郎
編集 : 西田健&東原春菜
Photo by Viola Kam (V'z Twinkle)
メジャー・デビュー作のプロデュース権を賭け、TEAMインディーとTEAMメジャーが制作陣非公開で約2ヶ月間、それぞれの思う最高のPIGGSをクリエイトしバトルを繰り広げてきた「#PIGGSメジャーへの挑戦」は、ついに7月22日(金)東京Zepp Hanedaをもって決着がつく。
コロナ禍で生まれたアイドルPIGGSの象徴的な日が、都内のコロナ感染者数が最高記録を出した日に行われるというのも、何かの縁とさえ思ってしまう。がんばれ、PIGGS! さぁ、記念すべきライヴがスタートだ!!!
代官山Unitで初披露された勢いありまくりのSEからの“BURNING PRIDE”でスタート。BAN-BANの叫びは気持ちいいし、CHIYO-Pの声は伸びているし、KINCHANは安定しているし、SHELLMEの気合いはすごいし、この企画を引っ張り続けたプー・ルイはエモい!!! みんなとても調子が良さそうだ。
2曲目は、PIGGSはじまりの曲“KICKS”。渋谷O-nestの初ライヴで披露されたとき、度肝を抜かれたけど、とはいえZeppに辿り着けるとは思いもしなかった。あの頃と比べると、結成時の4人は群を抜いて上手くなっているし、スーパーキュートな新人KINCHANも入ったPIGGSは、もはや別物だ。そして“THANK YOU FUCK YOU”、“LINK EMOTION”と続く。ステージに組まれた巨大な舞台装置を上手く使いこなし、音もめちゃくちゃよくて、このライヴはどうも今まで見てきたものとはスケールが違うようだ。
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そしてMC。今日のSHELLMEのMCは本当にすごかった! 「〈BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR〉なんですけど、I LOVE PIGGS。LOVEは日本語にすると愛なんですけど、愛がないとなんにもはじまらないわけ。だから、今日はもっと愛を深めて行こうぜって思ってて。愛を深めるには、やっぱ乾杯でしょ。」
もはや何を言っているのかはわからないのだけど、ただただ勢いに圧倒されるし、会場はSHELLMEの独壇場と化した。MC パリピを舐めていた! 全アイドルは、彼女のパリピMCを勉強するべきだと思う。
硬かった会場がふにゃふにゃになったところで、アルバム『JUICYY』の1曲目“NAKED BORN NAKED DIE”、そして“VISITOR”と代表曲が続く。嬉しかったのは、次曲の“骨伝導massive”。ファースト・アルバム『HELLO PIGGS』に収録されていた曲で、真ん中におかれた椅子に立つKINCHANが印象的なニュー・ヴァージョンのダンスにアップグレードされてて、この曲の素晴らしさを改めて感じることができた。そして会場はペンライトでオレンジに染まり、名曲“フォーエバー・ヤング”。楽曲もダンスも、この曲は群を抜いてすごい。
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そして前半戦のラストは、“BURNING PRIDE”のカップリング“I don’t believe in ADULT”だ。これは代官山Unitとは印象が大きく違い、前回は、「倒してやる!」でまっすぐ突き進んでいたのに、今回は「笑いながら倒そうぜ」という、ある意味この曲が持つ狂気をうまく演出していた。
そして、BAN-BANとCHIYO-Pによる“スナッチャー”。その間にプー・ルイ、SHELLME、KINCHANは衣装をチェンジし、今度はその3人で“夢を見させて”を歌った。着替えるためだけでなく、敢えて人数を少なくすることで、個々人の良さが引き立っていたし、素晴らしい試みだった。そしてBAN-BANとCHIYO-Pが新衣装で戻ってきて、5人で“豚反骨精神論”のカップリングの“ゴースト”へ。メンバーが最も難しい曲と話していた本曲。今日は、後半の難しいアレンジまで見事に歌いこなしてて、代官山Unitとの違いにめちゃくちゃ驚いた。
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2回目のMCでは、それぞれが夢を語った。どこまで本気かはわからないが、メジャー・デビューに向けた決意表明でもあると思うので、記載しておこう。
SHELLME ー アドトラックを10台並べて走らせる。あと東京ドームで、泡パーティー・ライヴがしたい。
CHIYO-P ー ROCK IN JAPAN FESTIVALとかのロックフェスにでたい。あと主催フェスをやりたい。
KINCHAN ー 山口県の徳山駅のふぐの像を私の像にして、プレートに「山口の星」って書かれたい。
プー・ルイ ー ミュージックステーションに出たい。
BAN-BAN ー みんなの夢を叶えて、大きくなってもずっとみんなで一緒に住みたい。
東京ドームで泡パーティーをなぜPIGGSのライヴでするのかがわからないうちに、ライヴは一気に後半戦に突入。KINCHANの「あなたと会えてPIGGSになれた」という言葉が最高の“I CAN’T BE”。もっとデカイ会場で見たい“カッシーニ”。そして“フューチャー・スターダスト”“小さな叫び”、“NOT PIG”とこれでもかと、大名曲をぶつけてくる。“NOT PIG”のサビでは、Zeppのお客さんのほぼ全てが後ろを向いてサビを熱唱していて、涙腺が崩壊した。
本編ラストは、“豚反骨精神論”。代官山Unitでの違和感は全くなく、メンバーも楽しそうだし、お客さんも完璧なダンスだし、楽曲のキャラは違うのに間違いなくPIGGSだった。ここまで新曲を仕上げてきたメンバーは本当にすごいし、一体どれだけ練習すれば、この短期間でここまで自分たちのものにできるのだろう。まちがいなく「これがPIGGSです」と証明し、メンバーはステージ袖に去っていった。
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そして今回のメインイベント、TEAM AとTEAM Bの勝者が決まるニコ生投票がはじまった。皆が思い思いに投票し、ついに勝者が発表された。
勝者は、TEAM A。そしてTEAM Aが、プープーランドのクリエイティヴ・チームであることも発表された。続いてTEAM Bは、メジャー・レーベルのクリエイティヴ・チームで、メジャー・レーベル名は、 Sony Music LabelsのAriola Japanとのこと。ステージには、メンバーとAriola Japanのブタ山があらわれ、お客さんに挨拶をした。
この挨拶は、「#PIGGSメジャーへの挑戦」を語る上で、とても象徴的な言葉だったので、全文を記載する。
プー・ルイ : 本当に、上からになっちゃいますけど、ありがとうございます。今回、結果はTEAM Aが勝利ということで。接戦だったんですけど、みなさん投票ありがとうございました。でも、この2ヶ月間でいろんなことを考えたんですよ。私は浅はかな愛しか知らなかったなと思ったんです。
ブタ山 : なにかに気づきました?
プー・ルイ : ずっと、一緒にラブラブチュッチュが愛と思っていたんですけど、信頼関係上に成り立つLOVEもあるってことを知ったんです。それに気づかせてくれたのはブタ山さんでした。
ブタ山 : この戦いはいい結果を生んでいるんですかね?
プー・ルイ : いい変化がありました。いちばんいいものを探していくことが、PIGGSにとっていちばんいいんだなっていうことを心の底から思えた2ヶ月だったんですよ。勝ったは勝ったんですけど、本当にこれからも一緒にいろいろ考えて一緒に頑張ってくれますか?
ブタ山 : もちろんです。よろしくお願いします。向き合って、本当にガチンコでバトルしたんですけど、次は同じほうを向いて、新たなものを作っていきたいなと思っています。
そして、握手。
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プー・ルイもはじめての日比谷野外音楽堂でのワンマン・ライヴを2023年1月29日に行うという大きな知らせを伝え、「PIGGSはなにがあってもPIGGSで、進化して変化して、前に進んでいく。そしてみんなで夢を捉えるんだ!」と宣言したのだ。
改めて、「#PIGGSメジャーへの挑戦」とは、そしてこの期間は何だったんだろう? 自然に起こったこの闘いを公開した狙いは、メジャー/インディーに関することが大きな議論になって、「PIGGSって何?」ってなる人がいっぱい出てほしいという思いもあった。けれども起こったことは、メンバーの意識に変化が起こったこと、そしてファンの人たちがPIGGSの新たな可能性に気づいたこと、そしてブタ山とAriola Japanが、PIGGSチームの一員として見事にはまったことだった。
メンバーの意識は、明確に変わった。最初は“豚反骨精神論”に疑問を持っていた彼女たちも、代官山Unit以降、この曲のおもしろさに気づき、好きになっていた。“ゴースト”に対しては、その曲のもつ難しさを楽しむようになっていた。そしてどんな曲でも、どんなクリエイティヴでも、PIGGSでなければならないという自分たち自身の課題を強く認識したのだ。
ファンの人たちも、最初は自分が好きなPIGGSと違うことに違和感を感じていたけれど、今日のライヴの“豚反骨精神論”で会場が一体となってダンスをしていたように、その違和感も新しいPIGGSの可能性だと思えるようになった。
そして本日、ブタ山がメンバーと一緒に出てきたことで、そして真剣に頑張ったことを自らの言葉で伝えたことで、大きな存在がPIGGSチームに入ったことをお客さんも確信することができた。ブタ山が放った「本当にガチンコでバトルしたんですけど」は、この2ヶ月間の象徴的な言葉だと思う。
いやはや、クリエイターたちにとってはたまったものじゃなかっただろう。この企画が勃発した時、プープーランドのメンバーは、本当に難しかっただろうし、憤りさえ覚えただろう。それでも「なにくそ!」と、この企画に乗ったのは見事だし、メジャーの人たちは、多くの時間を割いて、一生懸命PIGGSに向き合ったはずだ。だからこそ両TYPEともに、こんなにも素晴らしいクリエイティヴができたんだし、こんなにもわれわれの心を打つ楽曲が発表されたのだろう。
さぁ、そして未来だ。最高のチームとなって無敵感全開のPIGGSだけど、今回のZeppが売り切れなかったことだけは、忘れてはいけない(あと本当にちょっとだったらしい...)。PIGGSはこんなに素晴らしい曲をもっているし、こんなに素晴らしいライヴができる。だからこそ、彼女たちにもこの曲たちにも、もっと陽があたらないといけないと強く思う。そのためには、まだPIGGSを知らない人にこの曲やライヴが届かなくちゃいけない。だからブタ山が投げかけた可能性は、ひとつの正解であることは間違いないと思う。
もっと新しいお客さんにPIGGSを見せよう、聴かせよう。そのために新しい曲を、そして新しいスタイルを、新しい何かをトライするNEW PIGGSに我々はワクワクしよう。新しいPIGGSは可能性だ。そして新しいPIGGSが好きで入ってきた人たちに、アンコールでやった“とらえる”と“PIGGS-モナ・リザ-”を聴かそう! そうすればもっとその人はPIGGSを好きになる。
野音、武道館、横浜アリーナ、東京ドーム!
PIGGSは、まだまだでかくならなくちゃならないんだ!
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セットリスト
〈BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR〉
7月22日(金)東京Zepp Haneda
SE
1.BURNING PRIDE
2.KICKS
3.THANK YOU FUCK YOU
4.LINK EMOTION
MC
5.NAKED BORN NAKED DIE
6.VISITOR
7.骨伝導massive
8.フォーエバー・ヤング
9.I don’t believe in ADULT
10.スナッチャー (CHIYO-P/BAN-BAN)
11.夢を見させて (プー・ルイ/SHELLME/KINCHAN)
12.ゴースト
MC
13.I CAN’T BE
14.カッシーニ
15.フューチャー・スターダスト
16.小さな叫び
17.NOT PIG
18.豚反骨精神論
EN1.とらえる
EN2.PIGGS-モナ・リザ-
LIVE INFORMATION
PIGGSの野音 (仮)
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■公演日:2023/1/29 (日)
開場16:45 開演17:45
■会場:日比谷野外大音楽堂
■出演:PIGGS
詳しくはこちら→https://fan.pia.jp/PIGGS/ticket/detail/30/
PIGGSディスコグラフィー
PROFILE:PIGGS
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プー・ルイ、CHIYO-P、SHELLME、BAN-BAN、KINCHANからなる5人組アイドル・グループ。Produce IDOL Go to world is Good Society= PIGGS。とても良いグループです。
【公式HP】
https://piggs.tokyo/
【公式ツイッター】
https://twitter.com/PIGGS_idol
【公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCJD9kdqH1hRyCOFpGxfyFjQ