ハイレゾは本当にちがうの?――ハイレゾ・アニソンをリリースした榊原ゆい&山森篤の音質聴き比べ対談

多数の人気アニメを輩出するKADOKAWAメディアファクトリーが、ついにアニソンをハイレゾ化…!!! これは嬉しい知らせということでその立役者となったおふたりとハイレゾ・アニソンの普及に努めたい! ということで実現したのが今回。純粋な疑問として感じる「ハイレゾは本当にちがうの?」という言葉にお応えする音質聴き比べ対談です。

そのおふたりとは、声優から振り付け、ダンサーまでマルチな活動を行いつつも数々のアニメ / ゲーム主題歌を手掛けてきたシンガー・ソングライター"ゆいにゃん"こと榊原ゆいさんと、KADOKAWAメディアファクトリーで音楽プロデューサーを務める山森篤さん。このふたりがタッグを組み、24bit/96kHzのハイレゾ音源で『LOVE×CoverSongs』と『 TVアニメ「星刻の竜騎士」オープニングテーマ「聖剣なんていらない」』を今春リリースしました。

「なぜ聴き比べ? ふたりにとっては今更でしょう」と思うかもしれませんが、実は制作しているときは"良い音"で聴いているのが当たり前で、あらためて聴き比べ、しかも配信ではまだまだ主流であるmp3とハイレゾの差を聴く、なんてことはないものなのです。感覚的だけれどもだからこそ一般的にもわかりやすいゆいにゃんの感想と、専門的な言葉も交えつつずばりの解説を加えてくれる山森さんの言葉で、ハイレゾ・アニソンの魅力、そして本2作の魅力を存分にお伝えします!!

そもそも"ハイレゾ"とは…?

High-Resolution(=高解像度)を縮めてハイレゾ。一般的なCDの規格である16bit/44.1kHz、もしくは16bit/48kHzを超える情報量を持つ音源をこう呼びます。文字通り高い解像度を誇る音源であり、音の波形をより滑らかにデジタル化しているのが魅力です。

ハイレゾ音源の例 : 24bit/48kHz、24bit/96kHz、24bit/192kHz

榊原ゆい×山森篤のハイレゾ・アニソン2作!!

榊原ゆい / TVアニメ「星刻の竜騎士」オープニングテーマ「聖剣なんていらない」

【配信価格】
alac / flac / wav(24bit/96kHz) : 単曲 540円 / まとめ購入 1,296円

【Track List】
01. 聖剣なんていらない
02. シュトルーフェ
03. 聖剣なんていらない(Off Vocal)
04. シュトルーフェ(Off Vocal)

2014年4月〜6月に放送していた、美少女ドラゴンが歴史を刻む本格・異世界物語、TVアニメ「星刻の竜騎士」でナヴィー役を演じた榊原ゆいがオープニング・テーマも担当! 数多くのゲーム・アニメ主題歌を歌ってきた彼女が、オープニング・テーマ「聖剣なんていらない」を歌い上げる。作詞作曲は水樹奈々や榊原ゆい、飛蘭など多くのヴォーカリストに楽曲を提供し続ける、Elements Gardenの代表・上松範康!!

榊原ゆい / LOVE×CoverSongs

【配信価格】
alac / flac / wav(24bit/96kHz) : 単曲 540円 / まとめ購入 3,240円

【Track List】
01. 輪舞-revolution(TVアニメ「少女革命ウテナ」OPテーマ)
02. “らしく"いきましょ(TVアニメ「美少女戦士セーラームーンSuperS」EDテーマ)
03. 空色デイズ(TVアニメ「天元突破グレンラガン」OPテーマ)
04. ロマンティックあげるよ(TVアニメ「ドラゴンボール」EDテーマ)
05. ラムのラブソング(TVアニメ「うる星やつら」OPテーマ)
06. Naked arms(PS3/Wii用ゲームソフト「戦国BASARA3」OPテーマ)
07. 恋獄(PCゲーム「カルタグラ」OPテーマ)
08. 原罪のレクイエム(PCゲーム「プリズムアーク」OPテーマ)
09. ハローグッバイ(PCゲーム「グリーングリーン3ハローグッバイ」OPテーマ)
10. 青い記憶(PCゲーム「“Hello,world."」OPテーマ)

榊原ゆいがヒロインを演じたPCゲーム「プリズムアーク」のOP主題歌『原罪のレクイエム』を始め、1980年代アニメを代表する「うる星やつら」のOP主題歌『ラムのラブソング』、大人気ゲーム戦国BASARAシリーズからは「戦国BASARA3」の『Naked arms』等、全10曲を収録。さらにリリース後も長くファンに愛され続ける「Chu×Chuアイドる!」シリーズや「暁の護衛」シリーズなど、ゆいにゃんが歌う人気楽曲を数多く手がける音楽集団"Angel Note"が完全リアレンジ! 様々なジャンルの名曲たちが… ゆいにゃん&Angel Noteカラーに染まる!

対談 : 榊原ゆい×山森篤

――KADOKAWAメディアファクトリーで初のハイレゾ・アニソンをリリースした歌手の榊原ゆいさんと、音楽プロデューサーの山森篤さんに、Timelordの「SHOWROOM 遊 by Timelord」に来ていただきました。ふたりのタッグでハイレゾ化された『聖剣なんていらない』と『LOVE×CoverSongs』をリリースしたこの機会に、「mp3からハイレゾまで、音質を聴き比べると実際どれだけ違うのか!?」を体感してもらいながら、ハイレゾや作品のことをお訊きできればと思います。

榊原ゆい(以下、榊原)&山森篤(以下、山森) : よろしくお願いします。

――試聴する前に山森さんに質問なんですが、ずっとKADOKAWAメディアファクトリーの音楽プロデューサーとして音楽制作に関わられている中で、いち早くハイレゾでリリースしたいとおっしゃっていたのは山森さんだと伺いました。その山森さんにとってハイレゾへの興味は、どこからはじまったのでしょうか?

山森 : 16〜17年前に、DVDオーディオに変わるんじゃないかっていう時代があったんですよ。実現しませんでしたが…。

――ありましたね。

山森 : そのころ、各所のマスタリング・スタジオさんが、メーカーのディレクターとかを呼んで試聴させてくれたんです。「これが次世代の音質です」って。そのときのDVDオーディオのフォーマットっていうのが192kHzの24bitとか32bitってとんでもない領域にまで突っ込んだ音だったんですね。そのときにあまりにも衝撃を受けて。「わあ、こんな時代が来るんだ」っていうのがはじまりですね。

――なるほど。それから時間は要しましたが、遂に配信というかたちで、ハイレゾが話題になりはじめました。そして24bit/96kHzでハイレゾ化された『聖剣なんていらない』と『LOVE×CoverSongs』は、非常に売れ行きがよく、高い評価も得たと伺いました。それについて感想はいかがですか?

山森 : その報告を聞いてびっくりと同時に「受け入れられたんだ!」という気持ちはすごくあります。それと同時に弊社のプロデューサーの幾人かは、ハイレゾをはじめてみたいと言ってくれたので、いい起爆剤になったのかなと。

左から榊原ゆい、山森篤

――今回榊原さんのもとには「ハイレゾで出してくれてありがとう」みたいなファンの声はありましたか?

榊原 : 独自に調べてみたら(笑)、ハイレゾで購入された方、盤もハイレゾも買って、しかも聴き比べてレポートを書いてくださる方までいて。配信ではハイレゾで、盤では頑張って作ってるブックレットも楽しんでもらえると思うので、選ぶ幅が広がってより楽しんでもらえるのはすごく嬉しいですね。

音質が上がるごとに空間の広さが違うなと思いました

――それぞれに価値がちゃんと付いてるからこそですよね。では実際に今からmp3音質(320kbps)、CD音質(16bit/44.1kHz)、ハイレゾ(24bit/96kHz)で聴き比べていただこうと思うのですが、せっかくなのでこの試聴環境について、Timelordの村上(遼)さんに説明をお願いできれば。

村上 : はい。よく家電量販店で、スピーカーがバーって並んで、好きなオーディオを選んで下さいという聴き方があると思うのですが、弊社の試聴室は基本的にワン・ルーム/ワン・スピーカーをコンセプトに、予約いただいたお客様の希望に沿って、その都度セットアップしています。我々はブラック・ルームと呼んでいまして、見てのとおり、壁一面黒いです。吸音材なども張ってありますので、暗くすると世界が広がるような感じで、リラックスして試聴することができます。

本当は写真が撮れないくらい真っ暗!

今回用意したスピーカーはFOCALというフランスのブランドです。フランスのブランドはシャンソンがルーツにあるため、歌をよく聴かせてくれる仕様になっています。歌のサ行は普通に聴くと耳に痛い部分なのですが、このスピーカーではすっと入ってくる。そして繋げているDAコンバーターは、イギリス製のCHORD Hugoです。

FOCAL
CHORD Hugo

――では聴いてみましょうか。たくさんは聴けないので、まずはTVアニメ「星刻の竜騎士」のOPテーマ「聖剣なんていらない」から。mp3、CD、ハイレゾの順でお願いします。

再生中 1曲目「星刻の竜騎士」(OTOTOYでの試聴はmp3音質です)

――……はい。榊原さん、どうでしたか?

榊原 : 思った感じで言っていいですか?

――はい。ぜひ思った感じで言ってください。

榊原 : mp3はこじんまりまとまっているというか、ぺたっとしてると言ったらアレですけど、皆がちっちゃく固まっている感じ。

――ぺたっとしていますよね。

榊原 : 音質が上がるごとに空間の広さが違うなと思いました。だんだん空間が広がって、オーケストラがいるとしたら、それぞれの位置も広がっていくというか…。やっぱりハイレゾはみんなどっしり構えているような感じがします。ごめんなさい、テキストにしづらい(笑)。

――いやいや。音なので感覚的なことを言っていただけるのが1番です。山森さんはスタジオでも聴いていると思いますが、あらためてこういう環境で聴いてみたときに、どう思われましたか?

山森 : スピーカーの小ささからすると想像以上に、ハイレゾは低域がぐんぐん出ていてびっくりしています。スタジオではラージ・スピーカー、スモール・スピーカー、ラジカセのだいたい3パターンは聴き比べているんですよね。ラージで聴いてる部分は何かというと、低域がどこまで出てるんだろうという部分が大きいんです。ラージで聴くと髪の毛が揺れるくらいもわっと出ます。それでいうと、ここのスピーカーはスモールなのに、スタジオのラージ環境と同じくらい、低域が聴こえました。

――なるほど。山森さんにとって、みなさんに聴いてほしい表現というのは、やはりハイレゾで聴こえる表現を目指してつくっているんでしょうか?

山森 : はい。mp3よりもCDクオリティよりももっと高域が出ているなかで、低域が実は重要だったことがハイレゾをやりはじめて気付きました。先にハイレゾMIXを作るのですが、エンジニアさんやアレンジャーさんと「気持ち悪いほどに低域が出てくるね」ってよく言っていて。あ、表現がナーヴァスに聞こえるかもしれませんが、良い意味で言ってるんですヨ。24bit/96kHzで作るがゆえに、こんな音出てたんだっていうぐらいの低域成分が聴こえて。そうすると、その後、単純に44.1kHzへトラックダウンすると低音が出てこないと言うか、これは24bit/96kHzとは44.1kHzのMIXは変えたほうがいいねという話もしていて。そういう意味でも“ハイレゾ恐るべし"な時代なのかもしれないですね。

――なるほど。これはハイレゾに特化していなくても構わないのですが、今聴いた「聖剣なんていらない」に関して、山森さんのこだわりはなんですか?

山森 : 「より低域を出したい」とはエンジニアさんにも言っていて、まさに榊原さんがどっしりって言ってくれたのは「ああそうなんだよ」っていう。実はベードラがすごくドン、ズドン、っていってるんですね。実はベードラは出せば出すほど、高域も出てきて、ペシペシって言っちゃうんですよ。高域を出過ぎないように、且つ低域を出すことに、エンジニアさんはかなり苦労されてますよ。でも今回いい塩梅に低域を出せたのはハイレゾならではだなって、ますますここで聴いて思いました。

『LOVE×CoverSongs』はCDのマスタリング・パターンとハイレゾのマスタリング・パターンが違っています

――じゃあ、もう1曲聴きましょうか。続いては『LOVE×CoverSongs』のなかから「輪舞-revolution」にしましょう。

村上 : あ、もしよかったらど真ん中で聴いてください。そうすると、おっしゃっていたヴォーカルの低域がどこの辺りにいるかっていうのがより分かると思います。

再生中 1曲目「輪舞-revolution」(OTOTOYでの試聴はmp3音質です)

山森 : 真ん中で聴くべきでしたね。最初から(笑)。

――やはり違いますね。榊原さんどうでしたか?

榊原 : この曲だと、より鮮明に空間がイメージできました。mp3は狭い場所で演奏していて、なんか… 「ぶつかる! 邪魔!」って感じで(笑)。CDはライヴ・ハウスかな。ハイレゾはホールです。ハイレゾの方がCDよりもヴォーカルやコーラス等も含め全部の楽器に動きがあったような気がします。音に余裕がありました。自分の持ち場所をちゃんと広く持ってパフォーマンスをしている音になってた気がします。人を気にせずっていうか、ガツガツぶつかることがない。

――山森さんはいかがですか?

山森 : mp3、CDクオリティ、ハイレゾでどんどん高域が出てきて、なおかつ、高域と低域の振れ具合が全然違っていましたね。特にハイレゾは低域が締まっていて、躍動感が出ているので、そういう意味でホール感という表現はすごく合ってるのかなって思います。

――低域の気持ち良さがすごいですよね。この『LOVE×CoverSongs』はどういった経緯で制作することになったのでしょうか?

榊原 : もともとカヴァー・ソング集を作ろうという考えはまったくなかったんです。「なにかリリースしよう」というタイミングで、オリジナル曲が400曲以上あるなか、次にお客さんが求めているのは何か、何をしたら楽しいかとスタッフと話していたんですね。そのなかで、アニソン・ゲーソンのカヴァー・アルバムはどうだっていうのが企画に上がって。確かにファンのみなさんからカヴァーを聴いてみたいという声はあったので、このタイミングかなと思って。

――逆に、オリジナルが400曲もあって、これまでカヴァー・アルバムがないのが不思議なぐらいですよね。

榊原 : そうかもしれないですね(笑)。私はアニソン・ゲーソンで育ってきたので、やはりご本人が歌うオリジナルが神曲なんです。だから自分が歌っても良いのかという気持ちもありつつ、みんなに後押ししてもらって、ゆいにゃんなりのカヴァーを作ってみたいと思ったんです。これまで私の大人気曲を手がけていただいたりでお世話になっているAngel Noteさんにも協力していただいて選曲・リアレンジをして。好きな曲ばっかり選んでしまったのでレコーディングがすぐ終わりました(笑)。

――曲を再現する上で1番気をつけたことはありますか?

榊原 : アレンジの方向性には、そのまま歌いたい曲と、がらっと変えて歌いたい曲とはっきり自分の中にあったので、それをお伝えしながら納得のいくアレンジにしました。あ、あと今聴いた「輪舞-revolution」はご縁あって、奥井雅美さんご本人がコーラスを入れて下さるという神がかり的な機会に恵まれました。そういうのも、こだわりがあったからこそ、というか、好きだからこういう良い形になったのかなと思っています。

――山森さんのこだわりはありますか?

山森 : 『LOVE×CoverSongs』はCDのマスタリング・パターンとハイレゾのマスタリング・パターンが違っています。おそらく波形編集ソフトとかで見られると一目瞭然に分かるようになっています。ハイレゾでは、いわゆるダイナミックレンジを大事にするためにあまりコンプレッサーやリミッターをあえてかけすぎないようにしました。いわゆる、音圧を突っ込み過ぎていないと言うことです。そうすることで、より小さい音は小さく、大きい音はより大きく体感してもらえるように心がけて全曲をマスタリング・エンジニアさんにお願いしてます。メディアファクトリーとしてはフル・アルバムで初めてのハイレゾ配信だったので、ここからスタートする上ではどう聴いてもらうのがいいのかって考えた結果、そうなりました。

――では、ハイレゾでは気持ちいつもよりヴォリュームを上げて聴いてもらえると、より表現の違いがわかるということですね。

山森 : そういうことですね。

サビの〈あぁ〜〉っていくところのワッっていう広がり方がめっちゃ気持ち良かったです!

――わかりました。では最後にもう1曲聴きましょうか。『LOVE×CoverSongs』のなかでも人気が高いという「ラムのラブソンク」にしてみましょう。

再生中 5曲目「ラムのラブソンク」(OTOTOYでの試聴はmp3音質です)

――どうでした?

榊原 : 歌が歌なので、mp3だとヴォーカルが独りよがりな雰囲気になってしまって、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。どうしても変にヴォーカルが浮き出てちゃって、ひとりでやってる感じがしました。CDはちゃんと粒立っているというか、特にこの曲はSEっぽいのが多いので、そのSEが粒立って聴こえる。音ゲーに向いてそうな感じですね。ハイレゾは、良いバランスでみんないるので、サビの〈あぁ〜〉っていくところのワッっていう広がり方がめっちゃ気持ち良かったです!

――山森さんはどうですか?

山森 : SE感のあるサウンドというのは、イコール高域成分が多く混じっている、ということなので、mp3ではどうしてもカットされてる感がありますね。逆にCDクオリティになったとたんに「あぁ、こんな音出てたんだ」ってなります。ハイレゾにいくと、榊原さんがすごくかわいく作ってくれた声に、よりツヤ感が出て、「こういう世界観だったんだ!」というのが感じ取れましたね。ここまで聴き比べないので、スタジオでは。

榊原 : 聴き比べないですよね〜。

――こんなにも違いがでることをあらためて実感していただけたかと思うのですが、総括として山森さんは今後、ハイレゾ、ないし音質に関しては、どうなっていくと思いますか?

山森 : 今後、色んな意味でプロデューサーとしての味が出るのはハイレゾ化だと、僕は思っています。そして、今回僕がこだわったのが、マスタリング時、意図してアナログ機器を使うという方法をとったんですね。「なにそれ、デジタルでせっかくいい音なのに、アナログにしてるの」って皆さんビックリされるかも知れないんですけど、そこに介在しているアナログ機器はやっぱりプロ仕様なので、とても素晴らしい音がします。そしてその過程で使用するケーブルにも徹底的にこだわりました。中には1mが50万円するようなものをLRで使っていたりするんです。代表格で、クリスタル・ケーブル、銀製や、銅製、白金、金が入っていたりとか、色んなケーブルがスタジオに置かれていているので、エンジニアさんと共に、取り込みのとき、色々と聴き比べるんですよ。曲によって相性があって、銀系が良いのもあれば、銅系が良いのもある。そうそう、他作品でしたが、ハーフインチ・テープを回して、テープコンプをかけて取り込む、ということもしたことがあります。それで、単純にアナログ化することは悪ではないのかもしれないなっていうのも我々、送り出す側としては実際やってみてそう思ったんです。なので、そういった持ち味を生かしたハイレゾ作業が今後、担当プロデューサーにとって、やっていくのが当然になるのではなかろうか。僕ごときがやってるんならば、絶対そうだろう、と思ってるので、そういうところもぜひ期待していただきたいです。かつ、先ほどもお話に出ましたが、音圧を出すことが果たして良いのか迷ったりもしているので、やっぱり小さい音と大きい音を聴いてもらうことも実は良いことかもしれない。もちろん、それぞれのサウンドの持ち味なので、そればっかりやるんじゃないとは思うんですけども、そういったところも含めて、メーカー・プロデューサーはハイレゾ化を試みていくのではないかと、少なくとも僕はしていきたいし、そう思っています。

――ありがとうございます。そして榊原さんは今年活動が10周年目ということですが、音質も色々変化があってこういう時代を迎えていますが、榊原さんがこの10年で大きく変わったと1番に感じることはありますか?

榊原 : 業界的なことで言うと、アニソン・ゲーソンってこの10年で成長したというか、歌としてちゃんと認識されるようになったと思うんです。昔から携わってきた身からすると、名曲がなかなか日の目を見ず、表に出ていけないところもあったりしたなかで、今は音楽にたくさん興味を持って下さって、作品と共に歌も重要視してくださってるなって感じます。昔よりライヴに足を運んでくれる人が増えたので、生で聴く方はもちろん、日常で聴いていただける回数も昔より増えたと思うんですね。なので、音質のこだわりだったり、音に対するみなさんの感心の持ち方がすごく嬉しいです。

――ハイレゾという新たな価値も増えたことで、よりいっそう関心が高まると思いますね。まだ聴いてない方や、ハイレゾでの購入を迷ってる方に届いたらと思うと、非常に楽しいです。本日はありがとうございました。

榊原&山森 : ありがとうございました。

(インタヴュー : 飯田仁一郎)

RECOMMEND

Suara / the Best〜タイアップコレクション〜 (24bit/96kHz)

F.I.X.RECORDS随一の歌姫、Suara。2005年9月にゲーム主題歌『睡蓮-あまねく花-』でデビュー、数々のアニメやゲーム音楽を歌い、香港・韓国などでもライヴを行うなど多岐にわたる活動を続けている彼女の初のベスト・アルバム。CDや一般的なハイレゾ音源とはまったく異なる録音方式である、デジタル音源における最高音質"DSD"版もあり。

田村ゆかり、花澤香菜 / TVアニメーション「のうりん」挿入歌&エンディングテーママキシシングル (24bit/48kHz)

第1回ラノベ好き書店員大賞で堂々の1位に輝いた、大人気ライトノベル「のうりん」が2014年1月にTVアニメーション化。ヒロインである宇宙一のアイドル「ゆかたん」こと草壁ゆかを声を担当するのは田村ゆかり。1曲目に収録されている、ゆかたんの「コードレス☆照れ☆PHONE」が田村ゆかり初の、そして現状唯一のハイレゾ作品!! もうひとりのヒロイン、中沢 農(CV : 花澤香菜)とのデュエットで歌うエンディング・テーマも収録。

井口裕香 / Hafa Adai(24bit/48kHz)

アニメ「とある魔術の禁書目録」シリーズのヒロイン・インデックス役や、「物語」シリーズの阿良々木月火役でおなじみの人気声優・井口裕香が、待望の1stアルバム『Hafa Adai』をハイレゾでリリース!! デビュー曲の「Shining Star- ☆ ‐LOVE Letter」や、アニメ「とある科学の超電磁砲S」のエンディング曲「Grow Slowly」などのほか、井口本人による作詞曲も収録。

ハイレゾ機器に興味があるならコチラ!!

高橋健太郎のOTO-TOY-LAB――ハイレゾ/PCオーディオ研究室

第1回 iFI-Audio「nano iDSD」
第2回 AMI「MUSIK DS5」
第3回 Astell&Kern「AK240」(前編)
第4回 Astell&Kern「AK240」(後編)
第5回 KORG「AudioGate3」+「DS-DAC-100」

ハイレゾ・アニソンに興味があるならコチラ!!

おとといあにそん部

第1回 TVアニメ「のうりん」
第2回 TVアニメ「ノブナガン」
第3回 TVアニメ「てさぐれ! 部活もの あんこーる'
第4回 TVアニメ「極黒のブリュンヒルデ」
第5回 TVアニメ「ジョジョ」シリーズ&「神々の悪戯」
第6回 TVアニメ「ぷちます!! -プチプチ・アイドルマスター-」
第7回 TVアニメ「一週間フレンズ。」
第8回 TVアニメ「人生」

PROFILE

榊原ゆい

TVアニメ「乙女はお姉さまに恋してる」の梶浦緋紗子役、TVアニメ「スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ-」レオナ・ガーシュタイン役、「カオス;ヘッド -CHAOS;HEAD-」岸本あやせ役など声優活動をはじめ、TVアニメやゲーム主題歌を多数担当するシンガー・ソングライター。2014年8月27日に9枚目のアルバム『Amazing』をリリース。その他、振り付け、ダンサーやナレーターなど、マルチな活動を展開。

>>榊原ゆい Official HP
>>榊原ゆい Official BLOG


山森篤

KADOKAWAメディアファクトリーに所属する音楽プロデューサー。メディアミックス・プロジェクト「アンジュ・ヴィエルジュ」の声優ユニット"L.I.N.K.s(リンクス)"や、TVアニメ「クイーンズブレイド」の第1期「流浪の戦士」、第2期「王座を継ぐ者」やOVA「クイーンズブレイド 美しき闘士たち」などを手掛ける。

 
 

インタヴュー

Kotoe Suzuki、自らが歩んできた音楽の軌跡
・2018年06月20日・自らが歩んできた音楽の軌跡──Kotoe Suzuki、待望の1stアルバムを独占ハイレゾ配信スタート ブラジリアン、ラテン・ジャズ、ポップス、クラシックを見事に融合し、独自の音楽を表現するピアニスト「Kotoe Suzuki」。そんな彼女が待望のデビュー・アルバム『Kotoe』をリリースする。今作には、これまでに書き溜めてきた情感豊かなオリジナル曲と斬新にアレンジされたジャズ・スタンダード曲が収録されている。レコーディングには、ベテランから新進気鋭の若手ミュージシャンまで参加し更に強力な楽曲に。OTOTOYでは本作のハイレゾ配信をスタートするとともにインタヴューを掲載。記念すべき今作をぜひインタヴューとともにお楽しみください。 待望の1stアルバムを独占ハイレゾ配信Kotoe Suzuki / Kotoe'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(配信形態 24bit/ 48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】単曲 200円(税込) / アルバム 2,000円(税込)【収録曲】1. Teardrops from Heaven2. Bebe3. Samba da Pergunta4. So
by ?
“キメラなバンド”スサシの魅力に迫る──【対談】タナカユーキ × R-指定
[PICKUP]・2018年06月22日・いま1番“キメラなバンド”スサシの魅力に迫る──タナカユーキ(SPARK!!SOUND!!SHOW!!) × R-指定 ポップでファンキーでハードコアなサウンドと、ユーモアたっぷりのリリックで、さまざまなジャンルを横断するスサシことSPAK!!SOUND!!SHOW!! 。フルスロットルで活動してきた彼らが、ベスト・アルバム的、1stフル・アルバム『火花音楽匯演』を2018年6月6日にリリースした。今回このリリースを記念して、スサシのフロントマンであるタナカユーキとR-指定(Creepy Nuts)の対談を掲載。親睦が深く、お互いの楽曲にも参加している彼らだからこそわかる、スサシ、そしてCreepy Nutsの魅力とは!? 編集部もびっくりするほどノンストップで話が繰り広げられた対談をお楽しみください! スサシのベスト・アルバム的、初のフル・アルバム!! SPARK!!SOUND!!SHOW!! / 火花音楽匯演'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【価格】アルバム 2,000円(税込) / 単曲 250円(税込)【収録曲】''1. ドカーン2. ポップらしい。
by 岡本 貴之
ゆるめるモ! プロデューサー田家大知が語る、5年目以降の課題とは?
・2018年06月22日・ゆるめるモ! プロデューサー田家大知が語る、5年目以降の課題とは? そして無料で全国に講演へ伺います! 4人組ガールズ・ニューウェーブ・グループ、ゆるめるモ! が、結成から5周年を迎えた。そして、その集大成となる初のベスト・アルバム『音楽よ回れ!! MUSIC GO ROUND ~ゆるベスト!~』と、シングル『HIPPY MONDAYS EP』を2018年5月9日(水)に同時リリース。同2作品を提げ、リリース・ツアー真っ最中のゆるめるモ! のプロデューサー田家大知にインタヴューを敢行した。これまでの5年間を振り返り、ゆるめるモ!のこれからについて語ってもらった。そして、「もっとゆるめるモ! を広げたい!」という熱い想いから生まれた番外編スピンオフ・イベント〈ゆるめるモ! の音楽よもっと回れ!!~たけPのどこでも行くよ!~〉開催も決定! そちらもあわせてチェックを! 初のベスト・アルバムをハイレゾ配信中ゆるめるモ! / 音楽よ回れ!! MUSIC GO ROUND ~ゆるベスト!~'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(配信形態 24bit/ 48kHz) / AAC>>> ハイレゾとは?'【配信価格】単
by 西澤 裕郎
田んぼ、ベルリン、生活、そして天体──オオヤユウスケ(Polaris)×Bose(スチャダラパー)
・2018年06月20日・田んぼ、ベルリン、生活、そして『天体』──【対談】オオヤユウスケ(Polaris) × Bose(スチャダラパー) オオヤユウスケと柏原譲(Fishmans / So many tears)によるロック・バンド、Polarisが、前作『Music』から、実に3年4ヶ月ぶりとなるフル・アルバム『天体』をリリースした。OTOTOYでは今作をリリース日の2018年6月20日から1ヶ月間、独占ハイレゾ配信を実施します! Polarisサウンドを聴くなら絶対ハイレゾがオススメ! ぜひ作り込まれたそのサウンドを細部までお楽しみください。そしてこのリリースにあたり、Polarisのフロントマン、オオヤユウスケの指名によって、スチャダラパーのBoseとの対談が実現! 彼らがなにを考えて、この社会を生きているのか。2人の考え方に迫った対談をお届けします。 3年4ヶ月ぶりのフル・アルバムを期間限定独占ハイレゾ配信! Polaris / 天体'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】単曲 300円(税込) / アルバム 2,200円(税込)【収録曲】1.
by 鈴木 雄希
祝19周年!!〈WaikikiRecord〉所属バンド座談会──20周年に向けてつける色は?
・2018年06月19日・祝19周年!!〈WaikikiRecord〉所属バンド大集合座談会──20周年に向けてどんな色をつける?? ポップスをこよなく愛し、ELEKIBASSやワンダフルボーイズが所属する〈WaikikiRecord〉が19周年を迎える!!! 今回は2018年7月16日(月)、TSUTAYA O-NESTにて開催される、19周年記念イベント〈WaikikiRecord 19th ANNIVERSARY PARTY-Guaranteed to Make You Feel Good!-〉の開催にあたり、出演バンドであるELEKIBASS、ワンダフルボーイズ、空中カメラ、PARIS on the city! のそれぞれのフロントマンに集まっていただき、座談会を開催。またこの座談会の掲載にあたり、各バンド1曲ずつのフリー・コンピも期間限定で配信開始! これを機会にぜひ〈WaikikiRecord〉所属バンドの音楽に触れてみよう! イベント開催を記念してのフリー配信も実施中! WaikikiRecord 19th ANNIVERSARY PARTY-Guaranteed to Make You Feel Good!-'【配
by ?
“心動かす音楽”とは──高橋勇成(paionia)×たかはしほのか(リーガルリリー)
・2018年06月13日・なぜ音楽で涙腺を刺激することができるのか──高橋勇成(paionia)×たかはしほのか(リーガルリリー) 等身大でありながら力強い歌詞、そして繊細でありながら破壊力抜群なサウンドでリスナーを魅了するロック・バンド、paionia。2008年の結成から10年の時を経て、2018年6月13日に初の1stフル・アルバム『白書』を配信開始した。今回OTOTOYではこれまでpaioniaともライヴで多くの共演を果たし、彼らの音楽のファンであると公言するリーガルリリーのたかはしほのかを迎えて対談を掲載する。paioniaの音楽を聴いて、涙を流したというたかはしほのかが語るpaioniaの魅力とは。高橋勇成が語るリーガルリリーの音楽が心を打つ理由とは。そして彼らがなぜ歌を歌うのか、聴いたものの心に響く歌を作り続ける彼らの対談をおたのしみください。 10年目にリリースされる1stフル・アルバムを配信開始 paionia / 白書'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【配信価格】単曲 150円(税込) / アルバム 1,800円(税込)【収録曲】''1. バックホーン2. 田舎で
by ?
「ひがみソングの女王」関取花、新アルバムを配信開始
・2018年06月13日・あの日の“きらめき”や“ときめき”をそのままに──「ひがみソングの女王」関取花、新アルバムを配信開始 “ひがみソングの女王”として多くのメディアに出演し、注目を集めるシンガー・ソングライター、関取花が2018年6月13日(水)に新アルバム『ただの思い出にならないように』をリリースする。LUCKY TAPES、おかもとえみ(フレンズ他)栗原正己&川口義之(栗コーダーカルテット)、田中佑司(bonobosほか)、神谷洵平(赤い靴ほか)など、多彩なゲストが参加した今作をOTOTOYでも配信スタートしました。“あの頃のきらめき”や“あの時の感情”をそのままに詰め込まれた今作を掘り下げるべく、関取花へのインタヴューを行なった。 多彩なゲストも参加した新アルバム 関取花 / ただの思い出にならないように'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】単曲 250円(税込) / アルバム 2,000円(税込)【収録曲】1. 蛍2. しんきんガール3. 親知らず4. オールライト5. バイバイ6. 動けない7. 朝8. あの子はいいな9.
1stオニアルバム『GAWARA!』をハイレゾ・リリース! ──ONIGAWARAって一体ナニモノヨ?!
・2018年06月08日・1stオニアルバム『GAWARA!』をハイレゾ・リリース! ──ONIGAWARAって一体ナニモノヨ?! 竹内サティフォと斉藤伸也による、スーパー J-POPユニット、ONIGAWARA。1stアルバム『エビバディOK?』をリリースし、全国デビューを果たし、ペンライト・シングルやインスタントカメラ・シングル、写真集シングルなどどいった変わり種シングルをリリースしてきた彼ら。そんなONIGAWARAが、2018年6月8日(金)に“1stオニアルバム”『GAWARA!』という、一見ハチャメチャなアルバムをリリース! リリースに合わせて今作『GAWARA!』を、OTOTOYにて1ヶ月間の期間限定独占ハイレゾ配信でお届け。今回先行シングルであり、収録曲の「ナンバーワンちゃん」にちなんで、犬カフェ『肉球のきもち』さんで取材を敢行。ONIGAWARAのふたりとワンちゃんによるキュートな写真も要チェックです! 約1年3ヶ月ぶりとなるニューアルバムを期間限定独占ハイレゾ配信 ONIGAWARA / GAWARA!'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価
by 岡本 貴之
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。