【行かなきゃ ASP Episode6】「私にとって大切なグループ」──経験を積んで異彩を放つ、ナ前ナ以の存在感
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全国7都市を回る夏ツアー〈TOUR STARFUCKERS〉のビジュアルで、さらにパンクな姿を公開したASP。2周目となる個別インタヴュー企画、第2回は、どんどん謎が解き明かされていく、ナ前ナ以が登場! 前回のインタヴューでは素顔しか公開されておらず、まだ謎が多かった彼女ですが、今回のインタヴューではMV撮影、ワンマン・ライヴ、東名阪ツアー、リリース・イベントなど全てはじめての体験をした彼女の思想や、そのときに起こった出来事などお届けします。さらに、〈下北沢SHELTER〉のときに披露した新曲や、今後のASPのことについても語ってもらいました。
デビュー・アルバム『ANAL SEX PENiS』ロスレス配信中!
INTERVIEW : ナ前ナ以
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“SAKEBE”のMVでのナ前ナ以の表現力は際立っている。正直度肝を抜かれるレベルだ。歌・踊り共に引っ張るユメカ、抜群のセンスのナアユ、WACKの精神を強く持つモグ... そしてナ前ナ以は、とにかく気になる! ただただ気になる存在なんだ! もう彼女の成長が楽しみでならない。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 東原春菜
写真 : 大橋祐希
誰かが率先してやらないと羞恥心みたいなのが出ちゃうと思って
──前回のインタヴューから約2カ月経ちましたが、変わらずユメカさん(ユメカ・ナウカナ?)がいっぱい喋って他の3人は静かに見守っているんですか?
ナ前ナ以 : はい。そうですね。ユメカちゃんから「いっぱい喋るけど反応しなくていいよ」っていう許可が下りまして(笑)。
──ちょっとうるさいなって思わない?
ナ前ナ以 : 思わないですよ。おもしろいですし助かります。
──(笑)。“SAKEBE”のMVが公開されましたが、ナ前ナ以さんの表現力が爆発してるじゃないですか! 号泣している演技にびっくりしました。
ナ前ナ以 : ありがとうございます。練習したとかではないんですけど、悲しくならないとといけないと思って「死んじゃった、悲しい」って思いながら泣きました。
──渡辺(淳之介)さんや映像監督さんから演技指導はあるの?
ナ前ナ以 : “A Song of PunK”のときは、渡辺さんに「走るところは、ゾンビに追いかけられていると思って一点を見つめて走るんだ」って言われて、ゾンビに追いかけられたことはないから分からなかったのですが、試しに大きな声を出してみたりして。“SAKEBE”のときは、泣く演技をするっていうのは知っていたのでヒステリックに泣いてみて。誰かが率先してやらないと羞恥心みたいなのが出ちゃうと思って、後悔しないようにやりました。
──ナ前ナ以さんが率先してやっているんだ。
ナ前ナ以 : 後々みんなに聞いたら私の声にびっくりしちゃったみたいで、逆に泣けなくなってしまったらしいんです。それが本当に申し訳なくて……。誰かが率先してやらないとって言っちゃったんですけど、もうちょっと抑えてみんながやりやすい環境を作れたら良かったんですけどね。
──ファースト・フル・アルバム『ANAL SEX PENiS』に収録されている曲の振り付けで苦労したところはありますか?
ナ前ナ以 : 初ライヴの前に渡辺さんから「次の振り付けとか、立ち位置を考えながら踊っている」って注意されてしまって。たしかに練習のとき「次、ここに移動しなきゃ」って考えていたんですよ。それって、まだ練習量が少なくて体に沁みこんでいなかったのかなって思ったので、何回も反復練習をしました。
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──ナ前ナ以さんはどの曲を振り付けしたの?
ナ前ナ以 : “WARRiES”は、自分が考えた振り付けを入れていただきました。13曲の振り付けを考えるだけで反省点がたくさんあって、その反省点を新曲の振り付けで繋げられているといいますか、すごくやりやすくなりました。
──反省点はどこだったんですか?
ナ前ナ以 : 13曲をひとりずつ振り分けて、個人で考えて、みんなに共有する作り方だったんです。でも、「正直、振り入れをやったことがないから自分が考えたものがいいのか悪いのか分からなくて、前のやり方はやりづらかった」っていうのをメンバーに伝えて。新曲の振り入れでは、練習場所で自分が考えた案をみんながその場でアクションをくれるというやり方に変えたので、自分にとってすごくやりやすくなりましたね。反省や不安は共有するようにしていて、いまはみんなで改善して作っています。