新たな挑戦、さらなる結束──愛はズボーン、初の7inchシングル独占先行配信&インタヴュー公開
音楽配信サイトのOTOTOYとレコード・プレス・メーカーの東洋化成によるコラボレーション・レーベル〈TOYOTOY〉からのリリース企画第2弾として、愛はズボーンが『銀ギラ』をリリースする。結成当初から存在する〈ボンボンズボボン愛はズボーン〉というフレーズが印象的なバンドのテーマ・ソングに対して、この楽曲は「裏テーマ・ソング」として書かれた本作。バンドのサウンドもガムシャラなだけではない「叫び」をテーマに作られ、これまでの“愛はズボーンらしさ“といままでに無い新しい一面とを存分に発揮したた1曲となっている。こちらリリースはOTOTOYでの配信と7inchでの販売のみ。さらにOTOTOYでは、レコードの日(11月3日)の発売より2週間先行でリリースを実施! アナログ盤よりもお先にお楽しみいただけます。完成するまでに、紆余曲折ありながらも確実に新たな1歩進めたと語られる本作。ぜひこちらのインタヴューとともにお楽しみください。
“TOYOTOY”からの第2弾流通作
愛はズボーン / 銀ギラ
【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?
【価格】
単曲 270円(税込) / まとめ 500円(税込)
【収録曲】
01. 銀ギラ
02. Z scream!
INTERVIEW : 愛はズボーン(金城昌秀、儀間建太)
本作『銀ギラ』を聴き終わったあと、いままで愛はズボーンでは味わったことのない衝撃に見舞われた。いままでの彼らにないに無い新しい一面を感じ、彼らは一体どこまで大きくなってしまうのだろうとゾクゾクさせられた。今回は愛はズボーンのフロントマンである金城と儀間のふたりにインヴューを敢行。打ち込みという新たな試みに至った経緯や、自主企画イベント〈アメ村天国 2017〉についてなどじっくりと語ってもらった。かなりディープな内容になっているので、楽曲を聴くためには必須テキストと言えるだろう。OTOTOYから自信をもってお届けする衝撃作を聴き逃さないでほしい。
インタヴュー&構成 : 飯田仁一郎 & 宮尾茉実
写真 : 雷
おれが何者にもならないわけがないって思っているんです
──前回金城さんと白井さん(Ba.)にインタヴューをさせていただきましたが、今回は儀間さんがOTOTOY初登場になりますので、プロフィールなども改めて伺いたいと思います。儀間さんはバンドでいうとどのような存在になるのでしょうか?
儀間建太(Gt / Vo.)(以下、儀間) : バンドを遊園地に例えると、僕はミッキー・マウスですね。そして彼(金城)が遊園地のプログラムとか、アトラクションとかをつくっています。
金城昌秀(Gt&Vo)(以下、金城) : だからミッキーみたいな、前向きな発言は儀間くんが多いですね。
──ポジティヴなんですね。バンドには必要な存在だと(笑)。儀間さんは結成前は、ライヴハウスに1人で出演していたとお聞きしたのですが。
儀間 : そうですね。下駄を履いて、黄色の文字で「Bullshit」って入ったTシャツを着ていました。髪の毛は当時みうらじゅんに憧れていたのでロングで、サングラスをかけてひとりで暴れ回していましたね。
──なんでそんなことを?
儀間 : 毎日特にやることもなかったんですけど、「俺は何者かになる」みたいな自信だけはあったんです。でも、それを体現できる場所がなかったときに、金城くんが、その気持ちをステージで出してみろよって言ってくれたんですよ。運良く僕はエレキを1本持っていたので、ステージに立って、マーシャルに刺して、フルテンで爆音鳴らしながらその場でライヴをしながら歌っていました。
──金城くんに誘われてライヴハウスに出始めた?
儀間 : そうですね。高校の軽音楽部も一緒やったんですけど、金城くんが3年生、僕が1年生だったんです。新入生歓迎ライヴみたいなのに金城くんが出ていて、初めての生音に衝撃を受けて僕も軽音楽部に入りました。
金城 : あの時バンドの演奏はじめて聴いたんや。俺らめっちゃ下手くそやったんちゃう?
儀間 : めっちゃ下手くそやったな(笑)。
──なるほど、それを観て「うわっ、かっこいい」って思って軽音楽部に入ったってことですよね?
儀間 : 俺の方がもっとかっこよくなれるぞって思ったので、入りましたね。ステージに立って仲間と演奏する環境とかを見るのも、大きい音でそれぞれが違うパートを演奏して1つの曲になる感じも、目をひんむいたり喉が擦り切れそうな感じで歌っていたり…… そういう感じ全てがはじめてだったんです。俺は、映画とか漫画にも興味がなかったので、そういうものにはじめて触れた瞬間だったんです。それで高1の春に、僕も自分の手で集めたメンバーでやってみたいなって思ったんですよね。
──なるほど。では、いまも当時も自信があるのはなぜなんでしょうか?
儀間 : 一昨日くらいに気づいたんです。僕って俗に言う“厨二病"なんですよ。儀間が儀間として生きてるんやから、おれが何者にもならないわけがないって思っているんです。
金城 : 気づくのおっっそ……。バンドマンなんてみんな厨二病やろ(笑)。
──遅いですね、かなり。
金城 : よくそのまま続けられたな。
儀間 : まだまだ続きますよ。
僕がやりたいバンドは、みんなでつくるものですから
──ははは。では、今回リリースされる7インチレコードについても訊いていきたいと思います。まず、OTOTOYからの話で、レコードをつくってくれませんかということになりましたよね。レコードっていうのは、愛はズボーンにとってどういった存在だったんでしょうか?
金城 : 僕は(レコードを)聴ける環境になったのが、今年の春くらいなので、まだあまり馴染みはないですね。自分の興味が及んでいないだけで、世の中にはおしゃれなものっていうイメージがあることくらいの、軽いところでしか感じれていないです。
──儀間さんはどうなんでしょうか?
儀間 : 僕は、レコードを聴ける環境がなかったときから、ジャケット目的で買っていたんです。それで、一昨年くらいに誕生日プレゼントでメンバーからレコード・プレイヤーをもらったんですよね。
金城 : レコードを買うくせに、プレイヤーを持ってないから(笑)。
儀間 : 好きなジャケットばっかり買ってたんですけど、それがプレイヤーを手にいれた瞬間に、こいつどんな音鳴んねやろってドキドキして……(笑)。いままでずっとメールでやりとりしてた子に突然会うってなったときのドキドキというか(笑)。
金城 : どんな雰囲気でしゃべるんやろとかな(笑)。
儀間 : それでレコードを聴いてみたら全部ええねん。レコードとの出会いは、これがはじめてで、衝撃的でしたね。
──いいエピソードですね。ちなみに今回リリースされる『銀ギラ』の仕上がりはいかがでしたか?
金城 : デジタルとは違って、いま何が行われて音が鳴っているかを目の前で見ることができるんですよね。その過程を経て、スピーカーから自分たちの音楽が流れているのを見て感動しました。聴こえてくる音がどうとかではなくて、感覚的に嬉しかったですね。
──選曲で意識されたことはあるんですか?
金城 : うちはヴォーカルが2人いるので、A面、B面で1人ずついれようってなりました。
──「銀ギラ」は完全打ち込みということなんですけど、すべてが“カネシロ・ワークス”ということなんでしょうか?
金城 : 僕がDTMで富ちゃん(Dr.富永)のドラムの音を打ち込んで、エンジニアさんとまとめた曲です。だから、バンドの音ではあるんですけど、1回もみんなで合わせて演奏したことはないですね。
──なるほど。どういったところからその発想が生まれたんでしょう?
金城 : 11月にリリースするフル・アルバム『どれじんてえぜ』に、僕がつくった曲を岡崎体育がエディットして、エンジニアさんにミックスしてもらった「adult swim」って曲があるんです。それと同じ感覚でつくろうと思ってできたのが「銀ギラ」ですね。
──岡崎体育くんとは昔から仲よかったんですか?
金城 : 2年くらい前からですかね。割と最近で、彼がドカンと売れる半年前くらいに急激に仲良くなって、ユニットを組んだこともあります。
──その金城さんにとって「adult swim」や「銀ギラ」の流れはどういったものになるんでしょうか?
金城 : それも1回整理中というか……。作品をつくっているのは一体誰なんだという問題が、レコーディングが終わった頃くらいに出てきたんです。僕個人としては、自分の持ってきた曲は自分がつくっているという意識だったので、それが過剰にはなりすぎたんでしょうね。バンド自体の音楽をつくっているのは全て自分だ! ぐらいのものが、無意識にというか、潜在意識としてあったかもしれないです。先月くらいにバンドでミーティングをして、いま整理している時期で答えづらいのですけど……、「銀ギラ」は僕がつくった曲であれば、愛はズボーンの曲だろうということでA面にしました。
──でもバンドのメンバー的にはそれちょっと違うんじゃない? みたいな感じだった?
金城 : ぶつかったわけじゃないんですけどね。みんな思うところはあったことに気がついて、考えるきっかけになった曲ではあります。
──ちなみに儀間さんはこの件に関してはどう考えているんでしょうか?
儀間 : バンドの中で曲をつくる人が2人(儀間と金城)いて。「Z scream!」とかもそうなんですけど、最終的にぼくがもともとガレージ・バンドとかでつくった音楽とは、ぜんぜん違う音源になったんです。メンバー4人で話し合ってセッションをしながらつくったので、僕が持ってきた曲だけど、メンバーなしではつくれないという認識でした。
金城 : 僕もそういう気持ちは持ったうえでやってはいたけど、みんなでつくると、必要以上に時間がかかってしまって、間に合わないんですよね。そういう事務的なことにも悩まされていたんです。スタジオで合わせる時間があるのかどうかってことを考えた上で、ベストを尽くした結果、僕ひとりで作った音源をエンジニアさんにもっていくかたちになったんです。「Z scream!」をB面にした理由も、“4人でつくった感”が強い曲だったからなんです。白井くんは車の移動中とかに、「「Z scream!」のあそこのセクションのベースとギターの絡みをもっとこういう風に試したい」みたいなことを僕たちに話していたんです。ただ、そうなったときに必要以上に時間かかるんですよね。
──たしかに、前回のインタヴューでも曲作りのスピードは遅いって言ってましたね。
金城 : 誰かが責任や覚悟をもっていない状態で、スタジオで合わせる時間は、僕は無駄だと思っているんです。限られた時間の中で、完成に向けて誰かが率先して引っ張っていく必要性を感じた結果、打ち込みの音源をエンジニアさんに渡すって行動をとってしまったんです。リアルタイムで話せてたらこういう反省会みたいなことにはならないんですけどね。でもこの「銀ギラ」をつくってまた1つ成長したなとは思います。
──せっかくの7インチのA面がメンバーにとっては引っかかる部分もあったってことですよね。
金城 : そうですね。
儀間 : 「銀ギラ」のクオリティーに対しての不満っていうのは一切なくて、できあがったものに対しては、めちゃくちゃいいって思ったんです。ただ“カネシロ・ワークス”になっているっていうのが、メンバーでもっと話し合わなくてはいけないところかなっていうのはありましたね。
──自分のものじゃないものがリリースされているっていう感覚だったんでしょうね。7インチをつくる中で、愛はズボーンとしては課題も見えつつも、バンドとしての成長を感じました。
金城 : 僕がやりたいバンドは、みんなでつくるものですからね。だから逆に今回の件で、みんなでつくりたいという気持ちが出ているなら、僕としてはすごくうれしいことではあります。
俺らの音楽は一般的に広めることはできると思ってます
──ちなみに前作『ゆ〜らめりか』は、「自分たちを説明できる音楽」をテーマに制作されていましたが、今回の7インチはどのようなコンセプトでつくられたんでしょうか?
金城 : 「銀ギラ」は「心の奥底」を出している感覚です。
──では儀間さんが作詞された「Z scream!」はどんな曲なんですか?
儀間 : 「Z scream!」は、はじめてネガティヴの気持ちを歌詞にしたんです。〈愛想尽きたぜ ロケンロー〉というフレーズからはじまるんですけど、チャートやオリジナル性がない、だっさいコンビニみたいなバンドの音楽とかに嫌気がさしていて。でもそれを単刀直入に言うとトゲがあるので、へんてこな包装紙で包んで歌った曲です。愛はズボーンの“IWZBN”からZをとって、「Zの叫び」にしました。
金城 : 俺もそう考えたら、同じテーマで「銀ギラ」書いてたな。
──愛はズボーンって劣等感とかの気持ちがない状態で楽しくやっているようにも見えるんですけど、そんなことはないんですね。
金城 : 僕らはあえて、そういうバンドとも共演していますし、そういうお客さんって純粋に音楽っていいよねって思ってるフランクな人だと思うので。そういう人たちに愛はズボーンってバンドいいよねって言われたいですね。音楽ヲタクたちだけに伝わればいいぜ、みたいには思っていないです。俺らの音楽は一般的に広めることはできると思ってやっていますしね。
──なるほど。11月25日に主催するイベント〈アメ村天国〉はどのようなものにしようと考えているんでしょうか?
儀間 : アメ村天国は僕が中心になって動いてるんですけど、最終的には〈アメ村天国〉はアメ村で行われる大きなお祭りにしたいんです。去年はバンドのサーキット・イベントって枠からは抜け出せていなかったんです。もっとたくさんのお店と提携して、1枚のチケットで、音楽だけじゃなくて飯とか服みたいな、アメ村にあるカルチャー全部を楽しめるイベントにするのが最終的な目標ですね。今年の目標は去年よりも広くっていうのでやっています。
──最近アメ村は集客に苦しんでいるって聞きましたが、現状はどうなんでしょうか?
儀間 : アメ村の中で過ごしてみると、実際そんなことはなくて。そのイメージを周りが持っているっていうのも、中から潰していかないと消えないと思っています。
金城 : そもそも、アメ村が苦しんでるってイメージなのを知らなかった。中にいるからかな。
──梅田のグランフロントとかに人が流れちゃっているって内容のニュースで見たからそういうイメージがあるのかもしれません。
儀間 : 大阪に来る人自体が増えて、分母が増えた分アメ村にも人は来ていますね。あとは、アメ村に子連れや女子高生が多いとか。おじさんたちが夜にバーでお酒を飲んでいるとか。5年前とかに比べたら、来る世代は格段に広がっているんですよ。
金城 : 儀間くんは感覚で語っているんじゃなくて、アメ村天国を開催するにあたって、アメ村の自治団体の会長とか町内会の会長さんたちと、コミュニケーションをとっているんです。いまのアメ村の現状や、昔はどうだったかを細かいところまで聞いているんです。今年はさらにいろんな方が愛はズボーンに協力的になってきてくれていて、去年1回だけじゃなくて、今年も開催するんだっていう情熱とかも伝わっているんだと思いますね。
──これはイベントも楽しくなりそうだ。期待しています!
過去作品もチェック!!
〈アメ村天国 2017〉の出演者の作品も配信中!
LIVE INFORMATION
〈NANIWAdelic at Pangea〜アメ村天国2017前前夜祭〜〉
2017年10月31日(火)@心斎橋pangea
時間 : Open 18:00 / Start 18:30
〈GLICO LIVE “NEXT”SPECIAL〉
2017年11月11日(土)@心斎橋BIGCAT & pangea
時間 : Open 16:00 / Start 17:00
〈アメ村天国 2017〉
2017年11月25日(土)@大阪 アメリカ村
時間 : Open 11:00 / Start 12:00
PROFILE
愛はズボーン
2011年7月、金城昌秀(Gt / Vo)、白井達也(Ba)、富永遼右(Dr)、儀間建太(Vo / Gt)の不動の4人で結成。バンド名は「日本人にしか付ける事の出来ない名前」をテーマに命名。語感は英語「Iwasborn」。
2015年2月、初の全国流通盤1st mini ALBUM『IWZBN』をリリース。2016年2月、2nd mini ALBUM『MAGMAそれは太陽のデジャヴュ』発売。哲学的な歌詞をポップに昇華したリード曲「MAJIMEチャンネル」はMVと共に各地で話題に。同2月フロントマンである金城昌秀と儀間☆KENTAに岡崎体育を加えたヒップホップ・ユニット「いざゆかんとす」結成。YouTubeのみでMVを発表するという遊び心のある活動を展開。
2016年9月には初のワンマン(心斎橋 Pangea)を見事ソールドアウト。 11月大阪アメリカ村一帯を使った自主企画〈アメ村天国〉開催。12月FM802主催〈RADIOCRAZY〉初出演。2017年4月、2nd Single「ゆ~らめりか」を発売。バンドの新しい音楽性を示す。7月には初の台湾ツアー、〈BAYCAMPKOBE〉、グッドモーニングアメリカ主催〈凌ぎ合う〉に出演。8月には関西を代表する野外フェス〈RUSHBALL2017〉にも出演。
11月3日(レコードの日)にバンド・キャリア初のアナログ作品となる7インチ・シングルをOTOTOYと東洋化成のコラボレーション・レーベル〈TOYOTOY〉からリリース。そして11月15日には待望の1st ALBUM『どれじんてえぜ』の発売が決定している。