【BiSH】Episode66 モモコグミカンパニー「バラバラの人が1つになるときの良さがBiSHにはある」
2018年3月発売のメジャー3rdシングル『PAiNT it BLACK』がオリコン・ウィークリーチャート1位を獲得、日本レコード大賞新人賞を受賞し、幕張メッセ9・10・11ホールにて1.7万人を動員した単独ワンマン公演〈BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL “THE NUDE”〉を成功させた"楽器を持たないパンクバンド”BiSH。2019年7月3日、メジャー3rdアルバム『CARROTS and STiCKS』をリリースするBiSHに10周目となる個別インタヴューを敢行。第3回は、モモコグミカンパニーの声をお届けする。
BiSH、待望のメジャー3rdアルバムをハイレゾ配信
INTERVIEW : モモコグミカンパニー
モモコの発言って、最初はメンバーの中でも特にわかりにくかったはずなのに、今はとてもはっきりと、そして丁寧にBiSHの近況と想いを伝えてくれる。またその想いがとても的確でびっくりするのだ! 『CARROTS and STiCKS』の発売から一ヶ月半。そして来月には、大阪城ホール。モモコは歌詞で我々に伝えてくれた。BiSHは、「まだ途中」だって。その言葉が聞きたかったんだ!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 井上沙織
写真 : 外林健太
楽しい地獄だなって(笑)
──『CARROTS and STiCKS』はどんなアルバムになりましたか。
モモコグミカンパニー(以下、モモコ) : 盛りだくさん。このアルバムにはいろんな人間が存在してますよね。例えばPEDROのアルバムを聴いていると一貫性があって、ひとりの人間の深みみたいなものが出てると思うんですけど、BiSHはいろんな人が存在しているから、良い意味でバランスがすごく悪い。バランスが取れてないけど、そこが人間らしくていいんじゃないかなって。
──バランスが取れてないのは良いことなんですね。
モモコ : うん。人間っていろんな面を持ってるから。飽きないですし、絶対にBiSHを知らない人でも、この曲は自分っぽいなって思って好きになる曲が1曲は見つかる気がします。今のBiSHだと、ディストーションがかかりまくってる「遂に死」や「FREEZE DRY THE PASTS」とかは音源で聴くよりライヴのほうが強いなって思いますね。
──あっけにとられて観てる人も多いですよね。
モモコ : 「遂に死」とかは私たちも不思議な感情でやってますからね。楽しい地獄だなって(笑)。
──ライヴではもう全曲やってますか?
モモコ : 最近「CHOP」を初出ししましたけど、まだ全部はやってないです。ダンスが大変ですね。
──まだモモコは、ダンスは苦手ですか?
モモコ : 正直、苦手意識はまだあります。一番失敗を重ねてきたからこそ、誰よりも練習しないといけないなっていう気持ちがあって。時間がないとか言い訳にできないし、私は練習しないでできるわけがないので練習してますね。
BiSHは人間味に溢れてる
──今回は「CHOP」と「まだ途中」でモモコの歌詞が採用されています。
モモコ : 「CHOP」は声にディストーションがかかっているけどポップな曲調なので、暗い言葉を書いても重くならなくて気に入ってます。アルバムを聴いて一番今のBiSHっぽいなと思った曲です。
──どんなところが?
モモコ : 内と外のギャップというか。最近はお仕事も増えてワーワーしてるみたいな、明るい感じに見えているかもしれないけど、キラキラした言葉も入れてないし、ディストーションがかかっているし、別にBiSHは変わってないよっていう。歌詞はBiSHの楽屋をイメージして書きました。
──そうなんだ!
モモコ : 〈あの子もこの子もわがまま放題〉とか〈おっさんに向けてファッXXベイベー〉とか、みんなわちゃわちゃ好き勝手にやっている感じで。メンバー間でイラっとすることも違う人間だから絶対あることだけど、6人が1部屋にいる空間っていつまでもあるわけじゃないような気がするんです。そういうちょっとしたことも未来から捉えたら貴重なことだから、苦しいぎゅうぎゅう詰めだけど、今は楽しいよねっていう歌詞にしました。
──なんで「CHOP」なんですか?
モモコ : 思うことがあっても、そこで本当に殴るんじゃなくて、心の中で可愛くチョップ! ってやるくらいが丁度いいなって。
──「まだ途中」はメッセージ性が強い曲ですね。
モモコ : 「まだ途中」は、身近な友達が挫折したときに本気でまっすぐ背中を押してあげたいと思って書いた曲なんです。一回失敗したら「ダメだ、終わりだ」って何もかも辞めたくなってしまったりするんですけど、まだ途中だって思えたら、ここで躓いたくらいじゃまだ終われないぞって、もう1歩踏みだせるんじゃないかなって。その子の為に書いたつもりだったんですけど、出来上がったら自分自身にも当てはまるし、今のBiSHにも当てはまるなって思いました。
──他のメンバーの歌詞はどう捉えていますか。
モモコ : 他のミュージシャンの方は、自分が感じたことだけじゃなくて、キラキラした言葉や架空の世界を想像した歌詞を書ける人が案外多いってことに最近気づいたんですけど、私は自分の思ってることしか書けなくて。きっと他のメンバーもそうだと思うんですよね。メンバーの歌詞を読んでいると心の内を書いてるなってわかる。
──これまでの作品とは雰囲気が変わりましたよね。
モモコ : 人間、ずっと一緒じゃいられないというか。だからその人から出てくる言葉も変わって当然だし、そういう部分でもBiSHは人間味に溢れてるなって思います。みんなと喋ったりしてもなかなか本音って出てこないけど、歌詞を読んでこれが本当に思ってることなんだろうなっていうふうに思いますね。
6人が集まったときってやっぱり特別にかっこいい
──〈LiFE is COMEDY TOUR〉お疲れさまでした。アルバムのプロモーションや音楽番組への出演もあった中でのツアーは大変だったんじゃないですか。
モモコ : めちゃくちゃ忙しかったですね。BiSHに入ってずっと忙しいのは変わらないですけど。その中でも特に〈LiFE is COMEDY TOUR〉の時期は忙しかったです。2、3ヵ月くらい1日も休みがなくて、寝られれば幸せだなって思うぐらいでしたね。朝から晩までずっとアルバムのプロモーションをする日が続いたりしたので、自己を保つのが精一杯でしたね。
──今回のツアーで何か変化はありましたか?
モモコ : 前まではみんな楽屋では好き勝手にしてることが多かったんですけど、今回のMCは自分たちで考えて、コントもあっちゃん中心にみんなで話し合って、一体感が増したかなって思います。
──モモコ的にはコントの勝率はどのくらいでしたか?
モモコ : 4割くらいですかね(笑)。まあ、6人で考えたにしては良かったと思います。福岡があっちゃんの地元ってこともあって、気合の入れ方がすごくて面白かったです。
──9月23日には大阪城ホールが控えています。幕張メッセ以来の大きな会場ですね。
モモコ : 幕張はその日1日のエンターテインメントだったから、BiSHの成長過程の道のりというより、突出した一発勝負だったと思うんですよね。〈LiFE is COMEDY TOUR〉のほうがBiSHに密接に関わっていて、一番BiSHらしくいられた時間だったのかなって。〈LiFE is COMEDY TOUR〉を経て、幕張メッセより良いBiSH、別物のBiSHになるんじゃないかなというのは感じてますね。アユニも個人でツアーとか周っているので、そのぶんレベルアップしてると思いますし。
──それぞれソロでの活動も増えましたもんね。
モモコ : アユニがバンドをやったり、リンリンがモデルをやったり、あっちゃんがソロデビューしたり、みんなソロでも頑張っててかっこいいんですけど、6人が集まったときってやっぱり特別にかっこいいなと思うんですよね。たとえば私がひとりで執筆をどれだけ頑張ろうとも、BiSH6人が集まったときのかっこよさには勝てない。私は6分の1でしかないけど、バラバラの人が1つになるときの良さがBiSHにはあると思うから、誰のソロよりもBiSHがかっこいいと思ってます。
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LIVE INFORMATION
And yet BiSH moves.
2019年9月23日(月・祝)@大阪城ホール
時間 : Open 17:00 / Start 18:00
チケット料金 :
S席 : 15,000円(税込)
A席 : 7,000円(税込)
B席 : 3,500円(税込)
一般発売日 8月17日(土)AM10:00~
NEW HATEFUL KiND TOUR
2019年10月5日(土)@埼玉 サンシティ越谷
2019年10月13日(日)@熊本 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
2019年10月14日(月・祝)@福岡 福岡サンパレスホテル&ホール
2019年10月18日(金)@京都 ロームシアター京都
2019年10月22日(火・祝)@静岡 沼津市民文化センター
2019年10月27日(日)@香川 レクザムホール
2019年11月3日(日)@愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2019年11月4日(月・祝)@愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2019年11月9日(土)@愛媛 松山市民会館
2019年11月14日(木)@東京 オリンパスホール八王子
2019年11月16日(土)@山口 周南市文化会館Z
2019年11月17日(日)@広島 上野学園ホール
2019年11月23日(土)@石川 本多の森ホール
2019年11月24日(日)@長野 ホクト文化ホール・大ホール
2019年11月29日(金)@神奈川 相模女子大学グリーンホール
2019年12月4日(水)@東京 東京国際フォーラム
2019年12月7日(土)@北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2019年12月13日(金)@宮城 仙台サンプラザホール
2019年12月14日(土)@岩手 盛岡市民文化ホール(大ホール)
2020年1月10日(金)@兵庫 神戸国際会館こくさいホール
2020年1月11日(土)@大阪 オリックス劇場
2020年1月18日(土)@栃木 宇都宮市文化会館
2020年1月22日(水)@東京 NHKホール
2020年1月23日(木)@東京 NHKホール
※ダイブ・リフト・サーフ禁止
チケット料金(税込)
通常チケット :
S席 7,000円(税込)
A席 3,500円(税込)
年齢制限/ 未就学児童入場不可
受付URL
PROFILE
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなる楽器を持たないパンク・バンド。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。ツアーは全公演即日完売。1stシングルはオリコン・ウィークリーチャートで10位を獲得するなど異例の快進撃を続けている。