【BiSH】Episode75 ハシヤスメ・アツコ「いままで自分がもらってきたエネルギーを返したい」
全国19箇所23公演に及ぶグループ史上最長最大規模のホール・ツアー”NEW HATEFUL KiND TOUR”を完走し、そのツアー・ファイナル公演となったNHKホールで圧倒的なライヴを行った"楽器を持たないパンクバンド”BiSH。今年は紅白出場を目指す事をはっきりと宣言し、ますます勢いが止まらないBiSHに、11周目となるメンバー個別インタヴューを敢行。第6回は、ハシヤスメ・アツコの声をお届けする。
BiSH、アニメ『キングダム』オープニングテーマをハイレゾ配信
INTERVIEW : ハシヤスメ・アツコ
BiSHと会えない日が続く。BiSHのライヴで大暴れして、ハシヤスメ・アツコのすべり芸やソロ曲「ア・ラ・モード」で大笑いしたい。 STAY HOMEをしている皆様に、彼女たちの近況が少しでも伝われば幸いだ。もうすぐ夜が明けると信じて!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 井上沙織
写真 : 大橋祐希
最近は毎日映画を見るようにしているのと、スイーツ作りをしています
──ハシヤスメさん調子はいかがですか?
ハシヤスメ・アツコ(以下、ハシヤスメ) : 元気でーす!
──よかったです(笑)。このご時世になってから毎日どう過ごしていますか。
ハシヤスメ : やってこなかったことをやろうと思っていて、最近は毎日映画を見るようにしているのと、スイーツ作りをしています。スイーツは手間暇がかかるのでやるならいまだなと。
──作った中でベストヒットは?
ハシヤスメ : チーズケーキですね。
──(Twitterの画像を見て)美味しそう! 他にもプリンとかチュロスとか。ステイホーム中のおすすめはありますか?
ハシヤスメ : スイーツを作るならプリンは簡単にできると伝えたいです。
──どうやったら美味しくできますか?
ハシヤスメ : 材料を分量通りに入れて、プラス「美味しくなるといいなー」と願うことですね。プリンカップを買って1回作ったら満足したので、そのプリンカップをコップにしてお茶を入れて飲むことがマイブームです。プリン業界の方から「そういう飲み方をするんじゃない!」と怒られそうですけど。
──BiSHとして活動できない日々が続いていますが、この状況をどう感じていますか。
ハシヤスメ : ライヴが日常で幸せだったんだなって気づかされましたね。早く清掃員のみんなに会いたいです。仕事がなくなったのはしんどいですけど、逆に個人がパワーアップできる機会だと思っている部分もあって。いまは映画を見たり、バラエティ動画を見たり、本を読んだりしています。BiSHの活動に直結することではないかもしれないけれど、自分の感性を育ててこれからの活動で活かせたらいいなと。
1人ひとりの可能性を信じたいし、これまで通り磨いていくことが大事
──いいですね。2月のWACK無観客ライヴはどうでしたか?ソロ曲の「ア・ラ・モード」を披露していましたよね。
ハシヤスメ : アイナとサキさんが引っ張って、私抜きでWACKダンサー選抜のみなさんと練習してくださっていて。私+6人のバックダンサーでスタジオに入ったとき、レベルが高くてびっくりしました。「ダンスができる人がこんなにいると華やかになるんだ!」って新しい可能性を見出しましたね。ライヴの中止が決まって、これが日の目を見ないのはもったいないと思っていたので、無観客ライヴで見せられてよかったです。
──少し遡りますが、〈NEW HATEFUL KiND TOUR〉はどんなツアーになりましたか。
ハシヤスメ : BiSH史上1番長い、4ヶ月に及ぶツアーだったんですけど、あっという間でした。ホールって人の顔がめちゃくちゃ見えるので、自分でもライヴ前に客席の方に行って見え方を確かめたりして。どの席からも楽しめるなってリハーサルのときに手ごたえを感じていて、本番が終わってからも充実感が残ったいいツアーだったと思います。
──BiSHが目標に掲げている紅白や東京ドームに辿り着くためにはこれからどうすればいいと思いますか。
ハシヤスメ : 活動を続けていく中で意識や考え方はもちろん変わってきていると思うんですけど、BiSHのはじまりから今日までの個性だったりスタンスだったり、根本的なことは変わっていないと思うんです。見えないだけでそれぞれ努力をしていて、もがき苦しんでいる部分もたくさんある。ダンスがめちゃくちゃ上手いわけでも、歌がスーパーミラクル上手いってわけでもないけど、1人ひとりの可能性を信じたいし、これまで通り磨いていくことが大事なのかなって思います。
──なるほど。BiSHの歪な個性を残したまま東京ドームまで行きたいってことですよね。
ハシヤスメ : もし私がメンバーじゃなくて客観的にBiSHを観られるとしたら、何もなかった女の子たちが自分以外にならないで東京ドームに立つ姿を観てみたいだろうなと思うんです。とはいえ本当に東京ドームに行けるアーティストってほんの一握りだから、もしかしたらいま自分が思っていることは全く違うんじゃないかなとも思ったりします。東京ドームに立つ人ってどんな気持ちなんだろう、普段はどんな感じなんだろう、とか考えますね。
──ハシヤスメさんの中では東京ドームはまだまだ遠い目標ですか?
ハシヤスメ : まだまだなのかなと思いつつ、絶対に立ちたい場所です。
いろんなところに連れて行ってくれる可能性のある曲
──新曲の「TOMORROW」はどんな曲になりましたか。
ハシヤスメ : キングダムを読んで、感情移入した状態でいろんな役者になりきって歌いました。登場人物になったり、それを見守る人になったり。サビを歌うときは剣を持って戦う感じで。
──それは松隈さんの指示で?
ハシヤスメ : 自分で考えました!
──へえー! いつも何かになりきってレコーディングするんですか?
ハシヤスメ : なりきったりもします。今回はキングダムの主題歌ということを聞いていたのでやりやすかったですね。レコーディングのときにキングダムの話になって、「モモコは河了貂(かりょうてん)、アイナは山の民」って話をしたりして。
──しっくりきますね(笑)。
ハシヤスメ : キングダムもBiSHも、いろんなものに抗って進んでいくところが似ているなと思っていて。「TOMORROW」はスピード感もあって、いろんなところに連れて行ってくれる可能性のある曲だと思います。まだお披露目はしていないですけど、振り落としは終わっているので早く見せたいですね。
──早くいまのBiSHのライヴを観たいです。(※取材後の5/7、ツアーの5月中の公演の開催見送りが発表された)
ハシヤスメ : 世界がこういう感じになってしまってどうしたらいいのか、いますごく考えていて。エンターテインメントって希望だったりするじゃないですか。気分が落ち込むことがあっても、テレビを見ていて音楽が流れたら自然に笑顔になったりするし、そういうのを見てきて自分もこの世界に入りたいと思ったんですよね。だから、いままで自分がもらってきたエネルギーを返したいなと思っていて。好きな音楽を聞いたりライヴを観たりしている間は嫌なことを忘れられたらいいし、もしライヴが出来るとなったら吹っ飛ぶぐらいやりたいですね。
LIVE SCHEDULE
ワンマンツアー〈BiSH'S GASP!!GOLD!!GHOST!!GALAXY!!GARBAGE!! TOUR〉※全公演中止
2020年5月21日(木)@神奈川 KT Zepp Yokohama
2020年5月30日(土)@宮城 仙台GIGS
2020年6月4日(木)@東京 Zepp Tokyo
2020年6月12日(金)@福岡 Zepp Fukuoka
2020年6月20日(土)@大阪 Zepp Osaka Bayside
2020年6月28日(日)@北海道 Zepp Sapporo
2020年7月3日(金)@愛知 Zepp Nagoya
対バンツアー〈BiSH’S 5G are MAKiNG LOVE TOUR〉※全公演中止
2020年5月31日(日)@宮城 仙台GIGS
2020年6月5日(金)@東京 Zepp Tokyo
2020年6月13日(土)@福岡 Zepp Fukuoka
2020年6月19日(金)@大阪 Zepp Osaka Bayside
2020年7月4日(金)@愛知 Zepp Nagoya
前回の記事はこちら
RELEASE INFORMATION
Live Blu-ray / DVD「And yet BiSH moves.」
2020.01.15 OUT!!
[初回生産限定盤]
Blu-ray+Live CD2枚組+PHOTOBOOK(100P)
それでもBiSHは開けているBOX仕様
¥10,000 (tax out) AVXD-92887/B~C
[DVD盤]
DVD
¥4,500 (tax out) AVBD-92888
PROFILE
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなる楽器を持たないパンク・バンド。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。ツアーは全公演即日完売。1stシングルはオリコン・ウィークリーチャートで10位を獲得するなど異例の快進撃を続けている。