「かわいい」×「遊び心」=最強の水曜日のカンパネラ!──自由に生きることを後押しする、最新EP『可愛女子』

水曜日のカンパネラの最新EP『可愛女子』のタイトルには、詩羽が自分らしく歩んでいくために大切にしている、ある想いが込められている。その収録曲には、リード曲“ウォーアイニー”からはじまり、ライブで盛り上がること間違いなしの“シャトーブリアン”、遊び心全開の“バタフライ”まで、カラフルでユニークな楽曲が勢ぞろい。海外ツアーで磨かれたスケール感と、親しみやすさが同居する「いまのカンパネラ」の魅力を、全曲解説でたっぷりとお届けします!
中華×可愛い×遊び心を全部詰め込んだ、“水カンワールド”炸裂!
INTERVIEW : 水曜日のカンパネラ

水曜日のカンパネラの最新EP『可愛女子』の全8曲のうち、なんと7曲がドラマ・アニメ・映画・CMのタイアップソング。ほとんどの収録曲が「お題」に沿って制作されたにも関わらず、聴けば驚くほどまとまりがあり、1曲1曲の個性がキラリと光る仕上がりに。むしろ今まで以上に“水カンらしさ”が際立っているのはなぜ? 詩羽とケンモチヒデフミに、その秘密を聞いた。
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影 : YURIE PEPE
衣装協力 : rurumu: , Pion
「可愛い」は、自分を守り奮い立たせるための大切な言葉
──4th EP『可愛女子』がリリースされましたが、タイトルはどのように決まったんですか?
詩羽:もともとリード曲は“ウォーアイニー”に決まっていて、中華テイストの曲が多かったんです。これまでのEPは英語やカタカナのタイトルが多かったので、今回は漢字四文字にしたいなと思っていました。そんなときに思い浮かんだのが「可愛い」という言葉です。「可愛い」は、水曜日のカンパネラとして活動する上でも、普段の生活の中でも私にとって大切な言葉です。私が「好き」だからこそ、「好」という字を分解して「女子」を組み合わせました。
──詩羽さんにとって「可愛い」という言葉は、どんな意味を持っていますか?
詩羽:世間で流行っているものや「良い」と言われるものは、時代とともに変わっていくと思うんです。でも、その流れに沿うかどうかは自分次第。自分が何を好きかを言語化して「これが自分の好み」「これが可愛い」と言えることに意味があると思っています。私は「可愛い」という言葉には、「素敵だな」「素晴らしいな」という気持ちも含まれている言葉だと思っていて。だから誰かのためというよりは、自分のために使う言葉ですね。自分を守ったり、奮い立たせたりするための大切な言葉のひとつとして、「可愛い」を選んでいます。

──ライブのMCで詩羽さんは、「自信を持っていいんだよ」というメッセージを発信されています。
詩羽:私がステージで自分の好きな格好をして、「可愛い」と思うものを身につけることで、観に来てくれた人が「自分の好きなものを好きでいていいんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。いまの時代を生きやすくするためには、自分を認めることが大事だと思っていて。強要するわけではないですけど、少しでも誰かの背中を押せたら、という思いでステージに立っています。
──ジャケットはどのように制作したのでしょうか?
詩羽:今回も私がプロデュースしました。中華風のイメージでカメラマンさんといろんなポーズで撮影して、その後に3Dデザインで仕上げてもらったんです。「いつも通りかわいい感じでお願いします」とだけ伝えて、徐々に調整していきました。
──この制作時期には、詩羽さんのソロ活動も始まりましたよね。活動のスタンスに違いはありますか?
詩羽:スタンス自体は変わらないですが、ライブパフォーマンスはまったく違います。カンパネラは一人でステージに立つので、私の動き次第で全体が決まる。でもソロはバンド編成なので、背中を預けられる感覚があります。そこにバンドならではのおもしろさを感じています。
──バンドメンバーとはどんな雰囲気で活動していますか?
詩羽:わりと和気あいあいとしています。すごくしゃべるおじさんたちなんですよ(笑)。リハの時間を決めても「あと1分あるよ」という雑談を5分くらい続けたりして、結局時間通りに始められないことが多いんです。でもその楽屋の雰囲気がとても楽しいですね。

──カンパネラは海外でのライブも実施していますが、「行ってよかった」と感じたことはなんですか?
詩羽:とにかく盛り上がったことですね。アジアもヨーロッパも出演順に恵まれて、ちょうど良い流れでステージに立てました。最後に出演したポーランドのフェスは規模も大きく、最高に盛り上がって締めくくれたのも良かったです。
ケンモチヒデフミ(以下、ケンモチ):ヨーロッパやロンドンのような音楽通の街で、我々がどう見られるんだろうと最初は緊張していたんです。でも蓋を開けてみれば大盛り上がりで、自分たちが思う以上に価値観を認めてくれる人は世界中にいるんだと知れてよかったです。ひとつ夢が叶ったように感じました。
──武道館以降のライブでは、ケンモチさんもステージに立つスタイルに変わりました。これはどういった経緯で?
ケンモチ:大きなステージに立つ機会が増えたことが大きいです。広いステージだと、詩羽一人だけでは少し寂しく見えてしまうので、バンドメンバーやダンサーなど、視覚的に補える要素があるといいなと。そこで自分も出てみようと思ったんです。詩羽のソロ活動ではバンド編成があるので、差別化の意味でもあります。カンパネラでは自分が前に出て演出を入れたり、サーカス団のように「次は何をするんだろう」と思わせるステージを作っていけたら、お客さんもより楽しめるんじゃないかと考えています。
詩羽:以前はMCも全部一人でやっていましたけど、今はケンモチさんが話す場面もあって。それがすごくいいバランスになっていると思います。