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世界を変えるアーティストを! NEW SENSATION!
インディーズに力を入れるレコード店disk unionと配信情報サイトOTOTOYがガッチリタッグを組んで、1ヶ月にわたって、たった一つのアーティストを押し続ける企画、「NEW SENSATION」が始まります! この企画でもっとも大事にするのは、バイヤー目線。広告予算がなくても、メジャー・レコード会社が決まっていなくても、「こいつら、絶対すげぇ! 」そんなバンドが現場にはいっぱいいるんです。「NEW SENSATION」は、disk unionとOTOTOYがバイヤーの威信をかけ、本当に押したいもののみを展開する気合い2070%のコーナー。「本企画から必ず世界を変えるアーティストを出します!」そう誓い合い、高円寺の居酒屋で杯は交わされたのでした。(OTOTOY編集長 飯田仁一郎)
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第3弾アーティストは、大阪から黄金”脳”WAVEバンド『いったんぶ』!
すきっ腹に酒、下山、チッツ、そしていったんぶと今関西アンダーグラウンド・シーンが面白い! いや、今というのは違うな。関西のアングラ・シーンは常に何かしらが起こっていて、今表面の方に出てきているのが彼等のシーンだ、という方が良いかもしれない。オシリペンペンズ、あふりらんぽ、ZUINOSINらが台頭してきたいわゆる『関西ゼロ世代』(当人たちはこの呼称を全く意に介してなかったが)、そしてミドリ、YOLZ IN THE SKY、neco眠る、DODDODOらがポスト関西ゼロ世代と言われてきたが、今また新しい世代が躍動している! 関西ゼロ世代の初期衝動感とポスト世代の音楽的構築力が合わさったとも言えるこの新しい世代は、まさに関西テン世代!!
なかでもいったんぶは昨年リリースされた「スシを喰え!!」がdiskunion自主制作コーナーでも好調に販売され、関東でも昨年より噂になっていたバンド。ようやく全国流通盤がリリースとなり、「これだー!」とばかりにユニオンとオトトイが飛びついたわけです。東京ロッカーズの世界から飛び出してきたようなアー写もカッコイイ!!! 喧しくて踊れて暴れられて脳に直接叩きつけられる電気信号としてのサウンドに酩酊必至! 激しくオススメ致します!!!
黄金”脳”WAVEバンド from 大阪!
いったんぶ / はり手
1. 空飛ぶ円盤 / 2. 絶望的にYEAH / 3. バカ / 4. 真赤な少女 / 5. 夜はSEIJAKUを犯す / 6. 蝿の王 / 7. 夕暮れ少年のガールフレンド / 8. 清酒Nドロップキック / 9. ダークマター / 10. 静かなおしまい
販売形式:mp3 / wav(ともに1500円)
関西がまた騒がしい事に なっているらしい。その噂は飛び火し、関東でのライブもチラホラするようになってきていた去年、東高円寺二万電圧でいったんぶを見た。梅田の 飲食街のギンギラギンに装飾を施された串揚げ屋でニュー・ウェーヴ/サイケ・ガレージ/アバンギャルドをまとめて揚げてソースダボダボ(2度付け禁止)のあの感じ。ああ、これが今の大阪のソウル・ミュージックなんだなと思いながら高円寺の大将でスタミナ漬けを食らったのだ。(DISK UNION / 矢野)
いったんぶ、すきっ腹に酒、下山は、今関西で最も刺激的なバンドだと思っている。あふりやペンペンズを見にライヴ・ハウスに通っていた人たちは、ちゃんと更新して、新しいサウンドをうちたてた。とは言え、今回選んだいったんぶは、そんな要素の中に、毛皮のマリーズのように、オルタナティブだけでなく、ロック・バンドとしての筋も通すことの出来ている希有なバンド。でかくなって欲しい!(OTOTOY / 飯田)
いったんぶ INTERVIEW
ーーいったんぶはどのようにして結成されたのでしょうか。
コテ(Vo.) : みんな同じ大学だったんですよ。ドラムのポルンガの呼びかけで集まって結成しました。入っていたサークルはバラバラやったんですよね。ポルンガがアメリカ民謡の研究をしていて、あとの二人がそれぞれ別の軽音楽部。僕は子供を雪山に連れてってスキーをさせたり、障害者に同行して一緒にキャンプ・ファイヤーをしたりするサークルに入っていました。
eTo(Vo.Gu.) : 僕は「映画研究部」っていう映画を作るサークルで活動していました。そこにいる人らが聴いている音楽が面白かったんですよね。映画研究部の人の方が、ちょっと変わった音楽をたくさん知ってた。INUとかあぶらだことかじゃがたらとか。
ーーポルンガさんがeTo君やコテ君に声を掛けることになったきっかけはあったのでしょうか?
コテ : 学内のイベントで軽音楽部主催のフェスがあって、そこにeTo君と僕が出たんです。それがサークル関係なく誰でもステージに立てるものだったので、そのときは僕ら二人と、あとは後輩の楽器やってる二人を集めて四人で出てんな?
eTo : そう、初ライブ(笑)。
コテ : 持ち時間15分、演奏できるのは2曲だけって決まっていたんですけど、僕らキャロルの「ルイジアンナ」をめちゃめちゃ速くやったりしたので、2曲やっても3分で終わってしまって(笑)。残りの時間は音鳴らして自由にパフォーマンスをしていたんです。そのライヴをポルンガが見ていて、「一緒にやらへん? 」って声をかけてもらいました。
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ーーベベベ君とチハル君とはどうやって知り合ったのでしょうか。
コテ : チハルはポルンガの後輩です。最初いったんぶには別のギタリストがいたんですけど、その人は僕らでも実態が把握できないような人だったので(笑)、ちょっと新しい人を探そうと。で、ギタリストを探している時に、ベベベ君が前やってたバンドを抜けるタイミングだったので入ってもらいました。ベベベ君が入ってからまとまったよね。
eTo : うん、まとまったな。ベベベ君はいったんぶのライヴ・スケジュールや物販も管理してて。いったんぶ内で役割分担がされてるんですけど、外との窓口は一番ベベベ君が多いです。主導権の面では強い。
ーー2008年に現メンバーでの活動を始めたんですよね。
コテ : そうですね。最初の頃は、僕が就職して千葉で働いとったんですよ。そのときメンバーはみんなこっち(大阪)にいたので、あんまりライブができない時期が続いて。でも会社が一年で倒産して、僕も大阪に戻ることにしたんです。そこからバンドに復帰したというか、ライブ活動に専念できるようになって、精力的に活動するようになりました。それが2年くらい前ですね。
eTo : コテっちゃんがいないときはこっちで4人でやってたんですよ。その間は僕が歌を歌っていました。
コテ : 当時は千葉市に住んでたんですけど、時々ライヴに出るために帰ったりしていましたね。午前中に仕事して、午後外回りに出るふりをしてライヴするために新幹線で大阪へ向かって、ライヴが終わったらすぐに新幹線でまた東京に戻って、深夜に職場に戻る。
ーー何とむちゃくちゃな(笑)!
コテ : ごまかしながらそういうのやってましたね(笑)。
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ーー曲作りはどのように行なっているのでしょうか。
eTo : 曲は僕が家のMTRに入れて全部作ります。普通に聞ける感じにまでしたくて、ボーカルも僕が仮で入れています。
ーーじゃあeTo君がサウンドのキーマンというか、曲の大元を握ってやってるんですね。
コテ : サウンドはもう壮観してるよね(笑)
eTo : そこからスタジオで崩していったり、やって欲しいところだけは残して他のメンバーのアレンジを加えたりしますね。
ーーツインギターのアンサンブルもいったんぶの良さのひとつだと思うんですよね。
eTo : 最初はギター1本で僕がベースを弾いてたんですけど、やっぱりどうしてももう1本ギターが欲しくなって。単純に言うて、厚みが欲しかったんですよ、バンドの。やっぱり圧倒したい感がどんどん強くなっていって、「じゃあ俺弾く! 」みたいな感じで(笑)。
ーー音作りをする上で、eToさんと他のメンバーでぶつかることはありますか?
eTo : ありますね。
コテ : そういう時はライヴでまとまっていくよね? ステージでそれぞれに任せて自由にやってるうちに自然と形になっていく。そこで出た個性は、音源を録る時にも出ていますね。
ーーeToさんは、最初はどういうサウンドを出したいと思っていったんぶに入ったのでしょうか。
eTo : 一番最初に思ったのは、ナゴムレコードのああいう変な感じで面白くて、わちゃわちゃした感じ。人生ってバンドがもの凄く好きで、こんな感じをやりたいなと思ったんですけど、それをバンドでやったらどうなるかっていうのはまた別でしたね(笑)。
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ーーそれ以外に影響を受けたバンドってありますか?
eTo : INUとか。80年代のバンドが凄く好きですね。
コテ : 最近だとヨルズインザスカイは結構影響受けましたね。ライブ見てすげぇなと思いました。ワッツーシゾンビはバンド組む前から見てて、いま一緒にするようになったらやっぱりかっこええわな。レコ発の時に一緒にやるんですけど、そういう人たちとどんどん近づきたいな。大阪だけじゃなくて東京も。
ーー歌詞はどなたが書いてるんですか?
コテ : 歌詞は僕とeTo君で書いています。eTo君が書いた歌詞を見ると、大学時代を思い出させられるんですよね。
ーーというのは?
コテ : 大学時代、サークルの部室はヒットチャート1位~3位の音楽に溢れてて、僕はその空間に違和感を感じていたんです。そんな中で、eTo君がいた映画研究部の部室は新鮮な音楽で溢れていて、そこに出入りするようになっていったんですけど、周りには世間の感覚からずれたメンバーが揃っていて(笑)。そこで起こっていた出来事ー怒りに近い楽しさや「こっちが楽しかったらいいやん! 」っていう感じがいったんぶのライヴにも出ていると思うんです。
ーー世間との合わなさは今でも感じますか?
コテ : 地元ではどうや?
eTo : 合わないね。合うのは対バンとかしかおらんかもなぁ。同じような状況の子らと共有できる環境ではある。
ーー『はり手』は、バンドのこの3、4年のベスト的な感じだと思ってたんですけど、そういうわけではないようですね。
コテ : ベストではないですね。新しい1stフル・アルバム的な感覚で。僕ら、大阪だけで月10本くらいライブをやってたんですよ。ライブ・ハウスの人に覚えてもらいたかったし、対バンの人にも存在を知ってもらいたかったから。で、1年くらいそのペースでやってたら、それなりに知られるようになって。次のステップアップとして、音源をきちんと出そうと思ったんですよね。僕ら曲はたくさんあるんですけど、しっかりした音源が数少なくて。いつも新曲は音源で出すよりもライヴでやる方が先なんですけど、今回はいままでライブでやったことない曲も何曲か入れました。
eTo : 前のCDからの曲も入れていないんで、もう本当にまっさらな感じです。全国流通で「やっと一歩出た」っていう感じはあって、最初の一歩ですからだいぶ気合いもありますね。
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ーー一歩出たかったのは何故でしょう?
eTo : 今の環境を変えたいんですよね。
コテ : いま大阪だと、空きっ腹に酒とか下山とか、年齢も近くて同じライブ・ハウスに出てたバンドが面白くて。彼らは演奏力もあるしパフォーマンスもおもしろいし、お客さんもついている。彼らには負けたくないし、彼らの存在が僕らの活動をちょっと変えたんですよね。ライヴ・パフォーマンスやったら他のバンドを圧倒するようなことをやりたいし、お客さんには印象を残したい。僕らが別の色や存在感を出すには、まず音源をちゃんとしたいと思ったんです。空きっ腹は音源も良かったし、とりあえずライバル、やな。下山はなんか、針が振り切れた感じの、なんやろな……。
ーーその3バンドの横のつながりは、お互いがお互いを意識はしてるかもしれないけど、そこで一緒にやってとかそういうことではないんですよね?
eTo : うん、仲良く一緒にやってるわけではない。
ーー『はり手』をリリースすることで、状況が変わると思います。で、全国ツアーをまわって、7月22日の十三ファンダンゴがツアー・ファイナル。それ以降はどう考えているのでしょうか?
コテ : 全国に目を向けて活動していきます。止まらずに行きたいですよね。
(インタビュー&文 : 飯田仁一郎(Limited Express (has gone?)/OTOTOY編集長))
いったんぶレコ発 ~漫画家張り倒しツアー2012~
2012年7月1日(日)@高知カオティックノイズ
w / 出会い系のピストル / 不良外人 / No-mareru
2012年7月6日(金)@岡山ペパーランド
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下山 / かつて うた といわれたそれ
ファースト・アルバムにして、震災以降の日本に対する想いを月ごとに、レーベル名由来の13月まで、皮肉と嗚咽まじりに詠んだコンセプト・アルバム。 サイケ、ノイズ、ジャンク、ロックなどを一度に飲み込んで、強烈な臭気と圧みで吐き出す中に2012年の“ロック”の歌われ方をリリカルにからめた作品。平成うまれのマヒトゥ・ザ・ピーポーの感性の商品化。かつ、金粉のまぶされた優しいゲロからの丁寧すぎる誤挨拶。
空きっ腹に酒 / 僕の血
大阪より、空きっ腹に酒のファースト・フル・アルバム。2007年結成、2011年のFUJI ROCK"ROOKIE A GO GO"に出演、その過激なパフォーマンスとエッジの利いた演奏で大きな話題を呼び、ライヴ・ハウス・シーンでもその名を広めている彼ら。サウンドは、パンクを基調としながらも、ロック・ヒップホップ・ファンクのエッセンスを取り入れ、かつポップへ落とし込んだ、まさしく新世代到来を感じさせるもの。
いったんぶ PROFILE
コテ(Vo.) / eTo(Gt.) / べべべ(Gt.) / ちはる(Ba.) / ポルンガ(Dr.)
2008年、同じ大学のべべべ(Gt.)、チハル(Ba.)が加入し、現メンバー編成に。関西のライヴ・ハウスを中心に精力的な活動を行っている。No wave/Post Punkを土台にしながら、ヴォーカル・コテのハイトーン・ヴォイスと、eToとべべべによる奇妙かつサイケなギター・サウンドが絡み合い、チハルとポルンガの鉄っぽいビートと共に奏でられるその音はアヴァンギャルドで痛快。アグレッシヴなライヴ・アクトと相俟って、観た者に強烈なインパクトを残す。
disk unionでの展開
下記の店舗で試聴機展開&6/25発行のFOLLOWUPにてインタビュー掲載!
お茶の水駅前店 / 新宿本館BF 日本のロック・インディーズ館 / 下北沢店 / 吉祥寺店 / 町田店 / 横浜関内店 / 横浜西口店 / 淵野辺店 / 津田沼店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店 / 池袋店 / 渋谷中古センター / 中野店 / 立川店 / オンラインショップ
NEW SENSATION 今後の展開スケジュール
第1回(4月下旬公開) : 笹口騒音ハーモニカ
第2回(5月下旬公開) : トリプルファイヤー
第3回(6月下旬公開) : いったんぶ
第4回(7月下旬公開予定) : TBA
第5回(8月下旬公開予定) : TBA
第6回(9月下旬公開予定) : TBA